<参考>環境基準とその評価方法
 
1. 環境基準
 
項  目 環境上の条件
二 酸 化 窒 素 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内またはそれ以下であること。
浮遊粒子状物質 1時間値の1日平均値が0.10mg/m以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m以下であること。
光化学オキシダント 1時間値が0.06ppm以下であること。
二 酸 化 硫 黄 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。
一 酸 化 炭 素 1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。
注)  平成9年2月4日にベンゼン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレン、
 平成11年12月17日にダイオキシン類、平成13年4月20日にジクロロメタンについての大気の汚染に係る環境基準が設定されたが、これらの物質による大気汚染状況につい ては別途取りまとめており、本表からは除いてある。
 
 
2. 評価方法
 
(1) 短期的評価(二酸化窒素を除く)
 測定を行った日についての1時間値の1日平均値若しくは8時間平均値または各1時間値を環境基準と比較して評価を行う。
 
(2) 長期的評価
二酸化窒素
 1年間の測定を通じて得られた1日平均値のうち、低い方から数えて98%目に当たる値(1日平均値の年間98%値)を環境基準と比較して評価を行う。
浮遊粒子状物質、二酸化硫黄及び一酸化炭素
 1年間の測定を通じて得られた1日平均値のうち、高い方から数えて2%の範囲にある測定値を除外した後の最高値(1日平均値の年間2%除外値)を環境基準と比較して評価を行う。
 ただし、上記の評価方法にかかわらず環境基準を超える日が2日以上連続した場合には非達成とする。
 
 
3. 各環境基準設定物質における人の健康や環境に及ぼす影響について
 
[1] 二 酸 化 窒 素 高濃度で呼吸器に影響を及ぼすほか、酸性雨及び光化学オキシダントの原因物質になると言われている。
[2] 浮遊粒子状物質 大気中に長時間滞留し、高濃度で肺や気管などに沈着して呼吸器に影響を及ぼす。
[3] 光化学オキシダント いわゆる光化学スモッグの原因となり、高濃度では粘膜を刺激し、呼吸器への影響を及ぼすほか、農作物など植物への影響も観察されている。
[4] 二 酸 化 硫 黄 高濃度で呼吸器に影響を及ぼすほか、森林や湖沼などに影響を与える酸性雨の原因物質になると言われている。
  [5] 一 酸 化 炭 素 血液中のヘモグロビンと結合して、酸素を運搬する機能を阻害するなどの影響を及ぼすほか、温室効果ガスである大気中のメタンの寿命を長くすることが知られている。