委員長に坂本委員を選出後、環境省から検討会の公開方針について説明が行われ、原案のとおり了承された。
(1)(株)島津製作所からの説明聴取
(株)島津製作所(以下「島津」という。)から説明を聴取した後、委員から質問を行った。
島津の説明の概要は次のとおり。
- JISにある光学フィルターを装着していない機種を納入していた。
- 不具合があったものについて、これまでは個別に対応してきたが、今後は全ての不具合に対して総合的に検討し統一した対応をとる。
- 光学フィルターを取り付け、JISに対応する。
(主な質疑と島津製作所の回答について)[委員:○ 島津製作所:●とする。]
- ○構造的に基本的な欠陥があったらリコールになるのではないか。
- ●実質的にリコールと同様な対応によって不具合を解消してきた。
- ○JISに明記されているフィルターがついていないと言うことは、JISの規格を満足していないと言うことになるのではないか。
- ●JISにある装置構成というものは一般的表現であり必ずしも明確になっていないという解釈をしていた。性能基準と測定方法を満たしていれば、フィルターについては不要ではないかという認識があった。
- ○測定異常の現象に対して実験的な検証は行ったのか。
- ●結果的には測定異常の現象の原因について勝手な判断で推測してしまったため実験的な検証はきちんとできていなかった。
- ○測定の不具合が生じた場合に、他社の装置と比較することを検討しなかったのか。
- ●他社湿式との比較は実施した。乾式の他社の装置との比較は行っていない。
(2)アンケートの結果について
事務局より、島津製NOx計を設置している自治体に対してアンケートを行った結果について説明が行われた。委員からの主な意見は次のとおり。
- アンケートの回答は、事務局で、統一した見方で濃度差のランク付け等の分類をして、整理したほうがよい。
- 事務局は、島津製のNOx計と他社のNOx計で測定しているような所で、濃度の段差やNO2/NOx比等のデータを複数用意すべき。
(3)検証方法について
主な意見は次のとおり。
- 過去データの検証は、三宅島の火山ガスの影響がある時間帯に的を絞った解析が必要。
- 基本性能試験及び並行試験の試験報告書では、フィルターの特性等も含め、データの解釈に必要となるような情報を入れること。
(4)再発防止のための方策について
主な意見は次のとおり。
- メーカーが示しているマニュアルの記載内容は外国に比べ不十分。
- 測定機を取り扱う担当者、測定機の内部構成を把握できる担当者の欠如が問題であり、関係者の教育が必要。
- 乾式のNOx計で想定されていない干渉物質の干渉成分についても、性能試験を行うよう、今後見直す必要があるのでは。
- 環境省の常時監視マニュアルに測定機械のチェック項目を追加したらどうか。
(5)今後のスケジュールについて
事務局の提案に基づき実施することを了承する。