フロン回収破壊法の施行に向けた考え方 |
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(第二種特定製品(カーエアコン)関係規定の施行に向けて) |
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「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」(以下「法」という。)に基づき、平成14年4月1日から、 | |
・ | 使用済自動車に係るカーエアコンの引取りを業として行おうとする者(第二種特定製品引取業者)の都道府県知事による登録制度 |
・ | 及び使用済自動車に係るカーエアコンに冷媒として充てんされているフロン類を回収することを業として行おうとする者(第二種フロン類回収業者)の都道府県知事による登録制度 |
等が施行されることとなる。 | |
このため、以下のとおり、主としてこれら平成14年4月1日施行部分に関する考え方を整理し、所要の事項を省令等において規定することとする。 また、「平成14年10月31日までの間において政令で定める日」の施行部分のうち、第二種フロン類回収業者のフロン類の回収・運搬基準等については登録制度の実施と合わせて周知することが適当と考えられることから、前倒しで以下のとおり考え方を整理し、所要の事項を省令等において規定する。 |
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第二種特定製品引取業者は、主務省令で定める「登録基準」により都道府県知事による登録を受けることとなる。 このような「登録基準」の策定及び引取業者の実務対応に当たっては、次のように整理することが適切ではないか。 |
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(1) | 第二種特定製品引取業者の登録基準【法27条】(4月1日施行) | ||
引取業者には、使用済自動車に係るカーエアコンを廃棄しようとする者に対し、当該カーエアコンが法に基づき引渡義務を課せられるものであること等について適切に理解を得て、法に基づきフロン類の回収・破壊ルートに乗せることが求められる。 使用済自動車に係るカーエアコンが法の対象となるか否かについては、カーエアコンに冷媒としてフロン類が含まれているかについての確認が前提となる。 このため、カーエアコンに関する十分な知識を背景に適切にフロン類の有無を確認できる体制を備えた事業者について登録が行われるものとし、この旨を省令で規定する。 |
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(2) | 登録の申請手続【法25条】4月1日施行) | ||
上記の登録基準に係る考え方を前提として、申請書には、本人確認のできる書類、カーエアコンに冷媒としてフロン類が含まれているかについて確認できる体制を備えていることを示す書類、法27条に掲げる欠格要件に該当しないことを示す書類を添付することとし、この旨を省令で規定する。 なお、「カーエアコンに冷媒としてフロン類が含まれているかについて確認できる体制を備えていることを示す書類」としては、例えば、 |
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・ | 引取業者が参照するに足る、自動車及びカーエアコンの構造並びにカーエアコンに回収すべきフロン類が残存しているかどうかについて確認する方法を記載した書類 | ||
又は、 | |||
・ | 自動車及びカーエアコンに関する十分な知識を有する者が引取りを実施することを証する書類 | ||
とすることが適切である。 |
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第二種フロン類回収業者は、主務省令で定める「登録基準」により都道府県知事による登録を受け、また、「回収基準」、「運搬基準」に従ってフロン類の回収、運搬を行うこととなる。 このような「登録基準」、「回収基準」、「運搬基準」等の策定及び回収業者の実務対応に当たっては、第一種特定製品(業務用冷凍空調機器)に係る第一種フロン類回収業者の「登録基準」、「回収基準」、「運搬基準」等も踏まえつつ、次のように整理することが適切ではないか。 |
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(1) | 第二種フロン類回収業者の登録基準【法31条】(4月1日施行) | ||
カーエアコンに使用されているフロン類はCFC12又はHFC134aの2種類となる。現在、 | |||
[1] | CFC12の回収機 | ||
[2] | HFC134aの回収機 | ||
[3] | CFC12及びHFC134aの両方に対応した回収機 | ||
により回収が行われており、これらフロン類の種類に応じた抜取りのための能力を備えた回収設備が必要である。 このため、適切なフロン類の回収設備を備えた事業者について登録が行われるものとすべきであり、この旨を省令で規定する。 |
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(2) | 登録の申請手続【法29条】(4月1日施行) | ||
上記の登録基準に係る考え方を前提とし、申請書には、第二種特定製品について回収しようとするフロン類の種類等を明記させるとともに、本人確認のできる書類、フロン類回収設備の能力を示す書類、フロン類回収設備の所有権を有すること又は使用が可能であることを示す書類、法31条に掲げる欠格要件に該当しないことを示す書類を添付させることとし、この旨を省令で規定する。 ※なお、このような登録の実務を円滑化するため、フロン類回収設備の製造・販売事業者には、自らが製造・販売したフロン類回収設備の所有者・使用者に対して、当該設備に係る適切な情報提供を行うことが求められる。 |
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(3) | フロン類の回収に関する基準【法38条2項】(来秋施行) | ||
登録を受けた第二種フロン類回収業者が、その有する設備の適切な能力又は仕様に従って、確実にフロン類を回収することが担保されるような回収基準を設けることが必要である。この際、フロン回収設備の普及状況及びその性能等を踏まえつつ、これらの設備を最大限活用することを基本とする。 具体的には、回収に当たっては、所定の圧力まで抜き取ることを義務づけることとし、所定の圧力は、フロン類の回収の実効性・効率性の観点から「0.10MPa以下」とする。これを担保するため、フロン類の回収作業に当たっては、十分な知見を有する者が回収を実施若しくは立ち会うこととし、これらを省令で規定する。 |
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(4) | フロン類の運搬に関する基準【法39条3項】(来秋施行) | ||
第二種フロン類回収業者が自動車製造業者・自動車輸入事業者にフロン類を引き渡すに当たってのフロン類の運搬に関する基準については、運搬時におけるフロン類の漏洩を防止するために、以下のような要件とし、この旨を省令で規定する。 | |||
・ | 回収したフロン類の移充填(回収容器から他の容器への詰替え)をみだりに行わないこと | ||
・ | 転落や転倒等による漏洩が防止される措置を講じ、かつ粗暴な取扱いをしないこと | ||
なお、回収したフロン類の移充填を「みだりに行わない」とは、移充填に伴い発生する大気放出の可能性を可能な限り少なくするとの趣旨であり、回収・破壊の効率的な実施のため必要な場合などを除いて行わないこととするのが適切である。 |
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(5) | その他 | ||
[1] | 第二種フロン類回収業者の記録に関する事項【法33条2項(法22条1項を準用)】(来秋施行) | ||
回収を行った年月日、回収を行ったフロン類の種類、回収量、引き渡しを受けた第二種特定製品引取業者の氏名等、フロン類を回収したカーエアコンの台数及び当該カーエアコンを搭載した使用済自動車の車台番号等を記録することとする。また、回収したフロン類を、自動車製造業者・自動車輸入事業者に引き渡したとき、自ら再利用を行ったときごとに、その年月日、フロン類の種類、フロン類の量、引渡し先等を記録することとする。さらに、フロン類回収業者が保管しているフロン類の種類、フロン類の量も記録することとする。 |
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[2] | 第二種フロン類回収業者の報告に関する事項【法33条2項(法22条2項を準用)】(来秋施行) | ||
第二種フロン類回収業者は、年度ごと及びフロン類の種類ごとに、紙又は電子媒体で、前年度分の回収量、フロン類を回収したカーエアコンの台数及び当該カーエアコンを搭載した使用済自動車の車台番号等、自動車製造業者・自動車輸入事業者に引き渡した量、自ら再利用した量、保管量等の必要事項を記載した報告書を事業所ごとに登録を受けた都道府県知事あてに提出することとする。 |
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[3] | 都道府県知事による主務大臣への通知【法34条】(来秋施行) | ||
都道府県知事は、環境省又は経済産業省のどちらかに対し、年度ごとに、フロン類の種類ごとに、前年度分の回収量、回収が行われたカーエアコンの台数等、自動車製造業者・自動車輸入事業者に引き渡された量、フロン類回収業者が自ら再利用した量、保管量等の必要事項を記載した通知書を二部提出することとする。 |
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[4] | 第二種回収業者の引渡先の例外に関する事項【法39条1項】(来秋施行) | ||
第二種フロン類回収業者は、自ら再利用する場合を除き、回収したフロン類を破壊するため自動車製造業者・自動車輸入事業者へ引き渡すことが原則である。 「自ら再利用する場合」は、法第21条により「冷媒その他製品の原材料として利用する場合」と「冷媒その他製品の原材料として利用する者に有償又は無償で譲渡し得る状態にする場合」の両方が含まれている。こうしたことから考えると、これらに加えて、引き渡し先の例外を設ける必要は特段ないものと考えられる。 |