ダイオキシン問題への取組み

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 廃棄物の処理に関連して、ダイオキシン類の問題は大変重要な問題ですので、最後にダイオキシン類への取組みについて、まとめておきたいと思います。

 ダイオキシン類は物の燃焼の過程等で非意図的に生成されてしまう物質です。そのため、環境中に広く分布しています。

 ダイオキシン類の現在の主な発生源は、ごみの焼却による燃焼ですが、その他に、製鋼用電気炉、たばこの煙、自動車排出ガスなど様々な発生源があります。また、森林火災、火山活動などでも発生します。かつて使用されていたPCBや一部の農薬に不純物として含まれていたものが川や海の底の泥などの環境中に蓄積している可能性があるとの研究報告もあります。

 環境中にでた後の動きの詳細はよくわかっていませんが、例えば、大気中の粒子などにくっついたダイオキシン類は、地上に落ちてきて土壌や水を汚染し、また、様々な経路から長い年月の間に、底泥など環境中に既に蓄積されているものも含めて、プランクトンや魚介類に食物連鎖を通して取り込まれていくことで、生物にも蓄積されていくと考えられています。

 また、平成9年度に実施された母乳中のダイオキシン類に関する研究では、1973年度以降ダイオキシン類の濃度は減少してきており、母乳中のダイオキシン類濃度は最近までに概ね1/2程度になっています。

注;ここでは、原則としてポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナ-PCB)を含めて「ダイオキシン類」ということにします。

○スプレーなどの缶を捨てるときに使い切って捨てていますか。


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○あきびんやあきかんをお店に返すと、買うときに払ったお金の一部が戻ってくる制度をデポジット制度といいます。


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 ダイオキシン類については、平成9年に廃棄物処理法施行令の改正等が行われ、廃棄物焼却施設の排ガスの規制基準が定められました。さらに、平成11年7月12日には「ダイオキシン類対策特別措置法」が成立し、これに基づいた排出ガスの規制や排水、廃棄物焼却施設のばいじん、焼却灰などに関する規制が行われることになりました。

 また、平成11年3月30日に開催されたダイオキシン対策関係閣僚会議において「ダイオキシン対策推進基本指針」を策定(同9月28日改定)し、政府一体となってダイオキシン類の排出量を大幅に下げる等の各種対策を鋭意推進しており、平成14年度までには、排出総量を平成9年に比べて「約9割削減」することにしています。

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○工夫して作ってみよう「使い終わったペットボトルを半分に切って、底に穴をあけると植木鉢に早がわり」

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 ダイオキシン類は、ものを燃焼する過程などで発生するので、ごみの量を減らすことが、ダイオキシン類の発生量を抑制する上でも効果的です。

 このため、私たち一人ひとりが、ダイオキシン問題に関心を持って、ものを大切に長く使ったり、使い捨て製品を使わないよう心がけ、ごみを減らし、再利用やごみの分別・リサイクルに協力することがとても重要です。

 また、従来、排出ガス濃度が規制されていなかった小型の廃棄物焼却炉についても、火床面積0.5m 以上又は焼却能力50kg/h以上のものについては、ダイオキシン類対策特別措置法により規制が行われることとなりましたので、これらを引き続き使用する場合は、維持管理に十分留意する必要があります。

 さらに、家庭用の簡易な焼却炉によるごみの焼却については、ダイオキシン類の発生量を総量として削減する観点からは、法の基準に適合した市町村のごみ焼却施設によって焼却することが望ましいと考えられます。このため、家庭ごみの処理については、分別収集など市町村ごとのごみ処理の計画に従ってごみを排出するなど、国民のみなさまのご協力をお願いしたいと思います。

 今後とも関係省庁が連携をとって、政府一体となってダイオキシン類対策を強力に推進していくこととしています。

○工夫して作ってみよう「あきびんも工夫をすれば花びんやペン立てに」


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