(参考資料2)
 
   自動車騒音低減技術に関する第4次報告書の概要(平成11年4月23日)
 

1. 環境庁では、平成4年中央公害対策審議会中間答申及び平成7年中央環境審議
 会答申で示された自動車騒音低減に関する許容限度設定目標値(以下目標値)を
 早期に達成するため、学識経験者からなる「自動車騒音低減技術評価検討会」を
 自動車騒音低減技術に関する第3次報告書とりまとめ以降10回開催し、自動車
 メーカーにおける自動車騒音低減技術の開発状況について、評価・検討を行って
 きたところ、この度「第4次報告書」をとりまとめた。

2. 本報告書では、中間答申から10年以内(平成14年頃まで)に目標値を達成
 すべきとされた車種のうち、中型車の全輪駆動車及びトラック並びに第二種原動
 機付自転車については平成13年頃に、また、大型車の全輪駆動車、トラクタ、
 クレーン車及びトラック並びに小型二輪自動車については、平成13年又は14
 年頃に目標値を達成できる見通しが立ったと評価された。

3. これにより、すべての車種について、中間答申から6年以内又は10年以内と
 された期間内に目標値を達成できる見通しが立ったことになる。

4. 今後、環境庁では本報告書を踏まえ、目標値達成の見通しの立った車種につい
 て、運輸省と連携して規制強化を行うための所要の手続きを行うこととする。

 




















 

1. 第4次報告書の概要
(1) 研究開発の方針
 自動車の走行に伴い発生する騒音については、従来からの騒音低減対策に加え、 よ
り詳細な音源分析を行った上で対策を検討する必要がある。
 このため、自動車メーカーにおいては、開発・試験車両の試作を行い、騒音の各音
源別寄与度を詳細に解析した上でそれぞれの音源に対して必要な騒音低減量を割り出
し、各音源ごとの発生源対策を行うほか、各音源に対する遮音の強化を図っている。
  また、開発・試験車両に盛り込んだ低減技術については、機種毎に耐久性、整備性、
 冷却性、重量等の諸性能の確保やコスト等の問題を解決しつつ、他機種への展開を進め
 ている。
(2) 要素技術の研究開発状況
  昨年の第3次報告書以降、自動車メーカーは、引き続きエンジン、遮へい、冷却系、
 吸気系、排気系、駆動系及びタイヤなどに係る騒音低減技術についての研究開発を進
 めている。
  開発中の主な騒音低減技術とその問題点等については、別紙(略)のとおりである。
 
(3) 車両全体としての開発状況
  今回、目標値を達成できる見通しが立ったと評価された車種は次表のとおりである。

   

  
  
  




 

達成見通し時期

     車    種

         
平成13年頃
         

中型車の全輪駆動車及びトラック

第二種原動機付自転車

平成13年又は

14年頃
 

大型車の全輪駆動車、トラクタ、クレーン車及びトラック

小型二輪自動車
 










 
 
(4) 今後の研究開発について
 今回の技術評価により目標値を達成できる見通しが立った車種のうち、大型車と小型二
輪自動車については、搭載エンジンの構造・性能(気筒数、気筒配置、排気量、最高出力
等)の異なるものが数多くあるなど、機種により騒音低減対策の難易度に差異があること
から、これらの車種すべてについて、平成13年頃に目標値を達成することは困難である。
このため、騒音低減効果のある新たな要素技術の開発期間を考慮し、平成13年又は14
年頃に目標値を達成可能と評価したところである。
 しかしながら、現下の自動車騒音問題を取り巻く厳しい状況から、大型車と小型二輪自
動車のうち最高出力が小さく中型車と基本構造が同様な大型車や排気量が小さく騒音発生
エネルギーの小さい小型二輪自動車などのように比較的早期に対応が可能と思われる機種
については、目標値を達成した低騒音の車両をできるだけ早期に販売することが社会的要
請に応えることとなる。
 このため、自動車メーカーにおいては平成10年及び11年排出ガス規制対応後、1機
種でも多く平成13年頃までに目標値を達成するよう積極的な取組が望まれる。
 
2.自動車騒音低減技術評価検討会 検討員(五十音順、敬称略)
 
  大野 進一  東京都立科学技術大学教授
  金子 成彦  東京大学助教授
  橋本 竹夫  成蹊大学教授