特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収破壊法)施行規則の概要について
 
 
 第1種フロン類回収業者関係
(1) 登録の申請等関係
[1] 登録の申請
 申請者は、申請書(様式第1)に次の書類を添えて、業務を行おうとする区域を管轄する都道府県知事に提出しなければならない。
(法第9条第2項、法第12条第2項、規則第2条関係)
 イ  申請者が個人の場合は、住民票の写し(外国人の場合は、外国人登録証明書の写し)
 申請者が法人の場合は、登記簿の謄本
 フロン類回収設備の所有権を有すること(申請者が所有権を有しない場合には、使用する権原を有すること。)を証する書類
 フロン類回収設備の種類及びその設備の能力を説明する書類
 申請者が欠格事項に該当しないことを説明する書類
 
[2] 登録基準
 フロン類回収設備の種類及び能力が、第1種特定製品からのフロン類の回収を適正かつ確実に実施するに足りるものとして主務省令で定める基準(登録基準)は、次のとおりとする。(法第11条第1項、規則第3条関係)
 申請に係る事業所ごとに、申請書に記載されたフロン類回収設備が使用できること。
 申請書に記載されたフロン類回収設備の種類が、その回収しようとするフロン類の種類に対応するものであること。
 申請に係る第1種特定製品であってフロン類の充てん量が50kg以上のものがある場合には、当該第1種特定製品に係るフロン類の種類に対応するフロン類回収設備が、200g/分以上のフロン類を回収できるものであること。
 
[3] 軽微な変更
 [1]の変更の届出を都道府県知事に行うことを要しない軽微な変更は、フロン類回収設備の能力又は数の変更であって、第1種特定製品の種類、回収しようとするフロン類の種類の変更を伴わないものとする。
(法第13条第1項、規則第4条関係)
 
[4] 変更の届出
 氏名、住所、第1種特定製品の種類、回収しようとするフロンの種類等を変更した場合には、届出書(様式第2)に変更があった事項に関係する書類(変更後の書類)を添えて、都道府県知事に届け出なければならない。
(法第13条第1項、規則第5条関係)
 
 
(2) 回収基準(法第20条第2項、法第67条第1項、規則第6条関係)
[1]  第1種特定製品の冷媒回収口における圧力(絶対圧力)の値が、一定時間が経過した後、次の表に掲げるフロン類の圧力区分に応じ、同表に掲げる圧力以下になるよう吸引すること。ただし、第1種特定製品の整備に際してフロン類の回収を行う場合であって、冷凍サイクルに残留したフロン類が大気中に放出されるおそれがない場合にあっては、この限りでない。
[2]  フロン類及びフロン類の回収方法について十分な知見を有する者が、フロン類の回収を自ら行い又はフロン類の回収に立ち会うこと。
 
 
フロン類の圧力区分 圧力
低圧ガス(常用の温度での圧力が0.3MPa未満のもの)  0.03MPa
高圧ガス(常用の温度での圧力が0.3~2MPa未満であって、フロン類の充てん量が2kg未満のもの)  0.1MPa
高圧ガス(常用の温度での圧力が0.3~2MPa未満であって、フロン類の充てん量が2kg以上のもの)  0.09MPa
高圧ガス(常用の温度での圧力が2MPa以上のもの)  0.1MPa
 

(3) 第1種フロン類回収業者の引渡義務の例外
 第1種フロン類回収業者が回収したフロン類をフロン類破壊業者へ引き渡す義務が免除される場合として、自ら再利用する場合に加え、引き渡したフロン類を再利用する者又はフロン類破壊業者に確実に引き渡す者として都道府県知事が認める者に引き渡す場合とする。(法第21条第1項、規則第7条関係)
 
(4) 運搬基準(法第21条第2項、法第67条第1項、規則第8条関係)
[1]  回収したフロン類の移充てんをみだりに行わないこと。
[2]  フロン類回収容器は、転落、転倒等による衝撃及びバルブ等の損傷による漏えいを防止する措置を講じ、かつ、粗暴な取扱いをしないこと。
 
(5) 回収量の記録等
 第1種フロン類回収業者は、フロン類の回収、再利用又は引渡しを行うごとに、遅滞なく、次に掲げる事項の記録(電磁的方法でも可)を作成し、5年間保存しなければならない。(法第22条第1項、規則第9条、規則第10条関係)
[1]  第1種特定製品が廃棄される場合においてフロン類を回収した年月日、当該回収に係る第1種特定製品廃棄者の氏名又は名称、当該回収に係る第1種特定製品の種類及び台数並びに回収したフロン類の量
[2]  フロン類をフロン類破壊業者に引き渡した年月日、引き渡した相手方の氏名又は名称及び引き渡したフロン類の量
[3]  フロン類を自ら冷媒その他製品の原材料として利用した年月日及びその量又は冷媒その他製品の原材料として利用する者にフロン類を有償若しくは無償で譲渡した年月日、その相手方の氏名若しくは名称及び譲渡したフロン類の量
[4]  フロン類を(3)の都道府県知事が認める者に引き渡す場合において引き渡した年月日、引き渡した相手方の氏名又は名称及び引き渡したフロン類の量
 
(6) 都道府県知事への報告
 第1種フロン類回収業者は、年度終了後45日以内に、前年度(年度は、4月1日から翌年3月31日まで)において回収したフロン類の種類ごとの量等について、所定の報告書(様式第3)により、その業務を行った区域を管轄する都道府県知事まで提出しなければならない。(法第22条第2項、規則第11条関係)
 
(7) 主務大臣への通知
 都道府県知事は、(6)の報告を受けたときは、年度終了後4ヶ月以内に、所定の通知書(様式第4)を環境大臣又は経済産業大臣に2通提出しなければならない。
(法第22条第3項、規則第12条関係)
 
 
フロン類破壊業者関係
(1) 許可の申請等関係
[1] 許可の申請
 申請者は、申請書(様式第5)に次の書類を添えて、環境大臣又は経済産業大臣に2通提出しなければならない。
(法第44条第2項、法第46条第2項、規則第13条関係)
 イ  申請者が個人の場合は、住民票の写し(外国人の場合は、外国人登録証明書の写し)
 申請者が法人の場合は、登記簿の謄本
 フロン類破壊施設の構造を示す図面
 フロン類破壊施設の破壊の能力を説明する書類
 申請書に記載したフロン類破壊施設の使用及び管理の方法を補足する書類
 申請者が欠格事項に該当しないことを説明する書類
 
[2] フロン類破壊施設に係る構造、破壊の能力並びに使用及び管理に関する基準
構造に関する基準
 構造に関する基準は、次の表に掲げるフロン類破壊施設の種類に応じ、同表に掲げる装置を備えていること並びに同表に掲げる装置が申請書に記載されたフロン類破壊施設の使用及び管理の方法を実行できるものであることとする。
(法第45条第1号、規則第14条関係)
  
フロン類破壊施設の種類 装    置
廃棄物混焼法方式施設  イ 燃焼装置
 ロ フロン類供給装置
 ハ 助燃剤供給装置
 ニ 空気供給装置
 ホ 使用及び管理に必要な計測装置
 ヘ 破壊の結果生じた排ガスその他の生成した物質を処理するための装置
セメント・石灰焼成炉  イ 燃焼装置
混入法方式施設  ロ フロン類供給装置
 ハ 助燃剤供給装置
 ニ 使用及び管理に必要な計測装置
 ホ 破壊の結果生じた排ガスその他の生成した物質を処理するための装置
液中燃焼法方式施設  イ 燃焼装置
 ロ フロン類供給装置
 ハ 助燃剤供給装置
 ニ 水蒸気供給装置
 ホ 空気供給装置
 ヘ 使用及び管理に必要な計測装置
 ト 破壊の結果生じた排ガスその他の生成した物質を処理するための装置
プラズマ法方式施設  イ プラズマ反応装置
 ロ フロン類供給装置
 ハ 水蒸気供給装置
 ニ 空気供給装置(必要がある場合に限る。)
 ホ オイルフィルター(必要がある場合に限る。)
 ヘ 使用及び管理に必要な計測装置
 ト 破壊の結果生じた排ガスその他の生成した物質を処理するための装置
触媒法方式施設  イ 触媒反応装置
 ロ フロン類供給装置
 ハ 水蒸気供給装置
 ニ 空気供給装置
 ホ オイルフィルター(必要がある場合に限る。)
 ヘ 使用及び管理に必要な計測装置
 ト 破壊の結果生じた排ガスその他の生成した物質を処理するための装置
過熱蒸気反応法方式施設  イ 反応装置
 ロ フロン類供給装置
 ハ 水蒸気供給装置
 ニ 空気供給装置
 ホ オイルフィルター(必要がある場合に限る。)
 ヘ 使用及び管理に必要な計測装置
 ト 破壊の結果生じた排ガスその他の生成した物質を処理するための装置
その他の方式の施設  主務大臣が適切に破壊を行うために必要と認める装置
 
 
破壊の能力に関する基準
 破壊の能力に関する基準は、フロン類の種類に応じてフロン類を破壊した場合に、次のいずれかを満たすことができることとする。
(法第45条第1号、規則第15条関係)
 フロン類の分解効率が99%以上であり、かつ、排出口から排出されるガス中におけるフロン類の濃度が1ppm以下であること。
 フロン類の分解効率が99.9%以上であり、かつ、排出口から排出されるガス中におけるフロン類の濃度が15ppm以下であること。
 フロン類の分解効率={1-(フロン類の排出量/フロン類の投入量)}×100
 
使用及び管理に関する基準
 使用及び管理に関する基準は、次のとおりとする。
(法第45条第1号、規則第16条関係)
 フロン類破壊施設の種類に応じて、運転方法、フロン類の供給方法及び保守点検の方法が、破壊の能力に関する基準を達成できるよう適正に定められていること。
 運転方法、フロン類の供給方法及び保守点検の方法を遵守するために、フロン類破壊施設の状態を計測装置等により定常的に確認することとされていること。
 排ガス中のフロン類の濃度及び分解効率について年1回以上測定することとされていること。
 フロン類破壊施設の異常を発見した場合に、速やかに対策を講じることとされていること。
 フロン類破壊施設の使用及び管理についての責任者を選任することとされていること。
 
[3] 変更の許可
 破壊しようとするフロンの種類、フロン類破壊施設の種類、数、構造及び能力、使用及び管理の方法を変更しようとする場合には、申請書(様式第5)に変更する事項に関係する書類(変更後の書類)を添えて、環境大臣又は経済産業大臣に2通提出しなければならない。(法第47条第1項、規則第17条関係)
 
[4] 軽微な変更
 [3]の変更の許可を要しない軽微な変更は、破壊しようとするフロン類の種類を減少させるもの、フロン類破壊施設の数の減少であって新たな施設の設置を行わないものとする。(法第47条第1項、規則第18条関係)
 
[5] 変更の届出
 氏名、住所、[4]の軽微な変更に該当する事項等を変更した場合には、届出書(様式第6)を環境大臣又は経済産業大臣に2通提出しなければならない。
(法第47条第3項、規則第19条関係)
 
(2) 破壊の基準
 破壊に関する基準は、提出した「使用及び管理の方法」を遵守してフロン類の破壊を行うこととする。(法第52条第2項、規則第20条関係)
 
(3) 破壊量の記録等
 フロン類破壊業者は、フロン類の引取り又は破壊を行うごとに、遅滞なく、次に掲げる事項の記録(電磁的方法でも可)を作成し、5年間保存しなければならない。 
(法第53条第1項、規則第21条、規則第22条関係)
[1]  フロン類を引き取った年月日及びその量
[2]  フロン類の引取りを求めた第1種フロン類回収業者、自動車製造業等又は都道府県知事が認めた者の氏名又は名称
[3]  フロン類を破壊した年月日及びその量
 
(4) 主務大臣への報告
 フロン類破壊業者は、年度終了後45日以内に、前年度(年度は、4月1日から翌年3月31日まで)において破壊したフロン類の種類ごとの量等を所定の報告書(様式第7)により、環境大臣又は経済産業大臣まで2通提出しなければならない。
(法第53条第3項、規則第23条関係)
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