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瀬戸内海は今、病んでいる
●藻場、干潟
藻場、干潟は魚の生息や鳥の渡来地、また、餌場として重要な役割を果たしています。昭和53年から平成5年の15年間に、藻場については約1,500ヘクタール(全国の消失面積の21%に相当)、干潟については約800ヘクタール(同21%に相当)がそれぞれ失われました。このうち、藻場の約40%、干潟の70%が、埋立てなどの開発によって失われました。







藻場・干潟の推移
●水質
瀬戸内海の水質を改善するため、これまで様々な対策が実施されてきました。その結果、汚濁物質等(COD)が海に流れ込む量は、産業からのものは、半分以下になり、私たちの生活が原因となっているものについても下水道の整備により少しずつ減少しています。
●赤潮
魚などに被害を与える赤潮の発生件数は、たくさん起きた時期の40%程度に減少しました。赤潮の原因となる物質(栄養塩類)の削減が進んでいることがひとつの要因です。しかし、毎年100件前後の赤潮の発生が確認されています。






■用語
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意味 |
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■藻場とは:
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海底にホンダワラ・アマモなどの藻が繁茂しているところで、魚介類が集まる。 |
■干潟とは:
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潮汐により冠水と露出を繰り返す内湾沿岸の砂泥地。貝類、多毛類などの底生生物群集が発達し、これらの生物や魚類を食べる鳥類の採餌場となり、多様な生物の生息場所となっている。また物質循環、水質浄化機能上重要な役割を果たしている。 |
■CODとは:
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化学的酸素要求量。水中の還元性物質を過マンガン酸カリウムなどの酸化剤によって酸化するときに消費される酸素量を、水1リットル当たりのミリグラムの数で表す。水の汚染度が進むほど数値は高くなる。 |
■赤潮とは:
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淡水域、海域で微小なプランクトンが異常に増殖する現象で、その色にかかわらずすべて赤潮と呼ぶ。赤潮により養殖魚類のへい死、麻痺性貝毒の発生などの被害が起こることがある。 |
■栄養塩類とは:
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炭素・水素・酸素以外で植物の繁殖に必要な元素、すなわちケイ酸塩、燐酸塩、窒素化合物、カルシウム、カリウム、イオウなどの化合物を指す。これらの中でも燐と窒素はふつう水に溶けている量がごくわずかで、水中に生活する植物プランクトンの量を決める大きな要素になっている。 |