表彰団体概要
 
足尾町:栃木県(3,653人 185.79km2
 足尾町は、栃木県最西部、利根川支流の渡良瀬川の最上流部に位置し、周囲を急峻な山に囲まれています。江戸期から銅山とともに栄えた町ですが、明治時代に鉱毒事件が発生し、今もその「負の遺産」を背負っており、「足尾の山を緑に」が町民の切実な望みとなっています。
 アメニティ施策に関しては、平成6年に町全体が環境問題に取り組む「エコミュージアム宣言」を発し、足尾銅山を中心に歴史・文化遺産、自然資源を最大限活用した町づくりを展開しています。具体的には、「足尾に緑を育てる会」や「緑の少年団」によって荒廃した山の緑化活動を地域ぐるみで行っています。また、全町博物館構想の中心施設である「環境学習センター・歴史博物館」においては、町内外の子供たちに環境教育・歴史研究の場を提供しています。
 
三鷹市:東京都(164,476人 16.5km2
 三鷹市は、都心から西へ約18km、東京都のほぼ中央に位置し、23区に隣接する典型的な都心近郊の住宅都市です。
 アメニティ施策に関しては、市内7つのコミュニティ住区ごとに市民が提案したまちづくりのイメージを、市の総合計画の中で「水と緑の回遊ルート整備計画」として体系化し、あらゆる主体の連携による面的整備を目指しています。具体的には、住民協議会と緑化推進団体が連携した「三鷹市市民緑化推進委員会」が地域のリーダーとなり「花いっぱい運動」や緑に関する講演会などを展開しています。また、雑木林や湧水を生かした「丸池の里」やホタルの生息地「大沢の里」では、環境教育や維持管理などにおいて市民の活発な取組が行われています。
 
大野市:福井県(40,036人 539.92km2
 大野市は、福井県の東部に位置し、四方を白山連峰に囲まれた、九頭竜川、真名川などいくつもの川が流れる盆地です。名水「御清水」に代表されるように美しい地下水が豊富な大野市では、市の環境基本計画において「水循環共生都市おおの」という将来に向けた環境像を描いています。
 アメニティ施策に関しては、「自然」の縦糸と「人」の横糸が織りなすハーモニーを基本としています。具体的には、水循環・共生の象徴として「イトヨ」という魚を数多くの市民ボランティアによって保護しています。また、「地下水保全条例」(昭和52年制定)に基づいて、25ヶ所ある観測井のうち13ヶ所については、市民自らが水位観測を行っており、水循環の意識向上に寄与しています。
 
古川町:岐阜県(16,566人 98.11km2
 古川町は、岐阜県飛騨地方の北部に位置し、標高1000m級の山に囲まれ、中心部を宮川が貫流する豊かな自然に囲まれた町です。京文化と江戸文化が融合した独特の伝統文化を持っており、また「飛騨の匠」と呼ばれる大工や彫刻などの伝統技術は現在も継承され、町並みの中に息づいています。
 アメニティ施策に関しては、日常生活の中で歴史・文化の継承を行い、まちの至る所で住民参加の取組を促すことによって、地域における「循環型社会の構築」を目指しています。具体的には、「飛騨古川ふるさと景観条例」(平成8年制定)のもとに、町の助成によって、住民による住宅や樹木の等の保全を促進しています。また、不法投棄防止への取組として、「環境美化監視員」を組織し、住民による監視を郵便局員とも連携して行っています。
 
府中町:広島県(50,676人 10.45km2
 府中町は、県の西南部に位置し、かつては安芸の国府が置かれていたため歴史遺産も多く、北部の丘陵地帯は緑を中心とした豊かな自然環境に恵まれています。
 アメニティ施策に関しては、町の環境基本計画策定時に立ち上げた「e−サロン(環境学習会)」に参加した住民が、その後も地域のリーダーとして、計画の進行管理に大きく貢献しています。具体的には、「五味資源太郎(生ゴミリサイクル)」や「健康にe−仲間(環境にやさしい消費者活動)」といった、環境基本計画のシンボルプロジェクトを企画開催しています。また、都市公園や商店街を舞台にワークショップが行われており、老若男女を問わず、まちをあげて循環型社会に向けて取り組んでいます。
 
矢部町:熊本県(13,067人 296.42km2
 矢部町は、熊本県の中東部に位置し、北を阿蘇の外輪山、南を九州山地の峰に囲まれた自然豊かな町です。また、世界に類例のない水路橋、国指定重要文化財「通潤橋」があります。
 アメニティ施策に関しては、緑川や地下水の水循環、都市と農村の社会経済循環の観点から、広域連携として熊本市と積極的に交流を図りながらまちづくりをすすめています。
 具体的には、平成12年11月に結ばれた「森林整備協定」によって、町有地を熊本市に無償で貸付け、植林・保育を84年間にわたって計画し、維持管理については両住民の交流も期待されています。また、迫田地区では、グリーンツーリズムの一環として、熊本市の子供たちに棚田で農作業を体験してもらい、農村との交流と自然環境学習を図る「棚田オーナー制度」を実施しています。