廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則及び一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令の一部を改正する省令の概要
第一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律(平成16年法律第40号。以下「改正法」という。)関連の改正
- 指定有害廃棄物及びその処理に関する基準(法第16条の3関係)
指定有害廃棄物(硫酸ピッチ)の処理基準は、現行の特別管理産業廃棄物の処理基準を基本とし、基準違反が人の健康や生活環境の重大な被害を生ずるおそれがあり、直ちに罰則の対象とする必要がある事項を選定し、改正令により定めたところであるが、今回、省令で定めることとしている
・保管容器の構造
・保管の場所に係る設備
・保管数量の上限
等、処理基準の細部について定めるものである。
- 事故時の措置を講じなければならない廃棄物の処理施設(法第21条の2関係)
事故時の措置を講じなければならない廃棄物の処理施設のうち、廃棄物処理法第8条第1項又は第15条第1項に基づく設置許可対象施設以外の処理施設については、
・焼却設備
・熱分解設備
・乾燥設備
等の設備を有するものとする。
ただし、処理能力1トン/日以上の処理施設等に限るものとする。
- 廃棄物処理施設の設置許可の申請に係る生活環境影響調査書の添付の特例対象(法第8条第3項ただし書及び法第15条第3項ただし書関係)
廃棄物処理施設の設置許可の申請に当たり、生活環境影響調査書の添付が省略できる場合は、次の場合とする。
○ 法第8条第2項又は第15条第2項の各号に掲げる申請書に記載すべき事項のうち、第2号(設置場所)、第3号(施設の種類)、第4号(処理する廃棄物の種類)、第5号(処理能力)、第6号(設置に関する計画)及び第7号(維持管理に関する計画)に掲げる事項が、過去になされた許可に係るこれらの事項と同一である場合
○ 廃棄物の最終処分場である場合には、第5号の処理能力(埋立容量)は当然減少していることから、第2号から第4号まで、第6号及び第7号の事項が、過去になされた許可に係るこれらの事項と同一である場合
第二 不法投棄の撲滅と適正処理対策の更なる推進を目的とする改正(改正法に関連しない改正[1])
- 産業廃棄物収集運搬車に係る表示及び書面備え付けの義務付けに係る改正
悪質な産業廃棄物の不法投棄が多発する中、その運搬車に対する取締りを強化することが喫緊の課題となっている。そのため、自己の産業廃棄物の運搬も含め走行中の運搬車が産業廃棄物を運搬していることを明確にし、また、適正な運搬を行っているかどうかを確認することができるように、改正令において産業廃棄物の収集運搬車に係る表示及び書面備え付けを義務づけたところ、今回、省令で定めることとしている表示の内容等について定めるものである。
イ |
表示内容 |
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運搬車を用いて産業廃棄物の収集又は運搬を行う場合には、以下の事項を車体の両側面に見やすいように表示しておくこととする。 |
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− |
許可業者の場合 |
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・ |
産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨 |
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・ |
許可業者の氏名又は名称 |
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・ |
統一許可番号(下6けた) |
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統一許可番号(下6けた) |
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− |
自己運搬の場合 |
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・ |
産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨 |
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・ |
事業者の氏名又は名称 |
ロ |
備え付ける書面の内容 |
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運搬車を用いて産業廃棄物の収集又は運搬を行う場合には、当該運搬車に以下の書面を備え付けておくこととする。 |
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− |
許可業者の場合 |
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・ |
産業廃棄物収集運搬業の許可証の写し |
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・ |
産業廃棄物管理票(マニフェスト)(なお、電子マニフェストを使用する場合は、電子マニフェスト加入証及び運搬する産業廃棄物の種類・量等を記載した書面又はこれらの電子情報) |
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− |
自己運搬の場合 |
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・ |
「氏名又は名称及び住所」、「運搬する産業廃棄物の種類及び量」、「産業廃棄物の積載日並びに積載した事業場の名称、所在地及び連絡先」等を記載した書面 |
- 最終処分場の残余容量の定期的な把握及び記録・閲覧の義務付け
最終処分場の実際の埋立残余容量を的確に把握できるようにするため、残余容量の定期的な把握及び記録の作成・保存、当該記録の閲覧を新たに義務付けることとする。
- ミニ処分場等に係る廃棄物の埋立処分基準の具体化・明確化
ミニ処分場等における不適正処理問題に対処するため、改正令により、廃棄物の埋立処分に当たり、埋立地からの浸出液によって公共の水域及び地下水を汚染するおそれがないようにするために講ずる措置を具体化することとしたところであるが、今回省令で定めることとしている具体的な措置の内容等について定めるものである。
(措置の内容)
○ 埋立地からの汚水の浸出を防止することができる遮水工、汚水を有効に集めることができる集水管、浸出液処理設備等を設けること
○ 浸出液処理設備を適正に維持管理することにより、その水質を一定の基準(許可を受けた最終処分場に適用される放流水基準と同等のもの)に適合させた後、放流すること
○ 周縁の地下水について水質の悪化が認められる場合には、その原因の調査等必要な措置を講じること
等
第三 廃棄物処理施設に係る規制の合理化等を目的とする改正(改正法に関連しない改正[2])
- 熱分解に係る処理基準の明確化
改正令により、廃棄物の焼却を伴わず廃棄物を熱分解する処理について必要とされる生活環境保全上の措置を新たに設けたところであるが、今回、省令で定めることとしている熱分解設備の構造について定めるものである。
○ 熱分解設備内を低酸素状態に保つことができること
○ 熱分解設備内の温度を測定及び制御できること
○ 油化の場合については、廃棄物の処理量、炭化水素油の生成量及び熱分解後の残渣物量を測定できること
等
- 既存の製造設備を活用した廃棄物焼却施設の構造・維持管理基準の見直し
焼却施設のうち、製鋼用の電気炉、銅の第一次製錬用の転炉及び溶解炉並びに亜鉛の第一次精錬用の焙焼炉において廃棄物を焼却する場合について、これらの製造設備の構造や稼働実態等を踏まえ、現行の焼却施設に係る構造・維持管理基準を以下のとおり見直す。
○ 燃焼室については、溶鋼等の製品を得るために必要な温度を適正に保持すること
○ 燃焼室については、燃焼ガスが外気へ流出しないこと
○ 炉内温度を把握するため、炉内又は炉出口の溶鋼等の温度を測定・記録すること
等
- 焼却に係る廃棄物処理基準の見直し
廃棄物処理法に基づく設置許可を要しない小型廃棄物焼却炉について、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく排出基準の遵守に支障を生じない範囲で規制の合理化を図るため、以下のとおり処理基準の見直しを行う。
○ 燃焼中に廃棄物を燃焼室に投入する場合については、外気と遮断された状態で投入できる構造であることを規定し、廃棄物を1回の投入で燃やし切る方式の炉を排除していないことを明確化すること
○ 助燃バーナーによらず、燃焼ガス温度を適正に保つことができる廃棄物のみを焼却する焼却設備の場合は、助燃装置がなくとも使用可能とすること
等
- 管理型最終処分場に係るほう素、ふっ素、アンモニア及び硝酸・亜硝酸化合物等の排水基準の見直し
管理型最終処分場に係る「ほう素及びその化合物」、「ふっ素及びその化合物」並びに「アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物」の排水基準については、経過措置として、平成17年3月末まで暫定排水基準が適用されているところ、平成17年4月1日以降についても、現行の排水基準を当分の間適用する。
○第一(改正法関連の改正)については、平成16年10月27日
○第三の2及び3については、平成16年12月10日
○それ以外については、平成17年4月1日
なお、第二1及び3、第三2については、所要の経過措置を設ける。