1.日時 平成25年9月30日(月)15:00~17:45
2.場所 一般財団法人日本気象協会 第一・第二会議室
3.出席者(五十音順 敬称略)
- (委員)
- 秋元 肇 板野 泰之 井上 和也 指宿 堯嗣
岩崎 好陽 浦野 紘平 大原 利眞 金谷 有剛
坂本 和彦 紫竹 益吉 下原 孝章 竹内 庸夫
橋本 光正 八田 拓士 星 純也 向井 人史
若松 伸司 - (事務局)
- 環境省水・大気環境局大気環境課 後藤課長補佐、山口技官
一般財団法人 日本気象協会
4.議題
(1)平成25年度光化学オキシダント調査検討会について
(2)データの多角的解析について
(3)シミュレーションモデルを用いた検討の進め方について
(4)VOCモニタリングデータの整理・検証について
(5)その他
5.配付資料
- 資料1
- 平成25年度光化学オキシダント調査検討会の検討内容
- 資料2-1
- データの多角的解析結果(実施状況と課題)
- 資料2-2
- 環境改善効果を適切に示す指標について
- 資料2-3
- データの多角的解析結果(新たな解析結果)
- 資料2-4
- データの多角的解析結果報告書(骨子案)
- 資料3
- シミュレーションモデルを用いた検討の進め方について
- 資料4
- VOCモニタリングデータの整理・検証の進め方について
- 参考資料1
- 平成25年度光化学オキシダント調査検討会開催要綱
6.議事内容
議題(1)平成25年度光化学オキシダント調査検討会について(資料1)
- 資料1「平成25年度光化学オキシダント調査検討会の検討内容」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 中央環境審議会 大気・騒音振動部会から上がった検討課題として「光化学オキシダントの緊急対策である事業者に対するNOx排出抑制の要請について、その有効性について検討が必要」が指摘されていた。本検討会でもNOxと光化学オキシダントの関係についても検討を進めていく。
議題(2)データの多角的解析について
- 事務局より資料2-1「データの多角的解析について(実施状況と課題)」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 本検討会の議論では、「光化学オキシダントの環境改善効果を適切に示す指標」を提言し、健康影響などのリスク評価は行わない。
- 「エピソード解析に基づく再現性の検証」は、「観測データによるモデルの検証」に修正する。
- オキシダントのあるレベル以上の全積分量の変化など、Ox総量の変化が重要なパラメータになると考えられる。高濃度大気汚染の解析だけでなく、Ox総量の観点からも検討が必要。
- 「我が国の一般大気中のVOC標準組成の設定」は、誤解を招く恐れがあるので適切な言葉に修正する。
- 平成26年度以降の調査の見通しは、事務局の宿題とする。
- 将来シナリオの検討は非常に重要な課題であり、設定の考え方を含め議論が必要。
- 事務局より資料2-2「環境改善効果を適切に示す指標について」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 概ね年間99パーセンタイル値でよいと思うが、議論に一貫性を持たせるために4~9月の統計値で検討したほうがよい。
- 外れ値も大事なので、外れ値1%を含めて2%ぐらいの高濃度日について気象を含めて別の解析が必要。
- 今後、99パーセンタイル値で評価する際には、測定値の統計的変動とシミュレーションの不確かさを別に取り扱う必要がある点には注意が必要。
- この検討会では8時間値3年間平均の99%値ということで今後整理していく。そのときには、年間と4~9月の統計値の両方の資料を見て検討する。
- 事務局より資料2-3「データの多角的解析結果(新たな解析結果)」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- OxとPOの比較を行う際には、NOx・Oxを同時に測定している局のみで解析すべき。
- 統計として98、99、99.9パーセンタイル値など、様々な統計値があり、何を指標にすべきかわかりにくくなる。整理したうえで、解釈や考察は丁寧に行うこと。
- 1時間値と8時間値の統計をNOxでも行った方がよい。
- 光化学オキシダントの「1時間値の8時間平均値の日最高値(8時間値)」が「1時間値の昼間の最高値(1時間値)」の散布図で、8時間値が1時間値を上回るケースがある。通常このようなケースは考えにくいことから要因を把握しておくこと。
- 8時間値を算出した際の統計処理手順を整理した資料が必要。
- 事務局より資料2-4「データの多角的解析結果報告書(骨子案)」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 報告書の中で「多角的」という表現がある。「多角的」と表現する必要はないと考えるので、表現を検討すること。
- 「2.6 解析結果についての留意点」にある校正法変更後のデータの取り扱いを決めておく必要がある。
- 校正法変更時期や濃度への影響は自治体によって異なる。別に全国的な調査を行い、何らかの補正係数を算出することをしているので、この結果も参考に、校正法変更後のデータの取り扱いを決めるとよい。
- 「環境改善効果を表す指標」だと、最初に環境改善ありきで、後付けで無理やり「指標」を付けているような印象をうけ、「光化学オキシダント対策の効果」のほうが良いのではないか。一方で、環境基本計画の中で「環境改善効果を適切に示す指標を検討する」となっていることから、今後の検討事項とする。
議題(3)シミュレーションモデルを用いた検討の進め方について
- 事務局より資料3「シミュレーションモデルを用いた検討の進め方について」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 文献調査の対象として、行政の調査報告書は、本検討会の議論に有効なものは少ない恐れがある。ただし、国内でも幾つか学術論文等で成果発表をした、国内を対象にしたシミュレーションモデルの結果があるので、それらについては調査対象とする。
- 植物起源VOC排出量などの不確実性の検討は、未知VOCの影響という形でフレームの中に組み込む。
- 「最適なシミュレーションモデルのフレーム」の表現は、「シミュレーションのフレーム」に修正する。
- 「複数モデル」とした場合、「気象モデル」・「化学輸送モデル」を複数扱う印象を受ける。気象モデルは共通に利用し、化学輸送モデルを複数比較することを明記したほうが、混乱がない。
- 現在のEPAのガイドラインでは、精度を評価する統計指標(BIAS、Gross Errorなど)に、目標値は設定されていないので確認すること。
- 精度検証では、週末効果、地域分布の再現の他、OHラジカル、全硝酸、ホルムアルデヒドなども検証するよう計画すべき。
議題(4)VOCモニタリングデータの整理・検証について
- 事務局より資料3「VOCモニタリングデータの整理・検証の進め方について」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- シミュレーションモデルで不明なVOC等の影響を検討し、どのぐらいの量があればモデルで再現できるようになるのか検討したほうがよい。
- MIRやkOHを用いた解析は元来、排出量にMIRを掛けて比較するものであり、一般大気の環境中のVOC成分は、MIRが高いものは、既に測定時点で反応により減っているの で評価に際には注意が必要。
議題(5)その他
- 事務局より第2回検討会の日程について説明した。
以上