検索画面に戻る Go Research



(910Kb)

[B−8 大気の酸化能と温室効果ガスの消滅過程をコントロールする反応性大気微量気体の大気質へのインパクトに関する研究]

(1)NOy化学種の生成・変質・除去過程の研究

ね機硫黄化合物の光酸化反応に関する研究


独立行政法人 国立環境研究所

 

 EFFフェロー

Iulia V.Patroescu-Klotz

 大気圏環境研究領域 大気反応研究室

畠山史郎


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成11〜13年度合計予算額: 5,994千円
 (平成13年度予算額 1,997千円)

[要旨]

 大気中における有機化合物の光酸化反応の機構を検討するために、光化学反応ボックスモデルおよび光化学チャンバー実験の両面から大気中での反応を調べた。
 まず、最初に光化学ボックスモデルを構築し、プロペン−NOx−空気系光化学反応の実験データが再現できることを確認した。さらに、この基本モデルに塩素原子の反応を加えて、光化学スモッグ反応に塩素原子が加わったときに、光化学オゾンの生成にどのような影響が現れるかを検討し、光化学チャンバーを用いたプロペン−NOx-C12−空気系の光照射実験の結果を定性的に再現することができた。
 次に、大気中におけるエアロゾル生成反応として重要な有機硫黄化合物の光酸化反応を調べた。DMSの気相酸化反応をNOxの存在下及び非存在下に行った。NOx過剰の条件下では大量の粒子の発生が見られた。粒子生成は必ずしも高湿度でなくてもみることができた。このことは不均一過程のみが粒子生成に与っているのではないことを示している。メタンスルホニルペルオキシナイトレートが粒子を形成する。この化合物が海洋周辺の低汚染地域で生成しているものと考えられる。
 DMS及びDMSO両方の気相酸化において新たな粒子を生成するソースとしては、SO2が最も重要である。SO2の酸化はH2SO4形成を経由して進行し、次に均一又は不均一核形成が起こることがわかった。エアロゾル形成への温度の影響を調べたところ、NOx不在下では、温度が298Kから318Kに上昇すると、粒子形成の抑制が確認された。化学的特性からというよりも、核形成過程及び副産物の分割取り込みに関連する物理的特性からの方がよく説明できる。
 これらの結果、海洋境界層における雲凝結核の形成及び生長成長のイメージが、明確になった。


[キーワード]

 エアロゾル、ジメチルスルフィド、光酸化反応、海洋境界層、対流圏