別添3

EANETの暫定的な設計
(暫定事務局仮訳)


 本文書は、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)の活動を記述したものである。EANETの活動は、段階的に発展するものであり、この文書は今後さらに見直しを行うこととする。

(加入)
1. 北東アジア及び東南アジアを含む東アジア(定義について別途検討)の国のうち、当初EANETに参加していない国は、今後、参加の申請を事務局に行うことができ、当該申請は政府間会合の承認に付されるものとする。
 
(脱退)
2. 参加国は、いつでも、事務局に書面で通知することにより、ネットワークから脱退することができる。
 
(活動)
3. ネットワークの目的を達成するため、以下の活動を実施する。
1) それぞれの参加国は、ネットワークのための国内モニタリング計画を作成し、実施する。酸性雨モニタリングは、ネットワークにより採択されたモニタリングガイドライン、技術マニュアルその他の技術文書に基づいて行う。それぞれの参加国は、定められた手続きに沿って、モニタリングデータその他の情報を報告する。それぞれの参加国は、ネットワークのためのモニタリング活動実施及びモニタリングデータ報告に責任を持つ国内センターを指定する。
2) 参加国から提出されたモニタリングデータ及びその他の情報は、ネットワークにおいて、収集され、評価され、蓄積される。参加国は、他の参加国から提出されたデータ及びその他の情報を、入手することができる。
3) 質の高いモニタリングデータを得るため、参加国の十分な共同作業により、ネットワークの採択した精度管理・精度保証(QA/QC)プログラムを実施する。
4) 東アジアにおける酸性雨の状況に関する定期報告書を作成し、一般に入手可能なものとする。
5) ネットワーク活動により収集されたデータ及びその他の情報は、定められた手続きに従い、個人、組織及び非参加国に提供することができる。
6) 酸性雨問題に関する理解を増進するため、参加国は、その他科学的課題に関する調査を推進する。
7) ネットワークの目的を達成するために必要なその他の活動を行う。
 
(政府間会合)
4. すべての参加国の代表からなる政府間会合は、ネットワークの意思決定機関である。政府間会合の任務には、以下が含まれる。
1) ネットワークの活動計画及び予算のレビュー及び承認
2) 活動計画の実施状況のレビュー
3) 東アジアにおける酸性雨の状況に関する定期報告書のレビュー及び承認
4) 必要かつ適切な補助機関の設置
5) ネットワーク運営のための科学的、技術的、事務的、財政的事項のレビュー及び承認
6) 政府間会合及び科学諮問委員会を含む補助機関の手続規則の採択
7) 補助機関、事務局及びネットワークセンターの活動に関する必要な指示及び助言
8) ネットワークの運営及び活動計画の実施に関するその他の事項の決定
 
5. 政府間会合は、他に取り決めがない限り、年1回開催する。
 
(科学諮問委員会)
6. 科学諮問委員会は、参加国からの科学的・技術的な専門家により構成され、ネットワークの活動に関連し、政府間会合から与えられた様々な科学的・技術的課題について、政府間会合に対し助言及び支援を行う。これらの課題には、以下が含まれる。
1) ネットワークのためのモニタリング戦略における科学的・技術的側面
2) モニタリングガイドライン及び技術マニュアルの作成及び改定
3) モニタリング地点の選定、QA/QCプログラム、データ報告手順及び様式に関する事項
4) モニタリングデータの収集、評価及び解析に関する事項
5) ネットワークセンターによるデータ報告書に基づく、東アジアにおける酸性雨の状況に関する定期報告書の作成
6) その他科学的課題についての調査に関する事項
7) 政府間会合の指示する他の科学的事項
 
7. 科学諮問委員会の目的を達成するために必要と認められるときは、参加国以外から専門家を委員会に招くことができる。
 
(事務局)
8. 政府間会合により指定された事務局は、ネットワークの効果的な運営のため、及び参加国間の協力を透明性をもって促進するため、政府間会合の指導の下、以下の任務を実施する。
1) 政府間会合、科学諮問委員会及びその他補助機関の会合開催に必要な事務作業
2) ネットワーク運営に必要な事務的・財政的作業
3) ネットワーク全体のフォーカルポイントとしての事務的な連絡及び協力
4) 政府間会合の指示する他の任務
 
(ネットワークセンター)
9. ネットワークセンターは、ネットワーク活動の科学的・技術的事項を処理し、また参加国間の協力を、透明性をもって促進するため、政府間会合の指導の下、以下の任務を実施する。
1) モニタリングデータ及びその他の情報の収集、評価及び蓄積
2) 東アジアにおける酸性雨のデータ報告書の作成
3) モニタリングデータ及びその他の情報の提供
4) ネットワーク活動の実施に係る参加国への技術的支援
5) QA/QC活動の実施及び調整
6) ネットワーク活動に従事するものに対する教育・訓練プログラムの開発及び実施
7) 酸性雨に関する調査研究活動の実施
8) 政府間会合、科学諮問委員会及びその他補助機関の会合に対する科学的・技術的支援
9) 政府間会合の指示する他の任務
 
10. 上記の機能の一部は、必要に応じて政府間会合により設立される他の機関に実施させることができる。
 
(財政的事項)
11. 国内モニタリングの実施に関する管理・運営経費は、それぞれの参加国が負担する。ネットワークの管理・運営経費は、参加国の自発的な拠出により賄われる。同時に、既存又は新規の資金源の活用に努力する。