<参考1>推計方法


(1)推計対象機器

 家庭用冷蔵庫、ルームエアコン、カーエアコン、業務用冷凍空調機器(自動販売機を含む)について推計を行った。各推計対象機器の概要は表2のとおり。

表2 推計対象機器の概要
機器名平均使用
年数(年)
平均冷媒フロン
充填量(グラム)
冷媒フロンの種類と
主用機器出荷時期(年次)
CFCHCFCHFC
家庭用冷蔵庫12.3150~19951989~19951993~
ルームエアコン12.0800~20021998~
カーエアコン9.3~12.3400~5,000~19941992~

調

業務用エアコン107,000~20032001~
遠心冷凍機25420,000~19951991~20081993~
冷凍冷蔵ユニット102,000~1995~20032001~
密閉形コンデンシングユニット102,200~1995~20032001~
半密閉形コンデンシングユニット1032,000~1993~20032001~
チリングユニット1530,000~20032001~
製氷機8300~19941993~20031993~
冷水機10100~19951993~
除湿機8100~19951993~
内蔵形冷蔵ショーケース10450~19951993~20032001~
内蔵形冷凍ショーケース101,700~19951993~20032001~
別置形冷蔵ショーケース107,000~20032001~
別置形冷凍ショーケース1014,400~19951993~20032001~
輸送用冷蔵ユニット112,700~19951992~
輸送用冷凍ユニット113,000~19951992~20032001~
自動販売機7300~19951993~20022000~
出典:環境庁、(社)日本自動車工業会、(財)家電製品協会、(社)日本冷凍空調工業会等の資料、及び業界ヒアリング結果
(注)CFC,HCFCからHFCへの転換時期については推測も含まれる。

(2)推計方法

 機器が廃棄される時点において機器に残存していると考えられる冷媒フロン量を「冷媒フロン回収対象量」と定義し、機器毎、冷媒フロンの種類毎に、冷媒フロン回収対象量の推移を推計するとともに、1999年までに出荷され、2000年以降に廃棄されると見込まれる機器に含まれている冷媒フロン量の合計を「1999年末時点における冷媒フロンストック量」として推計を行った。
 なお、機器の使用時における漏洩等により、廃棄される時点に残存している冷媒フロン量は、初期充填量より減少している場合が考えられるが、使用途中の補充等に関して利用できるデータがなかったため、初期充填量と等しいと仮定して、推計を行っている。
 冷媒フロン回収対象量の推計式及び推計に用いたデータは以下のとおり。

[1]冷媒フロン回収対象量の推計式
 n年次に販売された機器のx年後の廃棄台数とその冷媒フロン回収対象量は、次式により求めた。なお、(b)式の廃棄率を求める関数には、機器・製品等の故障特性曲線の近似として多く用いられるワイブル累積分布関数を用いた。

(x年後の機器廃棄台数)=(n年次の機器国内販売台数)×(x年後の機器廃棄率)  (a)
(x年後の機器廃棄率)=F(x)-F(x-1)、F(x)=1-e-(x/to)^m  (b)
 x:販売時からの経過年数、m:形のパラメーター、to:尺度のパラメーター
(x年後の冷媒フロン回収対象量)
         =(x年後の機器廃棄台数)×(x年後の冷媒フロン回収対象量/台)
(c)

[2]推計に使用したデータ
a.国内販売台数と冷媒フロン初期充填量
 国内販売台数は、原則として1998年までは以下の統計資料のデータを用い、1999年以降は、1998年の出荷台数と同数の出荷が続くと仮定した。また、冷媒フロンの種類と使用機器の出荷時期、冷媒フロンの充填量については表2のデータを使用した。

カーエアコン:「自動車統計年報」((社)日本自動車工業会、毎年発行)

業務用冷凍空調機器、家庭用冷蔵庫、ルームエアコン:
「冷凍空調機器データブック」(通産省機械統計年報生産動態統計ベース業界分類データ、(社)日本冷凍空調工業会、毎年発行)、及び「通産省機械統計年報」(通商産業大臣官房調査統計部編、毎年発行)

b.廃棄率等
 各機器毎のワイブル累積分布関数のパラメータm、to等は、各機器の廃棄特性を考慮して、表3のとおり設定した。

表3 推計で用いたワイブル累積分布関数のパラメータ等
機器名to備考
家庭用冷蔵庫2.759.893年間廃棄されないと仮定
ルームエアコン2.159.62
カーエアコン

乗用車4.149.73 
トラック2.819.69
バス2.8113.25
業務用冷凍空調機器業務用エアコン2.157.34遠心冷凍機は、ワイブル分布関数を用いず、出荷後20~30年の間に廃棄されると仮定して廃棄率を設定
遠心冷凍機
冷凍冷蔵ユニット2.757.31
密閉形コンデンシングユニット2.157.34
半密閉形コンデンシングユニット2.157.34
チリングユニット2.7512.92
製氷機2.755.06
冷水機2.757.31
除湿機2.155.08
内蔵形冷蔵ショーケース2.757.31
内蔵形冷凍ショーケース2.757.31
別置形冷蔵ショーケース2.757.31
別置形冷凍ショーケース2.757.31
輸送用冷蔵ユニット2.758.43
輸送用冷凍ユニット2.758.43
自動販売機2.753.93