瀬戸内海は白砂青松を謳った景勝の地であり、レクリエーションの場としても我が国で大きな地位を占めている。瀬戸内海においては、海岸線の延長で約25％が瀬戸内海国立公園に指定されており、自然の景勝地を保護するとともに自然に親しむための施設が整備され、瀬戸内海沿岸地域住民のみならず全国民に利用されている。

　沿岸の海水浴場を見ると、沿岸地域の都市化、工業化の進展により消滅した海水浴場も多いが、なお、相当数の海水浴場が残されている。

　環境省では平成21年6月、全国の水浴場のうち、前年度の遊泳人口が海水浴場については概ね１万人以上、湖沼及び河川の水浴場については概ね５千人以上であった水浴場の水質調査結果を公表した。調査対象となった136水浴場すべてが水浴場として適当な水質を維持しており、不適当な水質の水浴場はなかった。このうち水質区分に照らして「水質ＡＡ」と見なされる水浴場は95水浴場（全体の約70％）、「水質Ａ」と見なされる水浴場19水浴場（全体の約14％）、「水質Ｂ」と見なされる水浴場は22水浴場（全体の約16％）であった。

瀬戸内海の主要海水浴場の位置図

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出典：「水浴場水質調査結果」（環境省、平成21年6月）より作成

　また、環境省は、平成10年、水質が良好で快適な水浴場を顕彰することにより、1.国民の水とのふれあいを通じた水環境の保全に対する理解と協力の促進に資するとともに、2.関係自治体等におけるより良い水浴場の実現への取組みを支援することを目的として、「日本の水浴場55選」の選定を行ったが、平成13年３月、選定基準を見直した上で新たに全国88ヶ所の水浴場を、平成13年の「日本の水浴場88選」として選定した。平成18年には、さらに全国100か所の水浴場を「快水浴場（かいすいよくじょう）百選」として選定した。また、このうち総合的な評価の高い12ヶ所を特選として選定した。瀬戸内海沿岸で選定された17ヶ所を示す。

平成18年選定「日本の快水浴場百選」 に選定された瀬戸内海沿岸域の水浴場一覧

注）★とは、特に優れた水浴上として特選に選ばれたことを示す。
出典：平成18年選定「日本の快水浴場百選」
（環境省記者発表、平成18年５月10日）