環境基本計画及び生物多様性国家戦略における湿地保全の位置付け
 
 
環境基本計画(平成12年12月22日閣議決定)
 
第3部 各種環境保全施策の具体的な展開
 
第6節 生物多様性の保全のための取組
 
 4  重点的取組事項
 
(1) 生息地の減少、分断、劣化の防止
 保護地域での保全に関しては、生物多様性保全上重要な地域を特定し、その保護地域化を図ります。また、保護地域間の連携化の検討を進め、これを積極的に推進します。このため、自然環境保全基礎調査をはじめとする各種調査の結果を基に一定の基準を設け、生物多様性保全上重要な地域を特定し、それがどれだけ保護地域とされているのか、また、その管理方法は適当であるのかという観点から、現行の保護地域の制度及び保護地域の設定の再点検を行うことを検討します。
 また、このような保護地域での保全を進めるほか、森林、湿地、農地、都市など様々な生態系において、各種手法による保全のための取組を推進します。特に、森林の連続性、水系などの観点から、生物の生息・生育空間の回復や復元事業を行い、そのネットワーク化を進めます。
 
 
 
生物多様性国家戦略(平成7年10月地球環境保全に関する関係閣僚会議決定)
 
第1節 長期的な目標
 
 2  当面の政策目標
 
 上記の長期的目標の達成に向けた当面の政策目標は、次のとおりとする。 
(1) 我が国に生息・生育する動植物に絶滅のおそれが生じないこと。
(2) 生物多様性の保全上重要な地域が適切に保全されていること。
(3) 生物多様性の構成要素の利用が持続可能な方法で行われていること。
 
第2節 生態系及び自然生息地の保護
 
 2  主要な生態系及び自然生息地の保護
 
(2) 湿地における生態系及び自然生息地の保護
 湖沼、湿原、干潟等の湿地においては、多様な動植物が生息する独特の生態系が形成されており、特に湿地を中継地、渡来地として利用する渡り鳥をはじめとした水鳥類の採餌、繁殖、休息等の場所として、その保護はきわめて重要である。湿地については、人間の生活域周辺に存在し、人間活動の様々な影響を受けていることが多いことから、これらの湿地生態系の特徴を維持することを目的とした保護地域の設定を推進するための施策の展開を図る。また、我が国で開催された第5回ラムサール条約締約国会議での決議を受けて、渡り鳥の渡来地として国際的に重要な湿地のラムサール条約登録湿地としての登録を進めるとともに、その適切な管理に努める。