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| 分野名 | 事業者名 | 事業名 |
|---|---|---|
| 廃棄物系バイオマス利活用技術開発 | 鹿島建設株式会社 | 生ごみ未分別可燃ごみのバイオガス化システムの実用化 |
| 3R・エネルギー回収の高度化技術 | 松下電工株式会社 | FRPの亜臨界水分解技術の実用化開発 |
| 東京ガス株式会社 | 生ごみ等廃棄物系バイオマスからのバイオエタノール高効率回収技術開発 | |
| 廃棄物適正処理技術 | 住友林業株式会社 | 新築系建設廃棄物トレーサビリティシステムの開発 |
| 株式会社ジコー | 無機薬剤による廃棄物焼却施設の排ガス及び重金属含有飛灰の同時無害化処理 | |
| 循環型社会構築技術 | 日本板硝子エンジニアリング(株) | 磁気ろ過器によるドラム缶洗浄水の浄化 |
2.採択課題における事業の概要
J2001「FRPの亜臨界水分解技術の実用化開発」(松下電工株式会社)
熱硬化性樹脂と無機物の複合材であるFRP(繊維強化プラスチック)は住宅資材等に幅広く使用されているが、再資源化が困難で大部分は埋立て処分されている。
当社では世界で初めて亜臨界水分解技術によりFRPの80%(樹脂の70%、無機物の90%)をFRP原料に再利用可能であることを見出した。さらにその実証評価を行うべく、分解条件・処理方式を最適化し前後のプロセスである粉砕、無機物分離とともにパイロット実証設備(0.8t/日、200t/年規模)を当社浴室製造工場内に建設して、製造工程端材にて分解性能の確認を行った。
本事業では、FRPの約70%を占める無機物の回収物の再生工程として、乾燥条件の最適化検討を行い、上記設備の後段に乾燥パイロット実証設備を付加する。これによりFRP分解パイロットプラントとして完成する。その上で粉砕から乾燥までの一貫処理システムとして、実用化に必要な負荷変動等に対する性能安定性・信頼性評価、品質安定確保のための操作条件の見極め等の実用化検証を行う。経済性についても分解生成物からの有機物の回収物の再生工程(本事業と並行して当社で研究)と併せて検討し、実用化の総合評価を行う。
J2002「生ごみ未分別可燃ごみのバイオガス化システムの実用化」(鹿島建設株式会社)
一般家庭から排出される可燃ごみのうち,バイオガス化に適したバイオマスの代表的なものとして生ごみがあげられるが、紙ごみもバイオガス化が可能であることが解っている。
本事業では,生ごみを含む可燃ごみ(以下,生ごみ未分別可燃ごみ)から機械選別により生ごみに加え、紙ごみを回収し,異物除去機構を備えた原料槽で特殊な循環システムで効率的な可溶化を行った後,バイオガス化によりバイオマスをリサイクルする技術の確立を目指す。本技術は,無加水の湿式メタン発酵システムであるため,排水量の少ない乾式メタン発酵と分解率の高い湿式メタン発酵の利点を組み合わせた特長を持つシステムとなる。これにより,可燃ごみから経済的かつ高効率により多くのバイオガスが回収できるようになり,リサイクルの促進,温室効果ガス削減に寄与することができる。
J2003「生ごみ等廃棄物系バイオマスからのバイオエタノール高効率回収技術開発」(東京ガス株式会社)
事業系一般廃棄物のうち生ごみ(厨芥)は含水率が高く焼却には適していない。厨芥は、本来、バイオマス資源として活用するのが望ましく、このためには、付加価値の高いエネルギーを効率的に回収する技術の開発が求められている。平成19年度は、「生ごみ等廃棄物系バイオマスからの高品質エネルギーのカスケード利用技術開発」として生ごみからエタノール及びバイオガスを高効率かつ安定的に回収する技術開発を行ってきたが、固液分離時に残渣側(固体物側)に糖化液が残り十分に糖を利用できない課題があった。本事業はアルコール発酵に係わるプロセスを見直すことにより、エタノールの回収率を向上すること、エタノールとバイオガスを合計したエネルギー回収効率を更に高効率にすることを目指す。本事業の成果は、事業系厨芥のリサイクルの推進や、国産バイオエタノール生産の推進に資するものと考える。
J2004「磁気ろ過器によるドラム缶洗浄水の浄化」(日本板硝子エンジニアリング(株))
本事業は、新たな装置である磁気ろ過器を開発しドラム缶洗浄水を再利用できるレベルまで浄化する。ひいては循環型社会形成の一助とすると共に環境保全、資源の有効利用を図る事を目的としている。ドラム缶には、未使用である新缶と使用済みドラム缶を洗浄した再生缶の2種類がある。循環型社会形成を考えると再生缶が望ましいが再生缶は洗浄して再使用するため、洗浄水の処理が困難で産廃として処理されたり、一部放流されている。そこで本装置で再生缶の洗浄廃水の適切な処理を実施する。本装置の特徴は、磁気ろ過器と磁化シーディング技術の組み合わせで、COD成分をフロック化し、磁気牽引力で急速にろ過する手法であり、安価、操作が容易、拡張性がある等の特色がある。
本装置の処理水はすすぎ水として再利用ができるため廃水の処理のみならず、新規工業用水の購入量を激減でき、その経済性は大きいものと試算されている。また本設備の流通経路も確保できており、短期間で普及する可能性がある。本装置はその特徴を生かし、将来的には種々の化学工業界の廃水処理や工場の廃水で汚染されている中国や東南アジア諸国の河川や湖の環境改善に展開できる技術である。
J2005「新築系建設廃棄物トレーサビリティシステムの開発」(住友林業株式会社)
現在、建設系廃棄物処理の大半が紙マニフェストにより運用・管理されている。しかし、立会い業務や事務処理業務が排出事業者、収集・運搬業者の負荷となっていること。また、廃棄物の正確なトレースと登録情報の把握が行なわれているとは言い難い(情物不一致)など、問題点は少なくない。
さらには、紙マニフェスト伝票自体の紛失までが起こっている。これらを解決するため、本事業では通信機能付きデジタルカメラによって撮影された廃棄物の荷姿画像とその撮影日時情報、廃棄物個々のICタグ情報・邸別データ、さらに電子秤による実測重量をハンディターミナル経由で統合するシステムを開発する。また、廃棄物の回収・処理段階にハンディターミナルにて取得する廃棄物個々のICタグコードとその取得日時情報、重量データを突合せすることで正確なトレーサビリティを実現し、平成18年度において不法投棄の実に約7割を占める建設系廃棄物の不法投棄を撲滅するために活用する。さらには、本事業によって取得したデータをライフサイクルアセスメントに活用し、各住宅部材の製造段階から見直しを行い、ゼロエミッションを促進し廃棄物削減に取り組む。
J2006「無機薬剤による廃棄物焼却施設の排ガス及び重金属含有飛灰の同時無害化処理」(株式会社ジコー)
廃棄物焼却施設で発生する有害な排ガスと重金属含有飛灰(以下飛灰という)は現在、一般にそれぞれ別工程で処理されている(添付書類14-(5)A)。弊社は天然資源を原料とする安価で安全性の高い無機薬剤を消石灰と共に煙道に投入するだけで排ガスと飛灰を同時に処理できる画期的な処理法について既に一定の知見を得ている(添付書類14-(5)B)。また、本事業を検証するための実験設備(添付書類14-(3))の建設費は本来大変高額を要するが、パートナー企業が他の目的で建設した実験設備を活用することができるため、トータルの開発経費を大幅に抑えることができる。加えて、これまでの検証の結果、本事業が実用化されても、既存焼却設備の改造は殆ど必要なく、また今後新たに建設される焼却設備においては、飛灰処理設備が不要となるため、地方公共団体が苦慮している高額な飛灰処理費用等の財政負担の軽減、ゴミ処理場の建設経費や補助金の削減に大きく寄与すると考えられる。更に、石化資源節減による地球温暖化防止や地球環境の保全にも大きなメリットを見出すものとなる。
3.次世代廃棄物処理技術基盤整備事業審査委員
| 氏名 | 所属 ・職名 | |
|---|---|---|
| 委員長 | 田中 勝 | 岡山大学大学院 環境学研究科 特命教授 |
| 委員 | 井上 雄三 | 独立行政法人 国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター 副センター長 |
| 岡田 光正 | 広島大学工学研究科 教授 | |
| 嘉門 雅史 | 京都大学大学院 地球環境学堂 教授 | |
| 河村 清史 | 埼玉大学大学院理工学研究科 環境科学・社会基盤部門 教授 | |
| 武田 信生 | 立命館大学 エコ・テクノロジー研究センター 客員教授 センター長 | |
| 寺嶋 均 | 社団法人 全国都市清掃会議 技術顧問 | |
| 市戸 万丈 | 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 研究管理監 | |
| 馬場 寿 | 財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター 調査研究部長 | |
| 林 愼也 | 独立行政法人 海上技術安全研究所 専門研究員 | |
| 藤吉 秀昭 | 財団法人 日本環境衛生センター 常務理事 | |
| 安井 至 | (独)科学技術振興機構 研究開発戦略センター 上席フェロー |
環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課
TEL: 03-5501-3154 FAX: 03-3593-8263 E-mail: hairi-haitai@env.go.jp