東アジア酸性雨モニタリングネットワークに関する第3回政府間作業グループ会合


                      1998年10月15日、16日 於:横浜



                 序

1. 東アジア酸性雨モニタリングネットワークに関する第3回政府間作業グループ
会合は、1998年10月15日及び16日に、横浜において開催された。

2. 会合には、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、
ロシア、タイ及びベトナムの代表が参加した。中国の代表は、オブザーバーとし
て会合に参加した。

3. この他、世界気象機関(WMO)の代表が会合に参加した。

4. 参加者リストを別添として添付する。

                 開会

5. 栗原博久環境政務次官が開会の挨拶を行った。栗原政務次官は、本会合の重要
性を強調するとともに、本会合の結果が実りあるものとなることを期待する旨述
べた。

               議長団の選出

6. 議長には吉田裕氏(日本)が選出された。副議長にはスタミハルジャ氏(イン
ドネシア)が、ラポラツールにはローマン氏(フィリピン)が選出された。

                議題の採択

7. 暫定事務局が準備し、事前に回章されていた仮議題が採択された。

          第1回暫定科学諮問グループ会合の結果報告

8. 第1回暫定科学諮問グループ会合の議長団団長を務めたアワン氏(マレーシア)
が、第1回暫定科学諮問グループ会合の結果を報告した。

9. さらに暫定ネットワークセンターが、精度保証・精度管理プログラム、データ報
告手順及び様式及びネットワークの研修プログラムに関する技術的な内容について
補足説明を行った。

10. 会合は、
  (a) 第1回暫定科学諮問グループの会合レポートをレビューした上で、その内容
   を確認した。
  (b) 第1回暫定科学諮問グループ会合が採択した暫定科学諮問グループの任務に
   ついて了承した。
  (c) 第1回暫定科学諮問グループ会合が採択したネットワークの試行稼働期間に
   おける酸性雨モニタリングのための精度保証・精度管理プログラム並びにデー
   タ報告手順及び様式を了承した。
  (d) 第1回暫定科学諮問グループ会合から報告されたネットワークのための研修
   プログラムの内容を確認した。

11. 上記の結論に至る過程で、特に以下の事項について議論が行われた。[NW1]

-    データ報告のスケジュールが厳しすぎないかどうか、すなわち1999年10月と
   いう期限は、参加国が十分な期間にわたるデータを集めるのには時間的に不足
   ではないかという問題提起がなされた。当初のスケジュールについて説明がな
   され、議論が行われた結果、このスケジュールはある程度柔軟なものであるこ
   とを確認した上で、データはネットワーク活動の実施可能性を検討するために
   必要なものであり、データ提出のタイミングは遅らせるべきではないことが合
   意された。

-    会合は、試行稼働活動の内容に関し、意見交換及び最新の情報を得る機会を
   提供するとともに、第2回暫定科学諮問グループ会合の準備を行うため、第2
   回暫定科学諮問グループ会合までの間に、非公式会合を開催すべきであるとい
   う第1回暫定科学諮問グループ会合の提案を了承した。

-    参加国の研修ニーズの把握、このニーズを満たすための研修活動の充実、及
   び参加国の研修能力の向上等に関してなされた第1回暫定科学諮問グループ及
   び第3回作業グループ会合における意見及び助言に従い、暫定ネットワークセ
   ンターを中心に、ネットワークの研修プログラムのさらなる充実に努めるべき
   である。

-    ネットワークの研修活動を今後さらに発展させるために、UNEP等の関連国際
   機関及び参加国からの財政的な貢献を得る可能性を追求するよう努めるべきで
   ある。

-    ネットワーク活動に対し、特に参加国の政府高官及び政策決定者、並びに国
   際社会における認識を高めるべきである。そのため、ワークショップやセミナ
   ーを開催することが考えられる。また、ネットワークの進捗状況に関する情報
   については、エコアジアや環日本海環境協力会議など政府高官が出席する会合
   に報告すべきことが提案された。

-    暫定ネットワークセンターは、暫定科学諮問グループが行う東アジアの酸性
   雨の状況に関する報告書の準備のため、適切な作業を行うべきである。このた
   め、暫定ネットワークセンターに対し、データ報告書を暫定科学諮問グループ
   にできるだけ早く提出するとともに、適切な技術的支援を行うべきであるとい
   う要請がなされた。

        暫定事務局及び暫定ネットワークセンターの活動のレビュー

12. 暫定事務局及び暫定ネットワークセンターから、活動の現状について報告が行わ
  れた。

13. 会合は、これらの活動のレビューを行い、特に暫定事務局及び暫定ネットワーク
  センターに対する指示事項として以下の意見が出された。

-    ネットワーク活動に使用される言語に関して質問がなされ、暫定的に次のル
   ールを適用することが合意された。なお、このルールに関しては、さらに第2
   回政府間会合において検討及び了承される必要がある。

-    文書及び会合における第一言語は英語とする。ただし、会合において自己負
   担で通訳を準備する場合は、会合のホスト国の言語など他の言語を使用するこ
   ともできる。

-    暫定ネットワークセンターは、適切な情報センター機能、総合的な研究機能
   及び技術支援機能を有するべきであることが強調された。このような観点から
   、暫定ネットワークセンターの組織に関し、今後さらに検討がなされるべきで
   ある。

-    暫定ネットワークセンターは、定期的なニュースレター等によりネットワー
   クに関連する情報の普及を図るよう推奨された。

14. 議論の結果、会合は、
(a)   暫定事務局及び暫定ネットワークセンターの活動状況及び今後の計画に関す
   る報告について確認した。
(b)   暫定ネットワークセンターに対し、さらに研修活動及び情報提供を強化する
   ように推奨した。
(c)   暫定事務局及び暫定ネットワークセンターに対し、関連する国際機関及び国
   際プログラムとの情報交換及び調整を継続・強化するよう要請した。

               参加国の活動のレビュー

15. 各参加国の代表は、政府のフォーカルポイント及び国内センターの指定、暫定科
  学諮問グループメンバーの指名、暫定ネットワークセンターに対する既存のモニタ
  リングデータの提出、国内モニタリング計画の策定及び実施、研修活動等の試行稼
  働活動について発表を行った。

16. 会合は、特に以下の点に重点を置いてそれらの活動について検討した。

-    現在までに国内モニタリング計画を策定していない国はその策定作業を推進す
   るよう推奨された。また、参加国は、第1回暫定科学諮問グループで採択され、
   第3回作業グループ会合で了承された精度保証・精度管理プログラムに基づき、
   国内の精度保証・精度管理プログラムを策定する準備を行うよう推奨された。

-    暫定ネットワークセンターに対し、モニタリング地点に関する情報を収集し、
   ネットワークのモニタリング地点の分布図を含め参加国に情報提供を行うよう推
   奨された。

                  その他

17. 議長は、第2回暫定科学諮問グループ会合及び第4回政府間作業グループ会合の
 日程について言及した。インドネシアの代表から、インドネシア政府は上記の会合
 を招致する可能性を検討し、その結果を外交ルートを通じ暫定事務局に通報するこ
 とを提案した。会合はこの提案を歓迎した。

18. 会合は、暫定事務局に対し、参加国と十分協議しながら、会合の時期及び場所
  、仮議題及びタイムテーブル等上記会合の準備及び所要の調整を行うよう要請し
  た。

19. 会合は、暫定事務局及び暫定ネットワークセンターに対し、参加国と十分協議し
  ながら、パラ11で言及された非公式会合の準備及び所要の調整を行うよう要請した。

              会合レポートの検討及び採択

20. 会合は、東アジア酸性雨モニタリングネットワークに関する第3回政府間作業
 グループ会合(1998年10月15日、16日 於:横浜)の会合レポートを採択した。
[NW1]As the sentiment of the IG seemed to be to leave all major decisions
in the hands of the IG and WG, "advice" may seem to some delegates to be too
weak of a word. Consider replacing it with 'direction'.