フロン回収破壊法の施行に向けた考え方(第三次とりまとめ案)

(第二種特定製品(カーエアコン)関係規定の施行に向けて)
 
 
 「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(以下「法」という。)」に基づき、平成14年4月1日から、
 
使用済自動車に係るカーエアコンの引取りを業として行おうとする者(第二種特定製品引取業者)の都道府県知事等による登録制度
使用済自動車に係るカーエアコンに冷媒として充てんされているフロン類を回収することを業として行おうとする者(第二種フロン類回収業者)の都道府県知事等による登録制度
カーエアコンに充てんされているフロン類に関する表示の義務付け
 
等について既に施行されているところ、平成14年10月末までの間において政令で定める日には、
 
カーエアコンからのフロン類の回収・破壊に関する費用徴収に関する規定
回収されたフロン類の引取り及び引渡しの際に発行・添付を要する自動車フロン類管理書に関する規定
 
等を含めて、完全施行される。
 このため、以下のとおり、主としてこれら「平成14年10月末までの間において政令で定める日」に施行する部分に関する考え方を整理し、所要の事項を省令等において規定する。
 
 
自動車フロン類管理書に関する規定
 
  1. <省令>第二種特定製品引取業者の自動車フロン類管理書記載事項【法第37条】
     第二種特定製品引取業者は、法第37条の規定により、フロン類の充てんされた第二種特定製品を第二種フロン類回収業者へ引き渡す際に、自動車フロン類管理書を添付しなければならないこととされている。
    当該自動車フロン類管理書には、以下の事項を記載することとする。
    [1] 第二種特定製品を引き取った年月日
    [2] 第二種特定製品廃棄者の氏名又は名称及び電話番号
    [3] 第二種特定製品引取業者の氏名又は名称、登録番号及び電話番号
    [4] 自動車製造業者等の氏名又は名称、自動車の種別(例:バス、乗用車等)、車台番号及び充てんされているフロン類の種類
    [5] 引渡し先の第二種フロン類回収業者の氏名又は名称、登録番号、電話番号及び引き渡した年月日
    [6] 自動車製造業者等の請求する料金が支払われている旨
      ただし、例えば第二種特定製品引取業者が第二種フロン類回収業者を兼ねており、回収したフロン類を再利用することとしている場合においては、使用済自動車に係るカーエアコンの引取りに当たって自動車製造業者等の請求する料金の支払いを求めないこととするため、「フロン類の再利用がなされる旨」を記載するものとする。
    [7] 自動車フロン類管理書番号(整理用の通し番号)
     
  2. <省令>第二種フロン類回収業者の自動車フロン類管理書記載事項【法第39条第1項】
     第二種フロン類回収業者は、法第39条第1項の規定により、フロン類を自動車製造業者等へ引き渡す際に、自動車フロン類管理書を添付しなければならないが、当該自動車フロン類管理書には、以下の事項を記載することとする。
    [1] フロン類を回収した年月日
    [2] フロン類を自動車製造業者等に引き渡した年月日
    [3] フロン類を引き渡した自動車製造業者等の氏名又は名称
    [4] フロン類の引渡しに使用するフロン類回収容器の番号又はパレットの番号
     
  3. <省令>自動車フロン類管理書の保存【法第63条第1項、第2項、第3項】
     法第63条各項の規定により、第二種特定製品引取業者、第二種フロン類回収業者、自動車製造業者等は、産廃管理票の保存期間並びに第一種及び第二種フロン類回収業者の回収量の記録・フロン類破壊業者の破壊量の記録の保存期間が5年間であることを踏まえ、自動車フロン類管理書を5年間保存しなければならないこととする。
     
費用徴収に関する規定
 
  1. <省令>回収及び運搬に要する費用の請求方法【法第57条第1項】
     法第57条第1項の規定により、第二種フロン類回収業者は、自動車製造業者等にフロン類の回収及び運搬に要する費用を請求できることとなっているが、その方法は、請求者の氏名又は名称、登録番号、振込金融機関等の口座番号、自動車製造業者等へフロン類を引き渡す際に添付した自動車フロン類管理書番号を、自動車製造業者等へ書面により提出することとし、この旨を省令で規定する。
     なお、第二種フロン類回収業者及び自動車製造業者等の実務負担を軽減し、円滑な実務運用を図る上では、請求者(第二種フロン類回収業者)は、氏名又は名称、登録番号、振込金融機関等の口座番号を自動車製造業者等(又は自動車製造業者等の委託先)に予め登録をし、その後は、回収したフロン類に添付して自動車製造業者等に引き渡しを行う自動車フロン類管理書の記載情報によって、回収の都度、費用の請求を行うことなく第二種フロン類回収業者に費用が支払われるようにすることが適当である。
     
  2. <告示>第二種フロン類回収業者に支払う料金の基準【法第57条第1項】
     法第57条第1項の規定により、自動車製造業者等は第二種特定製品に係るフロン類の回収の適正かつ確実な実施を確保する観点から主務大臣が定める基準に従ってフロン類の回収及び運搬に要する費用として第二種フロン類回収業者が請求する料金を定めることとなっているところ、同基準は以下のように整理することが適当ではないか。
     
    [1] 第二種フロン類回収業者が法第38条第2項の回収の基準に従い、能率的にフロン類の回収を行うに当たって、回収を行う者の人件費、回収機等の費用が賄われること。
    [2] 第二種フロン類回収業者が法第39条第3項の運搬の基準に従い、能率的にフロン類の運搬を行うに当たって、必要な運搬費用が賄われること。
     
     以上の考え方に基づき、告示では「フロン類の回収及び運搬を能率的に実施した場合における適正な原価を勘案して定めなければならない」旨定めることとする。
     なお、フロン類回収業者への料金支払は一台毎に管理することになるが、その際には、一台当たり少量の回収しかなされないといった事態を招かないよう、回収量も併せて勘案することが適切である。
     
  3. <省令>第二種フロン類回収業者に支払う料金の公表の方法【法第58条】
     法第58条の規定により自動車製造業者等は、フロン類の回収及び運搬に要する費用として第二種フロン類回収業者が請求する料金を公表することとなっているところ、その公表の方法は、例えば[1]日刊新聞紙に掲載する方法、又は[2]インターネット上に掲載する方法等の適切な方法により行うこととする。
     
  4. <省令>自動車を運行の用に供する者に請求する料金の公表の方法【法第61条】
     法第61条の規定により自動車製造業者等は、フロン類の回収、運搬及び破壊に要する費用として自動車を運行の用に供する者に対し請求する料金について、あらかじめ公表することとなっているが、公表の方法は、例えば[1]日刊新聞紙に掲載する方法、又は[2]インターネット上に掲載する方法等の適切な方法により行うこととする。
     なお、自動車を運行の用に供する者に対し請求する料金は、料金の払込を行う場所や第二種特定製品引取業者の事業所においても、見やすい場所に掲示すること等により自動車を運行の用に供する者に対してわかりやすい形で情報提供されることが適当であり、このような方向での関係者の適切な対応が期待される。

 

その他の規定
 
<省令>自動車製造業者等の委託【法第39条第1項】
 法第39条第1項に定める自動車製造業者等の委託については、家電リサイクル法の例を踏まえ、第二種特定製品が搭載されている自動車の製造又は輸入であって、委託元から当該製品の部品、材料、設計、自己の商標の使用等に関する指示が行われていることとする。