平成8年4月の改正悪臭防止法の施行により、嗅覚測定法を用いた臭気指数規制が導入され、「臭気判定士」の資格が創設された。その後、平成12年の悪臭防止法の改正により、これまで省令に位置づけられていた同資格が、新たに、法律に「臭気測定業務従事者」として位置づけられた。
1. | 臭気指数規制について | ||||||||||||
臭気指数規制は、都道府県知事又は指定都市・中核市・特例市・特別区の長による規制地域の指定に基づいて行われることとなっており、指定された地域内の工場・事業場への立入検査や監視測定は市区町村長が行うこととされている。 | |||||||||||||
2. | 嗅覚測定法について | ||||||||||||
人間の鼻(嗅覚)を使ったにおいの測定法を嗅覚測定法と呼び、この中で「三点比較式臭袋法」は日本で開発された手法で、国内で広く用いられている。この手法は、6人以上のパネル(実際に嗅覚を用いてにおいの有無を判定する人)が用意された3つの袋を嗅ぎ、においの入っている1つの袋を当てるもので、無臭空気により徐々に希釈していき、においの入っている袋が嗅ぎ当てられなくなったときの希釈倍数でにおいの濃さを表す。この手法は、比較的簡単な器具のみで測定できるといった利点がある。 従来から多くの地方自治体で条例や指導要綱などによって測定法として採用されていたが、平成7年の悪臭防止法の改正により、法律に基づく規制手法として新たに導入された。 | |||||||||||||
3. | 臭気測定業務従事者(臭気判定士)について |
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臭気測定業務従事者(臭気判定士)は、悪臭防止法の施行に当たって必要となる臭気指数の測定について、市町村等からの委託により測定業務を担当する者で、測定の的確かつ公正な実施を確保するため、資格が付与されるものである。 臭気測定業務従事者(臭気判定士)は、試料の採取、パネルの選定、試料の調整と判定試験の実施、結果のまとめ等、判定試験全体についての責任者で、試料採取時期の決定や当初希釈倍数の決定などを行うため、自らも正常な嗅覚の持ち主でなければならない。また、人間の嗅覚や生理に関する知識、結果のまとめに必要な統計学に関する知識、においに関する測定法全般に関する知識、パネルの心理状況の試験結果に与える影響、臭気に関する行政的な立場と基本的な臭気対策等についての幅広い知識を持ち、これらを十分に理解していなければならない。 このため、臭気測定業務従事者(臭気判定士)の資格は、悪臭防止行政や臭気指数の測定等に関する臭気判定士試験に合格し、かつ、正常な嗅覚を有することについての嗅覚検査に合格した者に与えられるものとなっている。 なお、臭気判定士免状は5年を期限に更新することとなっており、更新に当たっては嗅覚検査を再度受検する必要がある。 | |||||||||||||
4. | 臭気判定士試験について | ||||||||||||
臭気判定士試験は、臭気指数の測定に関し必要な知識について行うもので、試験科目とその内容は次のとおりである。 なお、本試験を受験するには、試験日において18歳以上の者でなければならない。
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5. | 嗅覚検査について | ||||||||||||
嗅覚検査は、嗅覚測定におけるパネルの選定方法と同様に、1から5までの番号の付いた5本の紙(におい紙)のうち、基準臭の付いた2本のにおい紙の番号を嗅ぎ当てるもので、5種類の基準臭全てについて判定を行う。 本検査では特に他の人より鋭敏な嗅覚が要求されているわけではなく、大多数の人(統計的には95%の人)が「正常な嗅覚」を持っているとされている。 | |||||||||||||
6. | 臭気測定業務従事者(臭気判定士)に関する指定機関について | ||||||||||||
悪臭防止法施行規則(昭和47年総理府令第39号)第13条第2項に規定される、臭気測定業務従事者の資格試験を行う機関として、平成13年5月30日に制定された「悪臭防止法第13条第2項に規定する指定機関を指定する環境省令」をもって、(社)におい・かおり環境協会が指定されている。 なお、臭気判定士試験及び嗅覚検査の実施は、毎年、環境大臣から公示される試験等の実施計画に基づき行われる。
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