論 点 | 内 容 |
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対策強化を約束する国の範囲 | EUがメキシコ、韓国、新ユーゴ等のOECD加盟国は、条約附属書I国と同様の扱いでなくとも、新たな国際約束により、途上国とは異なった工業国としての義務を負うべしと主張。 |
数量的な排出抑制・削減目的(QELROS)の削減率、達成時期 | AOSIS以外の国々は、削減率や達成時期を正式には示せないでいる。 |
QELROSの国毎の扱い | ノルウェー等が国別差異化目標を提案しているが、米国等一律の目標を主張している国もある。さらに、差異化目標についての提案の内容も、原因を重く見るもの、対策費用の配分の公平性を重く見るもの等多岐にわたっており、意見の一致は見られない一方、一律削減率目標についても内に部国情の違いを抱えるEUが歯切れが悪い。このため、AGBM第6回会合では、差異化に絞ったラウンドテーブルでの検討を行うこととなった。 |
QELROSの達成の方途の柔軟性 | 米国が、先進国間の排出枠取引と途上国との間のものも含む共同実施(JI)とがQERLOSの決定とパッケージであるとしている。EUも好意的であるが、途上国との間のJIには、途上国が反対。 同じく米国が提出している複数年の目標の設定については、特段の反対はなかったが、将来の目標の排出枠の先食い(borrowing)には、途上国の反発が大きい。 |
政策・措置の国際約束の是非 | EUは拘束的な性格のものも含め、政策措置についての強い国際約束を主張しているのに対し、米国は、拘束的な国際的政策措置に強く反対。 |
履行確保措置 | 国の主権を制限するような国際的な履行確保措置について、オーストラリアが強い懸念を表明している。 |
途上国の対策の履行促進 | 米国が、途上国からの国別報告書の国際的審査の実施などを主張している一方、途上国は、このようなことは、途上国の義務を強化するものとして、ベルリンマンデート違反と主張。 |
新しい国際約束の法形式(議定書か条約改正か) | 議定書に好意的な国が多いが、いまだ十分な議論が行われていない。 |
97年 | 2月半ば | FCCC議長による「枠組み文書」(新しい国際約束の土台となる文書)の公表 |
3月 | AGBM第6回会合 (各国からの具体的な意見を会議の場で表明する最後の機会。提案の範囲がほぼ確定する。国別の差異化目標などについて、突っ込んだ議論が行われる) |
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4月 | CSDの大臣セグメント |
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4月末 | 新しい国際約束の案文に対する提案の実務上のデッドライン |
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6月1日まで | 新しい国際約束の案文の配布 |
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6月 | G7サミット、国連特別総会 |
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8月 | AGBM第7回会合(逐条審議を通じた交渉の第1ラウンド) |
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8月〜11月 | 様々なフォーラムで非公式の交渉 |
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10月 | AGBM第8回会合(交渉の第2ラウンド、落ち所に向けた絞り込み作業が期待される。) | |
12月 | 地球温暖化防止京都会議、大臣セグメント、新しい約束の採択 |
NGOからの質問 | 日本政府代表団からの回答 |
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今後の交渉を進めるための枠組となる文書を作成することについて日本はどう考えているのか。 | 枠組となる文書の作成をできるだけ早期に進めるべきと考えている。 |
日本は、AOSIS提案どころかEU提案にも劣る内容の提案しか行っておらず、これではとてもリーダーシッブを発揮しているとは言い難いと考えるが如何。 | 日本提案は、各国のこれまでの主張等をも考慮しつつ、現時点で最良と考えるものを提案したつもり。ただし、これは最終的なものではなく、各方面の意見を聞きつつ、さらに良いものとなるよう検討していきたい。 |
ベルリン・マンデートは、現行条約が不十分であることを認識して2000年以降の削減に向けた検討をすることとしている。日本提案もその趣旨に沿ったものと考えてよいか。 | その通り。 |
日本提案は、COP2の閣僚宣言を踏まえたものと考えてよいか。 | その通り。 |
日本はどのような水準にGHG濃度を安定化させるべきと考えているのか。安全排出回廊については、日本も検討していると聞くが、どう考えるか。 | 目標とすべき太気中GHG濃度については、550ppmvとすべきとの意見も含めて様々な考え方がある。環境庁としては、安全排出回廊の考え方のピア・レピューを含め、現在、日本を代表する科学者にその検討を依頼しているところであり、彼らの結論を待って我が国としての方針を決めたいと考えている。 |
NGOからの質問 | 日本政府代表団からの回答 |
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日本は、COP2に際し、主席代表演説において附属書I締約国全体として将来削減を目指すと言ったが、その考えは変わらないか。 | 変わらない。 |
日本提案には、排出削減のための目標が明示されていないがどのように考えているのか。また、何故一人当たり排出量を用いたのか。 | 日本の提案が最終的なものでないことは、既に文書に明記しているところ。具体的なQELROSの数値については、今後検討したいと考えている。 また、一人当たり排出量を指標の一つとして用いた埋由は、排出総量のみでは公平性の確保は難しく、また、長期的な削減の指標としては一人当たり排出量が最も適切なものと考えたためである。 |
一人当たり排出量は、超長期的には好ましい指標であるが、交渉が進みつつある現時点においては、むしろ削減に向けた交渉を妨げるものにしかならないのではないか | 日本の提案が最終的なものでないこと及び一人当たり排出量を指標の一つとして用いた理由は既に述べた通り。我々は、日本提案が議論を促進することを期待して提案した。もちろん、我々も環境保全上実効のある目標を望んでいる。 |
日本が提案した2つのオプションに限定しようとするものではなく、他の提案を歓迎する旨及びオプションが増えることにより議定書への参加が増えることが期待されるとしているが、これは、今後さらにオプションの数を増やしていこうとの考えか。そうであれば、各国は最も自分に有利なオプションを選ぶため、議定書の実効性が期待できなくなる。 | 今後オプションの数を増やすかどうかを含めて現時点ではオープンである。 |
一人当たり排出量は、輸出入を考慮すると、公正な指標とは言い難いのではないか。日本は多くの製品を輸入しており、それらの製品の製造に係るGHGの排出にも責任があるのではないか。 | 差異化については種々の考え方がある。公平性を確保しようとすれば、ご指摘の点も含めて様々な指標を取り込むことが必要になるが、他方、複雑な指標を用いた差異化に対しては批判も強い。このため、今回の日本提案は、できるだけ簡単な形で公平性に対する配慮を行おうとの観点からあえて一人当たりの指標をひとつのオプションとしたもの。 |
NGOからの質問 | 日本政府代表団からの回答 |
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日本提案のp、qを具体的に当てはめてみると、その数字如何で極めて大きな不公平がpを選んだ国とqを選んだ国の間に生ずる。具体的にpとqとの関係をどう設定するのか。 | 現時点では具体的なアイデアはない。両者が同じような負担を課すものとなるよう設定することが望ましいが、そのような負担を計る客観的な指標はない。どうすれば良いかさらに検討したい。 |
いつ日本は、具体的なp、q、xの数値を示すのか。 | 今回の提案に対する各方面からの意見を考慮し、適切な時期に(in due course)提出することとしたい。なお、日本が具体的な数値を示さなかった主要な埋由は、現行条約には種々の不備があり、気候変動対策の着実な前進に向けてそのフレームワークを改善することが戦略的に最優先事項と考えたため、まずそちらの議論を優先したいと考えたためである。具体的な数値を示すとその数値が自国にとってどうかという議論に終始することになり、フレームワークの是非についての議論が行われなくなる恐れがあるため、今回はあえて具体的な数宇を示さないこととした。 |
p、qの関係は、環境保全上同等のものとなる必要があると考えるが、どのように設定するのか。 | 今後の検討課題。 |
第3条は、p、qという数値も含めて法的拘束力のある目標を提案するものと考えて良いか。 | その通り。 |
日本は、短期的にも削減を目指すと考えてよいのか。 | 温暖化防止に資するものとなるよう努力したい |
CANは、2005年に20%の削減を目指すべきと考えている。日本の科学者で、2000年以降の削減を見込むようなモデルを作成している者はいるか。 | いる。 |
NGOからの質問 | 日本政府代表団からの回答 |
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ネット・アプローチについてどう考えるか。 | 現在日本の科学者に検討してもらっている最中であり、我が国政府としての明確なボジションは未だない。環境庁としては、原則的にはネット・アプローチの考え方は好ましいと考えているが、これまでの科学者の議論によれば、今は解決すべき手法的な課題も種々残されていることから、現時点で直ちにネット・アプローチを適用することは難しいのではないかとの印象を得ている。いずれにせよ、日本の科学者が結論を出すのを待って判断することとしたい。 |
NGOからの質問 | 日本政府代表団からの回答 |
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日本の総埋大臣に宛てて京都会議に向けてリーダーシッブを発揮してほしい旨の要請文書を送付したが、総理は見ているのか。また、我々の要請文書に対する対応はどうか。 | 総埋には文書は届いており、また、その写しは環境庁長官も読み、十分承知している。このような文書も踏まえつつ、環境庁長官は、閣僚懇談会等において、温暖化対策の重要性等につき、種々発言している。 |
日本は、自国のエネルギー効率が高いと主張するが、更なる対策余地についてはどう考えるか。 | 日本のエネルギー効率については、他の多くのOECD諸国に比し、高い水準にあると考える。ただし、エネルギー効率の改善によりGHGの削減を達成しようとすれば、多くのOECD諸国において年率1−2%程度の成長が見込まれるため、それ以上のエネルギー効率の改善を達成することが必要。これは容易なことではないが、さらに改善する余地がないわけではないと考えており、環境保全が図られるよう今後とも努力していきたい。 |
経済成長とエネルギーとのディカッブリングが重要と考えるが、日本は依然として経済成長とエネルギーをリンクさせて考えているのか。 | 先ほどの質間はエネルギー効率の改善についての質問であったため、そのように答えた。再生利用可能エネルギーの推進等他の対策を考慮するのであれば、ディカップリングも、より容易になろう。 |
NGOからの質問 | 日本政府代表団からの回答 |
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太陽光発電の推進が特に大切と考えるが日本はそのために何をしているのか。 | ご指摘の通りと考え、その大幅な普及に向けて補助をはしめとする各種の対策を進めている。 |
日本がイニシアチブを発揮するためには率先してGHGの削減を達成して世界に示すことが重要。先般日本へ行き、産業界の人たちと話した際、彼らは、 (1)特に、電気の供給の制限を撤廃することによりコジェネ等の導入等による相当の進展が見られるのではないかと指摘していたが如何。 (2)交通部門の対策如何。 (3)民生部門の対策如何。 |
(1)電力の規制緩和についてはその方向で政策を進めており、その結果としてソーラーを始めとする分散電源等が進展することを期待している。 (2)交通部門については、環境庁が昨年自動車産業と話したときに期待した燃費の改善と比べてはるかに著しい進展が見られつつあると考えている。また、運輸省の審議会において運輸部門の対策に関する審議を進めておりまもなく中間報告が公表される見込み。 (3)民生部門の対策についても、例えば建物の断熱構造化の推進や家庭用電力の対策等推進できる余地はいろいろあると考えている。 ただし、運輸部門にせよ、民生部門にせよ、多くの対策は、その効果が出るまでに時間がかかることはご理解願いたい。 |