参考資料
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バーゼル条約国内法の概要
1.「特定有害廃棄物等」の定義
「特定有害廃棄物等」とは、バーゼル条約国内対応法第2条に規定されているものをいう。具体的には、バーゼル条約附属書[4]に掲げる処分作業を行うために輸出入されるものであって、
{1} 条約附属書Iに掲げるものであり、かつ、条約附属書[3]に掲げる有害特性を有するもの
{2} 条約附属書[2]に掲げるもの
{3} 条約第11条に規定される多国間協定(OECD理事会決定等)等により規制が必要とされるもの(OECD理事会決定の場合は、緑級、黄級、赤級の3つのリストのうち、黄級、赤級のリストに記載されているもの)となっている。
なお、「特定有害廃棄物等」には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律上の廃棄物に該当するもの(無価物)のほか、再生資源として利用される各種金属スクラップ等の有価物も含まれる。
2.法律の概要
(1)特定有害廃棄物等の輸出の手続について
特定有害廃棄物等の我が国からの輸出案件については、輸出者から通商産業大臣に対し輸出の申請がなされると、環境庁長官にその写しが送付される。環境庁長官は輸出先国及び通過国に対し事前通告を送付する。環境庁長官が、輸出先国等から輸入又は通過に同意する旨の回答を得るとともに、環境汚染を防止するための必要な措置が講じられていることを確認した上で(OECD加盟国に対する再生利用目的の輸出についてはこの確認は不要とされている)、通商産業大臣は輸出者に対し輸出の承認を行う。輸出の承認をしたものについて、通商産業大臣は1回の輸出ごとに輸出移動書類を交付する。
(2)特定有害廃棄物等の輸入の手続について
特定有害廃棄物等の我が国への輸入案件については、輸出国から環境庁に対し移動計画の事前通告があり、輸入者から通商産業大臣に対し輸入の申請がなされると、通商産業大臣は必要な審査を行い、輸入の承認を行う。その際、環境庁長官は、環境の汚染を防止するため必要があると認めるときは、通商産業大臣に対して必要な説明を求め、及び意見を言うことができる。また環境庁長官は輸出国に対し、事前通告に対する同意の文書を送付する。通商産業大臣は、当該特定有害物等が実際に国内に輸入され、輸入国から携帯されてきた移動書類の提出を受けた際に、輸入移動を交付する。
バーゼル条約締約国会議の開催状況について
バーゼル条約締約国会議は、第1回会合が1992年12月にピリアポリス(ウルグアイ)、第2回会合が1994年3月、第3回会合が1995年9月にともにジュネーブ(スイス)、そして第4回会合は1998年2月にクチン(マレイシア)で開催された。
第4回会合においては、技術作業部会で作成された条約の規制対象及び規制対廃棄廃棄物を例示した2つのリストが条約の新たな附属書([8]及び[9])として採択され、条約上の規書類物の明確化が図られた。今後、更に有害廃棄物の範囲を明確化するためリストのレビュー・メカニズムの検討を進める。また、前回の締約国会合で採択された条約改正(途上国への輸出全面禁止であり、未発効)の一部をなす有害廃棄物の輸出禁止義務を負う国のリストである条約附属書[7]の改訂提案については見送りとなり、検討を継続することを趣旨とする決議が行われた。
次回の締約国会合は、条約採択10周年を記念して、1999年12月バーゼル(スイス)において開催される予定である。