○ |
手法の科学性を追求するあまり、影響があるにも関わらず、手法の採用を先送りにすることは発想の誤りである。予測手法を科学的なモデルに限定するのではなく、問題の深刻さに応じて柔軟に手法を考えていくという姿勢が必要である。 |
○ |
生態系モデルは定量的な予測手法であるが、生物が絡むと相関性が低くなるため、最終的には定性的になってしまうものであり、その採用は難しい。 |
○ |
生態系とは、生産、消費、分解のサイクルがうまくいくかということである。物理化学的な場の条件は基本的に押さえておき、例えば、そこにすんでいる生物たちが生きながらえるか、食物連鎖がうまくいくかといった要点をチェックする必要がある。全ての種を対象とすると何十年かかるかわからないので、例えば、食物連鎖の上位にいる生物について、これを支える生物等との関係で調査等を行ったり、スターになるような動物を代表として上の要点をチェックするといった視点で捉えれば何かできるのではないか。 |
○ |
現在の動物に関するアセスは、確認種リストと、その分布図を作成した後、一足飛びで影響のあるなしを評価しているが、餌を採る場所、繁殖する場所、休む場所等の地域を使う目的とその程度という動きを考慮に入れた上で、評価する必要がある。<2(6){2}d)に再掲> |
○ |
予測手法について、かなり大規模なものについては、一事業者任せではなく、公的機関や研究所が関与すべきかどうかについても検討すべきである。 |
○ |
大気汚染の予測手法について、コンピューターによるシミュレーションや風洞実験があるが、他にも簡易な手法があり、これを取り入れることは可能であることから、既成概念にとらわれず、もう少し幅広に手法が検討される必要がある。 |
○ |
音響学会により提唱されている手法があまりにも厳密に使われ、権威を持ちすぎている。このため適用条件を逸脱して用いられているという問題も生じている。従って、予測のためのいろいろな手法が検討される必要がある。 |
○ |
日本で用いられているWECPNLでは、昼夜の重み付けがなされていること、等価騒音レベルが道路などでも今後使われることを勘案すれば、騒音について少なくとも夜間と昼間との重み付けが必要である。 |
○ |
生物の予測・評価については知見が乏しいことから、過去の事例が最も重要である。過去の事例について、データを蓄積し、入手可能なシステムにする必要がある。それにより、このような知見の乏しい手法のよりどころが示されることとなる。 |
○ |
数値シミュレーションだけでなく、模型実験のように同程度の予測精度を有する実験手法を適用することによる予測が可能であることを念頭におく必要がある。 |
○ |
模型実験を行う場合には、手法の選定に際して、模型の最低限の大きさについて示される必要がある。 |
○ |
景観、人と自然との触れ合いに関する予測・評価の手法については、例えば、シミュレーションやCG(コンピュータグラフィック)などに手法を限定すること自体が問題である。特に総合的な判断が必要な景観の場合には、様々な手法を組み合わるという視点が必要である。 |
○ |
現場での実験を何らかの形で基本的事項の中で示唆できるようにする必要がある。例えば、景観については、色彩が大変重要になってくるが、フォトモンタージュやCGの手法を室内で行うと間違った結果で評価されてしまうことが起こる。技術的な手法のみにとらわれることなく、本来何をアセスしているのかという視点が重要である。
|