平成11年度の分別収集・再商品化等について

1.対象品目
 

 容器包装リサイクル法に基づく分別収集及び再商品化が開始され3ヶ年が経過した。
 分別収集及び再商品化の対象となる品目は、

(1)無色のガラスびん,(2)茶色のガラスびん,(3)その他のガラスびん,(4)ペットボトル
 の4品目。有償または無償で引き取られるため分別収集のみの対象となる品目は、
(5)スチール缶,(6)アルミ缶,(7)飲料用紙パック
 の3品目である。
 

2.実施状況

  年度 無色
ガラス
茶色
ガラス
その他
ガラス
ペット
ボトル
スチール
アルミ
紙パック
年間収集見込み量
(トン)
11 542,451
(1.12倍)
396,894
(1.11倍)
155,603
(1.11倍)
59,263
(1.33倍)
636,099
(1.08倍)
187,025
(1.10倍)
36,626
(1.22倍)
10 486,025
(1.20倍)
358,012
(1.20倍)
140,443
(1.18倍)
44,590
(2.11倍)
590,858
(1.12倍)
170,535
(1.15倍)
30,072
(1.31倍)
9 406,133 299,536 118,536 21,180 526,701 148,885 23,028
年間分別収集量
(トン)
11 326,110
(1.01倍)
290,127
(1.06倍)
149,332
(1.09倍)
75,811
(1.59倍)
471,127
(1.00倍)
128,541
(1.06倍)
9,574
(1.07倍)
10 322,284
(1.10倍)
274,374
(1.12倍)
136,953
(1.27倍)
47,620
(2.23倍)
471,638
(1.02倍)
121,214
(1.08倍)
8,939
(1.35倍)
9 292,775 243,916 107,533 21,361 464,662 112,527 6,644
年間再商品化量
(トン)
11 307,237
(1.01倍)
272,559
(1.06倍)
134,084
(1.09倍)
70,783
(1.57倍)
456,892
(0.99倍)
124,690
(1.06倍)
9,416
(1.09倍)
10 303,240
(1.10倍)
256,227
(1.12倍)
123,227
(1.29倍)
45,192
(2.34倍)
461,347
(1.04倍)
117,315
(1.09倍)
8,670
(1.35倍)
9 275,119 228,170 95,190 19,330 443,506 107,455 6,419
再商品化率
(再商品化量/分別収集量)
11 94.2% 93.9% 89.8% 93.4% 97.0% 97.0% 98.4%
10 94.1% 93.4% 90.0% 94.9% 97.8% 96.8% 97.0%
9 94.0% 93.5% 88.5% 90.5% 95.4% 95.5% 96.6%
実施市町村数 11 1,991
(1.07倍)
1,992
(1.07倍)
1,915
(1.07倍)
1,214
(1.20倍)
2,625
(1.02倍)
2,647
(1.02倍)
1,176
(1.06倍)
10 1,862
(1.16倍)
1,866
(1.16倍)
1,784
(1.16倍)
1,011
(1.60倍)
2,572
(1.07倍)
2,587
(1.07倍)
1,111
(1.12倍)
9 1,610 1,610 1,535 631 2,411 2,420 993
全市町村に対する
実 施 率
11 61.2% 61.3% 58.9% 37.3% 80.7% 81.4% 36.2%
10 57.2% 57.3% 54.8% 31.1% 79.0% 79.5% 34.1%
9 49.5% 49.5% 47.2% 19.4% 74.1% 74.3% 30.5%
3月末時点の
分別収集対象人口
11 10,867
(1.02倍)
10,868
(1.02倍)
10,557
(1.03倍)
8,485
(1.09倍)
11,556
(1.01倍)
11,577
(1.01倍)
6,904
(1.01倍)
10 10,618
(1.01倍)
10,623
(1.06倍)
10,289
(1.09倍)
7,786
(1.59倍)
11,478
(1.00倍)
11,511
(1.06倍)
6,863
(1.07倍)
9 9,621 9,649 9,283 5,238 10,836 10,859 5,431
上記人口の
総人口に対する割合
11 86.3% 86.4% 83.9% 67.4% 91.8% 92.0% 54.9%
10 84.6% 84.6% 81.9% 62.0% 91.4% 91.7% 54.7%
9 76.8% 77.0% 74.1% 41.8% 86.5% 86.7% 43.4%
※下段の括弧内の数字は、前年度に対する伸び率


3.分別収集実績について
  

(1) 分別収集実施市町村数は、市町村数の最も多いアルミ缶で平成9年度:2420→平成10年度:2587→平成11年度:2647、最も少なかったペットボトルで平成9年度:631→平成10年度:1011→平成11年度:1214と確実に増加している。それに伴い、分別収集対象人口も増加しており確実に総人口に対する割合を増やしている。対象7品目のうちスチール缶以外の6品目については、分別収集量が前年に比べて品目により、1.07倍~1.62倍、再商品化量が1.01倍~1.57倍と増加している。
 
(2) ペットボトルの分別収集量は昨年度に引き続き前年度比1.59倍、一昨年度比3.55倍の量が収集された。これは分別収集を行う市町村数が前年度比1.20倍、一昨年度比1.92倍以上となり、ペットボトルの分別収集体制が急速に整備されつつあることに加え、ペットボトルの生産量が増加(平成9年: 219千トン→平成10年: 282千トン→平成11年:332千トン:PETボトル協議会調べ)したことによるものと考えられる。その結果、平成11年度のペットボトル収集量は75,811トンで生産量に対する収集量の比率(回収率)は22.8%となり、平成9年度9.8%、平成10年度16.9%と比較し確実に増加している。
 
(3) また、7対象品目の中で法施行以来初めてスチール缶が減少した。これはスチール缶の発生量が若干減少(平成9年1,351千トン→平成10年1,285千トン→平成11年1,254千トン:通商産業省統計)したことによるものと考えられる。
 
(4) 計画量に対する分別収集量の割合は、ペットボトルは100%を超過したが、それ以外の6品目(ガラスびん3色、スチール缶、アルミ缶、紙パック)は100%には及ばなかった。その理由としては、
 
(1) 計画量は分別収集を実施する各市町村が平成8年に設定したもので、当時、分別収集を行っていなかった市町村においては、この値が目標値として高めに設定されていた場合があること
 
(2) 準備の都合で分別収集開始時期が遅れたり、まだ年度内に分別収集を開始しなかった市町村があること
 
(3) 初めて分別収集を実施したため、排出する住民側に戸惑いがあった等の理由で計画どおり収集が進まなかった市町村があること
 
  等が想定される。
 


4.再商品化実績について
 

 分別収集されたものが再商品化事業者に引き取られて再商品化された量を示す「再商品化率」はいずれの品目も90%前後と高率であった。
 また、ペットボトルについては分別収集量の急速な増大から一部の市町村において指定法人による引き取りが停止される事態となった。
 指定法人ではこの事態に対応すべく引き取り量(当初計画約49,600トン)の大幅な引き上げを図り、最終的には、指定法人と引き取り契約を行った市町村の収集量約57,600トンのうち約55,700トンを引き取った(下表参照)。残りの約1,900トンについては各市町村において独自に再商品化等の処理が行われ、一部は保管されたが、本年度に繰り越されたペットボトルについては、現在、引き取り再商品化が実施されている。


表 平成11年度の指定法人に係るペットボトルの収集量等実績(速報値)

  分別収集実績
指定法人による
引取実績量
市町村による保管等の量
  独自処理量 保管繰越量
H11 57,564 55,675 1,889 1,360 529
(単位:トン)
※数字は指定法人に引き取り委託した市町村分のみの集計。


5.分別収集・再商品化等の月別の状況

項目・品目名 無色ガラス 茶色ガラス その他ガラス ペットボトル スチール缶 アルミ缶 紙パック
分別収集量
(トン)
4月 25,358 22,170 11,760 4,933 37,524 9,331 647
5月 26,179 24,125 12,010 5,574 39,001 9,877 640
6月 26,778 25,084 12,409 6,319 40,539 10,973 671
7月 30,585 26,017 12,736 6,752 42,765 11,954 954
8月 28,533 27,891 12,389 8,355 43,751 13,155 732
9月 26,866 25,512 11,482 7,882 40,287 12,478 862
10月 28,934 26,732 12,554 7,631 41,423 11,816 953
11月 23,356 21,654 10,653 6,067 35,887 9,132 659
12月 26,510 22,529 12,126 5,336 38,091 8,949 736
1月 26,307 22,171 14,136 5,567 36,512 9,101 599
2月 26,279 20,720 12,415 4,907 33,665 9,285 903
3月 30,426 25,521 14,663 6,486 41,681 12,490 1,216
合計 326,110 290,127 149,332 75,811 471,127 128,541 9,574
※ 四捨五入しているため、合計値が累積値と合わない場合があります。

項目・品目名 無色ガラス 茶色ガラス その他ガラス ペットボトル スチール缶 アルミ缶 紙パック
再商品化量
(トン)
4月 23,156 19,938 9,740 4,282 35,837 8,734 643
5月 24,119 22,386 10,441 5,065 37,179 9,407 634
6月 25,466 23,580 10,958 5,914 39,513 10,608 644
7月 28,575 24,313 11,193 6,113 40,110 11,671 939
8月 26,491 26,271 10,971 7,535 42,507 12,662 728
9月 25,045 24,313 9,912 7,432 39,213 12,199 832
10月 27,515 24,987 11,419 7,122 40,897 11,470 929
11月 22,098 20,325 9,836 5,790 34,497 8,795 663
12月 24,981 20,741 11,001 4,561 37,627 8,688 717
1月 24,583 20,339 12,763 4,867 34,582 8,580 580
2月 25,205 19,626 11,457 4,651 32,454 9,119 886
3月 30,003 25,740 14,391 7,450 42,476 12,756 1,222
合計 307,237 272,559 134,084 70,783 456,892 124,690 9,416
※ 四捨五入しているため、合計値が累積値と合わない場合があります。

項目・品目名 無色ガラス 茶色ガラス その他ガラス ペットボトル スチール缶 アルミ缶 紙パック
分別収集実施
市町村数
4月 1,950 1,951 1,856 1,112 2,597 2,613 1,113
5月 1,952 1,953 1,860 1,127 2,599 2,616 1,120
6月 1,956 1,955 1,861 1,140 2,613 2,629 1,127
7月 1,966 1,967 1,882 1,169 2,619 2,636 1,145
8月 1,966 1,969 1,888 1,173 2,619 2,636 1,145
9月 1,969 1,972 1,893 1,174 2,619 2,637 1,145
10月 1,981 1,984 1,905 1,202 2,621 2,638 1,155
11月 1,982 1,985 1,906 1,204 2,621 2,638 1,155
12月 1,982 1,985 1,906 1,205 2,621 2,638 1,155
1月 1,987 1,988 1,910 1,212 2,623 2,644 1,167
2月 1,989 1,990 1,913 1,212 2,625 2,647 1,168
3月 1,991 1,992 1,915 1,214 2,625 2,647 1,176


  7品目のどの容器も夏季と年度末に分別収集量が増大している。これは、毎年見られる傾向である。


6.まとめ

 平成11年度は容器包装リサイクル法施行後3年目あたり、分別収集を行う市町村数も確実に増えており、分別収集・再商品化の着実な進展がみられている。
 平成12年度には分別収集を行う市町村は引き続き増加する見込みである。特にペットボトルについては今後とも大幅に増加することが見込まれる。また、平成11年度の対象品目である7品目の分別収集量もスチール缶について微妙なほかは増加することが見込まれる。それに加え、平成12年度からは完全実施として紙製容器包装、プラスチック製容器包装(白色トレイ含む)、段ボールも対象品目として加わり、平成11年度に策定された平成12度を始期とする第2期分別収集計画に沿って各市町村で分別収集の拡大がはかられ、全体としての分別収集量も増加すると見込まれる。
 厚生省ではこれに対応して、各容器包装の実状に合わせた分別収集の手引書を作成するなどの情報提供や関係省庁と連携して紙・プラスチック製容器包装を効率的に分別するための識別マーク及び材質表示の早期実現に向けて取り組んでいる。
 ペットボトルについては、急増する分別収集量に対応するため、毎年、再商品化計画を改定(平成9年度: 17,500トン→平成10年度: 30,400トン→平成11年度: 46,600トン→12年度:72,700トン)し、再商品化能力の増大に努めてきたところである。
 今後、さらに再商品化能力を拡大することが必要となると考えられるため、ペットボトルからペットボトルへのリサイクル技術(ボトルtoボトル)実用化に力を入れていく予定である。
 また、再商品化施設の整備や再商品化により得られた物の需要を確保していくとともにストックヤード等の施設整備に対する補助等、市町村に対する支援の強化に努めていく。


 (参考)平成11年度の分別収集見込み量(計画量)

品 目 名 分別収集量(トン) 実施市町村数
平成11年度
実績量
平成12年度
見込み量
(計画量)
平成11年度
実施数
平成12年度
実施予定数
無色ガラス 326,110 458,559 1,991 2,788
茶色ガラス 290,127 369,346 1,992 2,801
その他ガラス 149,332 180,459 1,915 2,747
ペットボトル 75,811 103,491 1,214 2,536
紙製容器包装 86,724 803
プラスチック製容器包装 239,174 1,348
(うち白色トレイ) 8,277 963
スチール缶 471,127 576,461 2,625 3,144
アルミ缶 128,541 172,889 2,647 3,151
段ボール 434,888 2,268
紙パック 9,574 28,065 1,176 2,187
 
 ※ 平成12年度の数値は、平成11年9月24日都道府県分別収集促進計画とりまとめ時点