(1) | 第1次報告においては、平成5年1月の中央環境審議会答申「水質汚濁に係る人の健 康の保護に関する環境基準の項目追加等について」(以下、平成5年答申という。)にお いて「人の健康の保護に関連する物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等から みて、直ちに環境基準とせず、引き続き知見の集積に努めるべきもの」として定められた 要監視項目25項目のうち、平成6〜8年度の公共用水域等の調査において比較的検出率が 高い項目等について検討を行い、毒性情報等の知見に基づき得られる人の健康の保護の観 点からの指針値を勘案し、我が国における水環境中での検出状況等を踏まえて要監視項目 から環境基準健康項目への移行等について検討した。 |
(2) | 環境基準健康項目の基準値及び要監視項目の指針値は、平成5年に要監視項目として 設定された指針値をもとに、平成5年答申の基準値の設定の考え方を踏まえ、我が国や国 際機関において検討され集約された科学的知見、関連する各種基準の設定状況等をもとに 、飲料水経由の影響(主として長期間の飲用を想定した影響)及び水質汚濁に由来する食 品経由の影響(長期間摂取を想定した影響)を考慮して検討した。なお、内分泌攪乱作用 (いわゆる環境ホルモン作用)については、これまで報告された異常と原因物質との因果 関係、そうした異常が発生するメカニズム等に関してはいまだ十分には明らかにされてい ない状況にあることから、今回の検討に際しては評価していないが、今後、内分泌攪乱作 用について評価が可能になった時点において見直しをすることが必要である。 |
(3) | 人の健康の保護に関する環境基準については、原則としてこれまでどおり全公共用水 域及び地下水に適用することが適当である。ここで、自然的原因により基準値を超えて検 出されたと判断される場合には、測定結果の評価及び対策の検討に当たってこのことを十 分考慮する必要がある。なお、海域において適用しようとする環境基準値を自然状態で既 に超えている物質の場合は、特例としてその物質については海域に環境基準を適用しない ことが適当である。 |