議事録

第16回化学物質と環境円卓会議 講演等に関する意見

 第16回化学物質と環境円卓会議においては、4人からの御講演の後、講演等に対する意見をフロアーから書面で寄せていただきました。頂いた意見のうち、会場での議論をより活発にするために有効と考えられたものについては、会議中一部紹介させていただきましたが、ここでは、参考までに、すべての意見を紹介いたします。なお、当該意見は会場での議論における活用を目的として頂いたものであり、個別の回答は行いません。

木村さん講演

  • 県内でリスクコミュニケーションを実施している工場は6工場と伺ったが、今後の見通しとして、100工場くらいにまで広げるのは何年くらいかかりそうか。(一般)
  • 福島県内で今回講演された企業以外で地域住民とリスクコミュニケーション(第2段階以上)を実施している企業数を教えてほしい。企業の名前も分かれば教えてほしい。(一般)
  • 製造事業者に対して、「PRTR」及び「化学物質適正管理指針」の届出を徹底願いたい。(特に管理指針に関しては、対象:454物質、使用量100kg/yearと集計に手間が掛かるため届出洩れ事業者は多数あるのではないか) また、将来、「情報公開」をご検討いただきたい。(一般)
  • 化学物質の適正管理は、当然なされなければならず、さらに徹底した管理をお願いしたい。地域住民とのリスクコミュニケーションの効果を高めるには、情報の公開はもちろんだが、市民の化学物質に対する意識を高めることが重要だと思う。それには、河川の汚染原因の50%が家庭にあることをアピールし、合成洗剤や農薬(殺虫剤・除草剤)の使用など市民も毎日汚染の原因をつくっていることを認識させる方法を検討すべきだ。(環境NGO等)
  • 国のPRTR調査と県の化学物質適正管理指針に基づく調査を分ける意味は? 一本化して効率的に運用させては?(事業者)
  • 話が早すぎると感じた。テーマをしぼって具体的に話してほしかった。(一般)

須能さん講演

  • 地域とのコミュニケーションを良くとり、環境保全に努めているのが感じられた。(一般)
  • 地区住民とのコミュニケーションとして何を行っているのか?(事業者)
  • リスクコミュニケーションへの参加は、地区役員以外の一般住民でも可能か。呼びかけはどのようにやっているか。(その他)
  • 地域対話集会で地域の方からどのような質問や意見があったか、もう少しくわしく説明してほしい。(一般)
  • 会社としていろんなリスクマネジメントをしていると思うが、レスポンシブルケアによる対話での情報公開で相手に誤解を生ませない表現はどのようにしているか知りたい。(社内的に対応策が未完のもの、また人に頼って不完全なリスクマネジメントなど)(事業者)
  • まるいち資料P6のRC説明会次第に、招待者からお話を頂く時間があるが、目的は何か。中立的な立場の方だからか? まるにレスポンシブルケアの実施頻度は毎年が良いのか。状況が大きく変わらないように思うが?(事業者)
  • PRTR法対象物質の使用量の推移は?(事業者)
  • 「ポリ塩化ビフェニル」クレラップは焼却すればダイオキシンが出るが、ポリエチレン製のラップは製造していないか。少々、ポリエチレン製ラップは切れあじが悪いが、環境負荷は少ないと思う。(一般)
  • ダイオキシンの流出、廃油の埋立て、地域住民への臭気の問題等、リスクを多く含んだ企業なので“今後絶対に出さない”という活動が必要ではないか。(その他)
  • クレハの廃棄物(埋立)2.152tあるが、将来、土壌汚染(地下水)やガスの発生による大気汚染や悪臭等の懸念はないのか、埋立方法等についてお伺いしたい。(環境NGO等)

丹野さん講演

  • 非常に身近なところから地域住民との交流をはじめ、いずれはPRTRのリスコミを行っていこうということに好感をもった。やはり、いきなり工場説明というのではなく、まずは対話をする下地づくりが大切だと思った。(行政)
  • まとまった説明で地域とのコミュニケーションに努力しているのが伝わった。(一般)

河合さん講演

  • 特に地方においては、化学物質に関するリスクは小さいかもしれない。せっかく、コミュニケーションの場を設けるのであれば、クレハの須能さんの話にあったように、保安・防災や騒音・粉塵に関する話題でも良いのではないか。(その他)
  • 良く分析されて分かりやすい説明だった。(一般)
  • “変な人”の取扱いについては、建前としては「誰でも」が良いに決まっているが、とりかかり(第1段階)では、基本的な地元住民などの関係者を対象とし、全国区の活動家などは対象から遠慮いただいた方が良さそうだ。特に、中小企業など体力のない会社では、人材的にも大変かと思うので。ただし、行政の場合は「誰でも」が原則と思う。そういう意味では、河合さんの考え方に賛成。(行政)

全員

  • リスクコミュニケーションに関して、企業と住民の関係が今後重要なのは分かるが、このような状況の中で、行政はどのような立場でこの問題(化学物質リスク)に関わっていくべきなのか。(行政)
  • 話を聞いているうちに、リスクコミュニケーションとは何か、ますます分からなくなってきた。市民、産業、ユーザー企業などの代表の方から各々のリスクコミュニケーションの考え方を伺いたい。(行政)
  • 環境面で実害は発生していないが、今後のリスクが予想される課題がある場合、リスクコミュニケーションの主催となる側は、企業が行うべきかどうか。行政側が主催、地域が主催、いずれの場合がよいか。(事業者)
  • (事業所、環境カウンセラーの方々へ)行政のリスクコミュニケーション対策に対する要望がなかったように見られたが、何かあれば。(行政)
  • 化学物質の低減は、いつかは下げ止まりとなると考えられる。その時点でリスクコミュニケーションについてどのような展開が必要と考えられるか。(行政)
  • 本会議を通して、事業者は行政と一般住民とをつなぐひとつのミッションも負うとの認識を改めて持った。企業の社会的責任のひとつとして。(事業者かつ一般住民の立場から)(事業者)
  • 企業の立場で参加したが、具体的事例2例、化学物質アドバイザー1例、とても参考になった。気になった点は、企業側でさえ理解できないような化学物質がたくさんあり、それを地域住民が短時間のコミュニケーションで理解することは不可能であること。常に地域に開かれた企業を目指すべきという趣旨と理解した。(事業者)
  • 化学物質のヒトへの影響の可能性は、多くの場合、マスコミを通じて国民の知ることとなり、パニック状態になることもある。マスコミ報道と市民の受け止め方、行動のあり方についてアドバイスを。(行政)
  • PRTRの認識について、本議論の目的は、Pollutantの総排出量の削減であり、PRTRはこのために、「いつ」「誰が」「何を」すべきかを図るための数的材料を提供する道具、と考えるべきではないか。(事業者)
  • 川上企業(生産・販売)と社会のコミュニケーションが話題の中心になっているが、川下企業(産廃処理企業)とのコミュニケーションも並行して展開されるべきではないか。多分、失うものの少ない川下企業との対応の方が難しいが、効果がでるのではないか。(事業者)

その他

  • 環境ホルモン問題について、種々の議論がありましたが、現時点におけるとらえ方を整理された考え方を御紹介いただきたい。(各々の立場で)(行政)