報道発表資料本文

環境大臣意見


 本事業の環境影響評価書について、以下の意見を述べるものである。

1. 自然環境
 
  (1) クマタカの保護
 
     クマタカについては、年間を通じた生活基盤であるコアエリアの一部で建設発生土の処理の工事などによる改変が行われるが、当該改変区域及びその周辺は、調査においてもクマタカの飛翔が観察されており、採餌に利用されていると考えられる。よって、クマタカの生息状況について環境監視を行うこととしているが、事業実施による生息への影響が確認された場合には、専門家の意見を聴取し適切な措置を講じるなど、クマタカの生息の保全を期されたい。
 
  (2) 植物の移植
     本事業により改変される場所に生育する重要な植物種について移植及び播種を行うこととしているが、オニコナスビ等の一部の種の移植については不確実性を伴うことから、事前に移植試験を実施すること。また、その旨を評価書に記載すること。

 
2. 水環境
 
   本件事業で設置される小石原川ダム及び導水路等と一連の運用がなされる寺内ダム貯水池については、現況においても、季節によってはアオコが発生するなど富栄養化現象が見られることから、特に水質保全に留意する必要がある。したがって、寺内ダム貯水池における水温低下に対する環境保全措置として設置する曝気循環施設については、今後の水質調査を通じて、既設曝気循環施設とあいまって、より適切な運用に努められたい。



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