〔平成一五・四・一○ 環告六○〕
昭和四十八年七月環境庁告示第四十六号(農薬取締法第三条第二項の規定により定められた同条第一項第四号から第七号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件第一号イの環境大臣の定める基準を定める件)の一部を次のように改正し、公布の日から適用する。
1の表4─クロルフェノキシ酢酸の項を次のように改める。
4─クロルフェノキシ酢酸 | 第一大粒果実類 | 0.1ppm |
第二果菜類 | 0.1ppm |
1の表2、3─ジシアノ─1、4─ジチアアントラキノン(別名ジチアノン)の項を次のように改める。
2,3─ジシアノ─1,4─ジチアアントラキノン(別名ジチアノン) | みかん | 0.5ppm |
みかん以外のかんきつ類 | 5ppm | |
第一大粒果実類 | 0.2ppm | |
第二大粒果実類 | 0.5ppm | |
小粒果実類 | 0.5ppm | |
第二果菜類 | 0.5ppm | |
第一葉菜類 | 0.5ppm | |
第二葉菜類 | 0.5ppm | |
根・茎類 | 0.1ppm |
1の表(RS)─S─sec─ブチル O─エチル 2─オキソ─1、3─チアゾリジン─3─イルホスホノチオアート(別名ホスチアゼート)の項を次のように改める。
(RS)─S─sec─ブチル O─エチル 2─オキソ─1,3─チアゾリジン─3─イルホスホノチオアート(別名ホスチアゼート) | 第一大粒果実類 | 0.5ppm |
小粒果実類 | 0.05ppm | |
第一果菜類 | 0.1ppm | |
第二果菜類 | 0.2ppm | |
第二葉菜類 | 0.1ppm | |
根・茎類 | 0.2ppm | |
鱗茎類 | 0.05ppm | |
いも類 | 0.03ppm | |
大豆以外の豆類 | 0.02ppm |
1の表(RS)─1─p─クロロフェニル─4、4─ジメチル─3─(1H─1、2、4─トリアゾール─1─イルメチル)ペンタン─3−オール(別名テブコナゾール)の項を次のように改める。
(RS)─1─p─クロロフェニル─4,4─ジメチル─3─(1H─1,2,4─トリアゾール─1─イルメチル)ペンタン─3─オール(別名テブコナゾール) | 第二大粒果実類 | 1ppm |
第二葉菜類 | 0.5ppm | |
てんさい | 0.5ppm | |
茶 | 25ppm |
1の表S、S─ジ─sec─ブチル O─エチル ホスホロジチオアート(別名カズサホス)の項を次のように改める。
S,S─ジ─sec─ブチル O─エチル ホスホロジチオアート(別名カズサホス) | 第一大粒果実類 | 0.05ppm |
第二果菜類 | 0.05ppm | |
だいこん類の葉 | 0.05ppm | |
根・茎類 | 0.05ppm | |
にんにく | 0.05ppm | |
いも類 | 0.05ppm |
1の表N─tert─ブチル─N′─(3─メトキシ─o─トルオイル)─3、5─キシロヒドラジド(別名メトキシフェノジド)の項を次のように改める。
N─tert─ブチル─N′─(3─メトキシ─o─トルオイル)─3,5─キシロヒドラジド(別名メトキシフェノジド | 米 | 0.1ppm |
第二大粒果実類 | 2ppm | |
小粒果実類 | 2ppm | |
第一果菜類 | 5ppm | |
第二果菜類 | 2ppm | |
第一葉菜類 | 1ppm | |
第二葉菜類 | 10ppm | |
大豆 | 0.1ppm | |
てんさい | 0.1ppm | |
茶 | 20ppm |
1の表4─クロロ─3─エチル─1─メチル─N─[4─(p─トリルオキシ)ベンジル]ピラゾール─5─カルボキサミド(別名トルフェンピラド)の項を次のように改める。
4─クロロ─3─エチル─1─メチル─N─[4─(p─トリルオキシ)ベンジル]ピラゾール─5─カルボキサミド(別名トルフェンピラド) | みかん | 0.2ppm |
みかん以外のかんきつ類 | 3ppm | |
すいか | 0.1ppm | |
西洋なし | 2ppm | |
日本なし | 2ppm | |
第二果菜類 | 2ppm | |
第一葉菜類 | 0.5ppm | |
だいこん類の葉 | 10ppm | |
だいこん類の根 | 0.2ppm | |
茶 | 15ppm |
1の表(E)─1─(2─クロロ─1、3─チアゾール─5─イルメチル)─3─メチル─2−ニトログアニジン(別名クロチアニジン)の項を次のように改める。
(E)─1─(2─クロロ─1,3─チアゾール─5─イルメチル)─3─メチル─2─ニトログアニジン(別名クロチアニジン) | 米 | 0.5ppm |
みかん | 1ppm | |
みかん以外のかんきつ類 | 2ppm | |
第一大粒果実類 | 0.5ppm | |
第二大粒果実類 | 0.5ppm | |
小粒果実類 | 5ppm | |
第二果菜類 | 2ppm | |
第二葉菜類 | 5ppm | |
根・茎類 | 0.1ppm | |
いも類 | 0.1ppm | |
てんさい | 0.1ppm | |
茶 | 50ppm |
1の表(RS)─2─(4─フルオロフェニル)─1─(1H─1、2、4─トリアゾール─1─イル)─3─トリメチルシリルプロパン─2─オール(別名シメコナゾール)の項の次に次のように加える。
3′─クロロ─4,4′─ジメチル─1,2,3─チアジアゾール─5─カルボキサニリド(別名チアジニル) | 米 | 1ppm |
プロピル(1RS,2SR)─(3─オキソ─2─ペンチルシクロペンチル)アセタートを10±2%含むプロピル(1RS,2RS)─(3─オキソ─2─ペンチルシクロペンチル)アセタート(別名プロヒドロジャスモン) | 第二大粒果実類 | 0.1ppm |
2(21)を次のように改める。
(21) 4─クロルフェノキシ酢酸試験法
ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。
イ 試薬試液
アセトン アセトン(特級)
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
塩酸 塩酸(特級)
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(特級)
ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)
n─ブタノール n─ブタノール(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
メタノール メタノール(特級)
ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土
シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
4─クロルフェノキシ酢酸標準品 本品は、4−クロルフェノキシ酢酸99%以上を含み、融点は161〜162℃である。
ウ 試験溶液の調製
1) 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いでジエチルエーテル50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取する。残った水層についても、ジエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジエチルエーテル層を300mlの分液漏斗に合わせ、4%炭酸水素ナトリウム溶液40mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、水層を分取し、残ったジエチルエーテル層についても同溶液40mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全水層を300mlの分液漏斗に合わせ、2mol/L塩酸20ml及びジエチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取し、残った水層についてもジエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジエチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlまで濃縮する。この濃縮液を少量のメタノールを用いて100mlのナス型フラスコに移し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にn─ブタノール及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の混液(5:2)1mlを加え、空冷管を付して90℃で30分間加熱する。冷後、この溶液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いでヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、ヘキサン層を分取し、残った水層についてもヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
3) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(24:1)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフ質量分析計の操作条件
分離管 内径0.2〜約0.7mm、長さ10〜30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1〜1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200〜270℃、コールドオンカラム方式の場合は80〜100℃
分離管槽昇温プログラム 80℃で2分保ち、80〜約280℃の範囲で毎分2〜20℃の昇温を行う。
ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2〜約0.7mmの分離管に対して線速度が毎秒20〜40cmとなるよう流量を調整する。
インターフェイス部温度 200〜270℃
イオン源温度 150℃以上
測定質量数 242、186、141
感度 4─クロルフェノキシ酢酸の0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
4─クロルフェノキシ酢酸標準品の100mg/Lメタノール溶液を調製し、この1mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてウの2)と同様の操作を行い、その残留物にヘキサンを加えて溶かし、50mlとする。この溶液を希釈して0.025〜0.5mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取って4─クロルフェノキシ酢酸の検量線を作成する。
カ 定量試験
試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線により4−クロルフェノキシ酢酸の重量を求め、これに基づき、検体中の4─クロルフェノキシ酢酸の濃度を算出する。
2(67)イ及びウを次のように改める。
イ 試薬試液
アセトン アセトン(特級)
塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
塩酸 塩酸(特級)
酢酸 酢酸(特級)
ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
メタノール メタノール(特級)
リン酸 リン酸(特級)
ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土
シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル
シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
凝固液 塩化アンモニウム2gを蒸留水400mlに溶解した後、リン酸4mlを加えたもの
ジチアノン標準品 本品は、ジチアノン99.4%以上を含み、融点は216℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法(果実及び野菜(だいこんの葉を除く。)の場合)
1) 検体に対し、その500g当たり4mol/L塩酸50mlを加え磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとする。
2) その50mlを300mlの分液漏斗に取り、これに5%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についてもヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、酢酸0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
3) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15ml次いでヘキサン及びアセトンの混液(49:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。続いてヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、酢酸0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
4) この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化した後、4mol/L塩酸を5%含ませたシリカゲル5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム2gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)40mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)80mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、酢酸0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
5) この残留物に5%酢酸含有メタノールを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法(だいこんの葉の場合)
A法の1)と同様の操作を行った後、その50mlを300mlの三角フラスコに取り、これに凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、5%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についてもヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、酢酸0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の3)及び5)と同様の操作を行う。
2(358)ウ中「A法(米の場合)」を「A法(米及び大豆の場合)」に、「B法(果実及び野菜の場合)」を「B法(果実及び野菜(ねぎを除く。)の場合)」に、「C法(茶の場合)」を「C法(茶及びねぎの場合)」に改め、2(358)ウC法中「試料5gを」を「検体20g相当の試料(茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を」に、「この溶液の40ml」を「この溶液の50ml(茶の場合は40ml)」に改める。
2(362)イ及びウを次のように改める。
イ 試薬試液
アセトン アセトン(特級)
塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)
ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
リン酸 リン酸(特級)
ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土
グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン250mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
凝固液 塩化アンモニウム2gを蒸留水400mlに溶解した後、リン酸4mlを加えたもの
トルフェンピラド標準品 本品は、トルフェンピラド99.1%以上を含み、融点は86.8〜88.3℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法(果実及び野菜の場合)
1) 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン120mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、10mlとする。
2) あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにアセトン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これに上記溶液の5mlを分取して流し入れ、アセトン20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
B法(茶の場合)
試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
この濃縮液にアセトン30ml、凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液及びアセトンの混液(5:3)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、5%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についてもヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、10mlとする。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。
2(363)イ中「ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土」の次に「シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの」を加え、2(363)ウA法を次のように改める。
A法(米、果実及び野菜の場合)
1) 検体20g相当の試料(米の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
2) この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン100mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル80mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
3) この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル30mlで展開し、この溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
4) この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。あらかじめ、アルミナミニカラムに酢酸エチル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
5) この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を加えて溶かし、4ml(米の場合は2ml)として試験溶液とする。
2(363)ウB法中「A法の2)」を「A法の2)及び4)」に改める。
2(369)の次に次のように加える。
(370) チアジニル試験法
ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
アセトニトリル アセトニトリル(特級)
アセトン アセトン(特級)
アンモニア水 アンモニア水(特級)
塩酸 塩酸(特級)
ぎ酸 ぎ酸(特級)
酢酸 酢酸(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)
ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)
トリメチルシリルジアゾメタン溶液 トリメチルシリルジアゾメタンを約10%含むヘキサン溶液
ヘキサン ヘキサン(特級)
メタノール メタノール(特級)
ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙
C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
ポリスチレンミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
チアジニル標準品 本品は、チアジニル95%以上を含み、融点は112.2℃である。
4─メチル─1,2,3─チアジアゾール─5─カルボン酸(以下「カルボン酸体」という。)標準品 本品は、カルボン酸体97%以上を含み、融点は198.1℃である。
4─ヒドロキシメチル─1,2,3─チアジアゾール─5─カルボン酸(以下「ヒドロキシ・カルボン酸体」という。)標準品 本品は、ヒドロキシ・カルボン酸体97%以上を含み、融点は157.3℃である。
ウ 試験溶液の調製
1) 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、0.1mol/L塩酸20mlを加えて2時間放置する。これにアセトニトリル80mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル及び水の混液(9:1)60mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコ中に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で15mlに濃縮する。
この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン120mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、これをチアジニル溶出液とする。次いで4mol/L塩酸3mlを多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、5分間放置した後、酢酸エチル及びぎ酸の混液(99:1)150mlで展開し、全溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、これをカルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体溶出液とする。
チアジニル溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(4:1)5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、メタノール及び蒸留水の混液(3:2)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール及び蒸留水の混液(4:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとしてチアジニルの試験溶液とする。
カルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体溶出液に2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に0.1%アンモニア水5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び0.1%アンモニア水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、0.1%アンモニア水10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に1%ぎ酸3mlを加えて溶かす。
あらかじめ、ポリスチレンミニカラムにメタノール及びぎ酸の混液(99:1)5mlと1%ぎ酸5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、流出液を捨てる。次いで蒸留水、メタノール及びぎ酸の混液(80:20:1)10mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをヒドロキシ・カルボン酸体溶出液とする。蒸留水、メタノール及びぎ酸の混液(60:40:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール、蒸留水及びぎ酸の混液(60:40:1)10mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをカルボン酸体溶出液とする。
カルボン酸体溶出液に2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、シリカゲルミニカラムにアセトン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(60:40:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これに2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
2) この残留物にヘキサン及び酢酸の混液(99:1)1ml及びジエチルエーテル1mlを加えて溶かす。この溶液にトリメチルシリルジアゾメタン溶液1mlを加え、室温で15分間放置した後、2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて20℃以下で約0.5mlに濃縮する。これを室温に放置し、溶媒を揮散させた後、この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これに2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて20℃以下で約0.5mlに濃縮した後、室温に放置し、溶媒を揮散させる。
3) この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとしてカルボン酸体の試験溶液とする。
ヒドロキシ・カルボン酸体溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
4) この残留物にメタノール及び酢酸の混液(96:4)1ml及びジエチルエーテル1mlを加えて溶かす。この溶液にトリメチルシリルジアゾメタン溶液1mlを加え、室温で15分間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて20℃以下で約0.5mlに濃縮する。これを室温に放置し、溶媒を揮散させた後、この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて20℃以下で約0.5mlに濃縮した後、室温に放置し、溶媒を揮散させる。
5) この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(17:3)を加えて溶かし、2mlとしてヒドロキシ・カルボン酸体の試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2〜6mm、長さ15〜30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 @ アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、チアジニルが10〜15分で流出するように流速を調整する。
溶離液 A 蒸留水、メタノール及びアセトニトリルの混液(7:2:1)を用い、カルボン酸体の誘導体化物が10〜15分で流出するように流速を調整する。
溶離液 B 蒸留水及びメタノールの混液(17:3)を用い、ヒドロキシ・カルボン酸体の誘導体化物が10〜15分で流出するように流速を調整する。
検出器 チアジニルは波長275nmで測定する。また、カルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体は波長270nmで測定する。
感度 チアジニル、カルボン酸体並びにヒドロキシ・カルボン酸体の誘導体化物のそれぞれ2ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
1) チアジニルの検量線の作成
チアジニル標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.05〜1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってチアジニルの検量線を作成する。
2) カルボン酸体の検量線の作成
カルボン酸体標準品の50mg/Lアセトニトリル溶液を調製する。この溶液の1mlを50mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、ウの2)と同様の操作を行い、残留物を蒸留水及びメタノールの混液(1:1)50mlに溶解し、1mg/L溶液を調製する。この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(1:1)で希釈して0.05〜1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってカルボン酸体の検量線を作成する。
3) ヒドロキシ・カルボン酸体の検量線の作成
ヒドロキシ・カルボン酸体標準品の50mg/Lアセトニトリル溶液を調製する。この溶液の1mlを50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、ウの4)と同様の操作を行い、残留物を蒸留水及びメタノールの混液(17:3)50mlに溶解し、1mg/L溶液を調製する。この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(17:3)で希釈して0.05〜1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってヒドロキシ・カルボン酸体の検量線を作成する。
カ 定量試験
試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりチアジニル、カルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体の重量を求める。このチアジニルの重量の値とカルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体の重量の値にそれぞれ係数1.86及び1.67を乗じてチアジニルの重量に換算したものとを和し、これに基づき、試料中のチアジニルの濃度を算出する。
(371) プロヒドロジャスモン試験法
ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。
イ 試薬試液
アセトン アセトン(特級)
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土
シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
プロヒドロジャスモン標準品 本品は、プロヒドロジャスモン97%以上を含み、沸点は318℃である。
ウ 試験溶液の調製
検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
この濃縮液を飽和塩化ナトリウム溶液50ml、次いでヘキサン100mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(49:1)5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及び酢酸エチルの混液(49:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(49:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)25mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフ質量分析計の操作条件
分離管 内径0.2〜約0.25mm、長さ10〜30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1〜0.25μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
ガス流量 キャリヤーガスとしてヘリウムガスを用い、内径0.2〜約0.25mmの分離管に対して線速度が毎秒20〜40cmとなるよう流量を調整する。
試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200〜270℃、コールドオンカラム方式の場合は60〜100℃
分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60〜約200℃の範囲で毎分2〜20℃の昇温を行う。
インターフェイス部温度 200〜270℃
イオン源温度 150℃以上
測定質量数 184、254、153
感度 プロヒドロジャスモンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
プロヒドロジャスモン標準品の0.05〜1mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク面積(9分から10分にかけて検出される2本のピークの合計値)、横軸に重量を取ってプロヒドロジャスモンの検量線を作成する。
カ 定量試験
試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロヒドロジャスモンの重量を求め、これに基づき、検体中のプロヒドロジャスモンの濃度を算出する。