環境省廃棄物処理技術情報

廃棄物処理等科学研究費補助金
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「平成17年度次世代廃棄物処理技術基盤整備事業補助金」に係る交付対象研究等の決定について

 環境省では、廃棄物に係る諸問題の解決及び循環型社会形成に資する研究・技術開発を推進する目的として、競争的資金である次世代廃棄物処理技術基盤整備事業補助金制度を設けています。
 「廃棄物適正処理技術」、「廃棄物リサイクル技術」、「循環型設計・生産技術」の3つの技術分野を対象として公募を行い、次世代廃棄物処理技術基盤整備事業審査委員会での評価を得て、交付対象を決定しました。

交付対象となった課題 (7課題)

平成16年度 次世代廃棄物処理技術基盤整備事業審査委員

 
  氏名 所属 ・職名
委員長 田中 勝 岡山大学大学院 環境学研究科 教授
委員 市戸 万丈 独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 草地研究センター 飼料生産管理部長
井上 雄三 独立行政法人 国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター  最終処分技術研究開発室長
岡田 光正 広島大学大学院 工学研究科長
嘉門 雅史 京都大学大学院 地球環境学堂 教授
河村 清史 埼玉県環境科学国際センター 研究所長
杉山 吉男 財団法人 廃棄物研究財団 研究企画・振興担当部長
武田 信生 京都大学大学院 工学研究科 教授
寺嶋 均 社団法人 全国都市清掃会議 技術部担当部長
永田 勝也 早稲田大学 理工学部 教授
馬場 寿 財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター 調査研究部長
林 愼也 独立行政法人 海上技術安全研究所 客員研究員
藤吉 秀昭 財団法人 日本環境衛生センター 環境工学部長
安井 至 国際連合大学 副学長
※委員長以外の委員は50音順

採択課題における事業の概要

J1701「生ごみと他の廃棄物系バイオマスの混合処理による高効率メタン回収技術の開発」(鹿島建設株式会社)

 高温メタン発酵施設を中心とし、生ごみに他の廃棄物系バイオマスを加えて、高効率にメタン回収するエネルギー資源化システムを構築する。回収したエネルギー資源(バイオガス)は廃棄物系バイオマスの再処理施設に還元供給するとともに、熱源あるいは発電燃料として有効再利用することを想定する。
 対象とする具体的なバイオマスとは、生ごみ(事業系又は家庭系の分別生ごみ)、生ごみに加えるバイオマスとして、廃食用油リサイクル施設残渣(不純物を含む廃グリセリン)、魚アラ(魚介加工残渣)、廃紙類(ちり紙等)などを想定し、生ごみに対する処理施設残渣の許容混入率を実験的に検証する。さらに、想定される処理施設残渣発生量を基にした実施設の設計検討を行い、回収可能なエネルギー資源量の推定、システム全体のLCCO2評価を実施する。

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J1702「乾式メタン発酵法による高効率原燃料回収技術の開発」(株式会社タクマ)

 ごみ処理施設において、水分の多い生ごみなど有機性廃棄物についてはメタン発酵し水分の少ないプラスチック等は焼却する手法が、系全体のエネルギー効率を上げる方法として推奨される。その実行にあってはごみの分別が必要となる。しかし、家庭分別は収集コストの増加や行政手続き上の問題から困難な場合が多い。このような場合、収集体制はそのままで、施設側で機械分別することが求められる。
 機械分別ではメタン発酵へ入る原料を複雑な分別で限定したり、可溶化に多大なエネルギーを投じていてはエネルギー効率アップの目的は達成できない。水分の少ない焼却用可燃物を簡単に分別して取り出す方が、雑多ではあるがバイオガス発生量の多い湿った原料が入手できる。さらに乾式メタン発酵ではそのままこれをバイオガス増量に繋げることができる。本事業ではその適切な分別方法を見いだすとともに乾式メタン発酵でのエネルギー回収量の増加を評価すると共にバイオガスの新たな用途展開についても検討を加える。

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J1703「高塩素含有廃棄物処理拡大のための脱塩ダスト除塩システムの開発」(住友大阪セメント株式会社)

 本事業は以下に記述するように、脱塩ダストに対し水洗処理、水処理、晶析処理等の一連の処理を行い、脱塩ダストより塩素成分の大部分を除去し、かつカリウムを高い比率で含有するカリウム塩を回収するシステムを開発するものである。
[1]セメント製造用キルンの窯尻より脱塩バイパスを経由して排出される脱塩ダストに対し水洗処理を行い、脱塩ダストより塩素成分を除去する。水洗処理後の脱水ケーキは再びセメント製造用原料として使用される。
[2]水洗処理後の洗浄ろ液中には、塩素のほかにカリウムを主とするカチオン、および各種重金属イオン等が含まれている。この洗浄ろ液に対して水処理を行い、重金属イオンの大部分を除去する。
[3]水処理後の洗浄ろ液に対し晶析処理を行い、カリウムを高い比率で含有するカリウム塩を回収する。

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J1704「UHF帯ICタグを利用した廃棄物トレーサビリティシステムの開発」(株式会社コシダテック)

 近年、有害廃棄物の適正管理、不法投棄の抑止、資源循環等の観点から、確実性・信頼性のあるトレーサビリティが求められている。そんな中、平成16年度の次世代廃棄物処理技術基盤整備事業補助金に採択頂き、GPS・ICタグ・モバイル通信を利用し、電子マニフェストに連携した感染性廃棄物のトレーサビリティシステムの開発を行なった。その際利用したICタグは13.56MHzであり、情報の読書きの距離が数cmと短く、対象廃棄物が限定されてしまう。そこで本事業では読書きの距離が数mと長く、同時読取にも優れている今年4月改正電波法施行により使用可能となるUHF帯ICタグを利用し、かつそのタグ情報と映像を連携させるシステムを開発する。これらにより、感染性廃棄物のような小さな専門容器に入っている廃棄物以外の廃棄物への応用や適正な資源循環システムへの応用可能な汎用性の高いシステムの開発を行なう。

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J1705「使用済み発泡スチロール(EPS)油化装置の実用化開発」(株式会社ティラド)

 従来より開発を進めてきた、使用済み発泡スチロール油化装置を改良すると共に、これより得られる生成スチレン油で駆動される小型吸収式冷凍機との組合せシステムを製作し、その実用性を証明する。
(1)発泡スチロール油化装置の改良、実用化
本油化装置は平成16年度の環境省補助金を受託し開発中のもので、使用済み発泡スチロールを破砕、熱分解した後、液化するものである。平成16年度の研究はほぼ目標を達成する見込みであるが、新たに判明した下記の二つの問題点に対し改良を実施する。
・熱分解釜内部でのカーボン残渣物の付着、堆積
・生成油の酸性化(pH=4~5)
(2)小型吸収式冷凍機との組合せ
ノンフロン有機系新冷媒を使い冷蔵運転が可能な新型冷凍機を製作、油化装置とのシステム化を図り、生成油のエネルギー活用をその発生場所で行う。

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J1706「電極のパルス活性化による廃棄蓄電池の再利用技術の開発」(協和テクノロジィズ株式会社)

 各種モバイル・携帯情報機器、電気自動車、自然エネルギー利用分散電源電力貯蔵、非常用無停電電源などの需要拡大にともない、2次蓄電池(以下2次電池と略す)の生産量が飛躍的に拡大している。本事業では電極材に希少・汚染・危険物質を多用する2次電池の高コストな廃棄処理を避け、充放電モニターにより得られた電極界面状態の電気化学的計測にもとづき、電極不活性物質の除去のための最適パルス電流を自動的に生成し、電極不活性物質の除去と同時に電池容量の再生復帰を実現するための2次電池再生充電装置の開発を行う。具体的には、これまでに得られている廃棄鉛蓄電池のパルス電流充電によるディサルフェーション再生復帰の実積をもとに、電極界面の詳細な計測と電気化学的解析によって、使用時充放電パターンと不活性物質除去のためのパルス電流パターンの相関を明らかにし、最適パルス電流の自動生成システムを組み込んだ再生充電装置を開発する。さらに、ハイブリッド車に利用されている代表的なアルカリ電池である、ニッケル水素電池を対象に、深放電による充放電履歴効果の除去ならびにパルス電流による再生効果確認のための実験データ収集を行う。

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J1707「マイクロ波による土壌無害化技術の開発」(日本スピンドル製造株式会社)

 本事業において、これまでに日本スピンドル製造株式会社と大阪大学との共同開発により、小型バッチ装置において成功したマイクロ波化学に基づくダイオキシン類無害化処理技術と、装置設計最適化のための電磁波照射方法を基に、オンサイト処理可能且つ、環境負荷低減に対して高効率で低コストな小型連続処理システム化装置を製作し、汚染土壌および産業廃棄物飛灰の長期連続処理実証試験を行い、操作条件の最適化を行うことを目的としている。
本法では、これまでの応用研究による成果から、200~300℃程度、0.2kwh/kg程度で処理が可能であり、また、空気雰囲気下処理、急速冷却工程を必要としないなどの特徴を有していることから、大幅な設備コストならびにランニングコストの削減が実証できる。尚、本申請の連続化処理により、更なる省エネルギー効果と高効率分解性能化を達成できると考えている。

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環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課

TEL: 03-5501-3154 FAX: 03-3593-8263 E-mail: hairi-haitai@env.go.jp

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