![]() 「平成16年度次世代廃棄物処理技術基盤整備事業補助金」に係る交付対象研究等の決定について環境省では、廃棄物に係る諸問題の解決及び循環型社会形成に資する研究・技術開発を推進する目的として、競争的資金である次世代廃棄物処理技術基盤整備事業補助金制度を設けています。「廃棄物適正処理技術」、「廃棄物リサイクル技術」、「循環型設計・生産技術」の3つの技術分野を対象として公募を行い、次世代廃棄物処理技術基盤整備事業審査委員会での評価を得て、交付対象を決定しました。 交付対象となった課題 (12課題)
平成16年度 次世代廃棄物処理技術基盤整備事業審査委員
採択課題における事業の概要 J1601「無声放電による微量PCB含有絶縁油の無害化技術の開発」(北陸電力株式会社) 日本電機工業会(JEMA)から変圧器の新油であるはずの絶縁油から微量のPCB(数ppm)が検出された事例が報告され、その汚染範囲はかなりの量にのぼると懸念され、その汚染油の処理が新たな問題となっている。その処理については、低濃度のPCB濃度(50ppm)を念頭に開発された既存の方法を適用することは経済的な観点から躊躇されるところであり、廃棄物が発生しない、簡易な無害化技術の開発が期待されている。 J1602「感染性廃棄物トレーサビリティシステムの開発」(株式会社コシダテック) 本事業では、GPS・ICタグ・モバイル通信の先端技術を活用した産業廃棄物のトレーサビリティシステムを開発する。他業種で販売実績のある「GENES:車輌位置及び車輌状態管理システム」とICタグとの連携試験まで既に実施した「E-SIS:廃棄物適正処理管理システム」のASPサーバーを接続する為、その接続ソフトウェアを開発する。また、ICタグリーダーを内蔵し車載機器と接続可能なハンディターミナル及びアプリケーションを開発し、GPSによる車両管理とICタグ情報の連動したトレーサビリティシステムを実現する。 J1603「再生ペットボトル樹脂を利用した低コスト粉体塗料の実用化」(石川島播磨重工業株式会社) 「再生PETを利用した低コスト粉体塗料の実用化」開発を行ない、「回収PETボトルの再資源化の促進」と、低コスト粉体塗料の普及により「溶剤系塗料に起因する揮発性有機化合物(VOC)の削減」に寄与する。 J1604「最終処分場から掘り起こされたPCBを含む土壌化した廃棄物の無害化に関する研究」(株式会社神鋼ソリューション) ・古い最終処分場の廃棄後埋立物を掘り起こし、改めて選別・再生・減容化することで処分場の容量の拡大、残余年数の確保を図る技術が検討されている。 J1605「水蒸気処理による低コストな植物廃棄物リサイクルプロセスの開発」(石川島芝浦機械株式会社) 現在我が国では、管理緑地(公園、高速道路、街路樹、事業所、ゴルフ場、サッカー場、校庭等)が増加しているが、それにともない植物廃棄物も増加傾向にある。施設により様々な処理形態が採用されているが、自ら管理する緑地にリサイクルして外部に排出しないという試みはまだ緒についたばかりである。弊社は基礎技術を有する石川島播磨重工業(株)からの指導と協力のもと、水蒸気処理による植物廃棄物リサイクルプロセスの基礎研究に取り組んできた。この結果、この技術を植物廃棄物に適用すると植物の繊維構造体が速やかに分解・軟化し、栄養成分などが生成されるのみならず微生物にとっては極めて分解しやすく改質されるため、ただちに土壌改良材として利用できる事が判明、実用化の見通しを得ることができた。この技術を基に大学や経験豊富な緑地管理者 の指導・協力を仰ぎながら実際の緑地を対象とした実証適用試験を行い、植物廃棄物をゼロにする 低コストなリサイクルプロセスを開発する。 J1606「使用済み発泡スチロール(EPS)連続燃焼式油化装置の開発」(東洋ラジエーター株式会社) 廃棄物として排出される使用済み発泡スチロールを、効率的に破砕・熱分解することにより、有用性の高いスチレン油を取出す装置を製作し、その実用性を証明する。本装置では発泡スチロールを最初に圧縮・減容し、次にこれを微砕片に破砕して、一定割合の生成液に溶解させる。溶解液を燃焼ガスにより加熱して、約400℃に保持すると発泡スチロールは熱分解しスチレン蒸気となるので、これを冷却してスチレン、および、その派生物のオイルが得られる。生成されたオイルはスチレンモノマーの割合が高く、種々の用途に使用可能である。 J1607「廃棄羽毛の断熱・吸着分野へのリサイクル技術の開発」(農事組合法人エヌチキン) 成鶏の約1割を占める副生羽毛の資源化については、多くの試みにも拘わらず未だに有効な方法が開発されていない。大部分がケラチン蛋白質であるが、止む無く埋め立てや焼却処分されているのが現状である。本開発は、従来のコンセプトとは全く異なる、ケラチン構造を保持しつつ該羽を化学的に粉砕するもので、必要に応じて新規湿式機械粉砕により容易に微粉化され得る。当該微粉体は羽本来の機能を保持し、特に安全で断熱性に優れており、保冷・保温流通容器や断熱建材等への利用が最適である。
J1608「産業廃棄物、廃プラスチックより再生プラスチックへのリサイクル技術の開発」(協和化工株式会社) 食品包装や雑貨物の包装材料に使用されているプラスチックフィルム印刷物は、その印刷工程で出る「印刷ロスフィルム」は、現在大半が産業廃棄物として端に処理されています。(多くは焼却、埋立処分) J1609「木質アスファルト加熱混合機及び配合割合の技術開発」(田中建材株式会社) 本計画では、次の項目について研究し、木質加熱混合物の量産化及び経済的条件を確立する。
J1610「産業廃棄物を水周り部品へ再利用する成形技術の検討」(株式会社パンウォッシュレット) 企業から排出される産業廃棄物をトイレ室内、洗面室内、浴室内、台所内などの水周り部品にリサイクルさせる射出成形技術を構築する。リサイクルさせる産業廃棄物としては、陶器粉、FRP粉、木屑、金属粉などである。これら産業廃棄物と熱可塑性樹脂の混合物を押出し機によるペレット化工程なしに、直接射出成形機に投入することにより成形する技術検討を実施する。検討対象となる射出成形部品としては、温水洗浄便座用部品、衛生陶器水洗タンク内に設置されるロータンク、洗面所内、浴室内における手すり等である。 J1611「難分解性有機物の生分解性化過程から成る高効率メタン発酵システムの開発」(株式会社エナジェン) 嫌気性(メタン)発酵システムにおける様々な課題の多くは、食品残さや紙くずに含まれる繊維分や、余剰汚泥の細胞壁部分(ペプチドグリカン等)に代表される難分解性成分の分解効率が低い点に起因している。これらの難分解性有機物を、嫌気性微生物群が資化することの可能な、生分解性の単位分子(単糖類)に改質し、加水分解を促進することにより、バイオガスの回収効率を高める。 J1612「亜臨界水反応を用いた有機塩素化合物を含んだ廃棄物のリサイクル技術の開発」(近畿環境興産株式会社) 本技術は、亜臨界水反応を用い、有機塩素化合物を含む廃油に含まれる有機塩素化合物の脱塩素を行い、塩素は塩化カルシウムとし、脱塩素を行なった有機塩素化合物はアルコールとしてそれぞれ回収し、脱塩素後の廃油は燃料油とすることより、有機塩素化合物を含む廃油のリサイクルを行なうものである。 |
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環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課 TEL: 03-5501-3154 FAX: 03-3593-8263 E-mail: hairi-haitai@env.go.jp |
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