環境省大気環境・自動車対策微小粒子状物質健康影響評価検討会

第4回微小粒子物質健康影響評価検討会 会議録


1.日時

平成19年10月30日(火)14:00〜16:53

2.場所

虎ノ門パストラル6F ロゼ

3.出席者

(委員)
安達 修一    上島 弘嗣    内山 巌雄
香川  順    川本 俊弘    工藤 翔二
小林 隆弘    坂本 和彦    佐藤  洋
島  正之    祖父江友孝    高野 裕久
富永 祐民    新田 裕史    溝畑  朗
森田 昌敏    横山 榮二    若松 伸司
(環境省)
竹本水・大気環境局長
岡部総務課長
松田総務課課長補佐

4.議題

(1)前回検討会における文献調査指摘事項について
(2)健康影響評価の進め方について
(3)ワーキンググループの設置について
(4)その他

5.配付資料

資料1    前回検討会における文献調査指摘事項について
資料2    健康影響評価の進め方について
 資料2―1 健康影響評価検討会におけるこれまでの主な意見について
 資料2―2 粒子状物質の特性に関する知見の整理の進め方
 資料2−3 曝露評価に関する知見の整理の進め方
 資料2−4 生体内沈着・体内動態に関する知見の整理の進め方
 資料2−5 毒性学研究の健康影響に関する知見の整理の進め方
 資料2−6 疫学研究の健康影響に関する知見の整理の進め方
資料3    ワーキンググループの設置について
参考資料1  委員名簿
参考資料2  健康影響評価検討の進め方
参考資料3  健康影響評価にあたっての検討項目

6.議事

【松田補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第4回微小粒子状物質健康影響評価検討会を開催いたします。
 お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。なお、資料については封筒の中に入っておりますので、取り出していただければと思います。
 それでは、配付資料一覧を読み上げます。資料の1、前回検討会における文献調査指摘事項について。資料の2、健康影響評価の進め方について。資料2−1が、健康影響評価検討会におけるこれまでの主な意見について。2−2は、粒子状物質の特性に関する知見の整理の進め方。2−3が、曝露評価に関する知見の整理の進め方。2−4が、生体内沈着・体内動態に関する知見の整理の進め方。2−5は、毒性学研究の健康影響に関する知見の整理の進め方。2−6が、疫学研究の健康影響に関する知見の進め方です。資料3が、ワーキンググループの設置についての資料です。参考資料の1は委員名簿、2は健康影響評価検討の進め方、3が健康影響評価にあたっての検討項目ということで、第1回の検討会でお示しした資料を参考までにつけております。もし資料の不足がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
 それでは、これ以降の会議の進行は、開催要綱により座長が会議の議事運営に当たることとされておりますので、内山座長にお願いいたします。

【内山座長】 それでは、お忙しいところ、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。きょうもまた2時から一応予定は5時ということで、3時間ぐらい予定しておりますので、途中、もし余裕があれば、休憩を挟みますけれども、一応連続してというスケジュールになっておりますので、適当にお休みいただければと思います。
 本日、議題は3つございますけれども、まず1番目の議事であります、前回検討会における文献調査指摘事項についてということでございます。
 前回、ご熱心な議論をいただきまして、いろいろ宿題等もございました。その件につきまして文献調査報告についてご指摘のあった事項につきまして資料が用意されておりますので、まず、これについてご議論をお願いしたいと思います。
 事務局の方から資料1のご説明、よろしくお願いします。

【松田補佐】 それでは、資料1を用いてご説明をいたします。前回の検討会におきまして毒性に関する動物実験についての研究の知見について、委員の方からご指摘をいただき、それにつきまして知見の整理をしてまいりました。
 主な事項として5つの事項がありまして、1番目が100μg/m3〜300μg/m3程度での動物実験による知見、2番目が粒子状物質とオゾンとの複合曝露に関する知見、3番目がガス状物質との複合曝露に関する知見、4番目が沿道・道路上大気の影響に関する知見、5番目が動脈硬化に対する微小粒子状物質の作用機序に関する知見です。
 開きまして、まず1番目でございます。このご意見につきましては、工藤委員から、低濃度曝露、比較的低濃度な曝露条件についての実験は含まれているのかというご指摘がありました。工藤委員からは、このことに関し文献も含まれているかどうか確認をしてほしいというご指摘がありました。
 また、横山委員からも、比較的低濃度の曝露条件についての知見が重要というご指摘もございました。
 それでは、どのような状況であったかということを今からご説明をしますと、比較的低濃度なものということで、曝露濃度が300μg/m3以下の条件を含む文献として、レビューの文献中56件ありました。臓器別に見ますと、呼吸器について肺組織の変化、BALF、気管支肺胞洗浄液に関する各指標、炎症反応、アレルギー反応等を検討した調査は40件。このうち大気中から捕集した粒子状物質(CAPs)などを曝露したものは11件、DEまたはDEPを曝露した調査が17件、金属粒子、炭素粒子、硫酸エアロゾルなどの粒子を曝露したものは13件でした。
 循環器に関する調査は15件、大気から捕集した粒子状物質を曝露した調査は11件、DEまたはDEPは2件、炭素粒子が2件という状況でした。
 その他の非がん影響に関する調査は8件、DEPの発がん性に関する調査は1件でした。
 実験動物としては種々のもの、正常なラット、マウス、イヌのほか、モノクロタリン処置をした肺高血圧症ラット、SHR、アポリポ蛋白E欠損のマウス、OVA感作マウスなどの高感受性群の動物なども用いられていました。循環器系については、やはり動脈硬化についての影響が見られるというアポリポ蛋白E欠損マウスを使用した事例が多かったという状況でした。
 結果の概要について簡単にご説明しますが、これらのCAPs曝露について、BALF中の総細胞数、タンパク質、LDHの増加、肺炎球菌の肺クリアランスの低下、酸化ストレスの上昇など呼吸器に関連した反応が認められたものが7件、低濃度のDE、DEPの曝露によって上皮細胞の増殖・肥大など、いろいろと知見として見られたものが6件、あとは炭素の超微小粒子の曝露によって肺の炎症、アレルギー反応などの反応を示すものが4件、あと、煤とか鉄の混合物の曝露、これによって酸化ストレスや肺胞形成阻害が見られるものが2件ありました。
 循環器への影響としては、CAPs、道路上大気中の粒子状物質の曝露によって、心拍数、心拍変動、大動脈プラークの形成等の反応が8件ほど報告されています。このうち病態モデル動物について、正常動物よりも影響を受けやすいものが4件ほどありました。DEPについての循環器系への影響としては、心拍数の増加、PQ間隔の濃度依存的な延長等の不整脈の存在が報告されております。これは1件あります。
 次に、神経系についても、CAPs曝露が、脳内での神経変性を誘導するという報告もありました。また、DEPによる肺がん影響に関する調査について1件、認められなかったとする報告がありました。
 その次、2番目に、複合影響に関する知見ということで、これはオゾンです。これは島委員の方から3番のものも含めてご質問があったところです。
 件数として、オゾンとの共存曝露に関するものは11件ありました。粒子状物質としてはCAPs、あとはオタワ標準粉塵等の大気中の微小粒子状物質、硫酸エアロゾル、炭素粒子、あとは燃焼起源の粒子状物質のROFA、DEPなどが用いられています。いずれも呼吸器系への影響に関する調査でした。これとは別にオゾンを曝露して誘導した肺高血圧症モデル動物に粒子状物質を曝露した調査も2件ありました。
 そのほか、動物については正常動物のほかOVAで感作した喘息モデルマウス、肺を損傷したモデルとしてエンドトキシン曝露マウス等、高感受性群の動物が使われているというところでした。
 結果につきましては、粒子状物質とオゾンの複合曝露によって相加的な影響があるという調査が6件ありました。また、CAPsやオタワ標準粉塵等大気中の粒子状物質とオゾンの複合曝露によって、単独曝露よりも肺機能の低下、喘息時炎症反応の亢進、組織の再生、肺の炎症反応など、呼吸器の毒性が増したという報告もありました。
 一方、粒子状物質とオゾンの複合曝露を行っても、それほど相加的な影響の増加は認められなかったとする報告も5件ほどありました。
 次に、オゾン以外のガス状物質の複合影響に関する知見です。これについては6件ありました。主にはSO2、これが多かったところです。
 結果の概要ですけれども、硫酸エアロゾル、CAPs、カーボブンラックなどの粒子状物質とSO2を複合曝露した調査では、肺機能、肺胞マクロファージの貧食能、不整脈の発生などを指標としていて、これらの指標について粒子状物質とSO2の相加的な影響があると明示している文献を確認することはできませんでした。
 カーボンブラックとSO2マウスに混合曝露すると、カーボンブラック上に硫酸塩が増加して、この硫酸塩濃度に依存して肺胞マクロファージの貧食能が低下したという報告もありました。
 また、DEP抽出物でコーティングしたカーボンブラック粒子とNO2及びSO2を長期曝露すると、肺腫瘍形成、DNA付加物の形成が認められ、NO2やSO2がDEP抽出物による肺腫瘍の誘導を促進しているという報告も1件ありました。
 これらの研究とは別に、粒子状物質を曝露する前にSO2を暴露することで誘導された慢性気管支炎モデル動物と正常な動物との比較を行ったものもありました。
 次に、香川委員から質問がありました、沿道上の影響を見た知見はあるのかということでしたが、それで「道路」「路上」「沿道」など道路に関連する用語でさらに検索をしました。それに基づいて確認したところ、4件ほどありました。これらは呼吸器系、循環器系への影響が2件、呼吸器系と免疫系の影響を見たのが1件、変異原性に関する知見が1件ありました。
 道路上及び道路沿道の大気や、それらの大気から捕集した粒子を老齢ラットや易感染性ラット、SHR、マウスに対して吸入曝露する実験を行っています。その結果、血漿エンドセリンの増加、炎症性細胞の活性化、自律神経系への影響、心拍数の変動、アレルギー反応指標の増加などの影響が見られています。また、製鋼所と高速道路に近い場所から採取したCAPsを曝露したマウスを交配させて生まれたマウスにおいて遺伝子の変異を検出したという報告も1件ありました。
 次は、動脈硬化に関する作用機序に関する知見です。これについては上島委員から質問として出されたところです。
 まず、微小粒子状物質の曝露によるフィブリノゲンの増加やアテローム性動脈硬化症を悪化させるように作用することについて述べた文献は8件、このうち、吸入曝露が7件、気管内投与が2件でした。
 これらの調査のうち、3件では動脈硬化疾患モデルマウスの一種のアポリポ蛋白欠損マウスを用いていました。そのほかではSHRを用いていました。粒子状物質としてはCAPsやPM2.5などの大気中粒子状物質が6件、ROFAが2件、曝露させておりました。
 その結果の概要としては、アポリポ蛋白欠損マウスに対してCAPsなどを曝露することによって、大動脈内の膜表面におけるアテローム性動脈硬化型病変などの変化が認められたこと。また、血管運動に変化を与えて血管炎症を招いて、動脈硬化を増強した知見が3件ありました。正常ラットやSHRに対してROFA、炭素粒子、CAPsなどを曝露した結果、血中フィブリノゲンの増加が認められたものが3件、また、SHRにROFAを気管内投与したところ、血漿粘度の増加が報告されたものもありました。
 その一方、フィブリノゲンの値が減少したという報告もあるという状況でした。
 以上で簡単に資料についてご説明しました。
 なお、今の説明は概要ですので、その後ろに参考資料として、1番から5番に沿った形で紹介をした知見について後ろにつけてあるというところです。
 以上です。

【内山座長】 ありがとうございました。
 ただいまのご説明で、高野先生、何か補足はございますか。

【高野委員】 ごくごく大まかに述べさせていただきますと、まず、最初の低濃度の曝露、あるいは曝露時の動物実験の知見ということですけれども、もちろん低濃度曝露におきましても、肺、心臓、神経等のようにある程度の影響が見られたという報告もございましたが、概してやはり影響は軽度であったというような記載が、他の濃度と比較してあったということが多かったかと存じます。
 それから、2番目の粒子状物質とオゾンとの複合影響に関する知見ということですが、これは島先生、特に相乗影響が存在するどうかという点をご心配だったというふうに記憶しておりますけれども、相乗効果があるとはっきり述べている文献はございませんでして、せいぜい相加、あるいは相加もないというような記載が多かったというふうに考えます。
 それから、次のオゾン以外のガス状物質と粒子状物質に関しましては、SO2を使用したモデルというのがある訳ですけれども、これに関しましても、SO2のモデルで、より強いという報告もございましたけれども、それはないという報告もございまして、これに関しても相乗的に強くなるというような報告はなかったというふうに思います。
 全体を通しまして、粒子状物質と相乗効果というものを現在のところ危惧とするとすれば、やはり他の汚染物質よりも毒性学的には、生物学的なLPS、エンドトキシンですとか、アレルゲンといったものの報告が多いというふうに考えております。
 それから、4番目の沿道・道路上大気の影響に関する知見ということで、これは実はCAPsをどこに置いたかという部分が細かく書いていない部分もありますので、ほかにもある程度、沿道あるいは道路の影響を受けている実験もあるかと存じますけれども、はっきり「道路」「土壌」「沿道」といったものを用語として含んでいたというものがこの件数であったという意味でございます。特に、やはり道路からの距離によって影響が異なる、道路から近いほど影響が強いという論文もあったということは興味深い事実でございました。
 それから、動脈硬化に関する知見、これは上島先生、どちらかというと、虚血性心疾患との関係で述べられていたわけですけれども、このように、動脈硬化に関しましては、大動脈等の大きな血管の動脈硬化を検討しているというペーパーがほとんどでありまして、冠動脈の閉塞モデルはやはりウサギあるいはラットを用いた結紮モデルというものがほとんどであったということかと存じます。ただ、このように大血管の動脈モデルに関しましては、若干ポジティブな影響が見られているものがあるということかと存じます。
以上です。

【内山座長】 ありがとうございます。
 そのほかの委員の方で、この間ご意見をいただいた先生方で何かご質問等ございますでしょうか。

【横山委員】 僕が前回、動物実験に関連して発言しましたのは、結局、特にPMの影響で、従来の大気汚染物質と異なるのは、異なると言っていいと思いますけれども、循環器系の何かメカニズムが係わっていて、しかも、それがかなり低い濃度で起こっているらしい。動物実験の役割というのは、いろいろございます。私も、もともとは動物実験屋でございますから、十分わかりますが、この場において、動物実験で最も求められるのは、要するに、循環器、呼吸器ということはとも角、何らかに働いて、死亡にどうやら至っているらしい。これは、実際は関連ということですけれども、死亡に至っているらしい。死亡ということを、我々、従来大気汚染を勉強してきたものは、ロンドンスモッグのような高濃度の場合は別ですけれども、比較的低濃度で、死亡なんていうものは起こらないだろうと考えてきたわけですけれども、それが起こっているというか、少なくとも疫学データ上はかなりはっきりしているわけです。そこを説明するような動物実験の成績はあるか否かということを、僕は知りたいと思います。
 例えば、動物実験で心拍数は変わっているという、ご説明がありました。なぜ、PM2.5が心拍数を変えるのか、という実験はあるのかどうか、ということを教えていただきたかった訳ですけれども、もちろん、いろいろな方面からやっていますから、これを少し詳しく見ていけば、また答えは出てくるのでしょうけれども、どんぴしゃのデータはまだないのかなというふうに理解してもよろしいのかどうなのか。そういうことですけれども。

【内山座長】 高野先生、何か。

【高野委員】 やはり、死亡に結びつくようなデータというのは、今のところないのではないか。特に低濃度に関しましては、ないというふうに考えていただいていいかと思います。
 それから、不整脈に関しましても、自律神経のアンバランスというところで、さまざまな相矛盾する報告がございますので、そこから進んでいないというところではないかと思います。
 実際、例えば、病院あるいは高齢者の施設等をある程度想像してみますに、かなり重篤な患者さんとかがおられるところで実際に起こっているようなことを、我々が動物実験で再現しているようなモデルがきちんと表しているのかどうかというような問題もございますので、いかに重篤な、しかしきちんと余りぶれのないモデルというようなモデルをもしも使えるとすれば、そこに何らか粒子状物質を加えるということで、低濃度影響を死亡に関して確認する可能性もあるのではないかと思いますけれども、実際のところ、そこまで重篤なモデルをつくると、それだけで死亡率が上がってしまって、微妙な影響を見るところができなくなってしまうというところが、実際に関しては限定要素ではないかというふうに考えております。
 今のところは、ないというふうに言うことしかできないかと存じます。すみません。

【内山座長】 よろしいでしょうか。
 小林先生、何かありますか。

【小林委員】 低濃度曝露に関しては、高野先生が言われたとおりではないかと思いますが、動物とヒトとの違いということを考えた場合、そういうことが動物実験で多少高目でも起き得るかどうかという、そこら辺の知見というのがあるかどうかということですが、比較的高い濃度とか、気管内投与では類似した影響が起きるということはありますけれども、それは可能性としてあるということで、そこのところをどう解釈していくかというところが問題なのではないかと思います。
 ですから、いわゆる道路沿いで、非常に高い濃度を曝露した場合に、そのようなことが多少起こるという報告はあるとしても、いわゆる一般のところにある濃度程度で、そういった影響があるということは、ないのではないかと思います。

【内山座長】 そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

【工藤委員】 この問題は、例えば、心臓死といいますか、循環器系の死亡なんかは、例えば、冠動脈の発作、あるいは不整脈とか、そういうことですと、いわゆる健康な人でも突然ということはあり得るかもしれませんが、いわゆる呼吸器系疾患での死亡を高めるといったときに、健康な人が通常の大気環境の通常の濃度の上下で死ぬということは、これは考えられないわけですね、通常は。ですから、当然、それは何らかの、もともとベースにCOPDがあって、非常にもともと相当な重症な呼吸器疾患があるような人が引き金になるとか、あるいは、肺炎とか、そういうことについても、もともと基礎の病気があって、その上に起こるという、そういう理解なのだろうと思いますが、この点については、むしろ疫学で出されている呼吸器系疾患によって死亡を高めるという、その中身は一体何なのかという、その個々のケースの分析が十分でないと、何かもうひとつはっきりしないかなということは思いますね。
 それで、動物実験の場合、今、お話があったように、ほとんど、やはりもともと健康なネズミを使用し、健康な動物を使っての曝露実験です。ですから、やはり、それでは死亡というような問題は出てこないのだろうと思いますね。ですから、合併症を起こしたような動物を使うということでしかないのだろうと思いますが、そういうデータはないと考えてよろしいんですね。

【高野委員】 SO2による慢性気管支炎モデルがそれに相当する、あるいは喘息、それからLPSの肺炎モデルといった程度で、やはりずっと本当に慢性の呼吸器疾患があって、そこでアキュート・オン・クローニックで何が加わってという形を再現できているものは少ないというふうに考えざるを得ないと思います。
 それから、実際、恐らく高齢者を念頭に置きますと、例えば、動脈硬化をベースにした方が、また肺炎を合併するというふうになると、もちろん呼吸器、循環器影響はかぶった影響が出るわけですけれども、そういったことを念頭に置いたモデルで実験をなさった方はおられないと思います。

【香川委員】 これは言うまでもないと思いますけれども、横山先生のおっしゃっているのは、ショートタームで起こることですから、動物実験よりも、ヒトへの負荷実験とか、それから疫学のパネルスタディの方がもっと現実的な答えが出るのではないかと思います。例えば、ヒトの負荷実験は、ついこの間、ニューイングランドジャーナルオブメディシンに、冠動脈疾患を持った人をディーゼルの排気に曝露して、粒子濃度は300μg/m3ですから、現実に記録されるよりちょっと高い濃度ですけれども、そういうものを吸入させると、STの低下が有意に起こるという報告も出てきておりますし、動物実験の場合は、ヒトへの外挿とかいろんな問題がありますから、こういう短期間のヒトの死亡率を高めるようなメカニズムの解明というのは、私は動物実験よりも、むしろそういった患者さんを対象にしたパネルスタディ、あるいはヒトへの負荷実験が、現実に欧米でも、そういう研究が今かなり出てきておりますので。
 以上です。

【内山座長】 よろしいでしょうか。
 疾患モデル動物の使用、あるいは高齢ラットを使って実験を行ったものはあると思いますけれども、それでメカニズムを説明するというところまではなかなかいきにくいのかなという気がしますし、それから、ヒトを対象にした実験的研究は、現在の日本では到底できないということもありますが、外国では現在も少しずつやられている。これは香川先生が、おっしゃったように、これからそういうメカニズムを解明していくためにやっていこうという時代だというご発言でしたね。

【香川委員】 まず健康者、それからCOPDの患者、喘息の患者さんが曝露されてきて、ついこの間、冠動脈疾患患者を対象にした曝露実験が行われて、それが最近のニューイングランドジャーナルオブメディシンに出ていて、しかも、ポジティブなSTの低下という、いわゆる臨床の重症度にかかわるような所見が得られているということですね。

【内山座長】 ありがとうございました。
 この件に関しては、いろいろな宿題が出て、これまでの議論で、現在の知見というのは大体出てきたとおもいますが、事務局の方で何かございますか。

【松田補佐】 文献調査報告については、前回の検討会でおおむねの成果を示すことができることになりましたので、毒性疫学分野の概要について、新田委員、香川委員、高野委員の方から報告いただいたところですが、現時点で、まだ報告書の精査の作業が若干残っておりますので、完成までにもう少しお時間いただくところですが、次回の検討会に資料を提出する方向で努力していきたいと思います。

【香川委員】 特に循環器系への影響に関しましては、今年に入ってからでもかなり知見が、しかも、インパクトファクターの高い雑誌に載ってきておりますので、そういう新しい知見をこの委員会でどうするか。ここの文献調査は前年度までですので、そこをちょっと。

【内山座長】 文献調査は、どんどん新しい知見が出てくると、レビュー対象をいつまでの文献にするかというのは、なかなか難しいですけれども、恐らく、その後の健康影響評価文書をつくるときには、また、新しい重要な知見が出てくれば、そこで議論をするような感じですが、それでよろしいですか。

【松田補佐】 事務局としても、今まで行った文献レビューの結果だけではなくて、当然最新の知見もしっかりフォローして、この評価文書を作っていくべきだと考えております。
 前回、工藤委員からも既存の知見だけでなく、新しい知見も紹介していただいたところでもございますし、また、今、香川委員からもニューイングランドの文献についても紹介いただいたところですので、これらの文献をフォローして、評価文書の作成に関する作業の中でしっかり取り込んでいきたいと思います。

【内山座長】 とりあえず、文献調査報告というのは、今おまとめいただいているところで1回まとめていただく。それから、さらに新しい文献等が出てきましたら、次の健康影響評価文書のところで、またさらに議論していくということで進めたいと思います。
 それでは、議題2に移りたいと思います。よろしいでしょうか。
 議題2は、健康影響評価の進め方ということですが、本検討会で国内の調査研究として既に微小粒子状物質曝露影響調査研究報告書が公表されました。あと、主に国外の科学的知見を文献調査ということで提示していただいております。
 参考資料3にお配りした第1回検討会に提示されました論点と検討項目に沿った形で議論をしていただいていたところですが、今回の検討会では、これまでの検討会での主な議論について、復習の意味でご紹介いただいて、それで検討項目ごとに評価作業の進め方について、もう一度ご審議いただきたいというふうに思っております。
 それでは、資料2−1について、これまでの主な議論についてご紹介をお願いします。

【松田補佐】 それでは、事務局の方から資料2−1について、これまでの主な意見について紹介させていただきたいと思います。
 まず1つ目に、曝露分野というところですけれども、粒子状物質の成分について、諸外国と比較して、元素状炭素成分、金属成分等、性状が異なることがあり得るので、諸外国の粒子状物質成分のデータ等の知見も踏まえ、諸外国との粒子状物質の成分の違いを把握していく必要があります。
 粒子状物質の成分や粒径について、長期的に見て、各種公害防止対策が講じられたことによって、どのような変化が生じてきたのか、粒径の成分を把握できる測定方法の結果に従って把握をしていく必要があります。
 微小粒子状物質濃度の測定方法について、自動計測法、今ではTEOMと呼んでおり、それと秤量測定法のSASSというものがあり、これらが存在するが、気温の影響によって測定結果に差が生じており、現時点では秤量測定法の精度が優れていること、TEOMは冬季における装置の加温によって揮発成分が揮散する課題を有しており、測定法の改良が必要であり、SASSも濾紙への粒子の吸着があることに留意が必要です。
 個人曝露評価について、個人の行動は、室内や屋外にいる場合など、様々な場合がありますが、これらの行動パターンを考慮しても個人曝露量への傾向は大きく変わらないのか、曝露影響評価報告書による個人曝露調査の結果や諸外国の知見も確認をしていく必要があります。
 次に、疫学分野ですが、循環器疾患につきまして、PM2.5に対する日死亡リスク比が全死亡や呼吸器疾患と比べて低く、諸外国の日死亡リスク比と比較しても低くなっています。この点について、アジア系人種と欧米人における生活習慣の違いに起因する循環器疾患の疾患数、罹患率の違いにも留意する必要があります。
 急性心筋梗塞の症状につきまして、PM2.5に対する日死亡リスク比が諸外国と同様のリスク比の上昇を認めたものの、発症までのタイムラグについて日米で違いがあること、諸外国と比較して発症数や死亡数が少ないことに起因する統計学的検出力の課題も留意する必要があります。
 呼吸器系疾患について、PM2.5に関する日死亡リスク比が諸外国の日死亡リスク比と比較して低く、緊急受診発生件数の関連性が見られない点について米国と異なることの要因分析も行った上で評価を行う必要があります。
 呼吸器疾患について、喘息、急性気管支炎、COPD等疾患について、特徴が大きく異なるため、疾患に応じた影響を把握し、評価に反映していく必要があります。
 粒子状物質の中でもPM2.5が影響を持つのか、PM10全体で影響を持つのか、微小成分や粗大成分による影響の知見を整理して、粒径に応じた評価を行う必要があります。
 粒子状物質の中でも金属に関する疫学研究は、米国でも今後の課題とされているところであり、この点に留意して慎重に評価していく必要があります。
 長期影響に関する知見について、短期影響の知見と比較して相対リスクが大きくなっているものに着目すると、がん死亡率の増大、特に肺がんによる寄与が大きいものか知見を整理して評価を行うべきところです。
 粒子状物質による平均余命の短縮に関する知見について、高感受性群への影響も考慮して、どの種類の高感受性群に対する影響が大きいのか等知見を整理して評価する必要があります。
 疫学知見について、各種交絡因子を適切に調整したものを評価の対象とすべきで、特に、短期影響では気温・気象、長期影響では喫煙の有無が重要なファクターとなるので、これらの要因も考慮して評価する必要があります。
 微小粒子状物質曝露影響評価報告において行った疫学調査について、近年の大気保全対策の実施に伴う粒子状物質濃度の低減により、比較対象地域との濃度差が当初の予定よりも小さくなったことによる影響も考慮しておく必要があります。
 次に、毒性分野でございまして、微小粒子状物質の毒性に関するメカニズム(一般的に言われている仮説の説明とその仮説にかかる機構の解明)について文献等で起こり得る機序を示し、整理していく必要があります。
 「例えば」として下に、循環器の動脈硬化に関する機序について書かれております。
 その次のページにいきまして、粒子状物質の成分の違いに関する影響について、メカニズム解明の観点から成分に応じた影響を示す知見を収集し、成分ごとの毒性を明らかにする必要があります。
 粒子状物質とオゾンの複合汚染による影響について、呼吸器系・循環器系に応じて相乗効果が見られるか明らかにする必要があります。
 実験データについて、一般大気環境に近い濃度の暴露実験を重視して知見を整理していく必要があります。
 疫学的に実証されている健康影響が生物学的に妥当か検証し、疫学的研究の結果の理解を高める知見に重点を置く必要があります。
 ヒトボランティアに関する研究は、直接ヒトへの曝露を行うため、動物実験と比較して影響の不確実性が減じられることからその意義は高いものの、医師の常駐等が必要であり、研究体制の整備が困難です。このため、信頼性のある研究を実施することができるのは米国以外にないということで、米国の研究を重視する必要があります。
 このような形で今まで3回検討会がございましたが、曝露分野と疫学分野、毒性分野に分けて整理を行いました。以上です。

【内山座長】 ありがとうございました。
 今、事務局の方からこれまでに議論してきた点をおまとめいただきました。今日は、これに沿って今後の検討項目を主に5つに分けておりますけれども、2−2から2−6まで、粒子状物質に関する特性、曝露評価、生体内沈着・体内動態、毒性学的研究、それから疫学的研究と、5項目についていろいろそれぞれの知見の整理をどういうふうに進めていくかということについて、ご議論いただきたいと思います。
 それぞれの事項ごとにご審議いただきたいと思いますが、事務局から1つずつの項目をご説明いただいて、それぞれの項目について、また、それぞれのチーム長からコメントをいただいて、議論していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【松田補佐】 それでは、まず、資料2−2の粒子状物質の特性に関する知見の整理の進め方についてご説明します。
 この特性につきましては、物理的な特性、化学組成、生成機構、大気中挙動、発生源、環境動態及び大気中濃度測定法に関する事項を既存の知見に基づきまして基本的な特性や情報を記述したものです。
 1番として、物理的な特性。粒子状物質、特に2.5μm以下の粒子のPM2.5の基本特性(大きさ、重さ、形態)について示します。
 粒径分布については、粒径ごとの分布を重さ基準、個数基準で示します。形態については、粒子の構造を内部混合粒子、外部混合粒子について説明していきます。密度や重さについては、動力学的粒径、粒子密度、重量、水分量などの影響を説明していきます。
 次に、化学組成でございまして、粒子状物質の構成要素について示していきます。
 また、人為起源の粒子のみならず自然起源の粒子も記述をしていきます。また粒径別の特徴も記述をすます。
 無機成分につきましては、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウムの生成、温度影響、湿度影響などについて述べます。
 炭素成分については、有機炭素、元素状炭素、炭酸塩炭素について述べます。
 有機成分につきまして、VOCから直接的に生成する粒子、それとVOCが粒子生成に間接的に寄与する役割を述べます。また、金属成分、土壌成分についても述べます。
 次に、生成機構について、一次粒子、これは直接的に発生するものと、あと二次粒子、これは光化学反応などの二次的に発生する生成粒子と、その生成機構について記述をします。一次粒子の生成機構については凝縮性ダストも含めます。二次粒子の生成機構については、NOx、VOC、オゾンの関係を解析して、PM2.5との関連性を述べます。
 また、粒子生成機構について、粒子形成のさまざまなプロセスに関して知見を整理して、また沿道粒子、環境粒子の生成機構について図表を用いて述べていきます。
 その次のページですが、大気中挙動でございます。
 移流について、発生源と気象との関連性を述べます。
 拡散については、接地気象学との関連で拡散と沈着のプロセスを述べます。
 また、反応については、大気中での化学反応過程を主要な大気汚染物質について述べていきます。
 沈着については、大気中での湿性と乾性を含めた沈着と除去の過程を主要な大気汚染物質について述べます。
 次に、発生源ですが、大気粒子の発生源に関する基本的な情報を記述します。
 また、越境汚染の概要、黄砂の発生の条件も記述をします。
 人為起源については、固定発生源と移動発生源に関する基本的な情報を述べます。
 また、自然起源の粒子や越境移流について概要を述べます。また黄砂の発生状況をまとめます。
 次に、環境動態ですが、環境大気粒子の関する基本的な特性について概説します。
 環境濃度に及ぼす気象的特性を整理していきます。
 大気粒子の濃度と気象の変化、大気粒子の濃度と発生源の変化・規制による削減効果との関係について経年変化を示して、その変動要因を示します。
 また、地域的な濃度や組成の違いから大気粒子の地域分布の特徴を示します。
 地域特性・気象特性・気候特性・発生源特性に留意し、大気粒子の日変化、月変化、また季節の違い、こういったものについて述べていきます。
 次に、大気中濃度測定法ですが、質量測定方法について、大気粒子の粒径分布を示した上で、質量測定法の原理について全般的に記述をして、質量測定法の種類、原理について説明します。また、それぞれの測定法に応じた留意事項についても述べます。
 粒径別測定方法について、PM2.5にとらわれず都市大気エアロゾル中の全粒径分布と対比して、装置ごとの粒径別測定範囲について述べます。また、カットポイントの定義もあわせて解説をして、SPM、PM2.5、PM10違いについても述べます。
 PM2.5の測定方法に関する動向について、米国でも基準ができております。そこの基準について測定法があるということですが、その採用された方法やその限界点、これも紹介します。また、米国で多く採用されているTEOM法の改良の動向についても述べていきます。
 また、PM2.5については、いろいろな成分で構成されていますが、その成分濃度測定方法について、主に我が国の暫定マニュアル法を中心に、測定法の長所短所、測定限界や精度管理についても述べます。特にPM2.5の主要な割合を示す炭素成分については、バッチ測定法のほか、常時監視装置についても述べていきます。
 それで、まとめにつきましては、今、1から7まで挙げた事項について基本的な情報を整理していくというところです。
 以上です。

【内山座長】 ありがとうございました。
 大きく粒子状物質の特性に関する知見ということで7項目に分けて記述するように案が出ておりますが、坂本先生、何か補足することはございますでしょうか。

【坂本委員】 それでは、簡単に補足をさせていただきたいと思いますが、まず、ここの粒子状物質の特性に関する知見の整理、ここについては、全般的な粒子状物質について書くということでございます。要は、粒子状物質の場合ですと、非常に粒径分布が広い範囲にあって、その粒径によって挙動が違う、それから曝露のされ方も違う、寿命も違うと、そういったことを考えて、今、項目立てをしたような形でまとめるわけでございますけれども、例えば、物理的な特性というところで考えた場合には、粒径分布がまさに直径、それから質量、それから表面積、そういったもので見た場合に、モードがどこにあるか、それから呼吸器系内への沈着等々も、そういったことに非常に大きく関係する部分がございますので、そういったものを記述する。
 それから、形態で、内部混合と外部混合ということがございますけれども、これは例えば、無機物とか有機物が単独に存在するわけではなくて、これらが混合した形、そして混合の仕方によって、実は濡れ特性が変わったり、それから粒径の成長の仕方が変わったりするとか、そういったことがございますので、そういった点について、一般的な科学的な知識としての整理をしておこうということでございます。
 それから、その次の化学組成というところでございますが、人為起源の粒子のみならず自然起源の粒子も記述すると、冒頭に書いてございますけれども、これはさまざまな環境対策が進展すればするほど、人為起源に対する自然起源の割合というのが大きくなってくる状況にあって、低濃度になってきたときのことを考えた場合には、自然起源の粒子が非常に重要性を増すということで、こういう自然起源の粒子についてもきちんと書きましょうということでございます。
 そして、その中で、○の3つ目のところに書いてございますけれども、有機成分について、VOC、この括弧の中に人為起源と、それから自然起源とは書いてはございませんが、BVOCというものがバイオジェニックVOCという形で、例えば植物起源とか、そういったもののVOCから粒子ができる、もしくはオゾン生成とか、非常に反応活性の高いものができて、粒子生成に関与するとか、そういったことを今、粒子生成に間接的な寄与する役割を述べるというふうに書いてございます。
 それから、金属成分、土壌成分、金属の場合ですと、発生の仕方によって、大きい粒径、それから燃焼で1回蒸発気化したものが凝縮した場合ですと、非常に小さい方の粒子にもいくというようなことで、粒径分布も含めて、この金属等々について考えていくということでございます。
 それから、生成機構というところで、2行目に凝縮性ダストという形で書いてございますけれども、従来の多くの測定法方では、必ずしも測定をされていないで一部気化してしまって、実際には発生源から出ている可能性があるけれども、測り込まれていなかったようなものについて考えていこうということと、それから、先ほどのVOCのお話で申し上げましたけれども、NOx・VOC・オゾン、結局、光化学反応で粒子生成、それから光化学オゾンができるといったところに、従来、ノンメタンハイドロカーボン等々で考えられたものが、いわばVOCという形でアルデヒド等を含むものになってきて、そしてさらに、先ほど申し上げましたように、VOCが人為起源のもの以外に自然起源が入ってきているというようなことで、かなり関係がいろいろ変わってございますので、そういったところも含めて書こうということ。
 そして、一番、最後の行に沿道粒子及び環境粒子の生成機構という形で書いてございますけれども、沿道での粒子発生の場合ですと、時間が短い間での変化、凝縮とか、凝集、そして、その一方、環境粒子になってきますと、化学反応によって二次生成をするもの。そしてさらにはエイジングという形で、寿命がだんだんたつに従って、例えば高分子化することによって濡れ特性が変わってきたり、そういったこともございますが、そういった点を性質の変化を記述しようということでございます。
 それから、大気中挙動のところにつきましては、いわば気象との関係でございますけれども、風形、前線、それから大気安定度、そういったものによって、濃度の変化、それから滞留時間の変化が出てまいります。それから、乾性・湿性沈着につきましても、先ほど来ご説明申し上げてございますように、粒子状物質が同じ粒径であっても、それが吸湿性の高いものかどうかによって、例えば湿性沈着で除かれやすさが変わってくるとか、大気中の寿命、それから、呼吸器系内の挙動等々も変わる可能性がありますので、そういった点についても記述しようということ。
 それから、発生源につきましては、通常言われている発生源に加えて、ここでは、2つ目の○の方に書いてございます、自然起源が今後ふえてくる可能性がある。それからまた、国外からの影響という点を考慮したまとめ方をしようということでございます。
 それから、6番目の環境動態というところでは、非常に全体として大まかな変化、挙動変化、気象・気候等による変化をここでは記述をしようということ。
 それから、7番のところでございますけれども、質量濃度を測定する場合に、試料の採取時間等々によって、湿度の影響で吸湿したり、もしくは物質が揮発したり、もしくは秤量をする際に乾燥している場合では静電気の影響とか、そういった形で、質量そのものを測定するところにおける問題点等々も整理しようということでございます。
 それから、3枚目にいきまして、粒径別測定方法についてということでございますけれども、それぞれの測定方法によって、測定し得る粒径の範囲が違うということ。それから、我が国で環境基準が設定されてございますSPM、それからPM2.5とかPM10とか、この辺についてはカット特性の考え方が違いますので、そういった定義をきちんと明確にしておこうということでございます。
 それから、成分濃度測定につきましては、さまざまな、いわば測定方法として1回ごとに質量を測定するようなバッチ測定というもの以外に、連続で1時間値を出し得るような装置等々もございますので、これはPMの質量以外にも個別成分がございますので、炭素成分については、そういったことを記述しておこうということです。
 あとは、まとめは以上申し上げたようなことを整理していくということでございます。

【内山座長】 ありがとうございました。
 どなたか質問、あるいはコメントございますでしょうか。

【香川委員】 個別にはよくわかったのですけれども、これで一番関心があるのは、大都市における粒子状物質の物理的・化学的特性と発生源別の寄与割合とか、そういうものがどこで触れられるのか。
 それから、SPMの中でのPM2.5の占める割合、これはいろいろ地域によって変わると思いますけれども、そういうまとめ方は、ここではされないのですか。

【坂本委員】 今、大まかなところはここでまとめますけれども、実は資料の2−3の方に、この後、説明をしてから、今のご質問をいただければご理解をいただけると思いますが、曝露評価に関する知見の整理の進め方の中に、今の地域による濃度の変動とか、組成とか、それから発生源の割合とか、そういったものはそちらの方で方法も含めて記述するような設計になってございます。今のところは、まさに粒子状物質全般の基本特性を示すというような考え方でございます。もう一度またその説明の後でご質問をいただければと思います。

【香川委員】 わかりました。

【内山座長】 今のご説明は、全般の粒子状物質の特性というところですが、何かそのほかにご質問は。若松先生か溝畑先生、よろしいですか。
 それでは、次の曝露評価も、この粒子状物質の特性に絡んでまいりますので、曝露評価に関する知見の整理の進め方についてということをご説明いただいて、また、両方含めての質問もあるかと思いますので、よろしくお願いします。

【松田補佐】 それでは資料の2−3に基づきまして曝露評価に関する知見の整理の進め方について説明します。
 まず、1つ目の大気中濃度ということですが、米国では基準がありますけれども、その観測事例について紹介を行います。日本の事例については、微小粒子状物質の曝露影響評価報告書を中心に幾つかの知見も踏まえ、長期変動、日内変動など、特徴的な事例を紹介します。また、SPMとの比較も行います。
 2番目に発生源影響ですが、1つ目に粒子状物質に関する排出量の推計、排出量の推計対象物質について、粒子状物質に関する排出量推計で対象とする汚染物質について述べます。
 発生源別排出量推計法について、マップ調査など実態調査に基づく排出量の算定法や原単位法という排出係数と活動量から推計する手法など、粒子状物質に関する汚染物質の排出量推計手法について述べます。
 また、SPMとPM2.5とを区別して推計手法を述べることは困難と考えられるので、粒子状物質全般及びその前駆物質の推計法について述べます。発生源区別としては、人為起源、蒸発系、その他、自然起源を包括して述べます。
 次に、粒子状物質に関する排出インベントリの現状です。
 発生源別排出量について、これまでに実施された粒子状物質の排出量推計の概要を紹介します。特に、大気質予測モデルへの入力を前提に作成された地域、時間分布を考慮した排出インベントリについては、現状を詳しく記述します。
 発生源別プロファイルについて、発生源別の粒径分布や、NOx、SOx組成、VOC組成等について、現状を述べます。
 また、欧米を中心とした海外の最近の排出インベントリの現状について、概要を述べます。
 現状の排出量推計結果を踏まえ、推計精度の向上や改良を要する点について述べていきます。
 次に、発生源別寄与濃度の推定(レセプターモデル)です。
 レセプターモデルの原理について説明をした上で、CMB法と多変量モデルとの相違、特に応用する場合の前提条件、精度などの一般的な事項について述べていきます。
 CMBモデルについて、いろいろと代表的なモデルがありますが、原理と特徴を応用例とともに説明をしていきます。
 多変量レセプターモデルについて、代表的なモデルについて、モデルの原理と特徴を述べていきます。代表的な応用例についてもあわせて説明をしていきたいと思います。
 また、マスクロージャーモデルについては、成分分析した結果により、どの程度PM2.5の質量が説明できるかなど、モデルの利用の仕方を解説します。
 まだ、炭素の同体分析等についても記述をして、特に推定結果の精度に着目して要点をまとめていきたいと考えています。
 次に、4番目に、シミュレーションモデルによる推定ということですが、シミュレーションモデルの種類とその概要を解説します。粒子の生成・成長・消滅過程のモデルを概説していきます。また、シミュレーションモデルを構成する気象モデル、気相・液相反応モデル、乾性・湿性沈着モデルについても概説をしていきます。
 また、気象データについて、シミュレーションモデルで使用する気象データの書類、データ源などを整理します。
 発生源データについては、排出インベントリから、シミュレーション用データを加工・編集するプロセスを概説します。
 また、モデルの事例について、国内の事例から概要及び再現性について整理し、あと、一般環境モデルと沿道モデルについても述べていきます。
 発生源別寄与濃度の推計について、国内の事例から、シミュレーションモデルから推計された発生源寄与濃度・寄与率の結果を整理するとともに、欧米の事例も示します。
 また、レセプターモデルとシミュレーションモデルの比較について、国内外において、各々の手法により推計された発生源寄与率を比較し、その違いを整理していきます。
 次に、人への曝露様態です。
 人への曝露がどのように起きているのか、環境大気曝露、環境大気以外の曝露と個人曝露量の関係について、基本的な概念を説明していきます。
 外気曝露を中心としていきますが、生活時間のほとんどを屋内で過ごすという日本や欧米の一般住民を対象とするということもありますので、屋内曝露に留意をして整理をしていきます。
 また、地域集団の曝露を評価するためには、一般大気環境測定局の測定濃度を用いることが多い点を踏まえ、地域内の多数の地点の外気濃度と測定局濃度との関係を確認した調査事例について曝露影響評価報告書を参考に紹介します。
 多くの測定事例の中から、比較的日本と住宅状況が似ている欧米の測定事例を紹介します。
 個人曝露量の推計に係る影響因子について、以下の3つの観点に留意して説明します。
 個人曝露量は対象者の活動空間の曝露濃度と曝露時間で決まり、曝露濃度は場所による変動、時間変動の影響を受けます。国によって人が屋内で過ごす時間に差はありますが、特に日本人は、平日の生活時間の9割以上を屋内で過ごしていることが言えます。
 次に、直接的方法である個人サンプラあるいは個人曝露モニターによる測定について、個人曝露影響評価報告書を参考に、主要なPM2.5の個人サンプラの構造、サンプリングの方法等、概要を説明します。
 また、モデルの推定方法について、推定方法に関する具体的事例を紹介して概要を述べます。
 また、間接的方法として、場所と時間から推定する方法、PM2.5以外の汚染物質濃度から推定する方法について、具体的事例を紹介して、概要を述べていきます。
 まとめとしては、今の1から3に関する事項についてまとめていくということです。
 後ろに参考までに、曝露評価に使用する各種モデルの概説ということで、レセプターモデル、これはCMBモデルということで、あと、多変量モデル、それとシミュレーションモデル、マスクロージャーモデルについて解説したものを後ろにつけております。
 以上です。

【内山座長】 ありがとうございました。
 これは曝露評価ということで、大きく3つの項目に分けて記述するようになっておりますが、何か坂本先生、補足するところはございますでしょうか。

【坂本委員】 それでは、少し補足をさせていただきますと、先ほど、香川先生からご質問いただいたところは、(1)の大気中濃度というところで、具体的にはPM2.5という言葉は書いてございませんけれども、実はPM2.5についてまとめてSPMとの比較も行うということでございまして、ここで米国と日本の違い、それから、日本の場合でもバックグラウンド的なところと大都市だとか、そういったところで濃度、それから組成、粒径分布、それからPM2.5とSPMの割合とか、こういったところについて、比較をし、かつ整理をしようというのが、(1)のところでございます。
 それから、発生源による影響もしくは発生源別寄与率、そういったお話がございましたところにつきましては、(2)のところで、まず、最初に、推計方法について全体を述べた後、そういったものを推計するための排出インベントリが、どのような形であるか、もしくはどういった部分が今後変わっていくか。これは先ほど来申し上げてございます、自然起源をも考慮した形で考えて、推計精度が上げられるような形での向上、改良についてもまとめるということにしてございます。
 そして、具体的な発生源寄与率を推計するために、どんな手法を使ってやるかということでございますが、2ページ目の3、レセプターモデル、要はさまざまな発生源から粒子状物質、もしくはガス状物質、そういったものが発生して、環境中で粒子状物質に曝露されるといった場合に、曝露される地点、環境の方から見て測定をして、そこで測定された物質が、それぞれの発生源と想定されるものの積分値として合っているかどうか。要は発生した後、物質の組成が変わらない、質量が変わらないとすれば、そういったある割合の比に応じて濃度は希釈されてございますけれども、出てくるはずであると。そういった考え方でやるもの。それで、その場合のそれぞれの発生源別の組成に関する情報が必要なのがCMBモデル、そして、それに対して、そういう情報がないところで因子解析をして、どういう種類の発生源に相当するものが大きく効いているかどうかといった形で調べていくようなものが多変量レセプターモデルに相当する方になります。
 それから、マスクロージャーモデルにつきましては、それぞれ成分分析をしたものが質量として全部分析をされて、合計したものは必ず合うはずでございますので、そういった地域の代表性、それから、分析がきちんと行われているかとかといったことをチェックする形で利用できるもの、そういったものの説明。それから、炭素の同位体というのは、植物起源のものと、それから化石燃料起源のものとか、それから半減期によって、今、放出された形の炭素なのか、もしくは化石燃料起源なのか、そういったことの情報がわかりますので、発生源情報が得られるという形で、炭素の同位体分析についても記載をしておこうということ。
 それから、4の発生源別寄与濃度は、先ほどのレセプターというのが、環境濃度を測定して、環境の方から見たものに対して、この発生源から考えるのがシミュレーションモデル、発生源から拡散していく間に、濃度の希釈、それから反応、成長、消滅、そういったものが、どうあったかということで環境濃度が説明できるかということを考えるものになるわけでございます。
 そして従来、化学反応等のところは比較的統計的に処理をされていたものが、最近モデルも進んでございますので、反応を組み込んだ形のものについて説明をしていく。
 それから、特に環境の場合でも、一般環境と沿道で曝露される種類、曝露濃度等が違いますので、一般環境と沿道と区別した形で述べておき、最後にレセプターモデルとシミュレーションモデルを比較して、国内外における寄与率を比較しようということでございます。
 それから、ヒトへの曝露様態につきましては、ここは多くの先生方が疫学とか毒性学は、私よりもむしろこちらの方は詳しい方々がおいででございますので、ここについては省略をさせていただきますが、まとめのところをごらんいただきますと、先ほど、香川先生からご質問いただきました○の1のところで、我が国と諸外国、米国との大気中濃度、化学組成(特に金属成分や炭素成分など)、粒径分布などの異同を比較・整理する。
 それから、発生源影響についても、ここに書いてございますように、微小粒子に対する発生源の特徴と寄与率、これを比較・整理をし、発生源モデルによって将来予測の精度向上に資する情報を整理するという形であり、こういったもので先ほどの香川先生のご質問に対する説明になるかとも思います。
 よろしくお願いいたします。

【内山座長】 ありがとうございました。
 何かご意見、ご質問ございますでしょうか。

【高野委員】 毒性の方で1つ、大体、大きさで比べますと、小さい粒子の方が一般的には強いという報告があった訳ですけれども、大きい粒子の方が、影響が強いといった場合に、やはり生物学的な、実際には細菌毒素の含有量が大きな部分に寄与しているのではないかというようなディスカッションがございまして、また、最近では黄砂を用いた研究ですけれども、肺に黄砂を入れたときの遺伝子発現の結構メインな部分が、やはり細菌毒素あるいはカビのグルカンで出てきているのではないかというような報告もございまして、そういった生物学的な組成ということを加えて述べられるということは可能でございましょうか。

【坂本委員】 今、お話しいただきましたような話題については、多少議論になりましたけれども、いわゆるバイオエアロゾルに関連するところについては、必ずしもまだ十分な情報がない状況でございますので、どこまで整理できるかは別ですが、今後、検討する際には、話題としていきたいと思います。

【香川委員】 最近、粒子状物質の疫学で、いろんな健康影響評価の報告がなされておりますけれども、過去の濃度の高かったときの影響が基準値以下のレベルの影響を反映している可能性も否定できないというようなことが疫学のところで言われておりますので、我が国における粒子状物質のPM2.5の、PM2.5のデータはもちろん過去はありませんけれども、何かそういったコメントに対して評価できるようなまとめ方というのはできないんでしょうか。

【坂本委員】 疫学と関係させては無理かと思いますけれども、過去の成分組成がどういうふうに地域ごとに、例えば変わっていっているかとか、そういう情報を、今回の調査以外に文献的に見ることは可能かと思います。そういった整理の仕方で入れる場合になろうかと思いますが。

【横山委員】 今の香川先生の質問と似ていますが、我が国ではSPMのデータは、たくさんあるわけですね。今、PM2.5に問題が集中していますので、その成分の違いとか等々、これは一応別に置いておいて、SPMの濃度からPM2.5を類推するというようなことも可能なのか、そういうSPMとPM2.5の関係は如何なのでしょうか。

【坂本委員】 それについては整理をしたいと思いますが、ただし、これは最近のところであれば、微小粒子の方が減っていて、粗大粒子の方は減っていないとかというようなところのデータがPM2.5とSPMのデータとして比較的ある訳ですね。以前のところでは、そういう状況になかったところになりますので、それを推定するものとして使った場合に、どちらの方へのデビエーションがあるかということが、まさに問題になりますので、当然、そういったものをやった場合でも、これはどちらへ偏っているであろうというコメントをつけながら、そういう整理をすることは可能かと思います。ただし、そういうデータは非常に最近のものについて、SPMとPM2.5が同時に測られていて、そして、かつ組成の方からもそれが言えるようなものというのは、非常に数が限られてございますので、苦労をするところかとは思いますが、あるものについては考えたいと思います。

【小林委員】 体内動態とか生態影響を考えた場合、多分、可溶成分と不溶成分という視点というのが、結構重要なところになってくるのではないかと思いますが、不溶成分の場合、炭素粒子、その他のものとありますけれども、そういった可溶と不溶という視点で、ある程度まとめるということは可能でしょうか。
【坂本委員】 いろいろ難しい課題が出てまいりましたけれども、今、最近のところのデータについては、水溶性のものと、そうでないものとか、そういう形のもののデータが整理されて、少し出ているところですけれども、まだこれは比較的期間が短いものですので、かなり過去のものについては、そういうデータは少ないかと思いますが、最近のものについては、全体のどのぐらいの割合、それで、それが大都市部、それから郊外、バックグラウンドとか、そういった程度の整理は可能かと思います。

【内山座長】 溝畑先生何か、よろしいですか。

【溝畑委員】 私は特に。

【内山座長】 若松先生も、特に、よろしいですかね。
 いろいろご注文が出てまいりましたけれども、確かに現在のものの影響と、それから過去のものの影響ということで、疫学データと、そこを結びつけるのは難しいかもしれないですが、できる限りということで処理をしていただけるということです。そのほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、曝露影響評価、それから物質の特性につきましては、ただいまご議論のあった事項についても修正した形で評価作業を行っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の事項の2−4として生体内沈着・体内動態に関する知見の整理の進め方について、事務局の方からご説明をお願いいたします。

【松田補佐】 それでは、資料2−4の生体内沈着・体内動態に関する知見の整理の進め方についてご説明をします。
 粒子の体内挙動について事実関係に基づいて記述をしていくというパートですので、一般的な微小粒子のほぼ確立された体内挙動のメカニズムを記述しつつ、微小粒子の種類に応じた体内挙動に関する知見を加筆していくということになるのではないかと思います。
 まず、1つ目に、生体内沈着ということで、後ろに代表的な図をつけております。図の1がヒトの呼吸器官領域の図解ということで、図の2が、よく沈着動態についてお示しするときの球状粒子の気道への分布の比率ということで、粒径に応じた形で、どこに分岐するか、横軸は気道の分岐数ですが、どうなっていくのかというのが、ここにわかると思います。
 3番目が気道における粒子沈着様式ということで、これもよく沈着動態について原理を説明するときにお示ししますが、既存のほぼ確立された挙動のメカニズム、構造、これらに基づいて粒子特性と沈着、これは呼吸器官の構造の説明も含めて、粒子サイズによる沈着パターン、沈着に関する物理的機序の説明をしていきます。
 次に、気道沈着の機構として、慣性衝突、沈降、拡散、遮断捕集、静電集塵等一般的な沈着の説明をします。また、呼吸器官と局所の沈着パターンの最新情報も入れ込んでいきます。
 次に、呼吸パターンへの影響ということで、粒子サイズ、気道構造、呼吸パターンの違いによる沈着、沈着を調整する生物学的因子、これは性別、男女による違いや年齢による違い、あとは呼吸器系疾患を持っているかどうかによる違い、そういった因子の説明も入れ込んでいく必要があると考えております。
 また、PM2.5の粒子成分に応じた沈着、あとは種差・体内差、動物とヒトの違い、動物実験でもいろいろな曝露実験を行っていますが、ヒトとの違いはあると、その辺の種差の違い、またはヒトによっても構造の多様性があるということで、その点についても記述していく必要があると考えております。
 また、体内動態ということですが、粒子特性と動態ということで、動態機序の説明、粒子サイズによる動態のパターン、また動態に関する物理的機序について説明します。
 また、粒子がクリアランスされていくと、こういった機構と経路、これについてはさまざまな呼吸器官領域から排出経路があると考えられますが、その点について記述をしていきます。
 また、PM2.5の粒子成分に応じた動態も可能な限り入れていきます。
 また、種差と体内差、これについてもあわせて沈着と同様に入れ込んでいきます。
 次に、曝露形態の比較ということですが、吸入暴露、気管内投与、これは動物実験をヒトボランティアでやられておりますが、粒子の沈着、動態ということも比較します。粒子分布がどのように違うのか、あとは表面用量を増加させるときに反応はどう変わるのかを比較します。
 あとは粒子曝露の負荷が非常に大きいといった場合、過負荷状態のときの沈着と動態がどのように変わっていくのか、クリアランスが非常に難しくなっていく場合の個体を想定した滞留メカニズムを説明していきます。
 次に、モデルによる生体内沈着と体内動態についてということで、ヒト、動物などの異なる種間モデルについて、肺形態、気流パターンを組み込んだモデルを用いたシミュレーションによる曝露の挙動に関する知見、また、その推計結果について記述をします。
 まとめとしては、生体内沈着・体内動態のメカニズムに関する知見の整理をして、曝露形態の違い、個人差・種間差の違い、高感受性群と対照群の違いも踏まえた生体内沈着・体内動態の特徴を要約していきます。この結果については、毒性学研究、疫学研究の健康影響に関する知見の整理にも役立たせるような形でまとめていけばどうかということで考えているというところです。
 以上です。

【内山座長】 ありがとうございます。
 生体内沈着・体内動態に関しては大きく4つの項目にまとめるような形で進められておりますが、これに関しては、曝露影響評価毒性ワーキングの顧問だった小林先生、何か追加のコメントはございますでしょうか。

【小林委員】 それでは、生体内沈着・体内動態に関する知見の整理の進め方ということで簡単にお話ししたいと思います。
 これはおくれて検討するということで始まっておりまして、現在の状態は、ヒトは工藤先生のところを中心に、動物に関しては私どものところを中心に検討を進めているところでございます。
 主に既存のいろいろなメカニズム、挙動、その他に関しまして、ヒトに関してある程度確立しているものがありますので、それを中心に検討を進めていくということでございます。
 主にヒトに関して、でございますが、それを中心にまとめまして、動物に関しましては、動物種の毒性評価のときに重要な観点になりますので、動物の検討もあわせて行いながら、種間の違い等に関してまとめていくということでございます。
 まず、生体内沈着に関しましては、ヒトを中心に粒子特性と沈着、これは粒子サイズ、沈着パターン等に関して既存のデータをまとめるということになりますけれども、最近、新しい知見もヒトを中心に出てまいっておりますので、このあたりを追加しながら検討を加えていくということでございます。
 それから、呼吸パターンへの影響、これに関しましても、性別、年齢によって呼吸器の構造、呼吸パターンも変わってまいりますので、そこら辺に関して検討を加えてまとめていくということでございます。
 PM2.5の粒子成分に応じた沈着、種差・体内差、これに関しましては、例えば、不溶性成分、可溶性成分、こういったものによりまして、吸湿性、粒子の生長等に関しまして違いが出てまいりますので、そのあたりに関して知見は少ないですけれども、検討を加えてまとめていくということでございます。
 主にこのあたりは動物の影響、動物の沈着モデル等に関しての知見でございますので、それとヒトの関係に関してまとめていくということでございます。
 2番目の体内動態、これに関しましてもヒトを中心に検討を加えていきますが、これに関しましても、やはり新しい知見というものも出てまいっておりますので、それを加えた形で検討をまとめていくということでございます。
 PM2.5の粒子成分に応じた動態、これは先ほど少し申しましたが、可溶性成分と不溶性成分、これによって体内動態の違いがございますので、この点に関して分けまして検討を加えていくということでございます。不溶性成分に関しましては、主にメタル、それから有機成分、その他無機成分がございますけれども、これらに関しまして最近、やはり新しい知見が動物実験等で出てまいっております。これはPM2.5の影響研究が進行しまして、新しい報告がかなり最近出てきておりますので、このあたりについての知見を加えてまとめていきたいと思っております。
 曝露形態の比較、これに関しましては、やはり動物実験、この項は動物実験でありますけれども、新しい知見、特に実験的にどのように毒性に差が生ずるか、こういった知見も出てまいっておりますので、このあたりを加味しながらまとめていくということになります。
 それから、モデルに関しましても、沈着動態、これに関しまして、やはりヒトを中心に新しいところが出ておりますので、旧来の基礎的な検討を行っているモデルに加えて、そういったものを加えてまとめていこうと思っております。
 以上でございます。

【内山座長】 ありがとうございました。
 工藤先生は、何かコメントございますか。

【工藤委員】 生体内沈着と体内動態ということについては、このようなまとめ方でよろしいと思いますけれども、大きく分けると、空気と一緒に吸入した粒子が気道から肺胞にかけての呼吸器系のどこに、どのような分布で沈着するかということと、そしてまた、沈着したものが排泄されてしまう。多くは繊毛と粘液の作用によって移動して、大体1分間に2cmぐらい、10分間だと20cmぐらいの速度で移動をしますので、クリアランスされるわけですね。沈着とクリアランス、このクリアランスのメカニズムも部位によって多少違いますし、そういった沈着とクリアランスのメカニズムというのは、これが1つと。
 それから、もう1つは、今お話があったような、成分による違いというのは非常に大きな問題でして、直接に粘膜の上皮細胞を障害する、あるいはそこに作用するという粘膜そのものが作用点になっているものと、それから、溶けて血液の中に、吸収されて血液の中に入るという、この2つがあるわけです。
 最近の研究で少しその面からも分析をした方がいいかなというのは、薬剤のデリバティブシステムといいますか、薬剤投与経路、吸入薬剤というのは随分普及しておりますが、その中に粒子状物質、要するに、パーティクルを使って、その小さな粒子、薬をくっつけて、それで使っているものが随分開発をされてきております。例えば、吸入ステロイドとか、あるいは、抗ウイルス薬、インフルエンザの抗ウイルス薬でも、そういう吸入剤がありますが、こういうのは余り血液の中には入っては困る。それから、かなり呼吸器の奥まで到達してくれないと困ると。そういう特性でもって、そういう形状が研究されている、あるいは成分も研究されている。
 それから、もう1つは、例えば最近の試みでは、インスリンを注射じゃなくて吸入して投与できないかという研究もあるようですけれども、これはほとんどが粘膜から吸収されて、血液の中に入らないと困るわけですから、そういったような成分による差というのが当然あるわけです。
 そういったような最近のそういう薬剤開発の部分での粒子状物質の論文等も取り入れていけるのではないかと、そんなふうに考えております。
 以上です。

【内山座長】 ありがとうございました。
 そのほかにどなたか、ご質問、ご意見ございますか。

【横山委員】 ちょっと興味を覚えたのは、一番下から3行目「高感受性群と対照群の違い」という記載がありますが、従来、いわゆる一般的に言われているPMの領域で高感受性・低感受性群というのは、専ら病態を取り上げてきているわけですが、今お話があった沈着とかクリアランスの違いで高感受性、あるいは低感受性を来す、そういうようなデータはあるでしょうか。

【小林委員】 いわゆるCOPDのような動物モデルに吸入させて、それの沈着、それから動態の、動態まではあったかどうか、ちょっと記憶に定かではないですけれども、沈着の違い、クリアランスの違いというような報告はございます。

【横山委員】 いや、私は専ら、循環器系のことが念頭にあるのですけれども。

【小林委員】 これを取り上げるという意味は、1つはどのぐらいの量が疾患モデルみたいなもので違いが出てくるかということと、もう1つは、血中への移行とか、いわゆる体内動態を考えた場合に、傷ついた呼吸器への沈着があったときに、どのように通常のものよりも血中に入りやすいのかどうか、そういった問題もありますので、そこら辺について見てみたいと思っております。
 これは超微小粒子、例えば、ナノ粒子の場合におきましては、そういったいわゆる炎症とか、いろいろなことが起きている場合に、動態といいますか、血中への移行というのが変わるのではないかということが言われておりますので、そういった面から報告があるかどうか、そこら辺について検討していこうということであります。

【横山委員】 これから調べるというお話と理解してよろしいですか。

【小林委員】 COPDとか、そういったモデルで、沈着とか、それが異なるという報告はございます。

【横山委員】 いや、最初、さっき言いましたように、循環器を私は念頭に置いている訳ですけれども、例えば、心筋梗塞の患者さんというものが1つのハイリスク因子を持っていると考えられているわけですけれども、そういう心筋梗塞の患者さんの沈着が違うからなのだというデータはあるでしょうかということ。

【小林委員】 私が今、念頭に置いている、高感受性というふうにここに記述がありますけれども、呼吸器での病態といいますか、そういったものによって沈着・動態が変わるかどうかというところで、いわゆる循環器の高感受性群ということではございません。

【工藤委員】 沈着と、それからクリアランスという点が、高感受性に関連するかということについては、これは調べてみないとわからないというふうに私は思いますけれども。
 一般的には、例えば、COPDを取り上げても、同じく喫煙者でも大体15%〜20%ですね、COPDになる人というのは。その場合の高感受性というのは、むしろ酸化ストレスに関する防御系といいますか、その辺の遺伝子レベルの体質の違い、そういったようなものが言われております。その障害を受けたときの障害に対する感受性、それから、修復機能に関する違い、そういったようなものが、特に粘膜の障害に関しては、そういうことが言われているわけですが、これが沈着とクリアランスというところにダイレクトにいくか、呼吸器系に関してはですね。循環器系については、私はわかりませんけれども、そういうのが現在の知見だというふうに思います。
 ただ、小林先生がおっしゃったように、先ほどの視点で、沈着・クリアランスの視点でも、感受性と関係があるかどうかということについては、ある程度はっきりさせておかなければいけないかなというふうには思います。

【香川委員】 言うまでもないと思いますけれども、最近、ナノ粒子なんかのことを考えますと、ここに掲げてある沈着・クリアランスというのは、いわゆる古典的な記載の仕方なので、最近は三叉神経を介して入って行くとか、それから、要するに体内循環への移行とか、循環器系ですと、神経反射が一部問題になってきますので、できましたら、気道の神経分布とか、それから、体内循環への移行、どのぐらいの粒子からだったら肺胞膜をそのまま通過して、循環器系の中へ入っていくのかとか、そういうまとめを是非していただけたらと思います。
 それで、さっき可溶性と不溶性の問題が出ていましたが、可溶性の粒子が気道のどの部分のところ、どのあたりのところに沈着したら体内に入っていきやすいのかということも、多分、この知見は少ないですけれども、いろいろとあると思いますので、まとめていただけたら。

【内山座長】 小林先生、いかがでしょうか。

【小林委員】 そのようにまとめたいと思いますが、今、例えば非常に小さい粒子の血中への移行とか、体内動態に関したラベルしたものとかで、また新しい知見が少し出てきて、従来、体内動態で血中への移行が非常に多いのではないかというような報告があって、そこら辺が問題だった訳ですけれども、最近の報告では、それほど多くないのではないかとか、いろいろな知見も出てまいっておりますので、そのあたりをまとめた形で行いたいと思います。可溶性分についても同じです。神経分布は…、できるだけ、そのあたりにこたえたいと思います。

【内山座長】 これも先ほどの曝露評価と同じように、新しい知見も含めて、できる範囲内でお願いいたします。多分、香川先生おっしゃったのはナノ粒子に近いようなものが神経を介して体内に入っていくとか、そういうものだろうと思いますので。

【香川委員】 例えば、心拍変動なんかのとき、一部の機序として、神経系を介すると言われておりますので。ですから、そういったものが理解できるような記載もしていただきたいと。

【佐藤委員】 1の生体内沈着の○の3番目の2行目に、沈着を調整する生物学因子として性別とか年齢とか呼吸器系疾患というようなことが挙げられていますけれども、お願いというか、ということになるのかもしれませんけれども、子供というか、小児の特性みたいなものを考えた上での、こういうスポットを当てていただきたいなというふうに思っております。
 今までの議論でしたら、循環器系の話で成人というか、高齢の方の問題があるのかもしれませんけれども、子供の喘息というだけじゃなくて、例えば、呼吸量が体表面積に対して大きいとか、あるいは最近の子供は外で遊ばないとかという話ですけれども、曝露の違いなんかもありそうな感じがするので、そういう観点からでも見ていただきたいなという、これはお願いでございます。

【内山座長】 ありがとうございました。
 この年齢というのには、そういうのも含まれているかもしれませんが、特に子供の環境保健ということが最近重視されておりますので、そういう視点でも少しまとめていただければというふうに思います。
 そのほかにございますでしょうか。
 それでは、この生体内沈着・体内動態に関しましても、きょうのご議論、あるいは宿題というか、ご要望も出ましたので、これをできるだけ生かした形で今後の評価作業に反映していただければとに思います。
 それでは、次が2−5の毒性学研究に関する知見の整理の進め方についてというところに移りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【松田補佐】 それでは、資料2−5に基づきまして、毒性学研究の健康影響に関する知見の整理の進め方についてご説明をいたします。
 この進め方の中では、肺及び呼吸器系への影響、循環器系への影響、感染抵抗性・免疫系・血液成分への影響、発がん影響、遺伝子障害性、特定の粒子成分と健康影響に関する関係、粒径と健康影響に関する関係の各分野について、想定される障害の仮説を立てて、その障害の仮説に関する科学的知見の整理を行って、障害の仮説の確からしさについて評価を行っていくという進め方で考えているところです。
 最初に、全体の作業方針と留意点ということですが、微小粒子状物質の影響メカニズムに関する検討に資するため、毒性に関する影響メカニズムの解明を中心に知見を整理して、それらの知見を踏まえた影響に関する評価を行います。
 それで、各分野における粒子状物質の影響に関する想定し得る障害の仮説を列挙し、その仮説を検証するため、粒子状物質の健康影響に関する文献調査によりレビューされた動物実験及びヒトボランティア実験の文献等から、研究内容や研究対象物質が適切であるなど優れた知見を列挙して、吸入曝露、気管内投与による実験の種類や対象粒子の種類ごとに整理をした上で、これらの知見により障害の仮説の確からしさの程度に関する評価を行っていこうというものです。
 仮説については、粒子状物質の気管に対する障害に関する影響の仮説以外に、高感受性モデルを用いた知見や共存汚染物質を含めた知見に基づき、高感受性群への影響や共存汚染物質の相互作用に関する事項も含め、仮説の確からしさの評価を行っていきます。
 各分野の評価の際には、粒子ごとの影響の内容にあわせて記述をしていくということです。
 ヒトボランティア実験の動物実験の知見が存在する器官、主に呼吸器系、一部の循環器系につきましては、ヒトと動物の知見に関する類似点、相違点、こういったものに着目して、ヒトと動物で体内の構造や沈着動態の挙動が異なるなどの種差に留意をして、ヒトに対して生じ得る影響の評価を行っていきます。
 国内外の微小粒子状物質の影響の相違点については、文献レビュー報告によってレビューをした知見、動物実験とヒトボランティア実験ですが、それと曝露影響評価報告書の知見を踏まえ、国内外の知見と日本の知見に関する一致性や相違点も考慮して評価文書の作成を行っていくというものです。
 これが全体の方針で、次に、各分野の記載事項をお示ししています。
 導入ということで、毒性学研究の意義、方法論、章構成について、概要を説明すします。
 毒性作用メカニズムの重要性を記述する一方、動物実験についての高濃度曝露・滴下で行うことの背景、意義と、ヒトへの外挿の際の留意、曝露期間の短さによるヒトへの外挿の際の留意についても言及をしていこうというものです。
 2番目に、肺及び呼吸器系への影響ということで、動物実験の吸入曝露、気管内投与による知見、ヒトボランティアの吸入曝露による知見を用いて、炎症と障害のメカニズム、炎症以外のメカニズム(自律神経のバランスなど)、あとは正常動物と高感受性疾患動物への影響等について、粒子の種類による影響も含めて記述をしていこうというものです。
 次に、循環器系への影響ということで、これも同じように、動物実験の吸入曝露、気管内投与による知見、それとヒトボランティア実験による吸入曝露の知見を用いて、心臓への酸化作用による障害のメカニズム、自律神経系の変化による影響、不整脈の発生による影響、正常動物と高感受性動物への影響等について、粒子の種類による影響も含めて記述をしていこうということです。
 次に、その他の影響ということですが、動物実験による知見、ヒトボランティア実験による知見を用いて、感染抵抗性・免疫系・血液成分への影響、この中にはアレルギー性炎症の増悪や血液成分の凝固等も含んでいます。生殖系への影響、神経・行動への影響、正常動物と高感受性疾患動物への影響等について、粒子の種類による影響も含めて記述をしていくということです。
 次に、発がん影響ということで、動物実験による知見を用いて発がん影響について、粒子の種類による影響も含めて記述をする。
 次に、変異原生/遺伝子障害性影響、これも発がん影響と同様に記述します。
 次に、特定粒子成分と健康影響の関係ということですが、異なる成分の粒子を用いて同一の実験条件で実施しているものを踏まえて、比較が可能な動物実験による知見を用いて、大気粒子に含まれる構成成分に関する健康影響から、毒性発現の程度について記述していくということを考えております。
 次に、粒径と健康影響の関係ということで、異なる粒径の粒子を用いて同一の実験条件で実施し、比較が可能な動物実験による知見を用いて、微小粒子、粗大粒子、あれば超微小粒子の粒径の違いによる毒性発現の程度について記述していきます。
 まとめとしては、各器官の評価内容を整理して、大気粒子による影響メカニズムに関する評価を記述します。また、高感受性や共存汚染物質との相互作用の影響要因のまとめについてもあわせて記述していきます。
 以上が本知見の整理の進め方ということでございます。

【内山座長】 ありがとうございます。
 毒性学研究につきましては、主に8つの項目についての記述という形でありますが、高野先生、何か補足のコメントはございますでしょうか。

【高野委員】 これは、欧米のクライテリア・ドキュメント等の文章をいろいろ見させていただきまして、こういった形の整理の進め方を、今、提案しているところでございますけれども、この「想定される障害の仮説を立てて、その障害の仮説に関する科学的知見の整理を行い、障害の仮説の確からしさについて評価を行う」というのが、少しわかりにくいかと思いますので、具体的にちょっと説明させていただきますと、学術論文を想像していただければいいと思いますけれども、まず、例えば、粒子状物質ですと、疫学的な報告、このようなものがありますよというバックグラウンドがございまして、その次に、こういった障害が起こるのはこういったメカニズムによるのではないかということの仮説を立てて、次に実験動物で証明していくということがございます。そういった仮説を、まず臓器影響ごとに列挙させていただいて、それを証明する、あるいはきちんと「確か」というふうにエビデンスを与えるような報告がどのようなものがあるのかということをピックアップしてまいりまして、どの程度、仮説が確からしいのかということを評価していこうというものであります。
 あと、特に毒性の場合は、粒子の種類が非常に多くございますので、一般の大気あるいはResidual Oil Fly Ash、DEP等々、こういった粒子の個々の違いなどもきちんとわかるように見ていこうというものであります。
 それから、レビューの場合は、ヒトのボランティア実験と動物実験が別々にまとまっておりましたけれども、今回はそれをともに整理いたしまして、ヒトと動物の違いがどうか、あるいは相違点がどうなのかといったことに関しても影響の評価を行っていこうというものであります。
 国内外の差異に関しましては、CAPsの実験自体では非常に少ないので、実際問題として、余り国内外の差を見ることができるような文献は少ないということは予想されます。
 2ページ目に移りまして、実際の記載事項でありますけれども、まず、導入部分では、やはり動物実験はというのは、利点もあれば、当然不利な点もあるわけでございまして、そういった点に関して、きちんと書かせていただこうと。
 それから、各影響、これはやはり肺と循環器、それから免疫、発がん、変異原性、その他というふうに、報告の多いものから順に並べていこうということでありますけれども、特に曝露時に単独でどういった影響を持つのか、あるいは複合的な影響としてどのようなものがあるのか、そして病態モデル、高感受性疾患、疾患動物というふうにまとめておりますけれども、病態モデルに対して、どういった影響があるのか。それは正常動物への影響と違いがあるのかというようなことを順番に整理させていただきたいと思います。
 7番、8番では、粒子の成分、それから、粒径といったものの重要性といったものについても仮説を立てて整理していきたいというふうに考えております。
 最後はまとめということでしております。

【内山座長】 ありがとうございます。
 この件に関しましてご質問、ご意見ございますでしょうか。

【上島委員】 循環器系への影響のところを見ますと、非常に喫煙とよく似た仮説と、それに対する説明になっていると思います。それで、冠動脈疾患の中に動脈硬化がなくて、冠動脈が攣縮して心筋梗塞が起こるという考え方があって、これは熊本大学の泰江先生がその提唱者ですけれども、そのリスクファクターが喫煙であると。そうすると、非常に喫煙と似ているこういう曝露物質が、今のような冠動脈の攣縮というふうな仮説に基づいて実験されている、あるいは現象を説明するような実験がされているのかどうか、そういう文献があるのかどうかというのはいかがでしょうか。

【高野委員】 スパズムということですか。見たことはないです。確かにそういった考え方はすごく重要だなと、今、私も思いましたけれども、報告としては見たことはございません。

【上島委員】 多分、これ、日本人が多いということから始まって、結局、私は、それは喫煙率が日本人は高いからだと。それで説明はかなりつくだろうと思っています。だから、ひょっとすると、外国なんかでは喫煙率は、アメリカなんかでは低いので、そういった考え方に基づいた実験がないのかもしれないですね。

【高野委員】 循環器系の実験でも、交感神経のベータスティミュラントとか、ブロッカーを用いたような実験というのは恐らくあったと思いますけれども、カルシウムアゴニスト、アンタゴニストとかを使った実験というのは、そう言われると、見た覚えがないように思いますね。

【上島委員】 はい、どうも。

【島委員】 先ほどから高感受性ということが繰り返して出てきているようなのですが、動物実験の場合、それぞれの実験に合わせて、高感受性ということを意図した上で、さまざまな疾患モデル動物を使った実験が行われているのだと思います。評価の結果として、その疾患を有することが、感受性が高いというようなことを評価されるのであれば、全くそのとおりだと思いますけれども、今の段階で、高感受性動物への影響について評価をするというふうな記載がそれぞれについてある。つまり、これですと、それぞれの疾患を有していることが高感受性であるということを前提にしたような印象を受けるのですが、その点についてはいかがでしょうか。

【高野委員】 そうですね。「病態モデル等」というふうにした方がよろしいかもしれませんね。事務局の方、いかがですか。

【松田補佐】 誤解を与えるようでしたら、まだ、ちょっと今回の資料ではこのような書きぶりにしましたが、今、島委員からご指摘があったとおり、病態モデルなど、適切な表現に修正をした上で、今後の評価作業を進めていきたいと思います。

【島委員】 先ほど、佐藤先生からもご意見ありましたように、例えば、その疾患の有無だけではなくて、小児であるとか、高齢者であるとか、そういう年代によっても感受性の違いということもあり得ることだと思います。そういう意味で、高感受性というのは非常に重要な問題であり、今回の健康影響評価の中で広く検討する必要があろうかと思いますので、ご検討いただければと思います。

【松田補佐】 もちろん健康影響評価の全体の中で言えば、まだ小児の問題もありましたし、あとは実際に疾患にかかっている方の問題もありますし、いわゆる広く見て高感受性群に対する影響というものが実際どうかということについて、この評価の作業の過程で取り込んだ形で検討していきたいというふうに思います。

【小林委員】 多分、これは、次の評価の段階のことなのかもしれませんけれども、この仮説の確からしさというところの場合に、濃度とか、用量とか、そういったものに関する記述というのは入ってくるのでしょうか。というのも、高濃度で、ある程度高い濃度でやったときの仮説と、また、違う可能性もありますし、リスク不安といいますか、そういったものも一応考慮に入れるとすると、そのあたりの言及というのはどうなるのかということをお聞きしたいです。

【高野委員】 実際的には、恐らく高濃度、高用量を用いた実験がほとんどですので、高用量、高濃度を用いた実験から得られたものの定性的な表現にとどまるのではないかと。また、そういったことは、前置きの導入で恐らくこういった条件で判断しているというようなことを書かせていただくことになるのではないかというふうに思います。

【工藤委員】 先ほど、島先生がおっしゃったことの同じ意見ですけれども、先ほど、生体内沈着・体内動態のところで、高感受性等々について、要するに、生体の感受性の問題についてお話が出ておりましたけれども、これはむしろ毒性の分野で、同じ毒性があっても、どのように違うかということで、これは私どももディーゼルの曝露実験で、シロネズミとクロネズミを曝露して、長期曝露をした結果、全く違うですね。まだ、この分野のデータというのはまだまだ少ないとは思いますけれども、これから非常に重要な問題になってくると思いますので、ぜひとも、毒性一途だけの側じゃなくて、もう1つ、生体側のそれに対する反応の違いというところに踏み込んでいっていただいた方がいいのではないかと思います。

【内山座長】 いろいろ難しいところもあると思いますし、それから、先ほどは高濃度とおっしゃっていましたけれども、きょうの文献調査では、100〜300μg/m3というある程度低濃度でやったものという実験も1つジャンルとして出てきましたので、そこら辺のところは、少し工夫しながら、評価していただけたらと思います。

【香川委員】 冒頭のところ、「障害の仮説を立てて、障害の仮説の確からしさについて評価を行う」、本筋ではいいと思いますけれども、まだ、私、そういう段階じゃないと。やっぱり動物実験からまた新たな仮説が出てくるとか、ですね。確かに動物実験は疫学なんかから得られる知見からいろんな仮説が出てきて、その仮説の検証を行うために、ヒトボラとか動物実験があると思いますけれども。

【高野委員】 仮説と申しましても、まだかなりシンプルな仮説、クライテリア・ドキュメントを見ましても。例えば、粒子状物質は炎症を起こすとか、そういったかなりシンプルな仮説でありまして、複雑なものを述べているような状況ではもちろんございません。

【佐藤委員】 ちょっと中身に関係なくて申しわけございません。今の「障害」なんですけれども、この障りの害でいいのですね。私、傷の害のような気がしていて、少なくとも「遺伝子傷害性」とかといったら、今まで傷の害できたような気がする訳ですけれども、何かそれとも特別な意味があるのだったら教えていただきたいと思います。

【松田補佐】 これはちょっと、まさに佐藤委員のご指摘のとおりだと思いますので、ついついこの字になってしまって申しわけありませんでした。「障害」は違います。

【内山座長】 「遺伝子傷害性」は、環境省はこの「障害」を使っているのじゃなかったんですか。

【松田補佐】 ここは使い分けをしている場合があったりするのですが。傷の場合の害という…。

【内山座長】 傷をつけることではないけれども、遺伝子におこることを何かも入れているので、環境基準を策定するときのドキュメントはみんなこの「障害」を使っていたような気がしましたが。違いましたか。

【松田補佐】 ちょっとそこまで、過去、どういう整理をしていたかというところまではあれですが。

【内山座長】 ここはまた別の意味ですので、確認お願いします。

【小林委員】 私の理解ですと、いわゆる細胞とか、遺伝子が変化を受けて、そういったものは傷の害、ファンクショナルに、機能とか、そういったときはこちらの方でもいいのかなというような感じを受けています。

【高野委員】 今のところですが、組織的な傷害もあれば、今、お話に出ました呼吸機能みたいなものもあったりしますので、どっちにしましょうかというお話をしていた覚えはありますけれども、すみません、きょうはこの字になっておりました。

【内山座長】 そのほかによろしいでしょうか。
 そうしましたら、毒性学の研究の健康影響報告に関しましても、きょうご議論にあったことを踏まえまして、今後の評価作業を行っていただきたいと思います。
 次に、資料2−6について疫学研究に関する知見の整理の進め方についてご説明をお願いします。

【松田補佐】 それでは、資料2−6の疫学研究の健康影響に関する知見の整理の進め方について説明をいたします。
 疫学研究の健康影響に関する知見につきましては、短期曝露による影響、長期曝露による影響に分類して、さらに死亡や疾病に関する種々の健康影響指標について、その指標ごとに研究の質、知見の一貫性等を考慮して評価を行い、粒子状物質の健康影響に関する疫学知見の整理を行うということを考えております。
 1番目に、疫学研究の意義と特徴ということで、まず、意義ですが、‘現実’の曝露と健康影響の関連性を提示できることを記述します。
 また、大気汚染疫学における曝露評価の特徴として、多くの場合、集団代表値を用いていることを示して、集団代表値と個人曝露量との関連性に基づいて、その妥当性を記述します。
 疫学研究の種類と特徴です。
 疫学研究については、いろいろな種類がありますが、生態学研究、時系列研究、パネル研究、前向きコホート研究、ケースコントロール及びケースクロスオーバー研究、介入研究等々ありますけれども、それぞれの特徴を示し、さらに大気環境疫学という中では、一般にコホート研究が重視される理由、これを記述していこうと考えております。
 また、影響の大きさの尺度としてしばしば用いられる単位濃度増加あたりの相対リスクについて、線形性や閾値等の前提条件等、その意味について記述していきます。
 次に、短期曝露影響です。
 1つ目が死亡です。文献レビューでも複数都市研究の知見が示されておりましたが、この知見を整理して、重要な知見として記述していきます。
 また、我が国でも複数都市研究ということで曝露影響評価報告でもお示しをしましたが、全死亡、呼吸器系死亡、循環器系死亡、ないしは呼吸器系プラス循環器系死亡、それぞれについて知見のサマリー表というのを作成して、表に基づいてリスクの大きさを記述していきます。
 また、単一都市研究を含むリスク推定値一覧を作成して、その中で我が国の結果も含めて記述していくこととします。
 同一データに基づいて異なる解析手法、GAMとかケースクロスオーバー法を用いた一連の研究については、その相違・一致点について記述していきます。
 また、曝露影響の関係の一貫性を評価して記述していきます。
 あとは地域ごとリスク推計値の大きさとばらつきについて記述していきます。
 また、共存大気汚物質を考慮した場合、しない場合の相違について記述していきます。
 また、対象者の属性についてのリスク推計値の相違について記述していきます。
 あとはLagの問題について、死因による一般的な傾向を記述していきます。
 次に、入院、受診です。
 これについては呼吸器系疾患全体並びに呼吸器系疾患のうち肺炎、喘息による医療機関への入院・救急受診についてのリスクの大きさを記述します。
 また、リスク推計値一覧を作成し、我が国の知見も含めて記述します。
 さらに、循環器系疾患全体並びに循環器系疾患のうちの虚血性心疾患、脳血管疾患、その他の循環器系疾患による入院・救急の受診によるリスクの大きさを記述していきます。
 あとは日死亡と同様に、共存汚染物質や疾患ごとのリスクの違い、あとは曝露影響関係の一貫性、対象者の属性の違い、リスクの違い、Lagの問題、これらについても記述していきます。
 次に、症状及び機能変化ですが、呼吸器症状、肺機能への影響それぞれについて曝露影響関係の一貫性を評価して記述していきます。
 あとは喘息患者、非喘息患者のそれぞれについて記述し、あとは子供や成人、属性ごとに記述していきます。
 また、幾つかの心臓機能の指標、血管系の指標の変化等の関係についても記述します。
 次に、長期曝露影響、1番目の死亡ですが、研究の質が高いと考えられるコホート研究の成果について、全死亡、循環器・呼吸器系疾患死亡、肺がん死亡について、曝露影響関係の一貫性の評価をして記述します。また、交絡要因の調整、喫煙等個人の生活習慣、共存汚染物質など、曝露と結果の時間的関係を考慮して評価します。
 次に、疾病発症、症状及び機能変化ということで、呼吸器系疾患の発症に関するコホート研究、ケースコントロール研究について記述します。
 呼吸器症状、肺機能を指標としたコホート研究、研究の質が高いと考えられるいくつかの断面研究も記述をしていく。我が国の知見もあわせて記述していきます。
 呼吸気症状、肺機能については、標準的な手法を採用しているものを重視して記述します。
 あと、子供、成人それぞれについて記述します。
 交絡要因の調整も考慮して評価していきます。
 あと、呼吸器症状、肺機能それぞれについて一慣性を評価して記述します。
 循環器系疾患の発症、症状・機能変化に関するコホート研究、ケースコントロール研究等について記述していきます。
 あとは3番目として、成長・発達にかかわる影響ということで、妊娠中、出生後、早期の曝露による成長・発達にかかわる影響に関して記述します。
 現時点の知見の内容を踏まえ、一貫性について評価の実施に関する課題について記述していきます。
 次のページにいきまして、特定の粒子成分と健康影響の関係です。
 粒子状物質にはさまざまな成分が含まれているということですが、これについてそれぞれの成分で健康影響を説明し得る成分として検討対象となっていることを記述していきます。
 特に、知見として見られるような硫酸塩、粒子酸性度の短期影響及び長期影響に関し記述します。
 その他、化学成分、金属成分等の影響の知見について、質が高いと思われるものについて記述します。
 また、発生源との関係で影響を見た知見については、粒子状物質、共存汚染物質の相互関連性の観点から記述します。
 粒径と健康影響の関係ですが、PM2.5、PM10の影響に関する知見との対比を通じて、浮遊粒子中におけるPM2.5のリスクの大きさ、関連の一貫性を評価、記述します。
 また、いわゆる粗大粒子といいますか、PM10〜PM2.5μmの影響に関してPM2.5のリスクの大きさと比較したリスクの大きさや関連性の一貫性を評価、記述します。
 次に、疫学研究の評価に関連する影響要因等ということで、粒子状物質の健康影響評価の際に留意すべき方法論上の問題点、疫学知見の不確実性にかかわる要因について記述をしていきます。
 まず1つ目に、測定誤差、それと曝露誤差ということで、これは集団代表値と個人曝露量とが一定の相関関係にあるというようなことを記述します。
 環境濃度と個人曝露量との相関性が粒径に依存することを記述します。
 相関性のばらつきが曝露影響関係で、推定値に与える作用について記述する。
 あとは環境濃度の測定が間欠的に行われる場合など、こういうリスク推定値に与える作用について記述をしていきます。
 次に、統計モデル仕様の相違ということですが、短期影響について時系列研究において用いる統計モデルによる推計値の違い、GAMのソフトウエア上の問題について記述します。
 気象因子等調整方法による推計値の相違についても記述していきます。
 あと、共存汚染物質の交絡ということで、古典的大気汚染物質、また、その他の生物由来粒子など、こういう交絡問題について記述をします。
 短期、長期それぞれの問題について記述するとともに、シングル・ポルータント、マルチ・ポルータントによる解析結果の比較についても記述をしていきます。
 また、曝露−影響の時間構造ということで、短期影響の1日のラグとか、季節変動、長期のトレンドの調整方法によるリスク推定値の相違等について記述します。
 24時間よりも短い時間の曝露についても知見の記述をします。
 あとは長期曝露研究における曝露期間の設定による差、経年的傾向による影響の相違について記述します。
 次に、影響度の地域差に関する不均一性ということで、短期影響研究でリスク推定値の地域差の説明要因について記述をします。
 次に、高感受性群に対する影響ということで、先ほどもご議論出ましたが、高齢者、小児、疾患の有無等によるリスク推計値の大きさの相違について記述をします。
 影響メカニズムとの関連について記述をします。
 次に、寿命短縮、平均余命に対する影響ということで、ハーベスティングの問題について記述をします。
 また、短期と長期で推計される死亡リスクの大きさの相違について記述をします。
 次に、閾値として、濃度−反応関数の形、潜在的閾値の有無に関する知見について記述をしていきます。
 それで、まとめとして、関連性の強さ、関連性の頑健さ、一貫性、時間的関係、濃度−反応関係、あとは自然の実験、こういったものについての観点で評価をして、粒子状物質の有害性に関する結論を記述することとします。
 なお、整合性、蓋然性に関する評価は毒性学などの知見も含めた総合評価において記述することがここに書いております。
 以上でございます。

【内山座長】 ありがとうございました。
 疫学研究の健康影響に関する知見の整理につきましては、新田先生の方から補足のコメントはございますでしょうか。

【新田委員】 疫学研究の知見の整理の進め方に関してですが、ただいまご報告がありましたように、あちらこちらに「一慣性」という言葉が出てまいります。疫学知見の場合には、たくさんの知見がございますので、それを見通せるような整理の仕方をした上で、一貫性を重視して、もちろん研究の質を評価した上でのことですが、整理をしていくべきだろうというふうに考えております。
 疫学研究の意義としては、初めの方に書かれておりますように、現実の曝露と健康影響の関連性を提示できるというのが疫学研究の一番の特徴、意義だというふうに思っておりますが、一方で、ほとんどの場合、観察研究ということで、いろんな問題点、交絡の問題があります。それに関しましては、6のところで全体を通した整理をいたしますが、個々の、例えば短期の死亡、長期の死亡、長期の死亡以外の個々の知見の整理におきましても、6で整理しております全体の方法論上の問題、いろいろな、不確実性の問題で挙げました点を十分踏まえた評価を進めたいというふうに思っております。
 その上で最後のまとめで、微小物質の有害性、疫学知見に基づいて、どのような結論を導くことができるかということに関して、それぞれの観点、基本的にはHillが示した観点にのっとった形、完全には一致しておりませんが、そのような観点に基づいた評価をした上で、有害性に関する疫学的知見による記載をしたいというふうに思っております。
 最後の方に、整合性、蓋然性に関しては、毒性等の知見を含めた総合評価ということですが、基本的には整合性と蓋然性に関しましては、毒性学、生物学的な知見との整合性というような観点での疫学における因果関係等の評価のポイントになっておりますので、毒性学等の、それから、先ほどありましたように、沈着・動態、さまざまな知見と評価をすべきだろうというふうに思っております。
 以上です。

【内山座長】 ありがとうございました。
 何かご質問は。

【上島委員】 非常に包括的にいろんなことが考慮されていると思いますが、1つだけ言葉としてちょっと確認をしたかったのは、交絡要因の調整とか、それから結果の解釈にこういう交絡要因の調整の問題が大事だと思いますが、大気汚染とかというふうな場合に、社会階層が非常に重要だと思うのですね。つまり、お金持ちは汚染しているところに住まないという一般的な原則がかなり当てはまる。これはほかの例で言うとわかりやすいですが、ワインがいいという話の中に、他の酒を飲む人と社会階層が明らかに違うのですね。ワインは高い。だから、そういう問題と同じ問題がある可能性があるので、そういったことを触れられたり、考察されたりするのでしょうか。

【新田委員】 疫学知見の中には、もちろん諸外国の研究ですが、対象者の社会経済的因子との関係を見たものは確かにございます。ただ、大気汚染、微小粒子の健康影響を評価する上で、必ずしも大きく取り上げられているというところではないと思います。ですから、どの程度の整理の仕方ができるか、ちょっとわかりませんが、交絡因子に関しましても、これは必要がないというようなことではなくて、広範囲に文献レビュー等の結果も参照して、幅広く考察していきたいというふうに思っております。

【香川委員】 どこかで触れられているのかもわかりませんけれども、死亡診断書のことをぜひ触れていただきたいと思います。最近、疫学知見の見直し、再解析が欧米で行われておりますけれども、高齢者の場合は両方持っている人が圧倒的に多いわけですね。循環器系と呼吸器系の疾患、両方かかっている人が多いので、死亡診断書の、ここで挙がってきているのは原死因の方をとっているので、それで死亡診断書を再チェックしまして、そうすると、循環器系の疾患と大気汚染との関係がより強く出てきたとか、いろいろあるので、死亡診断書から疫学研究をやるときの問題、要するに誤分類の問題とか、そういったことを、ぜひ触れていただきたいと思いますけれども。

【新田委員】 ここでは明示しておりませんが、基本的には評価に関する要因の@の測定誤差、曝露誤差というところで、測定誤差の中には、健康影響の、今、ご指摘がありましたような診断の誤差も含めて記載をしたいというふうに思っております。

【横山委員】 長期曝露影響についてちょっと、意見というか、思うところを述べさせていただきます。前回のこの検討会でも申し上げたのですが、私が申し上げるまでもないことで、新田先生たちがおつくりになった文献レビューには詳しく書いてありますが、1990年代後半までは死亡とPMの関係については、短期曝露については相当のデータが集まっていましたけれども、長期曝露についてはあやふやであったと。それが現在においては、ここにも書いてございますけれども、少なからずの数のコホート研究が死亡とPM2.5の長期曝露との関連について、はっきりとしたデータを出してきている。その様なコホート研究、大体4つか5つ、6つぐらいでしょうか。中でもハーバード6都市研究と、それからAmerican Cancer Societyコホートの研究は、これも新田先生の文献レビューに出ていますけれども、1m3あたり10μgの上昇で、6〜17%という、相対リスクの増加を確認しているわけですね。これらを使ってWHOのガイドラインは1m3あたり10μg、それからアメリカの環境基準は15μg、というものを出してきている。
 結局、私が言いたいのは、それだけ今、世界の中では長期曝露のことについてデータがかなり固まりつつある。ただし、これは全部外国のデータである。これからこの委員会でPM、特に微小粒子の評価をしていくときに、長期曝露と死亡のデータについて、どうしたらいいのか。残念ながら日本にはそのデータはない。今からそういう調査をやるということも、これは極めて非現実的である。
 そんなことを考えますと、もちろん報告されている上記コホート研究の評価というのは大事ですけれども、何か日本でそういうようなデータが得られないだろうかと。そう考えますと、日本ではいろいろな、大気汚染関係ではないのですけれども、それ以外の分野でコホート研究がかなり過去にたくさんある。その中では大気汚染の測定されているものもあるようです。そういうものを何とか使って、どんぴしゃにPM2.5とはいかないかもしれないけれども、日本の粒子状物質というものが、死亡と関係しているのか否かということについて、我々の思考の基礎になるようなデータが得られないだろうかと。
 先ほど、その意味で坂本先生にお聞きしたら、どうも過去のSPMからPM2.5を類推するのは大変難しいらしく、恐らくそれは、できない相談かもしれない。でも何かそういうようなことができないだろうか。そういうことを考えたという次第です。

【内山座長】 ありがとうございます。
 大変重要なご提案だと思いますが、富永先生、何か。

【富永委員】 我が国では大規模なコホート研究が幾つか走っておりますけれども、その中で、今、先生が最後にちょっと触れられた大気汚染も測定しているコホート調査、実はあるのです。しかし、その調査は、1983、1984、1985年、22〜23年前にベースライン調査をやっておりまして、まだ今、観察中ですけれども、宮城県と愛知県と大阪府、いずれも大きな府県で地域がん登録があって、国設の大気汚染測定局があって、しかも疫学研究者がいてというところで、その3府県が選ばれまして、特に大気汚染の長期健康影響調査を見ようということでやっている調査です。これは影響の方は死亡診断書とか地域がん登録のデータで、10年のデータなど集計解析できますけれども、問題の大気汚染の方は、ないものねだりみたいですけれども、非常に大気汚染が著しかった1970年前後の、あるいは60年代の後半ぐらいのデータが非常にお粗末でして、ゼロではありませんけれども、いわんやこういうPM2.5なんか全然測定しておりませんし、粉塵にしても浮遊粉塵、ハイボリュームエアサンプラーで測定したものが多くて、ローボリュームエアサンプラーで測定したものはごく限られた測定データしかないのです。
 それで、この調査は、検討会がありまして、その下にワーキンググループが2つ、疫学ワーキンググループと大気汚染ワーキンググループが置かれており、大気汚染のデータと疫学データの取りまとめをやっております。
 それで、疫学データでも問題はたくさんある訳ですが、10年ないしは15年データがほぼまとまりかけた段階です。大気汚染のデータは国設の測定局のデータだけでは、調査対象者との距離的関係などでも大変問題があるということで、都道府県あるいは市町村のデータも使えるものはないかと過去へさかのぼって集めました。それにすごく手間暇がかかりまして、やっとデータがまとまった状況ではないかと思います。
 ただし、PM2.5はほとんど、ゼロではないですけれども、ほとんどない状況で、SPMはあると思いますね。ですから、これも他の共存汚染物質の影響、それから上島先生がおっしゃるように、何をエンドポイントにしても、大気汚染だけじゃなくて交絡因子、喫煙とか職業とか、いろいろございますので、そういうものを全部考慮した上で解析しないといけない。
 ということで、結論的に言いますと、データ素材はほぼあるのですけれども、まだ最終的な集計・解析が終わっていない状況です。早急にワーキンググループで集計・解析作業を行いまして、まとめようと思っています。祖父江先生に全体のデータの取りまとめをお願いしておりまして、一部もう総合解析をやっておられるのではないかと思っています。また、本日ご出席の佐藤先生も宮城の代表でおられますので、ともにワーキンググループにてとりまとめを行っていければと思っています。ただし、いついつまでにデータが出ますという約束はできませんが、基礎データは集めているという状況でございます。

【横山委員】 さっき申しましたように、やっぱりどうしてもPMの評価というものを何らかはしていきたい。そこが果たして先生がおっしゃったように、光化学スモッグ時代のデータから始まって、SPMもあれですけれども、そこら辺のものでもって、そういうPM2.5そのものじゃなくて、PM2.5周辺のものを類推することが許されるのかどうか。これがだめですよとなったら、もうこれは使えない。そこら辺のところも含めてご検討をしていただけるならば、非常に結構なことじゃないかと思いますけれども、富永先生の方でそのように、もしもお調べになる機会があれば。
 繰り返すようですけれども、日本で従来、がんとか何とかというのは別として、いわゆる粒子状物質が死亡につながるということのデータはほとんど、いわゆる大気汚染疫学では取り上げてきていないわけです。大体において閉塞性肺疾患の症状だけ取り上げているものですから。ただ、何かあるのかもしれないと思ったときに、そこら辺のところを一つ検討しておくことが、これからのいろいろな調査研究の進展にも役に立つのじゃないかなと、そんなふうに思って発言したわけでございます。

【内山座長】 祖父江先生、何かございますか。

【祖父江委員】 今の富永先生がおっしゃったデータというのが1つあるわけですけれども、あと、ほかに大規模なコホート研究というのが、日本で今幾つかでやられていて、ただ、そういうものというのは、生活習慣とがんとの関係を見る、あるいは循環器との関係を見るということで、ほとんどの場合、田舎でやられているのです。ですから、大気汚染がかなり激しいといいますか、高濃度の曝露があるようなところの地区では、ほとんどコホート研究はやられていなくて、先ほどの宮城、愛知、大阪のところは、ある程度都市部が含まれていて、その点で非常に有利であるといいますか、そういう気がします。

【内山座長】 ということは、ある程度、古くからある程度の汚染というか、都市の域を含んだコホートは存在することはする。ただし、まだ解析はほとんどまとまっていない、あるいは、SPMあるいはPM2.5と関連して使えるような知見になるかどうかというのは、もう少し検討してみないとわからないということですが、最近は余り分析されていないということは、これからやれば、まだ可能性はあるということで解釈してよろしいでしょうか。そうしましたら、ぜひ、それはそういうデータがあれば、それを使えるかどうかも含めて、少しこの委員会でもサポートをすればいいんじゃないかというような気もするのですが、何かその件についてご意見ございますでしょうか。

【新田委員】 過去の曝露にさかのぼるということの難しさの点に関してですが、ただ、ご議論ありましたように、SPMでもかなり過去、コホート設定から10年、20年さかのぼったデータが必要だということは確かだと思いますけれども、例えば、ハーバード6city、それから、American Cancer Societyの研究においても、そういう評価されている研究が曝露評価と同程度ならばよしというようなつもりはないですけれども、基本的にはコホート設定から、もしくは設定時点の曝露で曝露量としてみなして議論をしているということもありますので、今、国際的に長期の疫学研究、コホート研究がどのような曝露評価でやられていて、その知見に基づいて、このような健康影響の評価において、それがどう用いられているということも考慮して、曝露の方の評価をしていきたいというふうに思っております。

【森田委員】 特に曝露評価につきまして、相当精緻な議論を、曝露評価だけじゃなくて、きょう、やっていただいたと思いますが、ただ、ちょっと印象としましては、こういう情報があったらうれしいなと、それはないかねとかいって、各ワーキンググループの先生方にお願いしているところがあって、それはそうだなと、あったらいいなということでは、全く皆さん異議はないと思いますが。
 特に過去の曝露でPM2.5のデータを類推できる情報を探そうというと、これは相当難しくて、どちらかというと、ないものねだりをやっている可能性もある訳ですね。そのことを含めて、たとえ、それがなくても、やっぱりロジックが組み立てられるのかということについて、ある程度、少し考えておいた方がいいかなという感じがします。

【横山委員】 ないものねだりというあれでは、僕もさっき言いましたように、それに近いことは十分承知の上で発言しています。

【溝畑委員】 今、森田先生がおっしゃったことですが、実は私の方で、70年代の後半ぐらいからだったら、データとして粒径分布のデータが大分ある訳です。最近ですと10年以上の連続したデータがありますけれども、70年代の後半ぐらいからでも、大分ありまして、それを数値解析すれば、粒径ごとの寄与というのは全部出せます。ですから、もし、我々のところのデータで使えるのであれば、その作業は、大したことはないので、必要でしたら、言っていただいたら対応できると思いますけれども。

【内山座長】 溝畑先生のおっしゃったのは先生のところの大学の周辺で大阪の測定値というものですか。

【溝畑委員】 大阪平野のほぼ真ん中あたりですけれども。

【内山座長】 坂本先生、どうですか。

【坂本委員】 あと同時に、組成が余り変わっていないかというのを見る必要があって、当時であれば、国設の少なくともTSPの組成分析をしているのが、どのぐらいの全体の濃度、それから組成の割合ですか、そういったものがつかめて、それから、溝畑先生のところも組成分析されていて、ローボリュームアンダーセンですかね、先生のところのデータは。それから、あの前後はハイボリュームアンダーセン等も粒径分布を見るような研究が、この80年前後から比較的やられるようになっているので、少し拾えば、ある程度、ほかのものからどのぐらいがSPMか、例えばPM2.1になるかもしれませんけれども、そういったところについての情報が集まる可能性はあるかなというふうに思います。

【内山座長】 大分希望が出てきました。富永先生のところだけではなくて、いろいろなところの情報が集まってくれば、合わせれば非常に有効なデータが出てくる可能性はあるというふうに私は感じました。
 その点に関しましては、特に長期影響の我が国のデータということが活用できるかどうかも含めて、ぜひ、先生方のご協力を得て、それから、事務局としてもサポートしていただければというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
 そのほか、疫学に関して、特にございますでしょうか。
 それでは、ただいまのことも含めましてご議論のあったことを含んだ形で今後の疫学研究の評価作業を進めていただきたいと思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。
 それでは、次の議題として、ワーキンググループの設置についてということで、議題3になってございます。
 今まで議論いただいた検討事項に関する評価文書というのを今後まとめていくことになるわけですけれども、この評価の作業、非常に大変な作業になってくるというふうに思いますので、本検討会の開催要綱に基づいて各分野におきましてワーキンググループを設置するのがいいのではないかというふうに考えております。
 この点について事務局からワーキンググループの設置に関してご説明いただいて、審議いただいた上で、設置をお認めいただければと思います。まず、事務局の方ご説明をお願いいたします。

【松田補佐】 それでは、資料3のワーキンググループの設置についてご説明します。
 目的としては、この検討会における実務的な検討作業、評価文書の作成を行うため、曝露・毒性・疫学の3分野のワーキンググループを設置するというものです。
 運営方針として、構成及び運営、各ワーキンググループは、それぞれ曝露・毒性学・疫学に関する学識経験者を委員として構成しています。
 各ワーキンググループには、座長を置き、座長は会議の議事運営に当たることとします。
 座長は、この親検討会において委員の互選により選出します。
 議事等の公開ですが、ワーキンググループ及びこのワーキンググループに係る資料は、各分野の実務的な検討作業を進める過程において、当該分野に係る知見及び文献等に対する科学的知見からのワーキンググループ委員の自由な議論を妨げるおそれがあること、意思決定の中立性が損なわれるおそれがあることから、議事及び配付資料は非公開とします。ただ、ワーキンググループで検討された事項は、親検討会に報告することとします。
 ワーキンググループにおける検討事項としては、曝露ワーキンググループについては、粒子状物質に関する特定、微小粒子状物質の曝露評価です。毒性ワーキンググループについては、微小粒子状物質の生体内沈着・体内動態、毒性学研究を中心とした微小粒子状物質の健康影響メカニズムに関する検討です。また、疫学ワーキンググループでは、疫学研究を中心とした微小粒子状物質の有害性同定に関する検討を行うこととします。
 それで、ワーキンググループ委員の選任ということで、ワーキンググループ委員は、3に示す検討事項について知見を有する者より選任をして、別紙の委員名簿案に示す学識経験者とします。
 なお、このワーキンググループの委員につきましては、曝露影響評価報告や文献調査報告の作成作業に協力いただいた曝露・毒性・疫学のそれぞれの知見を有する方たちで、座長やほかの委員の方とも相談をして決めてありますが、曝露ワーキングにつきましては、所属を見ていただき、大原委員、小林伸治委員、坂本委員、田村委員、西川委員、溝畑委員、若松委員ということで、この中から親検討会に、坂本委員と溝畑委員と若松委員の3名が入っています。次に毒性ワーキングですが、阿部委員、安達委員、川本委員、小林隆弘委員、高野裕久委員、青芝委員、局委員、藤巻委員、松本委員ということで、親検討会に入っている方としては安達委員と川本委員、小林委員、高野委員の4名が入っています。次に、疫学ワーキングですが、磯委員、小野委員、佐藤俊哉委員、島委員、祖父江委員、中井委員、中館委員、新田委員ということで、親検討会に入っている先生としては3名、島委員と祖父江委員と新田委員です。
 以上です。

【内山座長】 ただいまのワーキンググループの趣旨ですとか、運営方針、それから、委員名簿(案)ということでご説明いただきましたけれども、この件に関しまして何かご質問、ご意見ございますでしょうか。
 特にご意見、ご異存がなければ、このような形でワーキンググループを設置させていただきたいというふうに思います。

【横山委員】 これはいつまでやる予定でいるのですか。期間的なものを。

【松田補佐】 このワーキンググループの終期というのは、ここには記載はしていませんが、この検討会自体、年度内に何らかのまとめを作成しくということで考えておりますので、いつまでと言われると、できるだけ早くとなります。

【内山座長】 これは影響評価というところですので、それはこの親委員会の役割ですので、それが年度内と。そこで、その次のことを考えるということになると思いますので、このワーキングも年度内に親委員会の報告書が出るような形でまとめていただきたいということです。

【新田委員】 ワーキングの検討事項に関して、ちょっと確認をさせていただければと思います。
 疫学ワーキンググループの検討事項をそこに、疫学研究を中心とした微小粒子状物質の有害性同定に関する検討ということで、私の理解としては、本検討会の一番の目標は有害性同定にあるのだろうというふうに思っております。
 一方、毒性ワーキングの方には有害性同定という検討事項は含まれておりません。先ほどから議論がありますように、メカニズムの解明ということを主にというような議論がされていたかと思います。
 それで、微小粒子状物質の場合には、いろんな研究の経緯で、疫学研究が非常に重視されているということで、疫学ワーキングの方にそういう宿題が出ているというふうに理解しておりますが、化学物質、微小粒子、大気汚染物質に限らず、毒性学的な知見と疫学的知見両方から有害性を評価するという場合もあるかなというふうに思います。現状のこの設置案ですと、疫学ワーキングの方の何か役割が少し重いのかなというふうにちょっと理解をしましたが、そういう理解でよろしいかどうか、ちょっと確認をさせていただければと思います。

【内山座長】 高野先生、何か、ご意見いかがでしょうか。あるいは事務局から。

【松田補佐】 もともと開催要綱の趣旨のところで、この検討会の行うところとして微小粒子状物質の健康影響メカニズムに関する検討と、それと有害性同定に関する検討というところがテーマとしてございまして、毒性ワーキンググループの部分のところにつきましては、きょう、高野委員からもお話がありましたが、健康影響メカニズムを同定していこうということで考えています。そこで、毒性ワーキングについては、健康影響メカニズムという部分のところの検討が書かれています。
 有害性同定に関する検討というのも、どこまでの有害性を同定するための検討なのかということもありますが、ひとまず第1回の検討会でお願いしたところでは、まずは定性的な有害性の同定に関する検討ということでお願いをしていますので、この様な、表現として新田委員の方から、重たいものがあるのではないかというお話もありましたが、有害性同定に関する検討というのをこの疫学ワーキンググループのところの検討事項として入れさせていただいたところでございます。

【内山座長】 新田先生、それでよろしいですか。

【新田委員】 はい。

【内山座長】 それでは、このワーキングの設置について、このような方針で進めていただくということでお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
【内山座長】 ありがとうございます。
 それで、3つのワーキンググループの長についても、先ほどの運営方針にありますように、この検討会で決めるということにされておりますが、よろしければ私の方から推薦さていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【内山座長】 これらの分野に関しての知見に精通されておられる方ということで考えますと、もうこれで3つのワーキンググループ長というか、チーム長をずっと続けていただくことになりますが、曝露ワーキンググループ長には坂本委員、それから、毒性ワーキンググループ長に高野委員、それから、疫学ワーキンググループ長に新田委員を推薦させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【内山座長】 ありがとうございます。では、ご異議なしということで、それぞれ先生方、よろしくお願いいたします。
 今後このワーキンググループにおきましては、本日ご審議いただいた健康影響評価の進め方についての大筋、それから、きょうご議論いただいたことを踏まえて、評価文書案の原案の作成をお願いしたいというふうに思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。
 それでは、きょうの議題は一応これで終わりましたが、事務局の方から何かございますでしょうか。

【松田補佐】 本日は長時間にわたってのご審議、どうもありがとうございました。
 本日の議事要旨、議事録につきましては、また、各委員にご確認いただいた上で公開することとさせていただきます。
 また、次回検討会は、年末に開催したいと考えております。次回検討会では、このワーキンググループの作業の進捗を踏まえ、検討事項に関する知見の整理について議論をしていきたいと考えております。
 それでは、本日の会議は、これで終了したいと思います。

【内山座長】 どうもありがとうございました。