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はじめに

 地球の温暖化は、地球の気候システムに危険な攪乱を及ぼすものであり、予想される影響の大きさや深刻さという点から人類の生存基盤に関わる最も重要な環境問題の一つである。また、その影響は将来世代にわたって生じるが、直ちに対策を開始しなければならないという意味で、未然防止対策の重要性という人類が環境問題に関してこれまで学んできた経験を適用すべき課題である。
 内閣総理大臣の要請を受けて開催された地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会合同会議においては「本合同会議が示した地球温暖化対策の基本的方向を踏まえ、関係省庁連携の下に、地球温暖化対策を深く掘り下げ、具体的な実効性ある対策が総合的かつ計画的に講じられるべきである」とし、「今後、それぞれの審議会において、2010年及びそれ以降に向けた政策の具体化に着手するものとする。(中略)今後、我々が、それぞれの審議会において、地球温暖化対策について審議を深めるに当たり、国民の意見により一層耳を傾け、同時に積極的に情報を提供することに努めることとする。」とされている。
 本審議会においては、既に今後の地球温暖化防止対策のあり方について本年8月以降7回にわたり審議してきたが、今般、1997年12月に京都で開催される気候変動に関する国際連合枠組条約第3回締約国会議以後、我が国における地球温暖化防止対策を検討していくに当たっての検討課題を中間的に整理し、取りまとめたので、これを公表し、広く国民からの意見・提案を得ようとするものである。