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(旧厚生省情報)


平成9年8月25日(月)
<照会先>
旧厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課
    担 当 課長 入江(内4041)、
    補佐 坂川(内4044)
旧厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室
    担 当 室長 仁井(内4051)、
    専門官 土居(内4052)
    電 話 (代)03-3503-1711

廃棄物焼却に係るダイオキシン削減のための規制措置について


○ 廃棄物焼却に伴うダイオキシンの排出を削減するため、廃棄物処理法

(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に基づく廃棄物処理法施行令(政令)及び廃棄物処理法施行規則(省令)を改正し、8月29日に公布する。


○ 今回の政令及び省令の改正は、ダイオキシン削減の観点から焼却施設の構造・維持管理基準を見直すほか、小規模施設に対する規制強化のために許可対象範囲の見直し(構造・維持管理基準の適用対象施設の拡大)や、野焼き防止のために処理基準の明確化等を行うものであり、本年12月1日から施行することとしている。(概要は別添参照)

*構造・維持管理基準及び処理基準に違反した場合は改善命令等の対象となり、この命令違反は罰則で担保。


○ また、今回の改正では、併せて、ミニ処分場に対する規制を強化するため、最終処分場の裾きりを撤廃している。
(別添) 廃棄物処理法に基づく政省令改正の概要について


1.構造・維持管理基準の強化(厚生省令)

廃棄物焼却施設から排出されるダイオキシンを削減するため、許可対象施設の構造基準及び維持管理基準を強化。
改正後の新規の許可施設に適用される基準は以下のとおり。(既存の許可施設には経過措置あり。)

(1)構造基準(改正後の主なもの)

(1)外気と遮断された状態で定量ずつ連続的に廃棄物を燃焼室に投入できる供給装置の設置
(2)次の要件を備えた燃焼室の設置
・燃焼ガスの温度が800℃以上の状態で2秒以上滞留
・外気と遮断
・助燃装置の設置
・燃焼に必要な空気を供給できる設備の設置
(3)燃焼ガスの温度をおおむね200℃以下に冷却できる冷却設備の設置
(4)ばいじんを除去する高度の機能を有する排ガス処理設備の設置
(5)燃焼ガス温度及び排ガス中の一酸化炭素濃度の連続測定・記録のための装置の設置
(6)ばいじんを焼却灰と分離して排出・貯留できる設備の設置

(2)維持管理基準(改正後の主なもの)
(1)燃焼室への廃棄物の投入は、定量ずつ連続的に行うこと。
(2)燃焼室中の燃焼ガス温度を800℃以上に保つこと。
(3)焼却灰の熱しゃく減量を10%以下とすること。
(4)運転開始時には炉温を速やかに上昇させ、運転停止時には炉温を高温に保ち廃棄物を燃焼し尽くすこと。
(5)集じん器に流入する燃焼ガスの温度をおおむね200℃以下に冷却すること。
(6)冷却設備等にたい積したばいじんを除去すること。
(7)排ガス中の一酸化炭素濃度を100ppm以下とすること。
(8)排ガス中のダイオキシン濃度を次の基準以下とすること。

燃焼室の
処理能力
新設の基準 既設の基準
1年後まで 1~5年後 5年後以降
4t/h以上 0.1ng /m3 基準の適用
を猶予
80ng/m 1ng /m3
2t/h~4t/h 1ng /m3 5ng /m3
2t/h未満 5ng /m3 10ng /m3
(注)ダイオキシン濃度は毒性等量濃度に換算したもの。

(9)燃焼ガス温度及び排ガス中の一酸化炭素濃度を連続的に測定・記録すること。
(10)排ガス中のダイオキシン濃度を年1回以上測定・記録すること。
(11)ばいじんを焼却灰と分離して排出・貯留すること。

*構造・維持管理基準に違反した場合には使用停止命令・改善命令の対象となる。この命令違反には、1年以下の懲役又は 100万円(廃棄物処理法改正により300万円に引上げ)以下の罰金が設けられている。


2.許可対象範囲の見直し(政令)

小規模施設に対する規制を強化するため、許可対象範囲を見直す。

(1)許可対象施設の裾きりの引下げ(原則:5t/日 → 200kg/時間)

(2)新たに許可対象となる既存の裾きり未満等の施設への構造・維持管理基準の適用

3.処理基準の明確化(政令・厚生省令・告示)

野焼きを防止するため、施設の規模にかかわらず、廃棄物を焼却する際に遵守しなければならない処理基準(焼却設備及び焼却方法)を明確化。

○焼却設備の構造

・空気取入口及び煙突の先端以外に焼却設備内と外気とが接することなく廃棄物を焼却できるものであること。
・燃焼に必要な量の空気の通風が行われるものであること。

○焼却の方法

・煙突の先端以外から燃焼ガスが出ないように焼却すること。
・煙突の先端から火炎又は黒煙を出さないように焼却すること。
・煙突から焼却灰及び未燃物が飛散しないように焼却すること。

*処理基準に違反した場合にも改善命令の対象となり、上記と同様の罰則が設けられている。

4.施行期日

平成9年12月1日

* 上記政令において、併せて、ミニ処分場に対する規制を強化するため、最終処分場の裾きり(安定型3000m2、管理型1000m2)を撤廃。