平成17年7月27日(水)から8月9日(火)まで
(参加者は、この期間中に1日以上観察する)
都道府県・政令指定都市・中核市の大気環境行政担当部局へ参加申込みを行い、「平成17年度夏期全国星空観察実施の手引き」に基づき観察を実施し、その結果を大気環境行政担当部局まで報告する。
平成17年1月1日〜1月14日 (1日以上観察)
全国から547団体の参加申込があったが、天候不順等の影響により359団体(392地点)が観察を実施した。観察の延べ参加者数は3,788人であった。(昨年度冬期は346団体、延べ3,491人が参加。)(図1)
肉眼で「天の川」の高度の異なる部分(ペルセウス座付近[高々度]、ふたご座付近[中高度]、いっかくじゅう座付近[低高度])の見え方を観察した。(図2)
図2 肉眼による天の川観察(冬期)
星座の高度に応じて見え方に違いがあり、高度が低いほど「夜空が明るくて天の川が見えない」という回答の割合が高くなったことから、地上に近いほど人工光の影響を受けていることが確認できる。
双眼鏡を用い、すばる(プレアデス星団)のラケットの中の星を対象に観察し、「平均観察等級」(何等級の星まで見えたのかの平均)を都市規模別にまとめた。(図3)
巨大都市 | 人口100万人以上 |
大都市 | 人口30万人〜100万人未満 |
中都市 | 人口10万人〜30万人未満 |
小都市 | 人口10万人未満 |
天体を地上で観測した時のみかけの明るさを表した数字。その星自体の明るさを表す絶対等級と区別して、みかけの等級ともいう。等級は数字が1減るごとに約2.5倍明るくなる。図3においては、数字が大きいほど暗い星まで見えることになる。
規模の大きな都市ほど明るい星しか見えず、星が見えにくいという結果となっている。
平成13年度まで行っていた一般参加団体による天頂付近の夜空のカラースライド写真撮影を平成16年度より再開し、その結果をまとめた。(表1、2)
都市規模 | 観察数 | 平均値(mag/□″) |
---|---|---|
巨大都市 | 7 | 18.5 |
大都市 | 20 | 19.6 |
中都市 | 30 | 18.9 |
小都市 | 60 | 20.9 |
全体 | 117 | 19.9 |
周辺状況 | 観察数 | 平均値(mag/□″) |
---|---|---|
商業地域 | 17 | 18.1 |
工場地帯 | 1 | 17.7 |
住宅地 | 36 | 19.2 |
農業地域 | 27 | 20.4 |
森林・山間地 | 27 | 21.4 |
その他 | 9 | 20.0 |
全体 | 117 | 19.9 |
スライド撮影による明るさ判定は第3者が客観的に行うので、前記の肉眼や双眼鏡による観察と比べると観察者による差が出にくく、また、観察場所の移動がない分、経年的変動データとしての信頼度は高くなる。
なお、次ページに全国の定点観測の結果を示す。