資料1

第2回、第3回検討委員会における指摘事項

1. 第二種事業の判定の基準に関する基本的事項
{1} 判定の基準として備えるべき基本的要件
必ずしも明確な基準ではない場合、知事意見に相反する判定が行われる可能性もあることから、判定理由が明確に示されるようにする必要がある。
環境影響の著しいものとして第一種事業は規模で定めることとなっているが、事業の質及び内容により影響が異なるという指摘があることから、一律に規模で決めるのではなく、環境への影響という基本的な考え方から、事業の種類、内容に応じて対象事業の規模が多少変わりうるという裁量が必要である。
判定基準に供される資料の内容は、地域特性や自然的条件等の判定基準に係る問題が抽出できるような内容でなければならない。
第一種事業と第二種事業の限界を決める物差しを同じにするか、「ただし、…。」という形にしないと、一貫性が保たれない。
周辺に工場等があって、そこに新たに立地するような場合における複合影響の問題等については、都道府県知事の意見が十分勘案される必要がある。
判定基準に基づき主務大臣が判定することとなるが、その運用に当たっては、判定が弾力的に行われる必要があり、そのため地元の意見や知事意見を尊重する必要がある。

{2} 事業の内容と地域環境の特性の捉え方
a) 事業の内容の特性
第二種事業の規模については、第一種事業の規模に準ずるものとして定めるということなので、例えば、使用燃料の質が悪い場合は、規模が小さくても環境影響は大きいことになる。
規模が小さくても、例えば、新しいエネルギー源としてのオリマルジョンやIPPの残渣油の利用等は、環境影響に対して未知の要素があったり、技術的対策が困難になる場合が考えられることから、これらを考慮した判定を行う必要がある。
オリマルジョンや廃油については、十分な調査により大気汚染の問題を生ずることなく処理できるという判断がなされている点を考慮する必要がある。
発電所については、第二種事業の判定以前に、スクリーニングで判定を行いやすいように大気、水質等の図表を完備することとし、環境への影響が著しいと認められる場合は、主務省の判断で第二種事業とすることを考えているようだ。
鉄道計画と駅の再開発計画のように密接に関連する事業の場合や、事業実施直後に他の事業が入ってくるように時間的に連続するような場合等も検討する必要がある。
複合影響の観点から、公的な計画、あるいは公的機関が関与する計画において位置づけられている事業による影響について考慮される必要がある。
b) 地域環境の特性
環境上デリケートな所や、総量規制地域等の環境改善のための計画が講じられているような、環境が相当悪化している地域についても考慮すべき。
例えば、火力発電所が隣接することにより大気汚染の複合影響がある地域、逆転層の影響により拡散条件が悪い地域における判定基準については、地域的に広い範囲で考える必要がある。
同じ事業規模、内容であっても、様々な地域特性、社会的条件によって環境影響が異なることから、地域特性等に注目して判定を行うことが重要である。
自然的要件に加えて地域の社会的要件として、学校や病院の存在などによる静穏を必要とする地域という視点もある。