環境省廃棄物処理技術情報

廃棄物処理等科学研究費補助金
TOP廃棄物処理等科学研究費補助金過去の交付情報>「平成20年度廃棄物処理等科学研究費補助金」に係る継続研究の中間評価結果について

「平成20年度廃棄物処理等科学研究費補助金」に係る継続研究の中間評価結果について

平成20年度で研究事業期間が3年計画の2年目に当たる研究17件について、廃棄物対策研究審査委員会において中間評価を実施しましたので、結果を次のとおり発表します。

1.平成20年度中間評価対象研究(全17件

研究番号 研究課題名 代表研究者名 評価結果
K2026環境調和型溶媒イオン液体を用いた廃家電品からのレアメタル再資源化技術の開発後藤 雅宏60.7
K2027一斉化学分析および分子生物学的手法を用いた最終処分場由来有害物質の包括的リスク評価有薗 幸司36.8
K2033不適正な最終処分システムの環境再生のための社会・技術システムの開発古市 徹51.6
K2039地方自治体における循環型社会形成のための廃棄物政策決定支援システムの開発藤原 健史43.5
K2040マグネシウム-アルミニウム複合酸化物を利用した塩化水素排ガスの新規乾式処理方法の開発亀田 知人44.1
K2041動物由来医療廃棄物のリスクとマネジメントに関する研究加藤 雅彦52.0
K2043他産業も含めたマテリアルフローを考慮した建設系廃棄物の再資源化評価システムの構築に関する研究清家 剛44.5
K2046コンクリート内パルスパワー放電による骨材再生浪平 隆男53.6
K2047廃棄物系バイオマスと熱硬化性樹脂の共処理による有用資源の回収と燃料の製造加茂 徹53.2
K2049水熱電解法を用いた難分解性有機廃液の高効率無害化技術の開発後藤 元信47.3
K2052安全・安価なハイブリッド式バイオマス利活用技術による農作物非食部のエネルギー・再資源化と産地での完全消費・循環システムの基盤構築に関する研究近藤 勝義62.0
K2053海岸流木のリサイクルに向けたシステム提案(漂着ごみ問題解決に関する研究)斎藤 直人50.3
K2056アスベスト廃棄物の無害化処理品の生体影響評価に関する研究神山 宣彦54.0
K2057有機臭素系難燃剤を含有した低級廃プラスチックの熱分解を利用した重金属含有汚泥の資源化プロセスに関する研究中村 崇48.3
K2058破砕選別による建設系廃棄物の地域循環システムの設計に関する研究山田 正人48.0
K2061画像処理に基づいたアスベスト定性分析支援手法に関する研究川端 邦明55.9
K2070水熱反応による有機性循環資源の高品位液状飼料化大門 裕之46.5

*評価結果は、審査委員ごとの評価点数の偏差値から算出したもの。

2.研究の概要

K2026 環境調和型溶媒イオン液体を用いた廃家電品からのレアメタル再資源化技術の開発 後藤 雅宏

金属資源の安定確保および廃棄物の低減化のためには、使用済み製品からの金属のリサイクル技術の確立が必須である。溶媒抽出法は、最も有望な金属の分離回収法であるが、これを実用化するには分離効率をさらに向上させ、また環境に配慮した分離プロセスの構築が必要となる。本研究では、不揮発性の溶融塩であるイオン液体を溶媒に用いた新しい溶媒抽出システムを開発する。イオン液体の分子構造を設計し、新たに合成することで、優れた物性の抽出溶媒を開発し、これにレアメタルに選択性の高い抽出剤を組み合わせ、高性能のイオン液体抽出系を創成する。本年度は、希土類をモデルとした昨年度の基礎データをもとに、実廃液への応用を検討し、イオン液体を組み込んだプロセスの設計を行うとともに、本法の性能評価と回収による経済効果を明らかにする。これらの成果をフィードバックしてさらに高性能のイオン液体の開発を行い、対象製品、金属を拡大する。

ページトップへ

K2027 一斉化学分析および分子生物学的手法を用いた最終処分場由来有害物質の包括的リスク評価 有薗 幸司

当該研究では、未知化学物質や非意図的生成物などの複合した総体として、最終処分場由来の土壌や浸出水を対象に、(1)化学物質約700種類の一斉スクリーニング、(2)DNAマイクロアレイによる発現遺伝子変動の解析と潜在的毒性影響評価を行い、優先的にリスク評価の必要な有害物質を特定し、それらのインプットから予測される毒性影響の可能性を検知するためのデータベースを構築する。さらに、それら有害物質を対象とした(3)生物学的測定法を用いた簡易・オンサイトモニタリング手法の開発を行い、最終処分場における包括的な化学物質のリスク管理・リスクコミニケーションを行う。これら有害物質による環境負荷の増低減をより定量的に住民に情報提供し、廃棄物に対する住民の不安感を払拭することで、予防原則に基づいた安心・安全な循環型社会形成の推進を目指す。

ページトップへ

K2033 不適正な最終処分システムの環境再生のための社会・技術システムの開発 古市 徹

物流管理の不徹底により生じた大規模不法投棄が問題となっている.このような不適正最終処分システム(物流管理の不徹底により生じる不法投棄現場や不適正最終処分場)を適正化し,環境再生(跡地利用などの時空間活用)を図っていくための社会(法律・制度,経済,教育,住民参加など)・技術(調査・解析・修復技術など)システムが求められている.昨年度は,不法投棄現場等の「場」の議論を中心に展開してきたが,今年度からはさらに「物流管理」をも視野に入れ,研究展開を図ることにした.本研究では,不適正最終処分システムを環境再生するために,「適正な物流管理」による未然防止対策を提案し,不法投棄現場等の「場」の汚染レベルの調査・評価を行い,そしてリスクコミュニケーションを考慮し,リスクに応じた低コストの多様な修復・再生対策(適正な場の設計)を提案することができる社会・技術システムの開発を行う.

ページトップへ

K2039 地方自治体における循環型社会形成のための廃棄物政策決定支援システムの開発 藤原 健史

本研究では、地方自治体における将来の理想的な資源循環型社会を明らかにし、その社会に到達するための廃棄物政策オプションを評価検討できる政策決定支援システムを構築する。このシステムでは、中長期的な社会変化(人口、世帯、ライフスタイル)や経済変化(産業構造、成長率)のシナリオを設定し、住民や企業へのアンケートと、消費や物質フロー、産業プロセスのモデルをベースとして、一般廃棄物並びに産業廃棄物の発生量と資源化量を緻密に計算し、また廃棄物政策オプションをそれが実行されたときにシミュレートされる地域社会像の資源循環量と環境負荷によって評価する。従来の廃棄物処理計画で行われてきた計画処理量の簡易計算に変わる、経済モデルと物質収支モデルをコアとするシステマティックな廃棄物量推計法および政策評価法を提示する。ターゲット年を2030年に設定し、対象として滋賀県を取り上げ、具体的な廃棄物政策オプションについて検討する。

ページトップへ

K2040 マグネシウム-アルミニウム複合酸化物を利用した塩化水素排ガスの新規乾式処理方法の開発 亀田 知人

マグネシウム-アルミニウム複合酸化物(Mg-Al酸化物)を用いた、塩化水素(HCl)排ガスの新規乾式処理方法を開発する。平成19年度は、Mg-Al酸化物が気相中においてもHClを処理できることを見出した。水蒸気量の増加に伴ってHCl除去率も増加し、Mg-Al酸化物の層状複水酸化物(LDH)構造再生反応が選択的に進行することがわかった。平成20年度は、Mg-Al酸化物のLDH構造再生反応によるHCl除去がさらに選択的に行われる条件を探索する。併せて、反応に及ぼすMg-Al酸化物量、HClガス初期濃度の影響を明らかにし、加えてHClガス処理速度を解析し、反応機構を求める。また、Mg-Al酸化物のHCl排ガス処理への循環利用回数を明らかにする。さらには、NOx及びSOxが、Mg-Al酸化物によるHCl排ガスの処理に与える影響を明らかにする。

ページトップへ

K2041 動物由来医療廃棄物のリスクとマネジメントに関する研究 加藤 雅彦

獣医療や動物実験から排出される動物由来医療廃棄物について,平成19年度は,飼育動物診療所又は実験動物施設において,収集調査,ヒアリング調査及び微生物調査を実施した。この結果をもとに,平成20年度は,飼育動物診療所及び実験動物施設を対象としたアンケート調査を全国的に実施し,動物由来医療廃棄物の現状を更に明らかにする。以上の結果から導かれた知見をもとに,動物由来医療廃棄物に関する試行ガイドラインを作成し,いくつかの施設に実際に試行してもらう。この結果は,平成21年度に取りまとめる。

ページトップへ

K2043 他産業も含めたマテリアルフローを考慮した建設系廃棄物の再資源化評価システムの構築に関する研究 清家 剛

現在、建設系廃棄物の排出量は産業廃棄物全体の18.1%にあたる76,466万トンを占め、建設業は業種別廃棄物排出量の第3位に該当する(平成17年度実績)。建設分野は使用する材料の種類が多く、解体段階で不純物の混入が避け難いため、リサイクルが進みにくい分野であると考えられているが、建材の中には他産業製品の製造過程で生成される廃棄物(副産物)を原料とするものや、建設分野の廃棄物が他産業の原料となっているものも少なくない。このように他産業との関わりの中で資源循環が成立している材料は、マテリアルフロー全体の観点から再資源化を評価する必要がある。本研究は、わが国の代表的な建材であり、リサイクルの仕組みや物性が異なる3種の建材を対象に、他産業も含めた建設系廃棄物の再資源化を評価するシステムを構築し、マテリアルフロー全体の中で環境負荷の低減に寄与するための仕組みや、その実現に必要な施策を提示する。

ページトップへ

K2046 コンクリート内パルスパワー放電による骨材再生 浪平 隆男

コンクリート廃材のリサイクルについては、現在、高度経済成長期に建設されたコンクリート構造体の解体へ伴う廃材の急激な増加と新規道路建設縮小に伴う廃材再利用需要の大幅な減少との2重苦のような状態が続いており、我々はその打開策として良質な再生粗骨材を安価に供給できる新しい粗骨材再生技術「コンクリート内パルスパワー放電による骨材再生」を提案している。3年の総研究期間における本研究の目標は、骨材再生に伴う消費エネルギーの削減及びその処理速度の向上であり、かつ、その実用化へ向けた課題の抽出である。2年目となる本年度は、昨年度同様、更なる消費エネルギーの削減及び処理速度の向上をもたらす放電条件の最適化、及びメンテナンス性の向上をもたらす複数放電の形成を実現するとともに、日本にて使用されている砂岩・安山岩・石灰岩といったあらゆる骨材種に対するその再生特性を把握する。

ページトップへ

K2047 廃棄物系バイオマスと熱硬化性樹脂の共処理による有用資源の回収と燃料の製造 加茂 徹

エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂は、加熱しても大部分が固体残渣となるためにこれまで再生利用することはできなかった。提案者らは最近、エポキシ樹脂にアルカリ触媒を添加し木材の乾留タール中で処理すると、常圧で200℃の穏和な条件下で可溶化できることを見出した。本研究ではこの新しい知見に基づき、エポキシ製プリント基板やFRP廃材から有用な資源を回収する技術を開発する。本法では初めに木材等の廃棄物系バイオマスと循環溶媒とを共熱分解し、クレゾール類を多く含む重質タールを製造する。次にこの重質タール中でプリント基板やFRP廃材を可溶化し、鉛等の有害物を分離除去し、銅やタンタル等の有用金属や希少金属およびガラス繊維や炭素繊維等の高付加価値な材料を回収する。最後に重質タール中および可溶化した熱硬化性樹脂を分解改質し、一部を循環溶媒として再利用し、残りを化学原材料あるいは燃料として利用する。

ページトップへ

K2049 水熱電解法を用いた難分解性有機廃液の高効率無害化技術の開発 後藤 元信

農畜産業、医療、教育・研究活動等で生じる難分解性有機系廃液の水熱電解法による高効率無害化処理ミニプラントの開発を最終目標とする。有機廃液処理法の一つである超臨界水酸化法は過酷な条件と酸化剤を必要とするため、安全の観点から小規模処理法としては実用化が難しい。加圧熱水である水熱条件下で電気分解を適用することにより、温和な雰囲気で酸化分解反応を電気化学的に進行させることが可能となる。本研究では、この水熱電解法により、含窒素化合物、色素等をモデル物質とした無害化実験の処理条件の策定を行う。次に、モデル物質の混合系を用いた基質相互の影響、処理効率等を精査する。最終的には、廃液発生ユニット毎への水熱電解無害化処理ミニプラントの設置を視野に入れた小型連続処理装置を試作し、廃液等を処理能力10~20 L/日程度で無害化するミニプラントの開発を目指す。本処理法の優位性の明確化、プロセス経済性の評価も行う。

ページトップへ

K2052 安全・安価なハイブリッド式バイオマス利活用技術による農作物非食部のエネルギー・再資源化と産地での完全消費・循環システムの基盤構築に関する研究 近藤 勝義

農作物非食部である籾殻や稲藁を対象に, クエン酸洗浄によるセルロース系有機物の加水分解挙動を示差熱重量分析およびガスクロマトグラフ質量分析により調査した結果,ヘミセルロースは200℃付近の低温域で,セルロースは350~500℃でそれぞれ単分子への構造変化が生じることを明らかにし,500℃を1次焼成温度としてSiO2含有量99%以上の焼成灰の作製条件を抽出した.H20年度は,第1次・2次焼成からなる2段階中型焼成装置の開発を目的に,高燃焼効率の達成に向けた焼成条件の適正化(主に空気供給量と残留炭素の相関調査)を熱分析により確認した上で小型焼成炉にて検証し,その結果に基づき,焼成装置の設計を行う.また東南アジアでの籾殻原料を用いて本プロセスの有効性を実証する.一方,他のセルロース多含有バイオマス(木質チップ等)を対象に,クエン酸洗浄による加水分解法を展開し,高純度焼成灰の試作の可能性を検証する.

ページトップへ

K2053 海岸流木のリサイクルに向けたシステム提案(漂着ごみ問題解決に関する研究) 斎藤 直人

海岸流木の処理・活用を促進するため、不安定に漂着する海岸流木の発生予測とリサイクルフローからなるシステムを提案する。当該年度は、[1]モデル河川、[2]モデル海岸における流木の移動、漂着等を調査して、流木の発生源、発生量を推定するとともに、流木化ならびに漂着メカニズムを考察する。また、[3]海岸流木における病害菌、雑草種子、土砂の混入状況を把握するとともに、燃料等の用途に対しての処理技術を精査し、屋外堆積による簡易脱塩法を開発する。昨年に引き続き、リサイクル技術の現状、地域における処理の実態を把握し、[4]各々の用途と処理技術を環境負荷、コスト、市場性、効果等から評価・選定する。これらの手法により、モデル地域におけるリサイクルフロー(活用の流れ)を作成する。また、[5]リサイクルの継続性・安定性の向上を図るため、リサイクルに係る法的整理と処理のあり方を検討する。

ページトップへ

K2056 アスベスト廃棄物の無害化処理品の生体影響評価に関する研究 神山 宣彦

アスベスト含有廃棄物の無害化処理として様々な技術が開発されているが、これまで無害化処理生成物の生体影響については十分な評価がされていない。廃棄量の多いアスベスト含有建材の無害化・再資源化処理として注目される技術として、建材中のクリソタイルを焼成によりフォーステライトといった工業的に再利用可能な材料に転換する技術がある。そこで、これらの無害化処理生成物の再利用の際の安全性を科学的に検証するために、19年度より実験動物を用いた安全性試験を開始した。本研究では、呼吸器影響およびその他の全身臓器への影響を検証し、とくに発がん性に関して、クリソタイルの毒性と比較し、総合的に評価する。さらに、アスベストによる発がんに関与する酸化的DNA損傷、メソテリンなどの中皮腫などのバイオマーカーに関する研究により、アスベスト無害化処理生成物のヒトへの健康リスク評価法を確立することを目的とする。

ページトップへ

K2057 有機臭素系難燃剤を含有した低級廃プラスチックの熱分解を利用した重金属含有汚泥の資源化プロセスに関する研究 中村 崇

本研究では、めっきスラッジなどの重金属含有汚泥と電気機器等に使用される臭素系難燃プラスチックの同時資源化処理プロセスの開発を行う。臭素系難燃プラスチックを熱分解することにより、炭化水素ガス、臭化水素ガス(HBr)ならびに難燃助剤である三酸化アンチモン(Sb2O3)が臭素化して臭素化アンチモンガス(SbBr3)が生成する。環境影響が懸念される臭素系難燃剤を熱分解処理すると同時に、分解生成した炭化水素ガスを重金属含有汚泥の高温乾燥・焼成用の燃料として利用する。同時に分解生成した臭素化ガスを含有重金属類(Zn, Cu, Pb等)と反応させて低沸点の臭素化物として揮発分離する。三年計画の二年目である本年度は、プロセス開発へ向けて、昨年度に引き続き示差熱天秤-ガスクロ質量分析計ならびに小型炉を用いて、臭素系難燃剤の熱分解機構ならびに分解生成した臭素化ガスと各種重金属酸化物との反応機構の解明を行う。

ページトップへ

K2058 破砕選別による建設系廃棄物の地域循環システムの設計に関する研究 山田 正人

破砕選別施設は最終処分のための減容・減量だけでなく、廃棄物から資源を回収し再生利用へと向かわせる分岐点としての機能を担っている。しかし、資源回収技術としての位置づけとその効果が明示されておらず、木くず、廃プラ、石膏ボード、重金属類、廃石綿等が混在する建設混合廃棄物の破砕選別残さの多くが、経済性と環境安全性が満たせないため、最終処分量の減量が進まないとともに循環利用率が向上しない実態がある。破砕選別施設を循環型とするためには、多様な発生源からもたらされる建設系廃棄物の地域物流を見極め、費用効果の高い適正な技術導入により、残さ等の環境安全性を向上させることが必須である。本研究では、建設系廃棄物・副産物から循環資源を高品質高効率で選別し、残さの量と含まれる有害物や有機物を低減する技術を導入することにより、資源生産性と循環利用率を向上させ、最終処分量を低減させる地域循環システムを設計する。

ページトップへ

K2061 画像処理に基づいたアスベスト定性分析支援手法に関する研究 川端 邦明

建材中のアスベスト含有率判定を行う際には,まず定性分析による含有判定が行われる.この判定で含有が認められた際には詳細な定量分析に移行するため,定性分析での判定は大変重要である.しかしながら,現状の分散染色法による定性分析は非効率かつ作業者にとって負担が大きい.現在,アスベスト分析の社会的ニーズが高まっており,この問題を解決するための支援手法の開発は急務である.本研究では,アスベスト含有に関する定性分析,特に分散染色法による分析を支援するための,画像処理を用いた含有判定手法およびシステムについて研究開発を行う.公定法の基準に従い,画像処理技術および識別処理手法を用いて,顕微鏡写真内からサンプリングされた複数の領域に存在する全粒子数およびアスベスト結晶数を計数し,全粒子に対してアスベスト結晶が基準値以上含まれているかについて計算する.開発する手法は無害化処理後の再確認等にも利用可能である.

ページトップへ

K2070 水熱反応による有機性循環資源の高品位液状飼料化 大門 裕之

循環型社会形成を促進するための要素技術として、水熱反応を用いた高品位な液状(液体)飼料の製造技術の開発を行う。これまで、様々な有機性廃棄物に対して、本法を用いた液状飼料化技術を適用できることが確認されている。これにより、食品副産物のみならず、多くの未利用有機資源の有効利活用を促進することが期待できるようになった。本法では、原料を単に液状化するだけでなく、原料中のタンパク質を家畜の成育において重要なアミノ酸およびジペプチドのレベルにまで短時間で分解することができる。本研究では、対象となる原料の種類拡大を図るとともに、製造された生成物のデータベース化、製造された飼料を用いた肥育試験を行い、その有効性を確認する。さらに、本法を中心とした液状飼料および資源循環ネットワークシステムを設計し、これに基づく事業化シナリオを提案する。

ページトップへ

環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課

TEL: 03-5501-3154 FAX: 03-3593-8263 E-mail: hairi-haitai@env.go.jp