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ワカメ

Undaria pinnatifida (Harvey)  Suringar

褐藻綱 コンブ目 チガイソ科 ワカメ属


1. ワカメって?
 ワカメは、お味噌汁の具材などとして良く知られている海藻の一種です。
 ワカメは、九州南部から本州太平洋岸の黒潮の影響が強い地域と寒流の流れる北海道東部を除き日本各地に分布しています。
 その学名はUndaria pinnatifida(ウンダリア ピンナティフィダ)と言います。
 茎が長いものをナンブワカメ Undaria pinnatifida var. distans、短くて葉状部と胞子葉がつながっているものをナルトワカメ Undaria pinnatifida f. narutensis のように区別することがあります。ナンブワカメは北方型ワカメ、ナルトワカメは南方型ワカメと呼ばれ、生育する場所で体の形が異なると言われています。

写真:ワカメ
写真  ワカメ

図:分布域
図 ワカメの分布域

2. ワカメの一生
 ワカメは、一年生の海藻で、冬から春にかけて最も大きくなります。夏場にはほとんど目にすることはありません。
 生長したワカメの根元には6〜7月ころに胞子葉(ほうしよう、図では成実葉[せいじつよう]、通称:めかぶ)が出来ます。 この胞子葉から配偶子と呼ばれる胞子が放出されます。配偶子には雌性(しせい)配偶子と雄性(ゆうせい)配偶子があります。 この配偶子が海底に付いて発芽し配偶体となり、夏を越します。そして、水温が下がり、日が短くなる秋ころにそれぞれの配偶子は、 卵、精子を作り、これが受精し、発芽して芽胞体(がほうたい)となります。芽胞体は、秋から冬にかけて生長し、 漁獲されるようなワカメになります。

図:ワカメの一生
図 ワカメの一生


3.ワカメの栽培(養殖)
 昔、ワカメは天然に生育しているものを採っていましたが、1955年ころから東北地方で栽培(養殖)が始められ、以降急速に日本各地に方法が普及しました。
 栽培方法は、ワカメの胞子葉(めかぶ)から配偶子を放出させ、細いひもなどで作られた採苗器(さいびょうき)に付着させて、目に見える大きさまで大きくした後、さらに太いロープに付けて海で育て収穫します。

写真:ワカメの胞子葉
写真 ワカメの胞子葉(めかぶ)

4.海外進出したワカメ?
 ワカメはもともと、日本沿岸や朝鮮半島に分布していた海藻ですが、日本での養殖が盛んになると、フランスでもワカメ養殖が行われるようになり、南フランス沿岸でもワカメが自生するようになりました。
 また、南半球では1982年にオーストラリアのタスマニヤ島で、1987年にニュージーランド西海岸でワカメが確認されました。さらに、1993年には南米アルゼンチンでも確認されています。こうした南半球でのワカメの出現は、日本漁船の船底などにワカメの配偶子が付着して運ばれたと考えられています。

5.ワカメの利用 −鳴門ワカメ−
 鳴門ワカメは、激しい潮流が生む歯ごたえの良さが特徴で、全国ブランドとして知られています。鳴門ワカメは150年の伝統を持ち、灰をまぶして乾燥させる「灰干し」という独特の加工がされたものです。灰をまぶすことにより、風味を長期間閉じこめることが出来、灰のアルカリ分が葉緑素の分解をおさえ、水で洗えば生ワカメの新緑色・香り・歯ごたえが戻ります。最近では、灰干しに適した灰の確保が難しくなり、代わりに活性炭の粉末を使った加工がされるようになっています。

【参考文献】
1) 川嶋昭二編著:日本産コンブ類図鑑.北日本海洋センター,北海道,158-161,194(1993).
2) 大野正夫編著:21世紀の海藻資源−生態機構と利用の可能性−.緑書房,東京,96(1996).
3) 秋山和夫:ワカメ.週刊朝日百科 植物の世界140藻類2褐藻類,朝日新聞社,東京,242-243(1996).
4) 大野正夫編著:有用海藻誌.内田老鶴圃,東京,42-58(2004).

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