瀬戸内海国立公園(香川県地域)の公園区域及び公園計画の変更案の概要 〈これまでの経緯〉 ・昭和 9年 3月16日 公園区域の指定 ・昭和13年12月17日 特別地域の指定 かんかけい ぞうずさん ・昭和25年 5月18日 寒霞渓周辺,五色台,象頭山地区等の区域拡張 ・昭和31年 5月 1日 有明浜,津田松原地区等の区域拡張 ・昭和32年10月23日 特別地域の追加,保護詳細計画の決定 ・昭和43年 8月23日 五色台地区の区域拡張等 〈公園の概要〉 しわく ひ ・区 域:香川県の瀬戸内海沿岸地域に位置し,東は小豆島から西は塩飽諸島や燧 うちなだ 灘の円上島,股島にいたる島しょ,海域,これに面する四国沿岸部及び 内陸部を区域とする。 ことひらぐう ・景観の特長:塩飽諸島をはじめとする内海多島海景観と屋島,金刀比羅宮などの人文 景観が特長。 ・動 植 物:動物は,ホンドキツネ・ホンドタヌキ・ニホンアナグマ等の中型ほ乳類 と小豆島にはホンシュウジカやホンドザルが生息している。 鳥類は,ウミウ,クロサギなどの海鳥を中心に生息している。 植物は,古くから人々の生活が営まれたことがあり,アカマツ・クロマ ツ等の代償植生が生育するが,島しょ及び社寺境内地等などには本来の 照葉樹が残存する。 特殊な植物としては,島しょにショウドシマレンギョウ・カンカケイニ ラなどの固有種をはじめ,遺存植物といわれるイワシデ林が見られるの が特長。 ・利用形態 :ドライブ,社寺参詣,海水浴,自然探勝を中心に,年間利用者数は 704万人(平成9年)。 〈変更の概要〉 沿岸の大規模な埋立て,瀬戸大橋の開通,公園利用者のニーズの変化等公園を取り巻 く諸情勢の変化をふまえ,公園区域及び公園計画の全般的な見直しを行い,保護の強化 と適正な利用を増進しようとするものである。 1.公園区域の変更 変更前 18,162ha 変更後 18,171ha 公園区域の全般的な見直しに伴い,公園区域の拡張,削除を行う。 (拡張 12ヶ所 102ha, 削除 22ヶ所 142ha) 2.保護計画の変更 特別地域のうち,奇岩や直立岩峰あるいは優れた自然植生が見られる寒霞渓,五剣山, 象頭山,及び利用拠点からの展望対象であり,優れた島しょ景観を有する丸亀島,絹島, 女島,風ノ子島,鎧島等を第1種特別地域として,厳正な保護を図る。 また,千羽ヶ嶽,本島,広島,円上島,股島をはじめとする展望対象,及び主要な利 用拠点である五色台集団施設地区に至る五色台スカイライン沿線などを第2種特別地域 として,良好な自然景観や利用環境の保護を図る。 星ヶ城山南麓などを第3種特別地域として,適正な保護を図る。
*地域地区別面積:単位 ha(%)
特 別 地 域 | 普通地域 | ||||
8,754(48.2) | 9,408 (51.8) |
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特別保護地区 | 第1種特別地域 | 第2種特別地域 | 第3種特別地域 | ||
0(0.0) | 120(0.7) | 6,962(38.3) | 1,672(9.2) | ||
公園区域 18,162(100.0) | |||||
特 別 地 域 | 普通地域 | ||||
9,008(49.5) | 9,163 (50.5) |
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特別保護地区 | 第1種特別地域 | 第2種特別地域 | 第3種特別地域 | ||
0.0 (0.0) | 256(1.4) | 6,835(37.6) | 1,917(10.5) | ||
公園区域 18,171(100.0) |
3.利用計画の変更 内海多島海景観の展望に代表される自然とのふれあいを推進するため,五色台集団施 設地区について当該地域を代表する利用拠点としての機能を充実させることを目的とし て区域の拡張と整備計画を見直しを行う。また,自然にふれあうための拠点となる園地, 宿舎,歩道を計画する等所要の変更を行う。 (1)集団施設地区 ・拡 張 1ヶ所(五色台) ・変 更 2ヶ所(屋島,五色台) ・削 除 2ヶ所(寒霞渓,象頭山) (2)単独施設 ・追 加 32ヶ所(園地26,宿舎1,野営場4,運動場1) ・削 除 31ヶ所(広場6,園地3,宿舎5,野営場3,水泳場10,舟遊場4) (3)道 路 ・追 加 9路線(車道4 歩道5) ・変 更 18路線(車道8 歩道10) ・削 除 12路線(車道2 歩道10) (4)運輸施設 ・削 除 21施設(一般自動車道1 船舶運送施設1 係留施設19) 《瀬戸内海国立公園の位置図》