小笠原国立公園の公園計画の変更に関する
意見の募集(パブリックコメント)について

 小笠原国立公園の公園計画の変更にあたり、これに関する意見を募集します。
 
<小笠原国立公園の概要>
 小笠原国立公園は、東京の南南東約1000kmの太平洋上に浮かぶ亜熱帯の海洋諸島で、昭和47年10月に国立公園に指定された。海食崖、沈水カルスト地形、サンゴ礁等のすぐれた島嶼景観がこの公園の特色となっている。また、これまで大陸と陸続きとなったことのない地理的特性のため東洋のガラパゴスと称され、オガサワラオオコウモリ、メグロ、タコノキ、ヒメツバキ等小笠原固有の動植物が数多く生息し、それら以外にもアオウミガメやザトウクジラの繁殖の場となるなど学術的に貴重な地域となっている。
 
<変更理由>
 近年、父島の南西沖に隣接する南島において、人の立ち入りによる植生及び石灰岩地形の破壊、島外からの動植物の持ち込みによる生態系への顕著な影響がみられる。また、小笠原諸島の属島である聟島列島及び父島列島の無人島では、ノヤギによる食害を主な原因として、植生の破壊と土砂流失が進み、自然景観の破壊、サンゴなど海洋生物及び鳥類への影響が顕著であるなど、小笠原諸島固有の自然景観及び動植物の保全上、緊急かつ重大な課題が生じている。このため、東京都や小笠原村など地元関係者により、南島では実験的な植生回復事業や自主ルールによる利用制限、聟島列島ではノヤギの排除や実験的な植生復元作業が実施されており、今後はこれらの実績を踏まえ、本格的な植生回復事業が必要となっている。以上のような状況を踏まえ、国立公園内の極めて貴重な自然景観の保全を緊急に図るため、保護施設計画として、次のとおり植生復元施設計画を追加する。
 
<植生復元施設計画の追加>
 1) 聟島(聟島列島)
 2) 媒島(聟島列島)
 3) 嫁島(聟島列島)
 4) 西島(父島列島)
 5) 南島(父島列島)


 保護計画
 
 (1)保護施設計画
    保護施設を次のとおり追加する。
  (表1:保護施設表)

番号 種 類 位 置 整備方針 旧計画との関係
植生復元施設  東京都小笠原村(聟島) ノヤギの食害により衰退している自然植生の、保全回復のための施設を整備する。 新規
植生復元施設  東京都小笠原村(媒島) ノヤギの食害により衰退している自然植生の、保全回復のための施設を整備する。 新規
植生復元施設  東京都小笠原村(嫁島) ノヤギの食害により衰退している自然植生の、保全回復のための施設を整備する。 新規
植生復元施設  東京都小笠原村(西島) ノヤギの食害により衰退している自然植生の、保全回復のための施設を整備する。
新規
植生復元施設  東京都小笠原村(南島) かつてのノヤギによる食害や利用者の入り込みにより衰退している自然植生の、保全回復のための施設を整備する。 新規