(別 紙)

「子どもの水辺」再発見プロジェクトについて

  
第一 趣旨
   子どもたちの体験活動の場を拡大し、また「川に学ぶ」体験を推奨する観点から、教育委員会、河川部局、環境部局及び市民団体等が連携して「子どもの水辺」の選定・登録及び必要に応じ整備を行うことにより、子どもたちの河川の利用を促進し、地域における子どもたちの体験活動の充実を図る。
 
第二 取組の体制
 (1) 市区町村教育委員会等の教育関係者、河川管理者等で構成される「子どもの水辺協議会」(以下、「協議会」という。)を設置し、「子どもの水辺」としてふさわしい水辺を選定する。
(2) 本プロジェクトを円滑に進めるため、都道府県単位に、都道府県教育委員会、河川管理者、都道府県環境部局(自然保護部局を含む、以下同じ)で構成される「子どもの水辺連絡会」(以下、「連絡会」という。)を設置する。
(3) 本プロジェクトの積極的な推進を図るため、文部科学省、国土交通省及び環境省で構成される「子どもの水辺推進会議」(以下、「推進会議」という。)を設置する。
(4) 本プロジェクトを実施する各地域の活動を支援するため、(財)河川環境管理財団内に「子どもの水辺サポートセンター」(以下、「サポートセンター」という。)を設置し、協議会で選定された「子どもの水辺」の登録を受け付けるとともに、「子どもの水辺」を活用した活動に対して様々な支援を行う。
 
第三 子どもの水辺協議会(地域レベル)
(1) 協議会
   協議会は、行政関係者として市区町村教育委員会等の教育関係者、河川管理者を構成員とするとともに、下記のような団体の代表者等を構成員とすることができる。事務局は、構成員である行政関係部局、団体等のうちの一つが担当する。
 
教育関係 PTA、子ども会等の青少年団体、学校教育関係者等
河川関係 川をフィールドとする市民団体、市区町村の河川関係部局等
環境関係 水辺をフィールドとする代表的なこどもエコクラブ等
(2) 役割
 
[1]  子どもの体験活動の場にふさわしい「子どもの水辺」を選定し、河川管理者を窓口として、別紙様式によりサポートセンターに登録するとともに、連絡会に報告する。また、協議会の構成団体、事務局等について変更があった場合についても、速やかにサポートセンターに登録することとする。
[2]  「子どもの水辺」の選定にあたっては、可能な限り現状の水辺を利用したものとするよう配慮するが、必要に応じ整備を行うことにより「子どもの水辺」になり得る水辺も含むものとする。
[3]  学校教育、社会教育等の関係機関、団体と連携し、地域で「子どもの水辺」が利用されるよう、子どもたちの体験活動の増加に繋がる活動の支援・実施を行う。
 
 【水辺を選定する際の観点(例)】
[1]  子どもたちの遊び、体験活動の場としての利用に適した水辺であるか。
[2]  安全教育の実施や川の構造上等から、子どもたちが安全に遊べる体制になっているか。
[3]  子どもたちの水辺での活動をサポートする団体等が存在し、利用促進の体制が整えられるか。
 
 【子どもの水辺での体験活動(例)】
[1]  水辺の遊びや水辺での自然とのふれあい活動
  昆虫採集、笹舟作り、魚捕り、川辺の散策、河川敷での炊事 等
[2]  河川での自然観察活動
  水生生物、野鳥、植物の観察 等
[3]  河川の愛護活動
  ごみ拾い、草刈り 等
[4]  写生会等の美術・創作活動
    河川での写生会や俳句・詩歌づくり、ストーンペインティング等の創作 等
 
 
 
第四 子どもの水辺連絡会(都道府県レベル)
 (1) 連絡会は、都道府県教育委員会、河川管理者、都道府県環境部局によって構成し、事務局はこれらの一つが担当する。連絡会には、上記行政関係者の他、必要に応じ自然保護事務所、都道府県単位のPTA、子ども会等の青少年団体をはじめ関係団体等の関係者の参加を求めることができる。
(2) 連絡会は、構成員協議の上、協議会の設置を促す地域を選定することができる。なお、協議にあたっては、それぞれの部局で協議会を設置するにふさわしい地域などについての情報を持ち寄るものとする。
(3) 都道府県教育委員会は、市区町村教育委員会、PTA、青少年団体、学校教育関係者等に対し、河川管理者は、川を活動の場とする市民団体、市区町村の河川関係部局等に対し、都道府県環境部局は、市区町村の環境部局やこどもエコクラブ等に対し、それぞれ協議会の設置の推進や協議会への参加等について協力要請を行う。
 
第五 子どもの水辺推進会議(国レベル)
   文部科学省、国土交通省及び環境省からなる推進会議を設置し、「子どもの水辺」への活動支援を行う施策等の情報交換を行い、本プロジェクトの推進に努める。
 
第六 子どもの水辺サポートセンター
   サポートセンターは、「子どもの水辺」を活用した活動に対して、以下の支援を行う。また、協議会の設置状況等について推進会議に随時報告するものとする。
[1]  全国各地域の情報収集、会報誌、ホームページ等による情報発信
[2]  「子どもの水辺」における自然体験活動や環境学習を実施する際に必要となる資機材の提供、活動を支援できる市民団体等のコーディネートなど
 
第七 広報活動等
  教育委員会、河川管理者、環境部局は、登録された水辺について、その利用を促進するため、広報活動に努めるほか、子どもたちが安全に活動できるよう配慮することとする。
 
第八 河川の整備等
   「子どもの水辺」再発見プロジェクトは、現状の河川を利用して子どもたちの遊びの場、自然体験の場として活用するものであるが、体験活動の場にふさわしい「子どもの水辺」にするため、河川整備が必要な場合には、「水辺の楽校プロジェクト」として河川管理者が支援し、その実現に努めるものとする。