(参考)

クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)について


 1.概要及び経緯
 
 2000年8月、途上国におけるホットスポット(生物多様性が脅かされている地域)の保全プログラム支援のため、コンサベーション・インターナショナル(CI)、世界銀行(WB)及び地球環境ファシリティ(GEF)が共同で設立した基金。(ホットスポットの保全活動を行う地域の民間団体に対して支援するもの)
 
 
 2.規模
  
 上記の3団体は、最初の5ヶ年で2千5百万米ドル(毎年5百万米ドル)ずつの拠出を約束。他の出資者(パートナー)を募り、総計1億5千万米ドルの積上げが目標。
 2001年6月には、米国のマッカーサー財団が3団体と同額の拠出を決定し、4番目のパートナーとして参加。
  
 
 3.組織
 
(1) 理事会:各パートナー代表により、基金の運営方針を定める意思決定会合。
(2) ワーキンググループ:ホットスポットの現況や活動についての専門的検討を行う、理事会の下の作業部会。各パートナー代表及び専門家により構成。
 
  
 4.活動の支援状況
 
 CEPFは、2000年の設立以来、アジア、アフリカ及び中南米地域に総額6千9百万ドルの無償支援を決定している。
(支援事例)
 (1) マダガスカル
 2001年1月から10月、CEPFはマダガスカルにおける13のプロジェクトに対し、240万米ドルを拠出した。主な目的は個々の保護地域を回廊によって結びつけ、生態系ネットワークを形成することである。例えば、ロキー川とマナンバト川に挟まれたゴールデンクラウンドシファカ(猿)の生息地として重要な地域の保全(保護地域設定のための計画の作成)を行う ファナンビー協会(NGO)に対し、約40万米ドル拠出している。
(2) フィリピン
   東ミンダナオ、パラワン、シエラマドレの3つの地域はフィリピン国内の植物種の7割が生育する生物多様性の保全上重要な森林地域であるが、人口の増加や開発などの圧力を受けている。様々な団体が個々に保全プロジェクトを進めているものの、地域レベルの連携が弱いことから、CEPFの支援により連携を強め、広域的な保全をつなげていくことを予定している。(2002年から実施予定)