(1) | 観察期間 | : | 平成16年1月11日(日)から1月24日(土)まで (この期間中に1日以上観察) |
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(2) | 観察方法 | : | [1] | 肉眼による観察 |
高度の異なる天の川の3部分(ペルセウス座付近、ふたご座付近、いっかくじゅう座付近)を観察する。 | ||||
[2] | 双眼鏡による観察 | |||
すばる(プレアデス星団)のラケット形の中の星について、何等級の星まで見えたかを観察する。 |
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(3) | 参加方法 | : |
都道府県・政令指定都市・中核市の大気環境行政担当部局へ参加申込みを行い、「観察の手引き」に基づき観察を実施し、その結果を大気環境行政担当部局まで報告する。 |
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(4) | 定点観察 | : | 別途依頼をしている全国23地点の定点観察地においての観察 | |
[1] | 写真撮影による観察 | |||
1等星アルデバランを中心とする夜空のカラースライド写真撮影を行い、夜空の明るさを測定する。 | ||||
[2] | 写真撮影のデジタル化への試行 | |||
別項4参照 |
(1) | 観察期間 | : | 平成15年7月19日から8月1日まで(1日以上観察) |
(2) | 参加団体・参加者数 | : | 全国47都道府県の456団体、延べ7,044人(昨年度は442団体、延べ9,156人)が参加。(図1) |
(3) | 観察結果 | ||
[1] | 肉眼による天の川の観察 | ||
肉眼で天の川の高度の異なる部分(たて座付近、いて座付近、白鳥座(はくちょうざ)付近)の見え方を観察した。(図2) |
星座の高度に応じて見え方に違いがあり、総じて高度が高いほど星が見えやすいという回答の割合が高い。地上に近いほど人工光の影響を受けていることが確認できる。 |
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[2] | 双眼鏡による観察結果 |
双眼鏡を用い、こと座の1等星(ベガ)を中心とする三角形の中の星を観察し、何等級の星まで見えたのかを都市規模別にまとめた。(図3) |
総じて、規模の小さな都市ほど暗い星まで見え、星がよく見えるという結果となっている。特に小都市は、中都市以上の都市と比べて顕著にその傾向が現れている。 |
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[3] | カラースライド写真から求めた「夜空の明るさ」 |
全国23地点の定点観察地で、こと座の1等星(ベガ)を中心とする夜空のカラースライド写真撮影を実施した結果をまとめた。なお、「夜空の明るさ」の値が大きいほどより暗い星が見えたことを表し、夜空が暗いことを示す。(図4) |
※ | 図中の直線は、全体の傾向を読みとる上で便宜上引いたものであり、一つの目安として御覧いただきたい。 |
図4は、定点におけるスライド撮影による夜空の明るさ判定の結果を図化したものである。スライド撮影による明るさ判定は第3者が客観的に行うので、前記の肉眼や双眼鏡による観察と比べると観察者による差が出にくく、また、観察場所の移動がない分、経年的変動データとしての信頼度は高くなる。 観察結果は、総じて、各都市とも横ばい若しくは右下がり(夜空の明るさの増加)となっていることが見て取れる。 |
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別図:ベガを中心とする写真撮影の結果 |
本事業への年間参加者もすでに一万人を超しているところであるが、更に今後にわたり魅力的で、より多くの参加者による有意義なものとしていくため、本事業に係るシンボルマーク及びイメージキャラクタを広く一般から公募することとした。 採用されたシンボルマーク、イメージキャラクタは、今後のパンフレット、ポスター、星空観察ノート等、星空継続観察事業の顔として広く使用するものとしている。 |
(1) | 背景 | |
一般参加者による夜空のスライド写真撮影・夜空の明るさ測定は、主としてその労力的問題により、平成12年度夏期観察を最後に中止し、同時にそこから得られたデータを基に公表してきた「全国星空ランキング」も現在は行ってはいない。しかし、肉眼と双眼鏡という人間の感覚に頼るだけの現在の観察方法に対し、物足りなさを感じる参加者も多く、また、地域興しの一要素ともなっていた「全国星空ランキング」の復活を望む声も根強くある。 一方、数年前と比較して進歩がめざましいデジタルカメラは、かつては高価すぎた16ビット階調程度の色表現(8ビット階調では、夜空の微妙な明るさ測定は不可能)を可能とするデジタルカメラの価格も下がりつつあり、一般参加者にも購入可能な価格帯にまで近づいてきている。 観察データのデジタル化により夜空の明るさ測定にかかる労力は大きく軽減され、現在中止している写真撮影による夜空の明るさ測定の再会の可能性に大きく繋がるものである。また、観察データのデジタル化はデジタルカメラによる方法以外に、従来のスライドフィルムをデジタルスキャンする方法もある。 しかし、そのような測定手法は現段階では未だ一般化したものとはなってはおらず、そのため、この冬期観察においては、まず現在定点観察地として協力いただいている全国23地点の観察団体に対し、上記手法の試験的導入について御協力を願い、その測定精度や測定労力等の諸課題について調査を進めようとするものである。 |
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(2) | 試行の実際 | |
今回の試行については、国立天文台の全面的協力の下で実施するもので、実施内容は以下のとおりである。 | ||
[1] | 冷却CCDカメラによる観察 | |
光量の少ない夜空の観察でも高精度な撮影が可能なデジタルカメラ(冷却CCDカメラ)で夜空を撮影し、測定データをコンピュータ解析し、夜空の明るさ判定する。23地点の所持団体のみの観察となる。 | ||
[2] | 一眼レフタイプのデジタルカメラによる観察 | |
一眼レフタイプデジタルカメラ(ほとんどが16ビット階調による色表現が可能なもの)で夜空を撮影し、[1]と同様に夜空の明るさを判定する。23地点のうち、このタイプのデジタルカメラ所持団体のみの観察となる。 | ||
[3] | スライドフィルム撮影による観察 | |
スライドフィルムに写し込まれた映像をデジタルスキャンしたものを、上記と同様な方法により夜空の明るさを判定する。23地点全てにおいて観察する。 |
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(3) | 今期以降の方向 | |
今期の試行結果を調査し、一般参加団体の観察にも適用可能と判断された場合、来年度夏期観察以降、可能なものから順次一般参加者の観察内容に反映させていくこととしている。このことについては、来年夏期観察実施の時点に今期試行の結果と併せて公表する予定である。 |