(1) | 火力発電所で最も重要な環境要素である施設稼働時の排出ガスによる環境影響の評価については、環境基準等との整合性の検討が中心となって記載されているが、評価書においては、評価の基本である実行可能な範囲内で環境への影響が回避され、低減されているか否かについての事業者の見解を、計画を採用するに至った経緯も含め分かりやすく記載すること。 |
(2) | 大気環境及び水環境で環境基準等の定められている環境要素については、回避、低減に関する評価と、環境基準等の整合性の検討に関する評価を区別して分かりやすく記載すること。 |
(3) | 環境保全措置については、予測の前提となっているものと、影響を予測した後に追加的に採用した措置とが明確に区別できる記載とすること。 |
(4) | 評価に当たっては、予測結果を十分に踏まえるとともに、評価の根拠を分かりやすく示すこと。 |
(5) | 予測、評価を行ううえで必要な諸元を明記すること。 |
(1) | 本発電所で用いられる循環流動層ボイラーには、高効率のアンモニア接触還元法による脱硝装置を採用できないため、排出ガス中の窒素酸化物については、これまで環境影響評価の準備書が提出された火力発電所と比較して高濃度となっている。 このため、運転管理及び窒素酸化物の排出濃度の監視を十分に行うとともに、今後開発される技術の積極的な採用を含め、更なる窒素酸化物低減対策を検討し、排出濃度の一層の低減に努めること。また、その検討結果を評価書に記載すること。 更に、新設発電所から排出される窒素酸化物が高濃度であることから事業場全体として窒素酸化物の排出量を低減するため、準備書に記載されているセメントキルン対策を確実に実施するとともに、更に低減のための対策を検討し、その結果を評価書に記載すること。 |
(2) | 高効率のアンモニア接触還元法による脱硝装置を採用せず、窒素酸化物が高濃度となった理由を記載するとともに、実行可能なより良い技術を採用したことを裏付ける根拠を評価書に記載すること。 |
(3) | 燃料として使用する石炭とオイルコークスの混焼割合に関する方針について明らかにするとともに、オイルコークスの混焼がばい煙排出量に与える影響について検討し、その結果を評価書に記載すること。 |
(4) | 石炭粉じんによる降下ばいじん量が、環境保全対策を講じても、なお現状の約2倍となる予測結果が得られているにもかかららず「大気質の環境影響は小さい」と評価している。このため、石炭粉じんの更なる削減対策を講じるとともに、予測、評価を見直し、その結果を評価書に記載すること。 |
(5) | 方法書に対しての排出ガス中に含まれる重金属等の微量物質に関する高知県知事意見を踏まえ、排出ガスに含まれる重金属等の微量物質に関する影響の程度について検討を行い、その結果を評価書に記載すること。 また、運転開始直後及び使用燃料の性状に大幅な変更があった場合には、排出ガス中の重金属等微量物質について発生源での監視を行うとともに、その旨評価書に記載すること。 |
(1) | 前面海域においては化学的酸素要求量、窒素及びりんの測定値が環境基準を超過していることから、廃液を系外へ排出しない処理方法を採用する等、排出負荷を削減するための更なる検討を行い、その結果を評価書に記載すること。 |
(2) | 工事の実施に伴う水の濁りについては、高濃度の濁水が発生する可能性があるにもかかわらず、定量的な根拠を示さないまま「水の濁りの影響は少ない」と評価している。このため、凝集沈澱処理の採用等による効果的な濁水対策を講じるとともに、予測、評価を見直し、その結果を評価書に記載すること。 |
(1) | 準備書において、「効率の高い発電設備」を採用したと記載されているが、本計画における発電端効率等を示したうえで、施設の稼働に伴い発生する二酸化炭素が事業者により実行可能な範囲内において、可能な限り低減されているか否か検討を行い、その結果を評価書に記載すること。 | |
(2) | 他の燃料と比較して発電量当たりの二酸化炭素排出量の多い石炭を燃料として使用することから、以下のとおり措置すること。 | |
[1] | 本発電所は、循環流動層ボイラーの採用により、燃料として木屑等のバイオマスや廃タイヤ等の廃棄物を使用できるため、二酸化炭素排出量の低減に資する可能性を持っていることから、環境保全に配慮しつつ、温室効果ガスである二酸化炭素排出量の低減のため、バイオマスや廃棄物などの化石燃料以外の燃料の利用を検討し、化石燃料由来の二酸化炭素の排出量の低減に努めるとともに、その結果を評価書に記載すること。 | |
[2] | 事業場全体として省エネルギーの推進、化石燃料の削減、物流効率化等を進め、二酸化炭素排出量の削減を更に進めること。 | |
[3] | 本発電所と比較すると発電効率の低い既設の2号機との稼働分担については、運用に支障のない範囲で、極力二酸化炭素排出量が低減されるよう、設定すること。 | |
[4] | 方法書に対しての二酸化炭素排出量に関する高知県知事意見を踏まえ、事業場全体から発生する二酸化炭素排出量について、今後の排出量の推移や削減対策について明らかとしたうえで、温室効果ガスに対する予測・評価を行い、その結果を評価書に記載すること。 |