GPN-GL3A「トイレットペーパー」購入ガイドライン
グリーン購入ネットワーク
1.対象の範囲
このガイドラインは、トイレットペーパー(ロール状の製品)を購入する際に環境面で考慮すべき重要な観点をリストアップしたものです。
2.ガイドライン
トイレットペーパーの購入にあたっては、以下の事項を考慮し、環境への負荷のできるだけ少ない製品を購入する。なお、「原料が古紙100%であること」は最も優先すべ き要件である。
「商品選択のための環境データブック」には「原料が古紙100%であること」を満たす商品のみを掲載します。
このガイドラインは社会状況の変化や新たな知見によって必要に応じて改訂されます。
1997年11月27日制定
<ガイドラインの背景説明>
現在、日本では年間およそ90万トンのトイレットペーパー(ちり紙6万トン強を含む)が生産・消費されていますが、これは一人あたり約7kgに相当します。一人一日あたりで は平均8.4mのトイレットペーパーを使用すると推計されています。
1) | 古紙100%でつくられていること |
日本で生産・消費されるトイレットペーパーは、もともと古紙100%でつくられた製品が大半を占めており、1988年頃までシェアは80%を超えていました。ところが、木材か ら直接得られたパルプ(以下、単に「パルプ」という)100%でつくられた製品のシェアが徐々に拡大し、94年には古紙製品のシェアが70%を切るようになりました。この傾 向は今も続いています。なお、パルプと古紙を混合してつくられた製品はごく少量しか出回っていません。パルプ製品が古紙製品のシェアを奪っている要因としては、円高により輸入パルプの 価格が下がって割安感が出たこと、「高級」「肌に優しい」「清潔」などのイメージが宣伝にも影響されて消費者に広がったこと、必要以上に「白さ」を好む消費者志向 に合ったこと、などが考えられます。しかし、今後、世界的にパルプの需要が高まることが予想されており、森林資源とその生態系を保全するためにはパルプの消費を抑えて古紙の利用を進める必要がありま す。現在、集めた古紙の余剰が深刻化しており、このままでは古紙回収にも水を差すことになります。再生品を利用してはじめてリサイクルは完結するのです。 古紙を利用して紙をつくると、木材からつくるのに比べて製造に必要なエネルギーが約1/3で済むと言われていますので、古紙利用はエネルギー資源の保全や地球温暖 化の防止にもつながります。トイレットペーパーは使用後に二度と再生できないものですから、他の製品以上に古紙利用を優先すべきだと言えます。手ざわりや柔らかさなどの品質面から見ても、日本の古紙製品は世界的に極めて質が 高いと言われており、トイレットペーパーとして使う限り十分な品質をもっています。さらに、古紙製品の方がパルプ製品より一般的に2割以上安いのが通常ですから、 環境への負荷を減らすだけでなく出費も減らすことができます。(基本原則1-2、1-7に対応) | |
2) | 白色度が低いこと |
古紙製品の白色度を上げるためには、原料に白色度が高く印刷が少ない古紙を使わなくてはならず、漂白剤を多く使用することにもなります。ヨーロッパでは白色度が 50〜60%台の商品が一般に見られますが、日本では白色度が高く、古紙製品でも75%前後、パルプ製品では80%をかなり上回っているのが現状です。 本来、用途の性格上トイレットペーパーに高い白色度はいらないはずです。購入者が古紙製品の中でも白色度が低い商品を買うようになれば、脱墨剤や漂白剤の使用削 減、中低級古紙の利用促進、エネルギーの削減、歩留まりの向上などに貢献し、ひいては生産コストの削減にもつながります。(基本原則1-1、1-2に対応) | |
3) | −{1}芯なしタイプであること |
トイレットペーパー(ロール)の芯に使われる紙管は1本当りおよそ5gで、全国で年間3万トンが消費されていますが、そのほとんどはリサイクルされずに捨てられているの が現状です。芯なしタイプの製品は、その分の資源節約とごみの削減になります。また、芯ありタイプは通常ひと巻60mですが、芯なしタイプは固く巻くために見た目 の大きさは同じでもひと巻130m前後の製品が多く(製品によって100m〜180m)、同量で比較するとコンパクトに納まります。例えば、芯ありタイプで12ロールのところを芯 なしタイプでは同量が6ロールに納まることになるので、販売にかかる包装が削減でき、製品の輸送にかかる環境負荷を減らすことにもなります。また、一巻あたりが長いと、使用者にとってはロールを取り替える手間やコストを減 らすことができるというメリットもあります。(基本原則1-2に対応) | |
3) | −{2}シングル巻きであること |
トイレットペーパーには、1枚だけを巻いたシングル巻と、2枚重ねにして巻いたダブル巻があります(ダブル巻にはシングル巻用より通常1割ほど薄い紙を使用していま す)。ダブル巻を使う場合は使う長さを半分にすれば消費量は同じになるはずですが、一般にシングル巻かダブル巻かに関わらず習慣的に一定の長さを引き出してしまう人が多 いため、シングル巻よりもダブル巻の方が消費量がかなり多いと言われています。シングル巻は結果的に使用量を減らすことができるので資源の節約になり、また経済 的でもあります。(基本原則1-2に対応) |
<その他の配慮事項>
○ | 市中回収古紙の利用について |
古紙の中には、紙の加工工場や印刷工場から出る産業古紙(Pre-consumerwaste)と、家庭やオフィスで消費財として最終用途を果たしたあとに発生する市中回収古紙 (Post-consumerwaste)があります。産業古紙は品質が安定しているため利用が進んでいますが、市中回収古紙は多品種が混ざって質が低いことが多いため、紙原料の市況 によっては利用が滞ることがあります。トイレットペーパーの原料としては産業古紙が大半ですが、新聞・雑誌古紙、牛乳パック、オフィスで発生する古紙など、市中回 収古紙の多く入った紙の利用を進めることは古紙回収の促進に役立ちます。 | |
○ | ロール幅について |
日本のJISではトイレットロールの幅は114mmと定められており、一般に手に入る商品のほとんどの幅は114mmですが、海外では100〜110mm幅が一般的な国もあります。国内 でも一部の業務用や生協での取り扱いの中に100〜110mm幅の商品もありますので、使用上支障がない範囲でロールホルダーが対応していれば、省資源の観点から幅が狭い 商品を使用することが望ましいと考えられます。 | |
○ | 蛍光増白剤の残留について |
蛍光増白剤は食品衛生法によって食品や直接食品に触れるものへの添加が規制されています。現在、トイレットペーパーの製造過程で蛍光増白剤は使用されていません が、古紙に含まれる蛍光増白剤をリサイクルの過程で完全に取り除くことができないため、古紙製品には蛍光増白剤が残留しています。しかし、残留量は極めて少ないの で古紙製品の利用を推進すべきです。なお、トイレットペーパーの原料となる印刷用紙などの紙において、蛍光増白剤の使用を極力削減することが望まれます。 | |
○ | 着色について |
一部に染料で着色してある製品がありますが、染料は製造工程における廃水処理に負荷をかけますので、できるだけ使用していないことが望まれます。 |
GPN-GL3B「ティッシュペーパー」購入ガイドライン
グリーン購入ネットワーク
1.対象の範囲
このガイドラインは、ティッシュペーパーを購入する際に環境面で考慮すべき重要な観点をリストアップしたものです。
2.ガイドライン
ティッシュペーパーの購入にあたっては、以下の事項を考慮し、環境への負荷のできるだけ少ない製品を購入する。
「商品選択のための環境データブック」には古紙を配合している商品のみを掲載します。このガイドラインは社会状況の変化や新たな知見によって必要に応じて改訂されます。
1997年11月27日制定
<ガイドラインの背景説明>
現在、日本では年間およそ56万トンのティッシュペーパーが生産・消費されています。これは1人あたり4kg強に相当し、アメリカの1.3kgに比べても遥かに多く、世界 第1位の消費量になっています。
1) | 古紙を多く配合していること |
日本で生産・消費されるティッシュペーパーは、木材から直接得られたパルプ(以下、単に「パルプ」という)を100%原料につくられたものが大半で、古紙を配合した製品の
シェアは3%以下と推定されます。 |
|
2) | 白色度が低いこと |
古紙を配合した製品の白色度を上げるためには、原料に白色度が高く印刷が少ない古紙を使わなくてはならず、漂白剤を多く使用することにもなります。わが国では
ティッシュペーパーのJISにおいて白色度78%以上という規定がありますので、パルプ製品の白色度は80%をかなり上回っているのが現状で、古紙配合製品でも80%近い白色
度になっています。 |
<その他の配慮事項>
○ | 市中回収古紙の利用について |
古紙の中には、紙の加工工場や印刷工場から出る産業古紙(Pre-consumerwaste)と、家庭やオフィスで消費財として最終用途を果たしたあとに発生する市中回収古紙 (Post-consumerwaste)があります。産業古紙は品質が安定しているため利用が進んでいますが、市中回収古紙は多品種が混ざって質が低いことが多いため、紙原料の市況 によっては利用が滞ることがあります。新聞・雑誌古紙、牛乳パック、オフィスで発生する古紙など、市中回収古紙の多く入った紙の利用を進めることは古紙回収の促進 に役立ちます。 | |
○ | 持続可能な管理をされた森林からの原料採取について |
原料にパルプを使用している場合、持続可能な管理をされた森林から伐採される木材を使用することが望まれます。現在、国内外のさまざまな機関で「持続可能な森林管 理」のあり方や基準の検討が行われており、第三者による認証システムも構築されつつあります。今後、こうした基準や認証システムについて国内的・国際的な合意形成 が進むことが期待されます。 | |
○ | 着色について |
一部に染料で着色してある製品がありますが、染料は製造工程における廃水処理に負荷をかけますので、できるだけ使用していないことが望まれます。 | |
○ | 蛍光増白剤の残留について |
蛍光増白剤は食品衛生法によって食品や直接食品に触れるものへの添加が規制されています。現在、ティッシュペーパーの製造過程で蛍光増白剤は使用されていません
が、古紙に含まれる蛍光増白剤をリサイクルの過程で完全に取り除くことができないため、古紙製品には蛍光増白剤が残留しています。しかし、残留量は極めて少ないの
で古紙製品の利用を推進すべきです。 |
GPN-GL4「パソコン」購入ガイドライン
グリーン購入ネットワーク
1.対象の範囲
このガイドラインは、パーソナルコンピュータを購入する際に環境面で考慮すべき観点をリストアップしたものです。
2.ガイドライン
パソコンの購入にあたっては、以下の事項を考慮し、環境への負荷ができるだけ少ない製品を購入する
※このガイドラインは社会状況の変化や新たな知見によって必要に応じて改訂されます。
1997年11月27日制定
<ガイドラインの背景説明>
1996年度における主要メーカーのパソコン国内出荷台数は、719万2千台で、前年比26%増となりました。93年度の国内出荷台数が約240万台なので、3年で3倍に増えたこ とになります。内訳はデスクトップが65%、ノート型が35%で、最近はノート型の出荷台数の伸びが大きくなっています。
1) |
使用時の消費電力が小さいこと。ここでは、省エネ法に基づく「エネルギー消費効率」が小さいこと。 |
2) |
一定時間使用しないと自動的に低電力モードに移行する機能を有しており、低電力モ ードでの消費電力が小さいこと。 |
3) |
長期使用を可能にするため、性能向上や機能拡張ができること。 |
4) |
使用後に部品の再使用や材料リサイクルがしやすいように設計されていること。使用済みのパソコンの処理にあたっては、まず、できるだけ多くの部品を再使用(その
ままの形状で同じ用途に使用すること)することが優先されるべきです。そして、それが困難な場合には材料としてリサイクル(マテリアル・リサイクル)するのが次善の策
に位置づけられます。 |
5) |
製造者が使用済み自社製品を引取り・リサイクルするよう努めていること。パソコンはここ数年で急速に普及したので、2台目のパソコンを買っても1台目を捨
てずに活用しているユーザーが多く、中古市場を通じて生かされているケースもあるため、今のところ廃棄に出されるパソコンの量は多くありません。しかし、数年以内
に古くなった製品の廃棄が急増することが予想されており、現在、政府において使用済み電子機器などの回収・リサイクルのための社会システムづくりが検討されていま
す。 |
6) |
再生プラスチック材が使われていること。 |
7) |
本体、モニター、キーボードの筐体に、焼却時にダイオキシンや塩化水素ガスを発生 させる恐れのある難燃剤やPVC(ポリ塩化ビニル)を使用していないこと。
プラスチックの難燃剤として使用される臭素系物質の中には、焼却すると有毒なダイオキシンやフランを発生させる恐れのある物質があります。特にPBBs(多臭化ビフェ
ニール)、及び、PBDPOs(多臭化ジフェニルオキサイド、PBDE:多臭化ジフェニルエーテルとも言う) はその可能性が高いといわれており、使用の削減や代替が進められています。 |
8) |
同梱される自社製品のユーザーマニュアルに再生紙を使用していること。 |
<その他の配慮事項>
○ | 電磁波について |
デスクトップ型のコンピュータで主に使用されているCRTディスプレイ(ブラウン管を使用したもの)は、高電圧の回路やコイルが使用されているため微量の電磁波を発生し
ます。 |