■一覧■
(旧厚生省情報)
平成8年8月2日
<照会先> 厚生省生活衛生局水道環境部計画課 担当粕谷(内4004)、岩屋(内4007) 電話(代)3503-1711 (直)3501-9671 |
生活環境審議会産業廃棄物専門委員会の検討状況について
生活環境審議会廃棄物処理部会に設置された産業廃棄物専門委員会においては、3月の第1回会議以来、これまで9回にわたり会議を開催してきたところであるが、7月30日の第9回会議で産業廃棄物をめぐる論点全般にわたるディスカッションをひととおり終え、次回から今秋の報告書のとりまとめに向けての本格的な議論に移る。
〔資料〕 |
1. |
産業廃棄物専門委員会の検討の経過について |
2. |
これまでの議論の整理(再改訂版) |
3. |
第9回産業廃棄物専門委員会の議論のあらまし |
4. |
産業廃棄物専門委員会委員名簿 |
(資料1)産業廃棄物専門委員会の検討の経過について
- 第1回(3月26日)
1 |
産業廃棄物専門委員会について(今後の進め方) |
2 |
産業廃棄物の現状と課題 |
3 |
その他 |
- 第2回(4月12日)
1 |
産業廃棄物関係者とのフリートーキング(第1回地方公共団体)
栃木県環境整備課班長 |
長竹一雄氏 |
長野県廃棄物対策課長 |
青木和雄氏 |
岐阜県環境整備課課長補佐 |
小川宗治氏 |
広島県環境整備課長 |
森本文人氏 |
|
2 |
最終処分場等処理施設の確保のための方策について |
3 |
その他 |
- 第3回(4月22日)
1 |
産業廃棄物関係者とのフリートーキング(第2回産業界)
三菱マテリアル(株)環境資源リサイクル部長 |
浅野闘一氏 |
日産自動車(株)環境安全技術部長 |
樋口世喜夫氏 |
味の素(株)環境部長 |
大塚譲氏 |
住友林業㈱常務取締役 |
元林義智氏 |
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2 |
最終処分場等処理施設の確保のための方策について |
3 |
不法投棄の発生防止のための方策について |
4 |
その他 |
- 第4回(5月8日)
1 |
産業廃棄物関係者とのフリートーキング
(第3回施設立地問題を抱える首長及び産業廃棄物処理に係る市民活動家)
宮城県白石市長 |
川井貞一氏 |
岐阜県御嵩町長 |
柳川喜郎氏 |
廃棄物処分場問題全国ネットワーク事務局長 |
大橋光雄氏 |
長野県廃棄物問題研究会事務局長 |
関口鉄夫氏 |
弁護士 |
梶山正三氏 |
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2 |
不法投棄の発生防止のための方策について |
3 |
不法投棄の原状回復のための方策について |
4 |
その他 |
- 最終処分場の現地視察(5月9月)
1 |
太平興産(株)の管理型最終処分場(千葉県富津市) |
2 |
現在申請中の管理型最終処分場設置候補地(千葉県君津市) |
- 第5回(5月29日)
生活環境審議会廃棄物処理部会・産業廃棄物専門委員会合同会議
1 |
廃棄物処理部会と産業廃棄物専門委員会との意見交換 |
2 |
その他 |
- 第6回(6月13日)
1 |
産業廃棄物関係者とのフリートーキング
(第4回産業廃棄物処理業者及び広域臨海環境整備センター)
(株)ハチオウ代表取締役社長 |
森雅宜氏 |
エスク三ツ川㈱代表取締役社長 |
三ツ川卓生氏 |
日本サニテイション㈱代表取締役社長 |
原山進氏 |
大阪湾広域臨海環境整備センター常務理事 |
川本靖夫氏 |
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2 |
不法投棄の原状回復のための方策について |
3 |
産業廃棄物のリサイクルの促進のための方策について |
4 |
その他 |
- 第7回(6月27日)
1 |
産業廃棄物関係者とのフリートーキング
(第5回警察庁及び海外の産業廃棄物処理の有識者)
警察庁生活安全局生活環境課生活経済対策室長 |
園田一裕氏 |
日本技術開発㈱水工本部環境施設部次長 |
樋口壮太郎氏 |
東京海上火災保険㈱企業営業開発部企業
リスクコンサルティング室主任 |
織朱實氏 |
AIU保険会社新種保険業務部長兼環境室長 |
大岡健三氏 |
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2 |
産業廃棄物をめぐる論点について |
3 |
その他 |
- 第8回(7月15日)
- 第9回(7月30日)
(資料2)これまでの議論の整理(再改訂版)
I産業廃棄物の減量、リサイクルの推進について
1.基本的考え方
- ごみの発生を抑制し、極力リサイクルして処分量を減らす方向に大転換する必要がある。
- 事業者に減量計画の作成を義務づける等により、極力事業活動における廃棄物の発生を抑制する仕組みが必要である。
- 最終処分場の建設を厳しく規制することにより最終処分コストを引き上げ、埋立よりもリサイクルする方がコスト軽減になる仕組みとする必要がある。
- 基準の強化は、廃棄物の適正処理のために行うものであって、コスト引き上げを目的として基準の強化を図るような考え方は問題ではないか。
- ごみをなるべく削減し最終処分量を減らす方向に排出事業者、産業界の意識を変革させるためには、最終処分場を作らせないことにより、最終処分が不可能な状況に追い込むことが必要。
- ごみはゼロにならないのであり、最終処分場を作らせないという考え方はおかしい。
2.リサイクルの推進策について
- リサイクルの推進のためには国が一定の目標や方針を示すべき。同時に関係業界も努力すべき。また、現行法の多量排出事業者の処理計画策定についてリサイクルの視点を盛り込むべき。
- 再生利用や再生品の流通を促すため、リサイクル技術に係る基準、指針の明確化、技術開発、施設の充実、リサイクル製品の市場の拡大への支援を推進してほしい。
- リサイクル製品については、コストが高く、品質も劣るが、リサイクルを進めるため規制の交通整理とリサイクル製品の経済的な循環を考えてもらいたい。このようにすれば、例えば、建設業界ではさらにリサイクル製品の活用が可能。
- 廃棄物の減量とリサイクルの推進を図るためには、廃棄物であれば一律に規制するという現行の制度を見直すとともに、円滑かつ広域的に廃棄物処理業の許可が取得できるような方策を検討すべき。
- 現在生じている不適正処理の問題を考えると、リサイクル推進のための規制緩和はさらなる不適正処理を招くのではないか。
II最終処分場等処理施設について
1.施設の基準について
- 最終処分場等の産業廃棄物処理施設については、現行の法規制や基準が十分機能しておらず、その見直しや改善が必要。
- 地域で紛争が起きている最終処分場のうち、7割から8割は安定型最終処分場。安定型処分場については、安定型以外の廃棄物が混入するなど信頼性、安全性に疑問が生じており、廃止を含めた見直しが必要。
- 管理型最終処分場は信頼性や安全性に不安が残る。長期的に考えれば、安定型最終処分場の方が環境への影響が少ないと考えられ、その廃止には異論がある。
- 遮断型最終処分場については、有害廃棄物を溜めているだけであり、長期的な視点に立って基準を定めることが必要。
- 廃棄物処理法の規制の適用外であるミニ処分場では、適正な処理が行われておらず、規模の大小にかかわらず、すべて都道府県知事の許可制とするなどの措置が必要。
- ダイオキシン等未規制の化学物質について安全性の基準を示すべき。
- 最終処分場の信頼性の回復のために、搬入管理の強化、シート、遮水工の強化、漏水の検知の方法についての見直しが必要。また、溶出試験方法の見直し(pHを4にする)、有害廃棄物のチェック体制の確立も必要。
2.施設の設置手続について
- 許可申請前に都道府県の指導要綱等により住民との話合いや同意取得という手続が求められており、その手続が長期間かかり申請に至らないケースが多い。手続は法律で定めるべき。
- 行政手続法ができても要綱行政がなくならないということは、行政手続法だけでは産業廃棄物に関する手続の問題は解決できないということであり、廃棄物処理法で手続の整備が必要。
- 産業廃棄物処理施設の設置に際し、市町村長の意見を聴く仕組みとすべき。
- 住民同意に代わる公的な機関を設け、住民に代わり最終処分場建設計画を審査するという仕組みにしたらどうか。
- 事業計画の公開、アセスメントの義務付けとその公表という仕組みが必要。
- 中間処理施設については、建築基準法第51条により都市計画地方審議会に諮る必要があるが、住民の反対によりなかなか審議会にかからず、施設設置の妨げとなっている。住民同意とそれを前提とした審議会の運営についての見直しが必要。
3.データの公開について
- 廃棄物処理施設が設置された後の住民等による立入調査権と操業中のデータの開示を法定すべき。
4.最終処分場に係る長期的な管理体制について
- 最終処分場の運営は長期間にわたるものであり、途中から埋立収入がなくなるという特殊な事情もあるので、住民は不安に思っている。最終処分場を設置する業者が倒産したときや埋立終了後における適切な管理など責任体制を保証する仕組みが必要。
- 最終処分場の閉鎖後の跡地利用に問題があり、閉鎖や跡地利用について許可等監督が必要。
5.基準の上乗せ等について
- 施設からの放流水については、きちんとした基準があればよく、山間部と都市部で異なる規制をする必要はないのではないか。
- 最終処分場の水源地への立地は、法律で規制すべきではないか。
6.その他現行制度の見直し等について
- 有価物であれば廃棄物でないという解釈、中間処理施設で処理した後の残さの処理は自社処分であり、業の許可は不要という解釈は不合理であり改めるべき。
- 木くず等一般廃棄物との混合が生じる産業廃棄物の業種限定のあり方及び特別管理産業廃棄物の発生に係る施設限定のあり方について見直すべき。
- 特別管理産業廃棄物の追加指定等有害廃棄物対策を強化すべき。
- 廃棄物処理センターの設置を促進して住民の信頼を回復すべき。
III不法投棄について
1.不法投棄の発生防止策
- すべての廃棄物へのマニフェストの義務づけと全国統一の電算化を行うべき。また、データの正確性を確保するため、中継基地等にはトラックスケールの設置を義務づけるべき。
- 不法投棄の防止のために、処理業者に係る情報に関する地方公共団体間の情報交換の推進等が必要。
- 優良マーク制度等による優良業者の育成と公表により、優良業者の情報が提供されることが必要。
- 許可業者による不法投棄の8割を占めている収集運搬業者の許可要件の強化が必要。
- 収集運搬業者について、一般貨物自動車運送事業許可を有することを許可要件とし、事務負担を減らし、現場の指導に力を入れられるようにすべき。
- 行政担当者の権限強化と原因者への指導方法の統一を行うべき。
- 建築現場で問題が起きることが多いので、元請業者が全体的な事業計画において適正な廃棄物の処理についても計画を立てることとすべき。
2.罰則の強化等
- 不法投棄を防止するため、罰則を強化すべき。また、確信犯については直ちに検挙すべき。
- 不法投棄による不当利得は全額没収するよう罰金の大幅引上げを含め罰則の強化を検討すべき。
- 委託基準違反については、収集運搬業者に処分まで委託している場合も取締りが行えるよう過失罰の導入を検討すべきではないか。
- 不適正な処理については、行政処分がなくとも、直接罰則を課することを検討すべき。
- 無許可業者への仲介やあっせんについても規制を行うべきではないか。
3.不法投棄に係る排出事業者の責任
- 廃棄物処理を委託した先で不法投棄が行われた場合は、たとえ適法な委託であったとしても、排出者の責任を問うべき。
- 適法に許可を受けた人に適法に委託した場合に責任を問うことは、許可制の考え方と整合性がとれず、適当でない。むしろ優良業者を育てていく政策が必要。NO2に続く