特定調達品目及びその判断の基準等については、「環境物品等の調達の推進等に関する基本方針(以下「基本方針」という。)」において、特定調達物品等の開発・普及の状況、科学的知見の充実等に応じて適宜見直しを行っていくものと定められています。
その検討の参考とするため、物品及び役務については環境省及び経済産業省、公共工事については環境省、国土交通省及び経済産業省が共同で、特定調達品目に関する提案の募集を実施したところ、本年度は約300件のご提案をいただきました。これに昨年度のご提案のうち継続的に検討することした約600件のご提案を加えて、約900件のご提案を対象とし、「基本方針」に定める基本的考え方(注)に基づき、必要に応じて提案者又は関連の業界団体からのヒアリング等を実施しつつ、関係府省が共同で、特定調達品目及びその判断の基準等の検討を行ってきました。また、各府省等との協議の結果、別添1のとおり「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」に定める特定調達品目の追加等の概要(案)を取りまとめました。
平成14年2月に閣議決定した「基本方針」からの主な変更点は以下のとおりです。
・ | 文具類 | : | 窓付き封筒など6品目の追加 | ||||||
・ | OA機器 | : | シュレッダーの追加 コピー機の基準エネルギー消費効率の一部変更 | ||||||
・ | エアコンディショナー等 | : | ガスヒートポンプ式冷暖房機の追加 | ||||||
・ | 自動車等 | : | 自動車の基準に燃料電池自動車を追加 | ||||||
・ | 制服・作業服 | : | 配慮事項に未利用繊維の使用を追加 | ||||||
・ | インテリア・寝装寝具 | : | カーテン、カーペット等の配慮事項に未利用繊維の使用を追加 | ||||||
・ | その他繊維製品 | : | 集会用テントなど3品目の追加 | ||||||
・ | 公共工事 | : |
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・ | 役務 | : | 食堂の配慮事項に生分解性生ゴミ処理袋などのコンポスト処理を追加 |
特定調達品目及びその判断の基準等の検討は、「基本方針」に定める基本的考え方(注)に基づき実施してきたところですが、以下に該当するご提案については、グリーン購入法が国及び独立行政法人等が調達する物品について、より環境負荷の少ない物品等への需要の転換を促進することを目的としていることから、検討の対象外とさせていただきました。
また、以下に該当するご提案については、現時点で特定調達品目とするには課題が残ると考えられるため、次年度以降の特定調達品目の候補として継続的に検討させていただくこととしました。
[1] 物品等の品質等の一般的事項について課題があるもの
[2] 環境負荷低減効果について課題があるもの
[3] [1]又は[2]について確認するための、十分な客観性を有する情報が得られなかったもの
公共工事については、「基本方針」にも示すとおり、目的となる工作物が、国民の生命、生活に直接的に関連し、長期にわたる安全性や機能が確保されることが必要であるため、公共工事の構成要素である資材等の使用に当たっては、事業ごとの特性を踏まえ、必要とされる強度や耐久性、機能を備えていることについて、特に留意する必要があるなどの特徴を有しています。
特定調達品目の選定に当たりましては、環境負荷低減効果があり、かつ、国等が調達を推進することにより環境物品等の普及が図られるものを特定調達品目として選定したところですが、(1)の考え方に加え、特に以下の観点から選定を実施しました。
なお、具体的な選定の流れは、別添2の選定フローに示すとおりです。
[1] 環境負荷低減効果が客観的に認められるもの
[2] 普及の促進が見込まれるもの
[3] 品質確保(安全性、耐久性等)が確実なもの
[4] コストが適正と判断されるもの
(注)「基本方針」に定める基本的考え方
2.特定調達品目及びその判断の基準並びに特定調達物品等の調達の推進に関する基本的事項
(1) 基本的考え方
ア.判断の基準を満たす物品等についての調達目標の設定
各機関は、調達方針において、特定調達品目ごとにその判断の基準を満たすもの(「特定調達物品等」という。)について、それぞれの目標の立て方に従って、毎年度、調達目標を設定するものとする。
イ.判断の基準等の性格
環境物品等の調達に際しては、できる限りライフサイクル全体にわたって多様な環境負荷の低減を考慮することが望ましいが、特定調達物品等の実際の調達に当たっての客観的な指針とするため、特定調達品目ごとの判断の基準は数値等の明確性が確保できる事項について設定することとする。
また、すべての環境物品等は相応の環境負荷低減効果を持つものであるが、判断の基準は、そのような様々な環境物品等の中で、各機関の調達方針における毎年度の調達目標の設定の対象となる物品等を明確にするために定められるものであり、環境物品等の調達を推進するに当たっての一つの目安を示すものである。したがって、判断の基準を満たす物品等が唯一の環境保全に役立つ物品等であるとして、これのみが推奨されるものではない。各機関においては、判断の基準を満たすことにとどまらず、環境物品等の調達推進の基本的考え方に沿って、ライフサイクル全体にわたって多様な環境負荷項目に配慮した、できる限り環境負荷の低減を図った物品等の調達に努めることが望ましい。
さらに、現時点で判断の基準として一律に適用することが適当でない事項であっても環境負荷低減上重要な事項については、判断の基準に加えてさらに調達に当たって配慮されるべく、配慮事項を設定することとする。なお、各機関は、調達に当たり配慮事項を適用する場合には、個別の調達に係る具体的かつ明確な仕様として事前にこれを示し、調達手続の透明性や公正性を確保するものとする。
なお、判断の基準は環境負荷の低減の観点から定められるものであるので、品質、機能等、調達される物品等に期待される一般的事項及び適正な価格については別途確保される必要があるのは当然である。
ウ.特定調達品目及びその判断の基準等の見直しと追加
特定調達品目及びその判断の基準等は、特定調達物品等の開発・普及の状況、科学的知見の充実等に応じて適宜見直しを行っていくものとする。
また、今後、特定調達品目及びその判断の基準等の見直し・追加を行うに当たっては、手続の透明性を確保しつつ、学識経験者等の意見も踏まえ、法に定める適正な手続に従って行うものとする。
エ.公共工事の取扱い
公共工事については、各機関の調達の中でも金額が大きく、国民経済に大きな影響力を有し、また国等が率先して環境負荷の低減に資する方法で公共工事を実施することは、地方公共団体や民間事業者の取組を促す効果も大きいと考えられる。このため、環境負荷の低減に資する公共工事を役務に係る特定調達品目に含めたところであり、以下の点に留意しつつ積極的にその調達を推進していくものとする。
公共工事の目的となる工作物(建築物を含む。)は、国民の生命、生活に直接的に関連し、長期にわたる安全性や機能が確保されることが必要であるため、公共工事の構成要素である資材等の使用に当たっては、事業ごとの特性を踏まえ、必要とされる強度や耐久性、機能を備えていることについて、特に留意する必要がある。また、公共工事のコストについては、予算の適正な使用の観点からその縮減に鋭意取り組んできていることにも留意する必要がある。調達目標の設定は、事業の目的、工作物の用途、施工上の難易により資材等の使用形態に差異があること、調達可能な地域や数量が限られている資材等もあることなどの事情があることにも留意しつつ、より適切なものとなるように、今後検討していくものとする。
また、公共工事の環境負荷低減方策としては、資材等の使用の他に、環境負荷の少ない工法等を含む種々の方策が考えられ、ライフサイクル全体にわたった総合的な観点からの検討を進めていくこととする。