I 野生生物のダイオキシン類蓄積状況等調査結果について


 ダイオキシン類の野生生物への蓄積状況等を把握するため、平成11年度に続き、鳥類(トビ、カワウ)、海棲哺乳類(オウギハクジラ、スナメリ)及び陸棲哺乳類(アカネズミ、タヌキ)について、ダイオキシン類濃度の実測調査を行った。

 
野生生物における蓄積量について
 鳥類(トビ、カワウ)で、他の生物に比較してダイオキシン類の蓄積量(湿重量あたり)が高い個体が見られた。部位別に比較すると、脂肪における蓄積量が高く、カワウの脂肪からダイオキシン類の高い蓄積量が認められた。哺乳類では、海棲哺乳類(オウギハクジラ、スナメリ)で陸棲哺乳類(アカネズミ、タヌキ)に比較して若干蓄積量が高かった。なお、同一生物内においても蓄積量に大きな個体差が見られた。
 
経年的変化について
 平成10、11年度の調査結果と比較すると、寿命の長い鳥類(トビ、カワウ)や海棲哺乳類(オウギハクジラ、スナメリ)では、ダイオキシン類の蓄積量に有意な変化は認められなかった。しかし、寿命の短いアカネズミでは、平成10年度より有意に蓄積量の減少が認められた。
 
その他
   野生生物におけるダイオキシン類の蓄積とそれによる影響の関係について検討を行うため、影響の指標となる薬物代謝酵素活性等のバイオマーカーを選定するための調査を平成12年度から開始した。
 


 1 調査結果について[PDFファイル 20KB]


 2 平成12年度調査結果のまとめ[PDFファイル 8KB]


 図表[PDFファイル 35KB]