平成11年1月11日



中国から贈呈されるトキの取扱いについて

真鍋賢二環境庁長官談話


 昨年11月26日、中華人民共和国江沢民国家主席が来日された際に天皇陛下に贈呈された、トキのペアの取扱につきましては、トキが世界で最も絶滅のおそれの高い鳥類の一つであること、また、今回のトキのペアが日中両国民の友好のシンボルとして贈呈されたことに鑑み、宮内庁、外務省及び環境庁の間で協議してきたところであります。
 その結果、このたび環境庁において、佐渡トキ保護センターで繁殖を促進する観点から飼育管理を行うこととしました。このことを通じて、日中両国のトキの種の保存に貢献するとともに、日中両国民の友好促進に寄与することが期待されます。
 なお、トキの引き取りにつきましては、外交ルートを通じて中国側と協議して参りましたが、できるだけ早く日本に引き渡し、中国国民の友情を日本国民に届けたいという中国側の意向を踏まえ、繁殖期に入る前の1月末に実施することと致しました。
 引き取りには栗原政務次官が訪中し、中国側に御礼を申し上げることとしたいと考えております。
環境庁長官として、改めて中国側の協力とご厚意に心から感謝申し上げるとともに、日中両国の協力によるトキ保護増殖の取り組みを推進し、世界の野生生物保護への貢献を果たしていきたいと考えております。