別紙 意見の概要

No.氏名項目意見の概要
1(財)日本生態系協会全体点検及び見直しを実施する取組については、わかり易い総合推進策のあり方として評価。
2(財)日本生態系協会全体各種事業を体系化し、重要度や緊急性に基づいたプライオリティを整理し、また施策の目標設定を明確にした上で、その”ものさし”に基づいた事業効果の検証を行うべき。戦略の内容及び検証システムの根本的な見直しが必要。
3(財)日本生態系協会全体点検内容は抜本的な部分での見直しがなく、極めて不十分。目標設定(当面/中・長期等)を行い、その中で進捗状況や達成度を検証し、事業効果の評価と今後の課題を取りまとめるべき。今回の点検も事業の羅列となっており、事業効果は全く不明。
4(財)日本生態系協会全体環境関連事業を無批判に羅列しているが、掲げられている各種事業が生物多様性に貢献するものにふさわしいか否かの検証が必要。各事業によってどう生物多様性が改善されるのか根拠を示すべき。
5個人全体藻場、干潟の開発が容認されている一方で、「沿岸海域の藻場・干潟の造成が積極的に実施」しているというような矛盾が生じているのは、国としての生物多様性の保全とその構成要素の持続可能な利用に関する哲学、指針が示され、それに基づき政策を実行するという仕組みになっていないからではないか。
6個人全体日本は、自然資源の持続可能な利用という原則を堅持し、今後とも世界の生物多様性の保全と持続可能な利用の議論をリードする努力を。
7個人全体点検報告のP.8「多様な解釈が可能」との認識は疑問。「多様な解釈が存在しており」とすべき。
8個人全体点検報告のP.6「・・その利用に当たっては、・・保障しつつ資源としての持続可能な利用が図られるとともに」は冗長であり、「その利用に当たっては、持続的であることを保障するとともに」若しくは「・・その利用に当たっては、・・保障しつつ資源としての利用が図られるとともに」とすべきではないか?
9個人全体既存の環境関係の事業をすべて集めたという感じがする。(特に、農林水産業における・・・持続可能な利用及び野外レク及び観光の項。)
10個人全体これまでの取組、施策実施状況が要約されている点、有益。
11個人全体生物多様性条約の実施に関わる各主体は、それぞれの立場から生物多様性を損なうような事業主体への異議を申し入れる義務がある。
12個人全体諫早干拓について触れていないのはどうしたことか。点検結果の各項目との関連を明らかにすべき。
13個人全体国家戦略第2部では、各主体の積極的自発的関与が必要としており、各機関は厳しく自己点検をすべきところ。点検結果を見る限り、一部を除き自画自賛の羅列である。多角的な立場から率直に総括すべきである。
14個人全体戦略の見直しに際しては、点検の視点として以下を加えるべき。1.生物多様性に負の結果を招いた事業についての率直な反省と今後の対応策を明らかにすること、2.生物多様性確保の観点から事業実施中、または計画決定済みの事業について計画変更したものを肯定的に評価すること、3.事業主体でなく第3者機関による評価制度の導入を検討すること。
15個人全体報告書は各省庁の活動レポートの寄せ集めに過ぎない。国家戦略策定後も開発事業が数多く実施され、有効な戦略となり得ていないことに何ら触れていない。掲げられている施策には生物多様性保全に有効な施策か否か判断に苦しむものが多い。
「今後の課題」には適切な指摘があるが、そのためにどんな方策を今後計画していくかは不明。愛知万博、諫早湾、和白干潟などにどう対応するのか。策定時の不備を見直して、より実践的な国家戦略を自然保護団体を含めて検討すべき。
16WWFJapan全体点検結果を見る限りでは、期待からほど遠く、国家戦略の具体性に欠ける曖昧さが不作為を助長させたという印象を与える。大半の取組は従来からの施策の継続に過ぎず、生物多様性の保全を大きく前進させる新たな取組は見あたらない。
17(財)日本野鳥の会三重県支部全体点検結果を公表し、意見を聴取することは評価。しかし、内容は各省庁の寄せ集めで、同様な事業を各々の範囲でやっているだけのように思える。
18公害・地球環境問題懇談会全体点検結果への国民意見の募集は評価。
19公害・地球環境問題懇談会全体国民意見集約後、どのようなプロセスで最終報告を作成し、政策面で具体化するのか不明。
点検は、政府部内のみでまとめられており、手続き上異論あり。調査、たたき台の段階からNGOなど他のセクターを参加させ、実効性ある国家戦略の点検と実行ある政策への反映を行うよう要請する。
20個人全体生物の絶滅を救うためには、生物駆け込み寺のような、気楽に対応してくれる行政機関が必要。
21個人全体国民全体への広報活動の不足を感じる。国民各界各層に広く訴えるパンフレットを作成し、啓発活動を行う必要がある。
22個人1評価手法がないと保全計画の立案がしにくいので、作業の期限を明示した上で、評価手法の確立を急ぐべき。
23個人1自治体が主体的に行う施策の施策の役割が重要としているが、銚子新大橋の問題など、地方自治体による自然破壊・開発行為への歯止めが必要。
24WWFJapan1関連する国の各種計画への生物多様性の観点の記述については、単に記述されるだけでは意味がない。今後、各計画に基づく事業の計画から実施の段階に至るまで、保全と利用との整合性がどのように保たれるかの点検が必要。
25公害・地球環境問題懇談会1各種開発計画の策定時には、環境基本計画の上位位置づけを最大限に適用し、事業実施に当たってはアセス法を最大限に活用すること、環境政策策定時及びその運用に当たっては国民とNGOとともに実施していくこと。
点検では、どの計画でどれだけの環境破壊が見込まれ、どれが中止されなければならないか、計画変更し事業継続をするのか、を具体的に明らかにすること。
特に、公共事業五カ年計画では、どのような施設整備を行い、環境上どのような配慮を行うかなどを細目毎に示す必要がある。
26個人2様々な保護区制度を一本化し、一元管理するシステムにするべき。
27個人2関係機関との調整上、重要な地域が指定されていないところが多いが、指定条件(ガイドライン)を明確にすることにより、指定を促進すべき。
28個人2野生動物の生息域の連続性の確保のため、早急に日本列島全体のコリドー構想を立案し、実施計画を作成すべき。
29公害・地球環境問題懇談会2ラムサール条約登録や鳥獣保護区の指定などの保護区の指定について、点検では、どの保護地域が新たに指定されなければならないのか、までに踏み込んだ記述が求められる。
今回の点検にこのような成果を盛り込むために各種制度の登録や指定の必要のある地域などについて意見を改めて募集したらどうか。
30個人3都市近郊の二次的自然の保全にとって、山林や農地の相続税の減免・物納などの政策が必要。
31個人3園芸種や帰化種、環境に合わない樹種での緑化など緑の質への理解は低い。生物多様性の維持・復元の観点から、緑の質を正確に把握するための指針が必要。
32個人3生物多様性の根幹を成す表土の保全に関する記載がない。表土の喪失は多様性喪失の大きな原因の1つであり、ドイツなどのように表土の保全に関する指針を示すべき。
33(財)日本野鳥の会三重県支部3「河川環境管理基本計画」は事業を行わない見直しを含めて行うこと、また、「グリーンプラン2000」に基づく緑化の推進及び「環境ふれあい公園整備事業」について、地方にも残っている緑地をつぶして、このような施設が必要なのか疑問。
34公害・地球環境問題懇談会3里山についての記述については、重要な視点と評価。しかし、里山は公共事業などの開発や中山間地の農林業の衰退により急速に失われており、点検では、このような里山保全の障害は何か、国や自治体の施策のどこが強化或いは新設され、どの施策は変更或いは中止されなければならないかを具体的に記述する必要がある。今回の点検にこうした成果を盛り込むために、保全される必要のある里山と、そのために変更されるべき国や自治体の諸計画について意見を改めて募集してはどうか。
35平林寺の自然と文化を守る会4カラスの増加が里山周辺の生物多様性の大きな妨げになっている。
36個人4大型草食獣について、生息密度調査を行うとともに、個体数管理計画を策定すべき。農林業に対する被害補償を検討すべき。
37個人4油汚染で犠牲になった海洋鳥獣の調査体制を確立すべき。
38個人4猛禽類や大型肉食獣について、自然林の面積の増加や道路等による分断の規制など生息域保護の施策を具体化し、実施すべき。
39個人4種の保存法の種指定とレッドデータブック(RDB)との関係を明確にすべき。また、同法に基づく種指定の推進等を具体的に明示すべき。
40個人4第8次鳥獣保護事業計画;圏央道計画に関連して、オオヒシクイ越冬地内の保全が図られていない。
41(財)日本野鳥の会三重県支部4「移入種による影響対策」について、環境保全活動として、魚やホタルの放流事業や花木植栽が行われているのは問題。
42(財)日本野鳥の会三重県支部4「鳥獣保護事業計画の策定」について、保護区の設定に土地の改変規制が伴わないのは問題。
43個人4野生動物の棲息域の確保のため生息地等保護区の拡大と弾力的運用を求める。特に、ツキノワグマに関しては保護区の設定は絶対不可欠。
44WWFJapan5国家戦略策定以前に着手されている事業について、はじめから視野の外においているのは重大な欠陥。
45個人5ゴミ処理が不適切であるため、カラスなど特定の動物が増え他の動物の脅威となり、生物多様性を喪失させており、自治体や地域住民への教育が必要。
46個人5今後の道路はエコロードを必須とすべき。透水性舗装の義務づけを。
47個人5野生動植物の生息地における開発計画については、生息地保全が前提であり、保全すべきか開発して良いかのガイドラインが必要。
48個人5エコロード、エコポートは、生物多様性保全施策と言えるのか。道路や港湾そのものの必要性を十分に検討すべきで、むしろこれらの建設計画を撤回し野生生物の生息域を保全すべき。
49WWFJapan5各種事業における保全への配慮は、本来事業側が恣意的に「配慮」する事ではなく、適切な環境影響評価に基づいて行われるのが本筋である。
50ものみ山自然観察会5今や限られた里山空間を都市化する公共事業は、生物多様性の著しい後退である。国家戦略が現実の計画と具体的にどう対応しているのか全く不明である。
51(財)日本野鳥の会三重県支部5社会資本整備については、本当に必要な整備かどうかがまず問われるべき。
52(財)日本野鳥の会三重県支部5「海岸事業」について、海浜植物、塩性湿地植物への配慮は不十分。「海岸の白砂青松の復元」については、薬や肥料の使用はやめてほしい。その他各種の環境配慮型事業について、まず事業自体の必要性について点検すべき。
53公害・地球環境問題懇談会5生物多様性を脅かす最大の原因は各種開発事業で、実行中のプロジェクトの総点検を毎年第3者が行い、計画に反して自然破壊が生じた場合には計画の中止と現状回復を行うこと。
「第6次海岸事業五カ年計画」は内容のチェック等が必要。
計画中あるいは工事中の公共事業については、生物多様性保全に問題のある事業計画や公共事業が原因の環境破壊の例について、意見を求めてはどうか。
54(財)日本野鳥の会・徳島県支部5エコポート、小松島港(沖州地区)について、吉野川河口干潟の消失が危惧され、沖ノ州海岸が消失する。これは、戦略の基本方針に反するのではないか。
55個人5「多自然型川づくり」については、地域の風土に即した川づくりを行う必要がある。そのためには環境ヒアリングを行い、生物の多様性が保持されるようにしていく必要がある。
56個人6「資源の賢明な利用」をいうなら、底引き網のような一網打尽の漁法は禁止すべき。
57個人6人工藻場、人工干潟などよりも、まず残された藻場、干潟を保全すべき。他の自然を破壊する危険性もある。
58(財)日本野鳥の会三重県支部6「森林整備事業」について、林道をつくるより、管理できないところは自然林に戻し、国土保全のための税負担軽減などのシステムをつくる。「治山事業」について、コンクリートで固める式の治山の中止を。崩れても被害が最小になるような、住宅などの規制を考えるべき。
59個人7自然公園におけるレンジャーの大幅増員とインタープリテーション活動を活発化すべき。
60個人7観光基盤施設の整備は、生物多様性保全等の一環といえるのか。自然を荒らす危険性が高い。
61(財)日本野鳥の会三重県支部7全体として「野外レク」の施設づくりが先行しているのでは。「地元の要望」を理由に生物多様性に反していることも。「観光基盤施設の整備」について施設ばかりでなく、利用者のマナー啓発を。
62(財)日本野鳥の会三重県支部7野外レクについては、利用、活用が先行し、何のためにやっているかが置き去りになっている。
63個人7学校5日制も2003年には実施され、体験型社会教育を実施するためには、自然解説指導者の育成が急務。学校教育や社会教育に活かすため、環境教育の人材紹介パンフレットを作成し、即座に活用できるようにしていく必要がある。
64(財)日本野鳥の会三重県支部8遺伝資源の取扱いについては、慎重な対応を。
65個人9NGOとの協力の下に、学校・自治体でのビオトープ設置を進めるべき。
66個人9環境教育の一層の充実、野外における自然と触れ合うプログラム・拠点を増やす。また、インタープリターの自治体での雇用を進めるべき。
67個人9本来ある林を切り開く植樹祭は疑問。国土緑化運動は樹種の選定など緑化の中身が問われる。
68WWFJapan9生物多様性の保全という新しい考え方の教育や普及啓発は、単発のイベントではなく、もっと本腰を入れて計画的に実施すべき。生物多様性保全と持続可能な利用の考え方を学校教育のカリキュラムの中に明確に位置付けるべき。
69(財)日本野鳥の会三重県支部9「小鳥がさえずる森づくり運動」について、効果が上がっているかの検討を。「国土緑化運動の推進」の費用を手入れの悪い植林地の維持管理やその啓発への利用に使ったらどうか。「海と渚の清掃活動」について、海鳥の繁殖期など時期によっては海浜生物にとって悪影響有り。釣り糸、釣り針の持ち帰りも啓発を。
70(財)日本野鳥の会三重県支部9生物多様性=希少種の保護と考えている人が多いが、教育及び普及啓発に際しては、身近な自然環境はどうあるべきか、が課題。
71個人9環境教育は研究推進校以外でも取組の強化が求められる。エコクラブの活動を教育現場に紹介していく必要がある。
72個人10自然環境保全基礎調査は、生物多様性の現状把握に最適な情報源となりうるものだが、誰でも調査結果が入手できるようにしないとデータが活かされない。調査結果の情報公開の検討が必要。
73個人10自然環境保全基礎調査データの収集、取りまとめは、都道府県単位ではなく、生態系中心に行うべき。
74個人10基礎情報に個人又は団体が必要なときに必要なだけアクセスできるクリアリングハウスの早期整備を期待。
75WWFJapan10生物多様性に関する情報の整備と情報提供の中核となるシステム整備は急務であり、より一層の取り組みが必要。
76個人11酸性雨対策にも十分配慮する必要がある。そのためには、国際協力が必要である。
77日本昆虫学会自然保護委員会-「昆虫採取、捕獲の禁止」は、「採取・捕獲の禁止」によって、多様性が保全されると言う間違った考え方を助長。現在の生息環境の保全を優先すべき。

注)項目欄の「数字」については、点検報告に記載されている点検項目に相当。
  「全体」とは、点検の全般についてのもの。