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(旧厚生省情報)


平成11年8月30日
<照会先>
 旧厚生省水道環境部環境整備課
 (代表 03-3503-1711)
 担当 越智、笹田 (内線4047)

平成8年度の一般廃棄物の排出及び処理状況等について

-日本の廃棄物処理(平成8年度版)の概要-

 平成8年度における全国の市町村及び一部事務組合の一般廃棄物(ごみ及びし尿)の排出量、処理状況、処理施設の整備状況等について、一般廃棄物処理事業実態調査結果を取りまとめたので、その概要を以下に示す。

1.ごみの排出量

ここ数年ほぼ横ばいであるが、平成8年度は微増

・平成8年度ごみ総排出量 5,115万t (前年度 5,069万t)

・1人1日当たりの排出量 1,114g (前年度 1,105g)

2.ごみ処理状況

ごみの減量処理率、リサイクル率はここ数年増加傾向

・ごみの減量処理率 89.7% (前年度 88.5%)
 ごみの直接焼却率 76.9% (前年度 76.2%)
 資源化等の中間処理率 12.8% (前年度 12.3%)
・リサイクル率 10.3% (前年度 9.8%)
  (注:減量処理率=直接焼却率+資源化等の中間処理率)

直接埋立率はここ数年減少傾向

・直接埋立率 10.3% (前年度 11.5%)

一般廃棄物最終処分場の残余容量は前年度並み、残余年数は微増

・残余容量 1億4,150万m3 (前年度 1億4,165万m3)
・残余年数 8.8年 (前年度 8.5年)

3.市町村及び一部事務組合における廃棄物処理経費の状況

ごみ処理経費の増加

・廃棄物処理事業経費 2兆6,990億円 (前年度 2兆6,542億円)
・1人当たりのごみ処理経費 18,200円/人年 (対前年度 2.7%増)
・1人当たりのし尿処理経費 6,500円/人年 (対前年度 1.5%減)

1.ごみ処理の状況

(1)ごみの排出量

 ごみ排出量は年間5,115万t(東京ドーム138杯分、7年度は5,069万t)であり、対前年度比0.9%増(7年度は対前年度比0.3%増)となっており、ここ数年はほぼ横ばいであるが、平成8年度はわずかに増加している。1人1日当たりの排出量は1,114g/人日(7年度は1,105g/人日)であり、同じく微増である(図-1)。

(2)ごみの処理の状況

 ごみの減量処理率*)(処理・処分されたごみに対する焼却・破砕・資源化等の中間処理を行ったごみの割合)は年々向上しており、89.7%(7年度88.5%)となっている。廃棄物処理施設の整備が進み、中間処理の実施促進が図られてきていることがうかがえる。
 中間処理されたごみのうち、直接焼却された割合はごみ処理量の76.9%(7年度76.2%)であり、前年度並みである。焼却以外の中間処理(破砕・選別による資源化、高速堆肥化等)の割合は12.8%(7年度12.3%)と年々増加している(図-2)。
 一方、直接埋立処分されるごみの量及び処理・処分全体に占める割合は518万t及び10.3%(7年度572万t及び11.5%)であり、また、埋立処分の全体量も1,309万t(7年度1,360万t)といずれも年々減少している。しかしながら中間処理施設における処理残渣の埋立処分量は791万t(7年度788万t)であり、横ばいの傾向が続いている(図-3)。

(3)リサイクルの状況

 市町村において分別収集や中間処理により資源化された量は300万t(7年度278万t)、また、住民団体によって資源回収された集団回収量は247万t(7年度232万t)であり前年度より増加している。さらに、市町村における資源化と集団回収を合わせたリサイクル率**)は10.3%(7年度9.8%)であり、年々上昇している(図-4)。

(4)ごみ焼却施設の整備状況

 ごみ焼却施設数(着工ベース)は1,872施設(7年度1,880施設)であった(図-5)。

(5)一般廃棄物最終処分の状況

 一般廃棄物最終処分場は2,387カ所(7年度2,361カ所)であり、その残余容量は1億4,150万m3 (7年度1億4,165万m3)と前年度並み、残余年数は全国平均で8.8年分(7年度8.5年分)であり前年度と比べてわずかに増加している(図-6)。
 一方、大都市圏における残余年数の状況については近畿圏が6.5年分(7年度7.1年分)で、首都圏では残余年数が4.1年分(7年度4.7年分)と、引き続き厳しい状況にある。


2.し尿処理の状況

(1)水洗化の状況

 水洗化人口は9,715万人で、総人口の77.2%(7年度75.4%)であり、内訳は浄化槽人口が3,513万人(総人口の27.9%)、下水道人口が6,202万人(総人口の49.3%)となっており、増加傾向にある。一方、非水洗化人口は2,865万人(総人口の22.8%)となっている(図-7)。

(2)くみ取りし尿及び浄化槽汚泥の処理状況

 くみ取りし尿及び浄化槽汚泥の処理量3,375万klのうち、し尿処理施設又は下水道投入によってその93.0%(7年度92.9%)が適正に処理されている。また、海洋投入処分量は6.3%(7年度6.5%)と年々減少しており、陸上において適正な処理が進んでいる(図-8)。

(3)浄化槽の設置状況

 浄化槽設置数は817万基(7年度800万基)であり、増加傾向が続いている。その内訳は、単独浄化槽(し尿の処理)が730万基(7年度728万基)、合併処理浄化槽(し尿と生活雑排水の処理)が全体の10.7%にあたる87万基(7年度72万基)である。
 なお、合併処理浄化槽の処理性能は下水道と同等であり、生活排水を安価で効率的に処理できることが広く認識されつつあり、平成8年度に設置された浄化槽に占める合併処理浄化槽の割合は37.8%(7年度34.4%)と、年々増加している。


3.廃棄物処理事業経費

 市町村及び一部事務組合が一般廃棄物の処理(収集・運搬、処分等)に要した経費の合計は2兆6,990億円(7年度2兆6,542億円)であり、その内訳はごみ処理事業経費が2兆2,843億円(7年度2兆2,168億円)、し尿処理経費が4,147億円(7年度4,374億円)となっている。事業経費を国民1人当たりに換算すると、ごみ、し尿それぞれ18,200円/人年(7年度17,700円/人年)、6,500円/人年(7年度6,600円/人年)***)である(図-9,図-10) 。



*)減量処理率(%) = 直接焼却量+資源ごみ等の中間処理量 × 100
──────────────
計画処理量

**)リサイクル率(%) = 資源化量+集団回収量 × 100
──────────────
計画処理量+集団回収量

***) し尿処理の国民1人当たりの経費はし尿処理経費の総額を非水洗化人口と浄化槽人口の和で除した値である。
 


  

  日本の廃棄物処理(平成7年度版)の修正表