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[B−8 大気の酸化能と温室効果ガスの消滅過程をコントロールする反応性大気微量気体の大気質へのインパクトに関する研究]

(1)NOy化学種の生成・変質・除去過程の研究

9盖薀▲襯灰シラジカルとナイトレート生成に関する研究


独立行政法人産業技術総合研究所

 

 

エネルギー利用研究部門

燃焼反応制御研究グループ

大屋正明

 

土屋健太郎

 

椎名拡海

豊橋技術科学大学工学部

 

松為宏幸


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成11〜13年度合計予算額 8,043千円
 (うち、平成13年度予算額 2,681千円)

[要旨]

 酸素および一酸化窒素共存条件下で、C1-C3沃化アルキルRIを248nm(KrF excimer laser)を用いて光分解し、アルコキシラジカルROを発生させる。アルコキシラジカルの反応による生成速度、および一酸化窒素との反応による消費速度をレーザー誘起蛍光分光法(LIF)を用いて直接決定した。反応(3)は大気環境光化学サイクルの重要な反応過程のひとつであるがこれまでアルコキシラジカルの(2)−(4)の反応機構における生成・消費速度を直接LIFにより測定した報告は無い。本研究における反応((3),(4)の速度定数の測定結果は従来の測定結果とおおむね一致していることが確認された。最小のアルコキシラジカルであるCH3Oについては、熱分解過程の測定を行い、低圧極限領域にある2次反応速度定数のアレニウス式として、希釈媒体がHe,N2それぞれの場合に対して
kt,N1=2.8×10-1exp(-84.3 kJ mol-1/RT)cm3,molecule-1 s-1
kt,N2=4.3×10-1exp(-84.1 kJ mol-1/RT)cm3,molecule-1 s-1
が得られた。さらに、アルコキシラジカル類似の構造を持ち、燃焼・大気化学的に重要な反応中間体であるビノキシラジカル(CH2CHO)ついて、酸素分子との反応速度を測定し、生成物を定量した。反応速度定数は10-200Torrの範囲で圧力に依存し、fall-off領域にある。生成物としてヒドロキシラジカル(OH)が検出され、この定量を行った。OHの生成速度はCH2CHOと酸素の反応速度とほぼ一致し、直接的生成物である事が示唆された。OH反応収率は10-40Torrで0.1-0.2程度と推定される。さらに、メチルビノキシラジカルと酸素分子との反応を直接的に測定し、CH2CHOと酸素分子の反応速度定数に比較して、4-5倍程度速い事が明らかとなった。
 本研究はこれまでの研究に比べてより高感度の計測手法に基づくものであり、信頼性が高いものと考えられるため、今後の大気光化学サイクル・燃焼化学の基礎過程の理解において重要な意義を持つと考えられる。


[キーワード]

 アルコキシラジカル、レーザー誘起蛍光分光法、大気環境化学過程、化学反応速度